今子青佳

2017年12月

来年へ向けて。
目標・指針となる布石をここに置いておきます。

私は何かをやろうとした時、考えてからでないと書けないようです。
直前はガッと書くけれど、それまでの構想はず―――っと考えています。
その構想を考えるための知識や道具が私には重要です。
だから勉強から入らないといけないようです。
その、準備を今しています。

 

面白いものごとがたくさんある。
今まで知らなかったことがどんどん入ってきて、日常生活が違うものに見えてきます。
生きている世界が、奇跡的で、偶然のようで、
でも必然のようで、愛おしくなるのと同時に消えてしまえ、とも思います。
どっちもあります。

 

言葉があるから私たちはものごとを認識できます。
また、認識するために言葉を使います。言葉が先か、認識が先か。
これは解明されていませんが、どちらにしても、この世は言葉で出来ていることに違いはありません。

思考と音をつなぐものが、言葉だという見方もあるようです。真理かはわかりません。
そうすると、思考と音は個別で成り立つことはできるでしょうか。
抽象として成り立つかもしれませんね。

 

「ことばを書くもの」=書 
だと私は思っています。
だから、この二つの論理、書にしか出来ない芸術だと思うのです。
文字の芸術作品はタイポグラフィーなど書以外にもありますが、
抽象的な思考と音は創り出せない。
先日の二人展で「ことば」でないシリーズを発表しましたが、
ここに繋がるのではと考えています。
文字でなくてもいい。

ことばを書く芸術が書であると信じて、私は書き続けます。

年の瀬です。
今年1年を表わす言葉は「芽」。

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硬筆も立派な書です。実は。でも硬筆は苦手です。

少しずつ、少しずつ、歩き出せた1年でした。たくさんの助けがあって、いろんなひとに助けてもらいました。有難い。字のごとく、本当に有難いことでした。

やっと自分の進むべき道が見えてきた気がします。

最初に瀬戸さんの言葉にであったことが大きかったと思います。短歌の世界でこんなにも自分として生きていらっしゃる方の言葉は、心に深く響きました。言葉が人を包んで、掴んで、傷つけて、救ってくれるんだと教えてもらいました。そんな女性の言葉を書けたこと、お会いできたこと、対談できたことは特別な出来事でした。そのきっかけを、一番最初に作って下さった金原瑞人先生に、誰よりも感謝しています。
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今まで多くの本を読んできて、多くの言葉に出会って、それが今の私の「書きたいこと」に繋がっています。限られた時間の中で、どれだけの人の言葉を、どれだけの表現で書けるんだろう。果てしなくて、全てを書くことができないから、今目の前にある言葉に向き合って、全力で書き続けます。

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(下3枚写真:alice_me)
 

来年の予定はコラボが建築(什器)と音楽です。コラボは文字でない言葉で書きたいなと思っていますが…どうなるでしょう。お楽しみに。

個展は3月の表参道と夏場に富山で行います。とっても楽しみ。3月のテーマは「桜」。ギャラリーではなくカフェで行いますので、綺麗な春らしい作品です。

富山では富山に住んでいらっしゃる「オカサトシ」さんの詩を書きます。知り合いがほぼおりませんが、果敢に攻めていきます。もしこのブログを読んでくださっている方の中にお近くの方がいらっしゃったら、ぜひぜひ!お越しください。お声掛けください。

大忙しになりそうだけれど、どれも全力で考えて、全力で書こう。

 

今年の「芽」を来年「双葉」あたりにしたいなぁ…

来年も今子青佳をどうぞよろしくお願い致します。

映像制作のお手伝いをさせて頂きました!

my Japan Award2017の「わたしのまちの、あるもの探し」のテーマで
南相馬市の映像の一部で字を書きました。




「ウラヤマしいほどウマのマチ」

CSC南相馬市コース

my japan award2017出品作品

企画・撮影・編集:岸本拓之
ロゴ:今子青佳(書家)
声の出演:影山あやの

制作協力:民宿いちばん星、南相馬市役所のみなさま、南相馬市民のみなさま



最後の最後に出てくる白抜きの字です。

南相馬市の野馬追、本当にかっこいいです。
行かれる時はぜひ。

アルパカもなんて可愛いんでしょう。

パンダよりも馬とアルパカ。
 

前職の先輩へのプレゼント。

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(写真撮るのうまくなりたいなぁ)

今、私は図書館で働いています。
週5日の昼間、区立図書館で働きながら作品を作っています。
明日も仕事。寝ないと。

以前は建築会社の営業をしていました。

この作品はその時に一緒に働いていた先輩からの依頼です。

どうも50万円を払われたらしいのです。未来の自分のために。
そんな自分に、心が折れてしまいそう、という状況下で
自分を奮い立たせるための言葉を目の前に置いておくために
今回依頼が来ました。

この「対価」は、どう形を変えて現前するでしょうか。 

最後は今回一緒に企画した冨岡の言葉。

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ことば:
あの時引き裂いた光の片方を左の睫毛に写して

 

「光の片方」という部分は、左半分だけ書いています。

これを1枚書いて、濃度を変えてコピーしました。名前の部分だけ1枚1枚書いています。

書道の作品は基本的にオリジナルで、コピーはあまりありません。
和紙にコピーすることもほぼありません。
たまにグッズになったりポストカードになることもありますが。これは絵画と違う部分です。

「ポストカードにしないんですか?」と言われることがありますが、やはりオリジナルにこだわっています。
ネット販売をしないのも、その場で、その作品を見てもらって、
いいと思ったものを購入して頂きたいからです。
だから、あらたな試みで、コピーだけれどオリジナル、の作品を作ってみました。

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展示の仕方も中心を抜かしたのは、本物がないから。
周辺の作品はコピーだけどオリジナル、というその統一感のあるようでない要素を
縦を揃えたり、横を揃えたり、少しずらしたり、展示の仕方でも示しました。


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ことば:
体温超える目の動き振り絞るような痛み空間は空く

 

二人展の表題です。意味は分りません笑

ことばは縦書きにして、作品自体は横向きにしました。
だから印はこの向き。文字の向きが違っていてもいいのではないかなと思っています。

前半は、心電図のようにしました。最後は切れてしまう。
体温でないベクトルで超えるといいなと思って。
「空間は空く」というのは「腰痛が痛い」のような重複にも感じますが
これで完結しているように思いました。
空間は「間」。
だから空いている必要性がある。
自然に丸く空くように書きました。

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ことば:
不動の価値観の断面図正しく剥がれる

 

剥がれる感じを薄いぺらぺらの紙に書きました。
基本的に書道作品は「裏打ち」や「表装」ということをして、作品が痛まないようにします。
そうすると、どうしても書いた紙以上の分厚さになってしまってどしっとした感じになります。
作品、という雰囲気がより出ることは出るのですが、ことばによっては合わない場合があります。
これもまさにそれ。書いたままの方がよかった。
ちなみに、私は額を選ぶセンスがないので、購入して下さった方へは裏打ちのみしてお贈りしています。飾られる場所やその方の好みにアレンジしてもらいたいと思っています。
ですが、希望があれば額に入れてお渡ししますので、気軽におっしゃってください。

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ことば:

触れ合った雲の影

反射して踏み越える

交互に泳ぐ白のふち


今回の展覧会の展示は、仕事の関係もあって、冨岡が先に設置してくれました。
写真を先に飾っていって、その隙間に書を埋めて行く感じ。
モノクロの濃淡や目線、動線を考えて飾りましたが、写真との関係性はあまり考えませんでした。
作品自体も当日見せ合うくらいの制作過程だったので、お互い完全に任せきっていました。
だから写真と書の関係はないんですけれど、お客さんからよく「二人の作品がリンクしてるね」と言われました。
根本が似ているから、寄るものなのでしょうか。

この作品は唯一、展示の時に近しい(であろう)内容の写真の近くに置きました。

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見えないかもしれない。左端です。


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なぜか、お互い作品の焦点が左に寄っている。
共通点があるのかもしれません。
それより何より、冨岡の作品は抜群にかっこいいです。
惚れ惚れしてしまう。

言葉も今回いきなり書いてほしい、とお願いしたのですが、すぐに書いてくれました。
彼女曰く、こういった短い言葉は「一発ギャグ」だそう。
もし本当にギャグなら、こんなにセンスのいいギャグは彼女にしか書けません。

彼女は「映像作家・写真家」ですが、きっと変わって行くと思います。
手段を選ばないというか、なんでもやれる人というか。
こんな女性と一緒に展覧会を開けたことを心から誇りに思います。

周りの人に驚かれますが、喧嘩や言い合いや、疎ましいと思うことは一度もありませんでした。
彼女の中ではあったのかもしれませんが…だとしたらごめんね。
二人展は共同作業なので大変だと聞きますが、彼女のおかげで全て、本当に全てうまくいきました。

彼女に敬意と感謝を込めて。
ありがとう。

ご来場下さった皆様、これからも冨岡と私をどうぞよろしくお願い致します。
 

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(設営途中での撮影のためぼろぼろで薄ら笑いです。)

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