ものづくり企業の実践開発マーケティング+プラス

ものづくりの開発マーケティング専門コンサルティングアイマーケ代表の石川憲昭のブログです。ものづくり企業の商品開発、事業開発について、マーケティング視点、現場視点を+プラスして発信します。

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商品開発・管理学会第30回全国大会が、8月31日、京都大学で開催されました。

統一論題テーマは:ロボット、ものづくりネットワークです。

基調講演は
京都大学工学研究科 松野文俊教授とJOHNAN株式会社山本光世代表取締役社長が登壇し、松野教授は「ロボット革命の気配」について、ロボットの起源や発展経過、現在のビジネス用途、そして今後の動向を解説下さいました。
また、山本社長は、JOHNAN株式会社の新規事業展開や京都ものづくりバレー構想の概要と、今後の取組みについて話されました。
お二人のお話は、日本のものづくり産業は、厳しい環境に置かれているのは間違いありませんが、決して悲観する状況ではなく、まだまだ世界をリードする力を持っていることを再認識させるような興味深いテーマで、わくわくする内容でした。


統一論題・自由論題報告では、私も「ものづくり中小企業の新市場展開を目指した新商品開発」をテーマに発表しました。(おかげさまで、優秀発表賞を受賞しました!)


ものづくり中小企業の新事業への取組み意欲は高く、新商品を投入し新分野の開拓を試みる企業が多く見られようになっていますが、現実には、新事業展開がうまくいかず中止・撤退する企業も少なくありません。
新市場は外からみると魅力的ですが、現実には、不確実性が高い市場であり、新商品を開発し事業化を図るのは容易なことではありません。

今回の発表では
S. サラスバシが提示した、成功した起業家の研究から導き出された考え方、行動原理「エフェクチュエーション(Effectuation)」が、自社の技術を出発点として新商品を新市場に展開にするにあたり有効であるとの仮説の基、商品開発の実務においては、エフェクチュエーションとSTPマーケティングを最適化し商品開発プロセスに組込むことで、効果を発揮することを提言しました。


(商品開発における、エフェクチュエーションとSTPマーケティングの関係は下図のようなイメージです。)

図1エフェクチュエーション


これを実践するには、エフェクチュエーションとSTPマーケティングを併用するための
フレームや指標が求められますが、この点については、今後ブログでもお伝えしたいと思います。



*エフェクチュエーションの 5つの行動原則は前回のブログでも書きましたが
1) 手持ちの鳥の原則
2) 許容可能な損失の原則
3)クレイジーキルトの原則
4)レモネードの原則
5)飛行中のパイロットの原則
です。

これからの商品開発の鍵は「エフェクチュエーション」です。

「エフェクチュエーション Effectuation」はアメリカの学者サラス・ サラスバシーが提示した成功した起業家の研究から導き出された行動原理で、日本語では”実行論”と訳されています。
日本語版『エフェクチュエーション:市場創造の実効理論』(加護野忠男 監訳,高瀬進・吉田満梨訳)が出版されたのは2015年で、エフェクチュエーションは比較的新しい概念ですが、ビジネスでも、既に話題にのぼるようになっています。
これは、エフェクチュエーションのエッセンスである「5つの行動原則」が実務で効果を発揮すると感じる人が多いからでしょう。

以下が5つの行動原則です。(いかにもアメリカっぽい表現ですね。。)

1)手中の鳥の原則
目的を達成するために効果的な方法を発見するのではなく、
今ある経営資源を最大限活かせることを考える。
まず行動!


2)許容可能な損失の原則
最適な戦略を選びリターンを最大化するというような思考ではなく
はじめから「いくらまでなら損してよいか」決めておく。
損切りの決断!

3)クレイジーキルトの原則
可能な所から実行し、そのプロセスで生まれた協力者の特長や強みを柔軟に組み合わせ
そこから新しいものを創造する。
走りながら成長あるのみ!

4)レモネードの原則
「すっぱいレモンをつかまされたら、レモネードを作れ」の格言のように
想定外の事も逆境と悲観せず、逆手にとって利用する。
転んでもただでは起きない!

5)飛行中のパイロットの原則
不確実な未来における予測可能な側面に焦点をあてるのではなく
予想できない未来の中のコントロール可能な側面に焦点を合わせ,パイロットのように、常に注意と活動を怠らない。
事業機会をたぐり寄せるのはその場そのときの人間! 

以上が5つの行動原則です。
確かに私も回りでも、バイタリティ旺盛にビジネスに取組む方々は、この行動原則に基づく言動が多いように感じます。

「エフェクチュエーションによる戦略は、未来が予測不能で、目的が不明瞭で、環境が人間の行為によって変化する場合に有効である。」とサラスバシ-は話しています。
まさに、新規事業開発や新商品開発はそのようなケースばかりです。

起業家のみならず、経営者や組織のリーダも、エフェクチュエーションの行動原則を
ビジネスにとりいれることが必要なのではないでしょうか。

昨日は広島でした。

公益財団法人ひろしま産業振興機構が推進する、
ものづくり企業のネットワーク「ヤマトプロジェクト」の会合に出席するためです。
ヤマトプロジェクトは、広島県の中小ものづくり企業の共同受注グループで、
ものづくりに対する熱い志と技術にすぐれた企業ばかりです。
ヤマトプロジェクト HP 
今回、私は、パネルディスカッションのモデレータとして参加し、導入部分で、合成(二つ以上のものを合わせて一つの状態にする)が重要で新しい合成(Xエックス合成)への挑戦を提案しました。

一番目は、「マーケティング×デザイン」です。
論理的に市場を把握し分析、価値提供の方法論を言語化するマーケティングと顧客を深く理解し新しいものを創造する「デザイン」を“合成”し、あえて“正解を追わず”新しい何かを創り出すことにチャレンジすることが現状打破の第一歩だと考えます。

二番目は「先端技術×職人技」です。
ものづくり中小企業の得意とする職人や現場の経験・勘を切り捨てるのではなく、また頼りきるのでもなく先端技術と職人技を“合成”し中小企業ならではの技を磨く。現場の重要性が再認識されている、今こそチャンスとなるのです。

そして三番目は「ハード×サービス」です。
従来のように。サービスはハードを売るための手段という枠に入れず、ハードとサービスを”合成”しユーザーの利便性やワクワク感を高める情報や知識をハードに組込むなどして、価値を高め、他社に真似され難いNEWハードを創る。そのような志向が大切なのではないでしょうか。

その後の懇親会でも、意見や感想を聞くことができ中身の濃い出張となりました。
ヤマトプロジェクト頑張ってほしいです。

2018年がスタートしました。

社会の変化はますます早く、激しくなっています。
昨年、キーワードとして”スモールマーケティング”を掲げました。つまりシンプルでコンパクトなマーケティング活動をスピーディーに進めて行くことでした。


今年のキーワードは”合成(synthetic)”としたいと思います。
合成には「二つ以上のものを合わせて一つの状態にすること」という意味があります。
よく似た言葉で、結合(合わさって一つになること)や融合(とけあって一つのものになること)そして少しニュアンスが違いますが、連携(一つの目的のために一緒に物事をすること)など、ビジネスで聞き慣れた言葉があります。

なぜ、ビジネスであまり使われない”合成”をキーワードにしたのかというと、合成には躍動感があるからです。
たとえば、化学合成(chemical synthesis)を例にとると、
化学合成は、物質と物質を幾度となく化学反応させ新しい化合物をつくります。化学反応プロセスは、目的の化合物ができるまで何度も繰り返されます。面白いのは、この過程で思いがけない化学反応が起こり新化合物が生まれ、それが商品になることがある点です。
反応させる物質の組み合わせなど条件を変えることで、アウトプットが変わり、時には思いがけない結果を得ることができるダイナミズムが合成にはあります。

合成はビジネスに応用できます。
デジタルとアナログ、論理と感性、バーチャルとリアル、などの対極的な文字が躍る混沌としたビジネスの現場で、私達は、日々様々な局面で果敢な意志決定が求められます。その時に、白黒付けて岐路を選択するのではなく、重要な要素を”合成”し新たな路を切り拓くことが必要なのです。



本年もどうぞよろしくお願いします。

「京都でマーケティングをデザインするという事」公開講演&交流会 (12月12日)

私が所属しているきょうとマーケティング研究会のイベントのご案内です。


時代とともに変化するマーケティング。きょうとマーケティング研究会は、マーケティングの精神と力を活かし“京都だからできる事”“京都らしい物”について考え・語り合い、京都ならではの“ほんまもん”を生み出すきっかけづくりの場として公開講演&交流会を開催します。

基調講演には、京都大学経営管理大学院長 若林靖永教授をお迎えし
「京都企業が進化するマーケティングをどのようにとらえ経営に活かしていくべきか」ご講演いただきます。
また交流会は、来春公開予定のオール京都ロケの青春映画「神さまの轍」の脚本家・監督 作道雄氏をゲストに招き、食事をしながらクロストークを行います。マーケティングに関心と期待を持つ方の参加をお待ちしています。

開催概要
日時:12月12日(火) 17:00-20:00(受付:16:30)
場所:フォーチュンガーデン京都 京都市中京区一之船入町386−2
近代建築の巨匠武田五一氏設計の島津製作所旧本社ビル跡(地下鉄「京都市役所前」16番出口より徒歩2分)

定員: 50名

会費: 8,500円(テーブル着席 食事付き)

主催:京都産業創造交流クラブ きょうとマーケティング研究会
きょうとマーケティング研究会は(公財)京都産業21が運営する京都産業創造交流クラブ(KIIC)に属する異業種企業集団です。

プログラム
17:00 開会
□基調講演「京都でマーケティングをデザインするという事」
講師 若 林 靖 永 氏 
京都大学経営管理大学院長/京都大学大学院経済学研究科教授
主な経歴
京都市商業振興アドバイザリー会議議長
京都市伝統産業活性化推進審議会会長
京都市観光振興審議会 委員(2014年)
商品開発・管理学会前会長
NPO法人教育のためのTOC日本支部理事長
日本マーケティング学会 理事

18:20 □きょうとマーケティング研究会活動紹介
2017年度テーマ「きょうとマーケティングをデザインする」

18:30
□懇親交流会 
ゲスト 作道 雄 氏 映画監督・脚本家・プロデューサー 
1990年大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。
大学在学中に劇団「月面クロワッサン」を旗揚げし脚本と演出を務める。
大学卒業後制作会社「クリエイティブスタジオゲツクロ」を設立。
KBS京都でのドラマ製作を経て今に至る。
主な作品 
映画「マザーレイク」第57回ズリーン国際映画祭正式招待作品 脚本
映画「神さまの轍-checkpoint of the life-」監督・脚本・プロデュース
テレビドラマ「おしえて!家電の神様」脚本
ラジオドラマ「西村雅彦のドラマチックな課外授業」脚本
20:00 閉会

申込み・お問い合わせ
申込みはメールにて(E-mail support@ki21.jp)
会社名、参加者氏名、連絡先TEL・E-mail記入の上送信下さい.
申込み締切り12月4日
お問い合わせ:公益財団法人京都産業21商業・サービス支援部 担当:浦出・坪内
TEL 075-315-9090 E-mail support@ki21.jp

イベント詳細 https://www.ki21.jp/kiic/marken_open-reikai.pdf

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