陳腐な表現をすれば、「長いようで短い、短いようで長い」選挙戦であった。
告示日を振り返れば「あっという間の一週間」であったが、それ以前にまで記憶をたどろうとすると、全てのことが、果てしなく遠い日の出来事のようにも思える。
ともあれ、僕には2度目の選挙戦は、昨日で幕を閉じた。

前回は、ただただ、がむしゃらに突き進んだ。
「最低でも200万円は用意しないと出られないよ」とか、「最低でも600人の支持者の顔を思い浮かべられないと当選できないよ」とか、
有難い(?)迷助言を先輩議員からいただいたり、某地元紙の元編集者から「金も組織もなく立候補するのは選挙に対する冒瀆だ」とのお叱りを受けながらも、
何もわからなかった分、蛇に怖じずに、「まあ、なんとかなるだろう」と、あまり不安を抱くことなく選挙に臨むことができた。
44人が立候補し10人が落選するという大乱戦だったことも、落ちても何となく面目が立つような気さえしていた。

今回は違う。
34人の定数に対して36人の立候補だ。2人しか落選しない。
これは凄いプレッシャーだった。

何よりも、僕のこれまでの4年間が評価・判断される選挙なのだ。
議会終了ごとに報告会も開き、一般質問もこなし、修正案・条例案も提出し、いくつかは採択までこぎつけた議員としての僕の仕事に、有権者の皆さんの審判が下されるのだ。

不安で不安でたまらなかった。
土曜の夜は、1週間の選挙運動を終え、くたくたになって布団にはいったものの、夜明け前には目を覚ましてしまい、そのあとはずーっと眠られなかった。
4年に一度、このような不安な日々を過ごさなければならないなんて、これほど過酷な仕事は他にあるだろうか?
(いやいや、毎月資金繰りに追われた本屋の経営もそれはそれは過酷であった・・・)

そして今、その結果が明らかになった。
僕の4年間に対して、市民の皆さんがはっきりと判断を示して下さったのだ。
このことは、しっかりと胸に刻んでいかなければならない。
何はともあれ、これまで応援して下さった皆様一人一人に、心から「有難うございました」と伝えたい。
明日から、僕の新しいステップがはじまる。いつでもどこでも一生懸命頑張って、皆様に必ず恩返しをしたい。

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尊敬する作家の一人である泡坂妻夫氏が、直木賞か何かの候補となったときに、選考されてもされなくてもどちらでもいいようなあいさつ文を発表の前日に予め書いておいた、という氏のエッセイを以前読んだことがある。
上の文章は、それを真似て、日曜日の午後にしたためてみたのだが、なかなかプロの作家のようにはいかなかった。
選挙結果についての詳細は、明日以降、ちゃんと書きます。