今子青佳

2020年02月

新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止としてさまざまな機関が対策を行っていますが、私が普段勤めている図書館も期間を設けてイベントを中止したり、サービスを中止したりしています。この休止の内容が、私にとっては信じられないものでした。以下、サービス内容の引用です。


<中止するサービス>
資料の閲覧、閲覧席の利用、資料の複写、対面での調べもの相談(レファレンス)、利用者用インターネットパソコンでの閲覧、視聴覚資料の試聴、会議室の利用、対面朗読室

<提供するサービス>
開館時間:通常通り、予約した資料の受け取り、資料の返却、資料検索(館内OPACによるセルフ方式・WebOPAC)、新規利用登録、館内の立ち入り(カウンター・館内OPAC周辺のみ)


有り得ないのは「対面での調べもの相談(レファレンス)」が中止するサービスの中に入っていること。都内ではいくつか似たようなサービスの提供に制限しています。(※電話では相談に応じることになっています)つまり、図書館内にいる時間をなるべく短時間にするために、目の前で相談に乗ることはできません、ということです。
 
誰でも(この言葉も難しい表現ですが)利用できる図書館で、一人の利用者が情報を求めていることに答えてはいけない状態を作っているのです。図書館はただの書庫ではないと思うし、予約資料の受け渡し場所でもないと思いますが、その状態になってしまいます。
もちろん保存機能も大切ですが、「情報提供の機能」が一番大切だと私は考えています。それは私一人の考えではなくて、図書館の理念としてもあります。大学で司書資格を取得する際にも「情報学」の枠に入れられることも多くあります。 それほど、「図書館」と「情報」は密接に関わっているのです。

そんな中で、このレファレンスサービスを中止した図書館は、情報提供の機能を欠損した状態です。 

新型コロナウイルスの実態、予防、現状を知ることが、今一番必要なことなのに、それを閉じてしまうなんて、逆行していると思います。

この状態の図書館では新聞を読むことはできません。インターネットも使うことはできません。できるだけ平等に多くの人に情報を提供する場が図書館であるのに、弱い立場の人に対してより情報を開示できない形になってしまっています。電話でのレファレンスサービスは応じています、とお伝えしても、電話を引いていない家はどうするのでしょう。新聞も取っていないかもしれません。 図書館の新聞を読むことで情報を得ている人もいるかもしれません。いろんな立場が考えられますが、考えられないくらい困窮している人もきっといると思います。

「図書館の自由に関する宣言」という文書が1979年に改訂され、その最初の言葉を私はとても気に入っています。

「図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することももっとも重要な任務とする。」

この先には、もっと熱い言葉がたくさん続いていきます。(例:図書館は、権力の介入または社会的圧力に左右されることなく、自らの責任にもとづき、図書館間の相互協力をふくむ図書館の総力をあげて、収集した資料と整備された施設を国民の利用に供するものである。)
この文書が果たして時代遅れなのか、時代錯誤なのかわかりませんが、怖いくらいの純粋な美しさがあるなと思っています。

ひとりの図書館員が伝えたところで変わりませんが、世の中がおかしくなっているひとつの目線を残しておこうと思います。

明日から、サービス休止の状態。利用者のみなさま、ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い致します。

1月18日(土)@アンスティチュフランセのパフォーマンス。

Angélique Collinと行いました。


EuReF5CA

176AACD5-D7F9-465D-90BC-C749C6A4539A


『ウェン王子とトラ』をもとに朗読と書を書きました。
Angéliqueの読み聞かせは本当に素晴らしかったです。フランス語だから、ではなくて、彼女自身の思いが言葉を超えて伝わってきます。
彼女はこのアンスティチュフランセの講師です。


dZiB9X0Q

今年も参加させて頂けたことに心より感謝しています。スタッフのみなさま、お越しくださったみなさま、ありがとうございました。


1579358718118


このページのトップヘ