今子青佳

2020年05月

図書館で所蔵したがるロングセラーについて。

私は、ロングセラーだから、とか、広く読まれてきた本だから、とかいった理由で図書館にその本があるのをいいことだなとは思いません。なぜなら、その本を子どもたちが読みたいと思っているとは限らないから。たいてい、「ロングセラー」っていう時点で大人が子どもに読ませたい本が多いから。

子どもが読みたい本と、大人が読ませたい本は違うことが多い気がします。アニメみたいな、マンガみたいな本とか。いわゆる「くだらない本」とか。図鑑も素敵な本だと思うけど、おうちの人は「ちゃんとした読みもの」を読んでほしいとかね。

「子どもは、読みたい本がわからない」とも言うけれど、そんなことないですよ、たぶん。「本なんて興味ない」という子はもちろんいます。いない方が怖い。そういう子は、本は必要ないんだから。無理に読ませようとしても、きっと読まない気がします。本なんて別に読まなくても死なないんだし。でも、「この絵は好きかも」とか「この心理テストウケる」とかはあるかも。そんな子たちに「読んでもらいたい本ベスト」なんて、その子たちにとってはどうでもいい。

「スマホがない時代に育った子どもと、ある時代に育った子どもは違う」と言った人がいました。
「時代が違っていても、子どもの成長はそこまで変わらない」と言った人もいました。

どちらが正しいのでしょうか。


どちらも私は納得しました。でも、そことは違う観点もあると思います。

ある本を、目の前の子どもたちに読んで聞かせる機会があったとして、その本のことを大好きな人に読んでもらったとき、大人も子どもも、「いい本だなぁ」と思います。そういった場面はたくさん見て来ました。テクニックとかではなくて、経験でもなくて、拙い読みかただけれど、伝わる。

だから、ロングセラーだからとかじゃなくて、新しいからとかじゃなくて、人気作家だからじゃなくて、その本をどれだけ好きかということなんだと思います。これは図書館だけじゃなくて、書店だけでもなくて、だれかにこの本を教えてあげたい、という時点のおはなし。

「一人よがりで本を押しつけてはいけない」ことはわかりますが、それを超えて、「いや、やっぱりいいんだよ!」と思える本を、大切な人に薦められたら、きっとその本のいいところがその人と違っても、伝わると思います。

Facebookで大切な友人から7日間ブックチャレンジというリレーのバトンをもらいました。

7日間ブックカバーチャレンジとは…
「読書文化の普及に貢献するためのチャレンジです。参加方法は、好きな本を1日1冊、7日間投稿するというもの。本についての説明なしに表紙だけの画像をアップして、毎日1人のFB友達を招待してこのチャレンジに参加してもらいます。○○さんにチャレンジのチケットを1枚プレゼントします」

ってことらしいんですが、リレーもなんだかよくわからないので、私は「紹介する本を贈りたい人」をテーマにすることにしました。それを7日間やりきったので、ここでも。 

1冊目。
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『リズムがみえる』
絵ミシェルウッド 文トヨミアイガス 
訳金原瑞人 監修ピーターバラカン(サウザンブックス社)

2冊目。
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 『本当は記号になってしまいたい』
斉藤倫

3冊目。
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 『歩道橋の魔術師』
著呉明益 訳天野健太郎
(白水社)

4冊目。
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 『空白を満たしなさい』
平野啓一郎(講談社)


5冊目。
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『風のよりどころ』
長田真作(国書刊行会)


6冊目。
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『詩集工都』(松本圭二セレクション)
松本圭二(航思社)
 

最後、7冊目。
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『幸福論』
著ラッセル 訳安藤貞雄(岩波書店)

誰に贈ったかはこちら。 

こういう企画は苦手ですが、大切な友人が素敵な言葉で私を紹介してくれたこともあって、ちょっとルールを変えて、楽しんでやってみたいなと思って参加しました。今自宅でできるいろんな取り組みがありますが、どれも、自分や近くの人が楽しんで見れたり参加できれば、もうそれで十分なんじゃないかなと思います。
世の中がどうとか、隣のあの人がどうとかより、誰にもどうしようもないんだから今自分ができそうなことをできたらいいなと思っています。だから私は今家族と一緒に夜更かししたり、たくさん話をしたり、自分達の時間を大切にしたり、本当に日々の生活を大事にしています。 

「もう少し頑張りましょう」って言葉は、先が見えなくて好きではありませんが、そう言う人も、私にはわからない複雑な思いがあると思うので、私は人と会わないことを選びます。人当たり悪く思われるかもしれませんが、ごめんなさい。

この企画ではタイトル的に誰にも贈れなかったけど、大切な本がこれです。

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『哲学者たちの死に方』
著サイモン・クリッチリー 訳杉本隆久・國領佳樹
(河出書房新社)

本当かどうかはわからない人の死に方もたくさんあります。笑いすぎて死んだ、とかね。そんな馬鹿なと思うけれど。でもどの人も、今は生きていない人たち。いつかの時代に「今」生きていた人たち。そう考えると、私も頑張って生きなきゃいけないなと思います。

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