ものづくり企業の実践開発マーケティング+プラス

ものづくりの開発マーケティング専門コンサルティングアイマーケ代表の石川憲昭のブログです。ものづくり企業の商品開発、事業開発について、マーケティング視点、現場視点を+プラスして発信します。

カテゴリ : エネルギ環境レポート

「ふくらまし志向」で環境ビジネスを進める 

これまで「ふくらまし志向」を用いた環境ビジネスの進め方を述べてきました。

以上まとめますと、環境ビジネスを成功に導くには、

・公共需要と民間需要の特性を十分把握し、自社のビジネスフィールドをふくらませて市場を探索し分野を設定し、自社の保有技術の転用や強化によりシステムやサービスへの対応も検討項目として参入機会を見出す。

・ターゲットとする顧客には機能的価値だけでなく感性価値にまで価値をふくらませた商品の提供を目指す。

・商品を具現化するためには技術のふくらましに挑戦する、そのためには、独自の技術開発にこだわらず周囲との協力関係の構築を積極的にすすめ企業連携により魅力ある商品の創造に取り組む。

日本全体が閉塞感から脱却できない今こそ、守りの縮み志向ではなく、市場に打って出る「ふくらまし志向」を持ち環境ビジネスを興していくことが必要です。

私達の地球を守り人々の生活を豊かにする。そのためにも、地域に密着した中小企業が環境ビジネスを成功させることは社会の要請と受け止めなくてはなりません。



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周囲との協力関係を築き商品力を高める(2)

周囲の関係者との協力関係を築く方法について例をあげて説明しましょう。

NPO‐EEネットは、平成16年に設立し、産業クラスター計画「近畿エネルギー・環境高度化推進プロジェクト」の推進機関として発足したNPOです。
現在は産業クラスターの役割を終え独自の活動として、新エネルギー環境ビジネスを推進できる人材養成スクールやセミナーの開催、また、地域主体のスマートコミュニティの研究会など活動の幅を広げています。

筆者はNPO-EEネットの運営にかかわっていますが、これまでEEネットでの環境商品の創出の手順はおよそ次のようなものでした。

1.ネットワークの形成とメンバー間の交流

2.参画メンバーの力量向上

3.メンバー会員が主体となったビジネステーマの設定

4.テーマに関心のあるメンバーによるグループの形成

5.具体的な新商品開発テーマの設定、特定連携体の形成

6.新商品開発

また、NPO-EEネットと緊密な関係にある兵庫県中小企業家同友会の会員を中心として組織化されたNPO-ワット神戸では、環境ビジネスに関心を持つ企業が小型風力発電や太陽電池等商品別にグループを組成し研究をすすめユニークかつ魅力的な商品を創出し事業化の道を歩み始めています。

特に小型風力発電「風の妖精 サンシルフィー・ワット」や携帯型太陽光発電装置「イーポット」は市場から高い評価を得ています。

こうした連携体による商品開発では企業のノウハウだけでなく技術アドバイザーや事業コーディネータが不可欠です。

NPO-EEネットやワット神戸にはプロジェクトに共感をえた大企業のOBなどのサポーターが数多く集っている点も特色です。このように企業連携による商品開発への取組みは、1社では出来なかった商品の開発を具現化する有効な手法となります。まさに手持ち技術のふくらましとなるのです。


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周囲との協力関係を築き商品力を高める(1)

顧客が求める価値を提供するには、商品を具現化しないことには始まりません。
しかしながら、中小企業は社内にそれを実現するための技術はわずかしかありません。

その打開策として自社への新技術の取り込み、人材の育成など、リソースを補強すると同時に、他企業や大学・公設試験研究機関など外部の資源を活用し機能を補完したり強化したりする手だてが必要です。

中小企業が環境ビジネスで事業を拡大していくためには、周囲との協力関係を築き連携体で商品開発を進めていくことを検討すべきです。

連携体構築の手順は、商品開発の段階により異なります。

既に、具体的に開発する商品イメージが明確で、その具現化のために最適な連携体の構築を目指すのであれば、自社に足りない技術を求めることで実現します。
こうした活動に対しては、行政も積極的に後押ししていて、経済産業省が推進する新連携支援事業での認定件数は環境商品にかぎりませんが、全国規模では762件(平成23年10月現在)にのぼっています。
 
一方、まだ、新商品にチャレンジするという意欲は高いものの新商品のイメージは漠然としており商品開発にいたっていないという場合もあります。

こうしたステージでも、意欲のある企業同志がグループをつくり皆で勉強会からスタートし、その後、具体的な新商品テーマの探索をしていくという方法もあります。



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感性価値に注目する(2)

環境ビジネスでは、商品にこめられた想いや志を伝えていく努力が強く求められます。
その時のポイントは、顧客の経験や体験に配慮し、顧客が商品を手にすることにより得られる、感覚や心情さらには商品との特別な関わり方などに目をくばることです。

最近注目をあびているスマートコミュニティなどは、人々の新しいライフスタイルの提起に他なりません。
ここで人々の共感を得るには地域に密着した生活者目線が不可欠です。
これは地元に根差した事業を営んでいる中小企業にこそチャンスがあることを意味しているのです。
顧客が商品やサービスに求めるものは商品に込められた価値です。

私達が環境ビジネスを進める時には商品性能など機能的な価値にのみ目を向けず、顧客のハートにまで思いやり感性価値の創造にまで価値をふくらませていく努力が求められます。


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感性価値に注目する(1)

顧客が商品に求める価値は、一つとは限らないなかで、今後、環境商品で求められる価値が感性価値です。

感性価値とはユーザの感性に働きかけ感動や共感を得ることによって顕在化する価値です。
言い換えれば、作り手と使い手が目に見えない絆で結ばれた中で、ユーザがそれを感じ創り出す価値といえるでしょう。
環境商品だけでなく多くの商品が環境への配慮や制約が求められます。
その場合、環境に配慮した商品とそうでない商品では価格に差が生じることがままあります。
それでも、若干の制約を受けながらも地球環境に気を配り豊かさを感じ得る生活に価値観を持つ人々が、環境に配慮した商品を選ぶ流れになってきています。



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商品の提供する価値を明確化する

「商品」とはニーズや欲求を満たすことができる提供物ですので顧客が求める価値を創造しなくてはなりません。
太陽光発電の価値について考えてみましょう。太陽光発電の基本的な価値は「電気エネルギーの供給」ですから、
「電効率が高い」、「曇りの日でも発電する」という性能が重要です。

しかしながら、消費者の「地球環境に貢献している実感を得たい」という欲求を満たすことを考慮すれば「見やすい発電モニター」も重要な要素です。
さらに設置の省スペース化や省工数や長耐用年数も重要です。
また、ハードの側面だけでなくユーザの電力使用条件や設置環境に応じた「太陽電池機器のアドバイス」などシステムインテグレータの役割が高まります。
さらに、電力の買い取り制度の普及や非常用電力利用などの観点から、蓄電池を組み合わせたシステム化対応なども商品価値向上の役割をはたしていくものと思われます。

価値を明確にするには、顧客を知り、顧客目線での価値を見つけ出す行為が求められます。
そのためには、机上での調査や作業にとどまらず、市場にでて自分の目で確認し体感することが不可欠です。



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ビジネスは顧客に支持されてはじめて成り立ちます.
そのため、顧客は誰かを規定することが必要です。

環境ビジネスをお考えの方に役立つ情報と思われるのが三菱総合研究所の調査レポート「ライフスタイルにもとづく消費者のセグメンテーションと環境意識・価値評価に関する調査研究」です。

インターネット調査をもとに、消費者のライフスタイルや属性より環境商品の種類や特性ごとのターゲットの選定や商品イメージの分析をおこなっています。

どちらかというとB2C商品が主体で、2008年の調査で調査実施後、時間が若干経過していますが、今後の環境商品創造にも十分役立つデータです。

詳細は三菱総合研究所のHPをご覧ください。
資料はPDFで閲覧できます。 PDF資料 




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環境ビジネス推進の3要素「市場」「技術」「商品」

どんなビジネスでも「市場」「技術」「商品」の3つの要素を抜きにして推進することはできません。
すなわち顧客(市場)に向け自社の資源(技術)を活用しモノやサービス(商品)を供給していくことでビジネスが成立します。
この3つの要素を最適に構成し、つなぐ活動が商品開発であり事業開発なのです。

前回、自社の「市場」「技術」「商品」の足元から事業をふくらませていくことが重要だと述べましたが私はこの事業展開を「ふくらまし志向」と呼んでいます。

これまで環境ビジネスにチャレンジして成功に至らなかった企業は、この3要素が充分確立していなかったと言わざるを得ません。
環境ビジネスが頓挫する多くのケースは、学術的には優れた技術で特許も数多く取得しているものの、その技術を活かせる用途や市場が見えていない「技術志向アプローチ」です。
新エネルギー関連でも燃料電池や新型太陽電池、バイオマス発電分野などで注目技術は多数ありますが、先端技術を組み込んだ商品にもかかわらず既存商品に比較して顕著な優位性をマーケットで発揮できず、結局、割高な商品というレッテルを貼られてしまいヒット商品には育たない事例は少なくありません。

業界の中で最適な位置取りをする。

「ふくらまし志向」を用いて環境ビジネスを進めていくにはどうすれば良いのでしょうか。
環境ビジネスはすそ野が広く業界も多岐にわたります、しかも新産業が次々に出てくるなど流動的なため、自動車業界など従来の基幹産業のように業界構造が明確になっていません。
これは、他社に先駆けて対象とする業界の構造を描くことで、業界の全体像を把握し戦略的に自社の位置取りを決めることができる、ということを意味しています。
エネルギー産業の業界構造を例にすると、エネルギー産業はインフラビジネスであり典型的な規制産業のため国の政策に大きく影響されてきました。
しかしながら、今後は規制緩和が進み業界の構造も変化すると考えられます。

再生可能エネルギー固定価格買取制度は新たなビジネスチャンスとなりすでにいろんな動きがでてきています。
まさに、これまで無かった産業が創出してくるのです。

最適な位置取りを検討するための、もう一つの視点は商品を分類することです。
環境産業の場合、従来はエネルギー機器や環境装置などハード(モノ)が主体の業界でした。
それもコンポーネント(単体)で取引されるケースが多かったといえるでしょう。

しかしながら、今後、自然エネルギー利用の普及が進み、分散型エネルギーシステムなどの実用化が増加してくると、エネルギー使用者への、エネルギー診断や省エネアドバイス、などのサービス(コト)が拡大しますし、省エネ機器とエネルギー測定機器をネットワーク化するなどのシステム化が進んでいくことが想定できます。

今後の環境ビジネスは公共需要から民間需要へシフトしさらにハード商品をコンポーネントとして取引するだけでなくソフトやサービスのビジネスやシステム化された商品の取引の比率が高まっていきます。

このような業界の特徴やトレンドを把握したうえで、現状の自社のビジネスフィールドの周辺に参入機会がないか、また、保有している技術を転用したり強化することでシステム化やサービス化への参入機会が見いだせないか、というように常に市場を「ふくらませて」探索していくことが重要です。



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日本をはじめ世界経済の先行きが不透明な状況の中で、
環境産業はわが国の成長分野として位置付けられています。
とりわけ省エネや新エネは、日本経済を牽引していく産業として期待が高まっています。

そして大企業から中小企業まで、いたるところで新たなビジネス機会の発見に取り組んでいます。
しかしながら環境ビジネス特有の構造を理解せずやみくもに事業開発をすすめても成功にはいたりません。
魅力的に思われる環境ビジネスも、アプローチや取組み方を誤るとビジネス化は至難の業となってしまいます。

これまでさまざまな企業や団体とともに環境ビジネスに関わってきました。
そうした経験と商品・事業開発に密接に関係する開発マーケティングの観点から
環境ビジネスの成功と失敗の分岐点を挙げると次の三点が考えられます。


・業界の中で最適な位置取りをしているか。

・商品の提供価値が明確になっているか。

・周囲との協力関係を築いているか。

大切なのは、自社が置かれた状況を無視して新天地にあたかも落下傘で投下するように出ていくのではなく、本業をしっかりと運営しながら自社の強みを最大限に活用し新商品・新事業の開発を具現化することです。

まず、自社の「市場」「技術」「商品」の足元から事業をふくらませていくことが求められます。

これからシリーズで環境ビジネスについて考えていきたいと思います。

環境省のホームページで環境経済情報ポータルサイトがあります。
これは、環境と経済に関する情報を体系的に提供することを目的としています。

サイト URL http://www.env.go.jp/policy/keizai_portal/B_industry/index.html


その中に、環境成長エンジン報告書が掲載されています。
180ページに及ぶレポートですが、環境ビジネスに取り組む際には有益な情報です。
構成は、、環境産業の市場規模推移の把握、特徴的な産業分野の分析、環境関連ビジネスに取り組む企業分析と「環境への取り組みをエンジンとした経済成長へ向けて」としてまとめています。

成長エンジンは供給側、需要側両面から検討が加えられています。
そのなかで政策として需要側への働きかけは以下の4点です。
1)規制・標準化
2)製品・サービスへの補助・税制
3)情報的支援
4)公共調達支援

私はこの中でも、3)の情報的支援が最も重要だと考えます。需要側の意識や態度変化を促すのは
正確で適格な情報提供が不可欠であるからです。
この点における深堀することは、民間においてはビジネス化のチャンスが多く存在しています。

環境成長先人報告書は コチラ

日本政策金融公庫が中小企業の環境エネルギー産業をテーマとした論文を掲載しています。

太陽電池、風力発電業界および機器の解説、さらには中小企業の参入事例を
わかりやすく、丁寧に記述しており、これから新規事業を検討する企業は、必読です。

下記URLにて確認できます。
タイトル
「環境・新エネルギー産業における中小企業の役割と参入の特徴」
 −太陽電池・風力発電機関連産業等の事例研究− (PDF)
著者 日本政策金融公庫総合研究所上席主任研究員 海上 泰生氏

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