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以下の文章は2011年7月2日に書いたものをコピーして掲載しています
近頃本が売れないという。情報を得るのにパソコンを使ったり、電子書籍が普及してくると益々本が売れなくなってしまう。出版社の体力がなくなるので、あまり売れない良質の専門書など作る余裕がなくなってくる。そして本をかく人のレベルも下がってくる悪循環がうまれる。
よい本はそう出版されるものではないので、少し勉強し始めると、古書のお世話になる。本は絶版になると評価がわかる。よい本は収蔵者が売ったりしないので、市場にあまり出ないから価格が上がる。我が家にはあまり稀観本はないが、一行でもためになった本は処分できず、雑誌なども含めると私の分が10000冊、妻の分が5000冊くらいの蔵書がある。
私の家は農家であり、家に本はほとんど無かった。高校で書道を始めると、知識を得るために本を買うようになった。最初に教わった先生が、西川寧先生の門人だったので、よく書道の勉強をしていた。その影響なのであろうか。篆刻の知識は、二玄社『書道講座・篆刻編』(350円)と安藤更生訳『中国の印章』(1000円)で得た。また『日本の篆刻』も持っていた。高校卒の初任給が15000円の時代に一冊3500円の本を買ってくれた親には今も感謝している。
大学は九段坂上にあり、坂を下れば神田古書店街である。下宿は早稲田の戸塚町で、早稲田大学から近かったせいか古書店がたくさんあった。毎日のように本屋をのぞく生活は四年間続いた。
保多先生のところには18歳の半ばから通うようになった。書斎にはたくさんの蔵書があり、印譜も含め全ての本を自由に見せてくれた。先生は文房四宝や印材などはたいしたものがなく、生活費のほかはほとんど本代に当てていたようである。この姿を近くで見ていると私も自然に本を買うようになった。
大学を卒業しても二年間アルバイト生活をしていた私を見かねたのか、中国文学科主任教授で、図書館長を兼務する石川梅次郎先生が、お茶の家元である 「大日本茶道学会」 の付属出版社を紹介してくれた。しかしここを五ヶ月間で退職し、真言宗全派の最高の位にいた 「真言宗長者」平林宥高大僧正の寺に居候することになったので、石川先生の自宅に挨拶に伺った。
石川先生の家は、玄関を入ったところから本が積み上げられ、先生の仕事をする机の傍に3-4人が座れるスペースがやっと取れるだけで、家中本が山積みになっていた。聞けば20000冊はあるという。小さな学校図書館並みの蔵書である。まさに 「家は書を買うが為に貧し」 の生活をしていた。先生は図書館長をしていた時も、大学の本は一切みず、読みたい本は全て自分で買っていたそうである。
私も若いうちこのような先生方に接してきたので、少ない稼ぎの中から本代を工面して少しずつ買ってきた。ただ私の場合は、読書が苦手なのと、旅行代や印材代、工具や趣味代などに少ない稼ぎが分散されてしまうので、高価な本はあまり買えなかった。
我が家にはガラクタがあふれ、無理して買った古書もあちこちに埋もれている。書庫(3坪)と自宅(75坪)、それと駐車場(120坪)に置いてある大きなコンテナ2基に本はバラバラに置いてある。息子は自衛官、娘は言語学者、孫はハーフの赤ん坊(キャンベラ在住)。私の集めた本を使う者は身内に誰もいないので、そろそろ整理して、有効に使ってくれる人に譲ることも考えなければ・・・
よい本は、知識を得られるだけでなく、所蔵しているだけで心を豊かにしてくれる。
筆 筒 (東梨房蔵)
東梨房に咲く花 ミニトマトの花
以上の文章は2011年7月2日に書いたものをコピーして掲載しています。
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以下の文章は2012年7月2日に書いたものをコピーして掲載しています
文房四宝などに関する本は、やはり本場(産地)に行った方が種類も多く入手しやすい。5月末に福州の専門書店で買った本が先週末に東梨房に届いた。寿山石に関する本が多いが、同じ本は北京瑠璃廠にある書店にはほとんどなかった。以下が今回福州で買った本である。
書籍名 発行年 出版社 発行部数 ページ数
寿山石雕大図解 人物鈕雕 2010年 福建美術出版社 5000部 40頁
寿山石雕大図解 動物圓雕 2010年 福建美術出版社 5000部 40頁
寿山石雕大図解 微雕 2010年 福建美術出版社 5000部 40頁
寿山石雕大図解 古曽圓雕 2010年 福建美術出版社 5000部 40頁
寿山石雕大図解 篆刻 2010年 福建美術出版社 5000部 40頁
中国寿山石 薄意百図 2011年 福建美術出版社 3000部 110頁
中国寿山石 博古百図 2011年 福建美術出版社 3000部 110頁
寿山石印鈕 人物 2005年 福建美術出版社 5000部 61頁
寿山石印鈕 動物 2005年 福建美術出版社 5000部 61頁
寿山石印鈕 薄意 2005年 福建美術出版社 5000部 93頁
寿山石賞識 高山石 2002年 福建美術出版社 5000部 56頁
寿山石賞識 荔枝洞石 2002年 福建美術出版社 14000部 6版 56頁
寿山石賞識 坑頭石 2002年 福建美術出版社 14000部 6版 56頁
寿山石印鈕芸術 2007年 福建美術出版社 3000部 122頁
中国名石原石鑑賞 寿山石 2009年 福建美術出版社 8000部 2版 46頁
寿山石文玩鈕飾 2007年 栄寶齋出版社 3000部 194頁
寿山石 雑誌 2010年 第5期 NO 27 128頁
寿山石 雑誌 2011年 第4期 NO 32 112頁
慧眼識宝 青田石 2009年 福建美術出版社 5000部 92頁
慧眼識宝 鶏血石 2009年 福建美術出版社 5000部 92頁
中国画鈐印答問 2011年 天津人民美術出版社 2500部 150頁
中華尚品 雑誌 2008年 NO.2 108頁
当代篆刻 2008年 河南美術出版社 1800部 336頁
篆刻 学與用 2009年 江西美術出版社 8000部 2版 84頁
印章章法分類(修訂本) 2006年 天津人民美術出版社 6500部 2版 194頁
古璽印菁華 2006年 河南美術出版社 3000部 244頁
古璽印考略 2010年 紫禁城出版社 1000部 410頁
硯與中国文房諸宝 2001年 河南美術出版社 5000部 77頁
福州東方書画社三十年 図録
篆刻常用反字字典 2005年 西泠印社出版社 36000部
7版 605頁
今回福州で買った本は30冊だが、近来中国の出版物は印刷もよく、種類も多く毎回買っていたら大変なので、この頃は買うのを控えている。
今週は台湾に行くので、重慶南路の本屋街を見て歩く予定である。週末頃には北京で買った本が届くことだろう。今回は五部ずつ買ったので、四部は同好の士に譲るつもりである。いずれこのブログで紹介します。
東梨房になっている杏 と オニ柚子
以上の文章は2012年7月2日に書いたものをコピーして掲載しています。
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2022年7月2日
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一日一刻 彭不去 【篆刻】
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近頃本が売れないという。情報を得るのにパソコンを使ったり、電子書籍が普及してくると益々本が売れなくなってしまう。出版社の体力がなくなるので、あまり売れない良質の専門書など作る余裕がなくなってくる。そして本をかく人のレベルも下がってくる悪循環がうまれる。
よい本はそう出版されるものではないので、少し勉強し始めると、古書のお世話になる。本は絶版になると評価がわかる。よい本は収蔵者が売ったりしないので、市場にあまり出ないから価格が上がる。我が家にはあまり稀観本はないが、一行でもためになった本は処分できず、雑誌なども含めると私の分が10000冊、妻の分が5000冊くらいの蔵書がある。
私の家は農家であり、家に本はほとんど無かった。高校で書道を始めると、知識を得るために本を買うようになった。最初に教わった先生が、西川寧先生の門人だったので、よく書道の勉強をしていた。その影響なのであろうか。篆刻の知識は、二玄社『書道講座・篆刻編』(350円)と安藤更生訳『中国の印章』(1000円)で得た。また『日本の篆刻』も持っていた。高校卒の初任給が15000円の時代に一冊3500円の本を買ってくれた親には今も感謝している。
大学は九段坂上にあり、坂を下れば神田古書店街である。下宿は早稲田の戸塚町で、早稲田大学から近かったせいか古書店がたくさんあった。毎日のように本屋をのぞく生活は四年間続いた。
保多先生のところには18歳の半ばから通うようになった。書斎にはたくさんの蔵書があり、印譜も含め全ての本を自由に見せてくれた。先生は文房四宝や印材などはたいしたものがなく、生活費のほかはほとんど本代に当てていたようである。この姿を近くで見ていると私も自然に本を買うようになった。
大学を卒業しても二年間アルバイト生活をしていた私を見かねたのか、中国文学科主任教授で、図書館長を兼務する石川梅次郎先生が、お茶の家元である 「大日本茶道学会」 の付属出版社を紹介してくれた。しかしここを五ヶ月間で退職し、真言宗全派の最高の位にいた 「真言宗長者」平林宥高大僧正の寺に居候することになったので、石川先生の自宅に挨拶に伺った。
石川先生の家は、玄関を入ったところから本が積み上げられ、先生の仕事をする机の傍に3-4人が座れるスペースがやっと取れるだけで、家中本が山積みになっていた。聞けば20000冊はあるという。小さな学校図書館並みの蔵書である。まさに 「家は書を買うが為に貧し」 の生活をしていた。先生は図書館長をしていた時も、大学の本は一切みず、読みたい本は全て自分で買っていたそうである。
私も若いうちこのような先生方に接してきたので、少ない稼ぎの中から本代を工面して少しずつ買ってきた。ただ私の場合は、読書が苦手なのと、旅行代や印材代、工具や趣味代などに少ない稼ぎが分散されてしまうので、高価な本はあまり買えなかった。
我が家にはガラクタがあふれ、無理して買った古書もあちこちに埋もれている。書庫(3坪)と自宅(75坪)、それと駐車場(120坪)に置いてある大きなコンテナ2基に本はバラバラに置いてある。息子は自衛官、娘は言語学者、孫はハーフの赤ん坊(キャンベラ在住)。私の集めた本を使う者は身内に誰もいないので、そろそろ整理して、有効に使ってくれる人に譲ることも考えなければ・・・
よい本は、知識を得られるだけでなく、所蔵しているだけで心を豊かにしてくれる。
筆 筒 (東梨房蔵)
東梨房に咲く花 ミニトマトの花
以上の文章は2011年7月2日に書いたものをコピーして掲載しています。
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以下の文章は2012年7月2日に書いたものをコピーして掲載しています
文房四宝などに関する本は、やはり本場(産地)に行った方が種類も多く入手しやすい。5月末に福州の専門書店で買った本が先週末に東梨房に届いた。寿山石に関する本が多いが、同じ本は北京瑠璃廠にある書店にはほとんどなかった。以下が今回福州で買った本である。
書籍名 発行年 出版社 発行部数 ページ数
寿山石雕大図解 人物鈕雕 2010年 福建美術出版社 5000部 40頁
寿山石雕大図解 動物圓雕 2010年 福建美術出版社 5000部 40頁
寿山石雕大図解 微雕 2010年 福建美術出版社 5000部 40頁
寿山石雕大図解 古曽圓雕 2010年 福建美術出版社 5000部 40頁
寿山石雕大図解 篆刻 2010年 福建美術出版社 5000部 40頁
中国寿山石 薄意百図 2011年 福建美術出版社 3000部 110頁
中国寿山石 博古百図 2011年 福建美術出版社 3000部 110頁
寿山石印鈕 人物 2005年 福建美術出版社 5000部 61頁
寿山石印鈕 動物 2005年 福建美術出版社 5000部 61頁
寿山石印鈕 薄意 2005年 福建美術出版社 5000部 93頁
寿山石賞識 高山石 2002年 福建美術出版社 5000部 56頁
寿山石賞識 荔枝洞石 2002年 福建美術出版社 14000部 6版 56頁
寿山石賞識 坑頭石 2002年 福建美術出版社 14000部 6版 56頁
寿山石印鈕芸術 2007年 福建美術出版社 3000部 122頁
中国名石原石鑑賞 寿山石 2009年 福建美術出版社 8000部 2版 46頁
寿山石文玩鈕飾 2007年 栄寶齋出版社 3000部 194頁
寿山石 雑誌 2010年 第5期 NO 27 128頁
寿山石 雑誌 2011年 第4期 NO 32 112頁
慧眼識宝 青田石 2009年 福建美術出版社 5000部 92頁
慧眼識宝 鶏血石 2009年 福建美術出版社 5000部 92頁
中国画鈐印答問 2011年 天津人民美術出版社 2500部 150頁
中華尚品 雑誌 2008年 NO.2 108頁
当代篆刻 2008年 河南美術出版社 1800部 336頁
篆刻 学與用 2009年 江西美術出版社 8000部 2版 84頁
印章章法分類(修訂本) 2006年 天津人民美術出版社 6500部 2版 194頁
古璽印菁華 2006年 河南美術出版社 3000部 244頁
古璽印考略 2010年 紫禁城出版社 1000部 410頁
硯與中国文房諸宝 2001年 河南美術出版社 5000部 77頁
福州東方書画社三十年 図録
篆刻常用反字字典 2005年 西泠印社出版社 36000部
7版 605頁
今回福州で買った本は30冊だが、近来中国の出版物は印刷もよく、種類も多く毎回買っていたら大変なので、この頃は買うのを控えている。
今週は台湾に行くので、重慶南路の本屋街を見て歩く予定である。週末頃には北京で買った本が届くことだろう。今回は五部ずつ買ったので、四部は同好の士に譲るつもりである。いずれこのブログで紹介します。
東梨房になっている杏 と オニ柚子
以上の文章は2012年7月2日に書いたものをコピーして掲載しています。
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2022年7月2日
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一日一刻 彭不去 【篆刻】
一日一作 今城昭二 【書】も毎日掲載しています。見てください。
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