図書館で所蔵したがるロングセラーについて。

私は、ロングセラーだから、とか、広く読まれてきた本だから、とかいった理由で図書館にその本があるのをいいことだなとは思いません。なぜなら、その本を子どもたちが読みたいと思っているとは限らないから。たいてい、「ロングセラー」っていう時点で大人が子どもに読ませたい本が多いから。

子どもが読みたい本と、大人が読ませたい本は違うことが多い気がします。アニメみたいな、マンガみたいな本とか。いわゆる「くだらない本」とか。図鑑も素敵な本だと思うけど、おうちの人は「ちゃんとした読みもの」を読んでほしいとかね。

「子どもは、読みたい本がわからない」とも言うけれど、そんなことないですよ、たぶん。「本なんて興味ない」という子はもちろんいます。いない方が怖い。そういう子は、本は必要ないんだから。無理に読ませようとしても、きっと読まない気がします。本なんて別に読まなくても死なないんだし。でも、「この絵は好きかも」とか「この心理テストウケる」とかはあるかも。そんな子たちに「読んでもらいたい本ベスト」なんて、その子たちにとってはどうでもいい。

「スマホがない時代に育った子どもと、ある時代に育った子どもは違う」と言った人がいました。
「時代が違っていても、子どもの成長はそこまで変わらない」と言った人もいました。

どちらが正しいのでしょうか。


どちらも私は納得しました。でも、そことは違う観点もあると思います。

ある本を、目の前の子どもたちに読んで聞かせる機会があったとして、その本のことを大好きな人に読んでもらったとき、大人も子どもも、「いい本だなぁ」と思います。そういった場面はたくさん見て来ました。テクニックとかではなくて、経験でもなくて、拙い読みかただけれど、伝わる。

だから、ロングセラーだからとかじゃなくて、新しいからとかじゃなくて、人気作家だからじゃなくて、その本をどれだけ好きかということなんだと思います。これは図書館だけじゃなくて、書店だけでもなくて、だれかにこの本を教えてあげたい、という時点のおはなし。

「一人よがりで本を押しつけてはいけない」ことはわかりますが、それを超えて、「いや、やっぱりいいんだよ!」と思える本を、大切な人に薦められたら、きっとその本のいいところがその人と違っても、伝わると思います。