技術マーケティング+プラス

技術マーケティンに関わり30余年。仕事・生活、その時々の出来事を感じたままに書いています。

カテゴリ: 研究開発 製品開発

関西圏の緊急事態宣言が解除されました。

新型コロナウイルスの影響で人々の意識、行動、生活スタイルが変容しています。
今は正に変換点、現下の困難を乗り越え変化に対応すべくリスタートの時。

先の予測が困難で変化が激しい時代は、自社の資源を棚卸し、出来る事からはじめ実践によりマーケットで学習し力をつけ前に進む、現場主義、スピード重視の経営が必要です。

今こそ、 サラスバシーのエフェクチュエーションの行動原則を活かす時。
エフクチュエーションの実践では、大企業の場合、マネージャーが率先しようとしても、経営が理解を示さず決裁がおりないとか、中小企業では、また社長の独断専行だと、社員は他人事のように受け止めて組織全体の合意形成が上手くいかないケースが見られます。

組織力を活かして事を前にすすめるには、リーダーが未来像を描き方向性を示すことが大切です。(今は、短期間でやりきる)

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私は、未来像を描くにはホライズンスキャニングが役立つと考えています。
ホライズン・スキャニングは、政治・経済・社会、技術などの観点から抽出した事象を分析し変化の兆候を可視化する点に特徴があり、国の政策検討にも活用されています。

企業単独で、社会変化の兆候を探索するのは大変な労力などので、この点は、国などが実施した調査研究資料を活用し、自社の視点で社会変化仮説として仕上げればよいのです。
参考:日本学術会議 日本の展望2020検討委員会「未来からの問い」

ホライズンスキャニングのもう一つの特徴は社会変化仮説と技術の進化を掛け合わせる点。
技術の進化といっても多分野に及ぶので、企業ではコア技術の分野などに絞り込み技術の進化を想定するのが良いでしょう。

社会変化仮説と技術進化を掛け合わせ、将来求められる社会的価値を発想するのです。
この検討プロセスにより、メンバーの知を結集することになり、独自性のあるものになります。
そして、創出した複数のアイディア整理しを統合し、社会的価値アイディア創出への貢献方向を決定付けるのです。

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ホライズンスキャニング×エフェクチュエーションによる実践 

これからの、リスタートは、ホライズンスキャニングにより描いた将来の方向性を社内やステークホルダーと共有し、今は、エフェクチュエーションの行動原則でスピード感を持ってビジネスを進めていく。今のための将来、将来のための今、価値ある方法論だと思います。

私も、今の気持ちを大切に、リ・スタートしたいと思います。

某研究会で
前回ブロブに書きましたホライズン・スキャニング、試してみました。
といってもほんのさわりだけですが。。。

ホライズン・スキャニングの特長は未来予測などする際に、技術の進化と社会(市場)の変化を掛け合わせること。
製品開発に用いれば、斬新な新商品アイディアを生みだすことも期待できます。

今回は短時間だったので、社会変化の予兆の言語化(スキャニングマテリアル)とスキャニングマテリアルから作る社会変化シナリオは事前に用意しました。
また、対象とする技術は自動運転に設定し、自動運転が社会(市場)へ与える影響領域やテーマも事前に用意しました。

ワークショップでは、
社会変化シナリオと自動運転技術が影響をあたるテーマを掛け合わせたマトリックス表(インパクトマトリックス表)を手元においてアイディア創造にチャレンジしました。


それで結果は

「新商品アイディア創造に使える」手応えがありました。

実施プロセス、フレームワークが明確なためすぐに実践できます。


ただし、実ビジネスに導入するには、未来シナリオ策定を効率よく進めるための工夫が必要だと感じました。そのためにはテーマ設定が重要です。


先が読みにくい時代だからこそ、バックキャスティング思考が重要。
変化が急で激しく先が読めない社会状況では、”今日”のビジネスの実践には、「エフェクチュエーション(Effectuation)」の行動原理を取り入れ、市場と向き合うことが重要です。
しかし、だからといって長期的な視野を持たなくて良いということではありません。

将来の事業の種を生みだす役割を担う研究開発部門などでは、バックキャスティング思考によるホライズン・スキャニングが活かせるのではないでしょうか。

社会が急激に変化する状況下で事業の将来の方向性を過去の延長線上で描いても、空虚なものになってしまいます。社員が納得感を得られる道筋を描くのは簡単ではありません。

このような状況に役立つ手法がホライズン・スキャニング(Horizon Scanning)です。
ホライズン・スキャニングは未来の社会の変化仮説構築などに有効な手法で、近年、政府の中長期的な施策検討にも使用され、シナリオ作成に有効な手法として注目されています。

ホライズン・スキャニングについては一橋大学の鷲田教授が未来洞察と関連し論文を多く出講されています。

・モザイク型AI普及社会への「備え」の必要性 (多型化する時代のマーケティングを考える) https://ci.nii.ac.jp/naid/40021280855
 ホライズン・スキャニングを用いたワークショップについて説明されています。
 鷲田先生の関連するインタビュー https://www.jst.go.jp/ristex/hite/topics/312.html 
・「自動運転による新たな社会的価値及びその導入シナリオの研究」経済産業省 
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/automobile/FY28_report/FY28report.html
 スキャニングワークショップでの活用事例が詳細に記述されています。


研究開発部門の重要な役割の一つである中長期的な技術戦略シナリオ構築にも適応できると考えています。

市場の変化が激しい時代では、今日の利益を確保するために、市場に向き合い、変化に対応しニーズに応えることが大切です。一方で、将来の利益の獲得を目指すには、社会の変化を予測し、社会が求める価値を実現する技術を明らかににし技術を磨いていくことが必要です。
そのためには、まず、技術を熟知している技術部門が自ら未来を洞察することが必要ではないでしょうか。

ところで「Horizon Scanning」日本語ではホライズン・スキャニングとホライゾン・スキャニング両方使用されていますが
私は ホライズン・スキャニングで行こうと思います。

令和初の新年2020年がスタートしました。

今年は「製造業のサービス化2.0」をキーワードに掲げました。

ものを売るだけでは利益が出ない時代です。従来、製造業は、ものを売るための手段としてメンテナンスやトレーニングなどをビジネスに組込んできました。しかし、トヨタが「自動車をつくる会社」から「移動」に関わるあらゆるサービスを提供する会社になる。と宣言したようにものづくり企業のサービスの位置付けが変ってきています。
すなわち「ものを売るためのサービス」ではなく「ものづくり企業ならではのサービス」です。

その一つの例が、ものづくりPoC(proof of concept:概念実証)です。
ものづくりPoCの実現には、ものづくりの知識・知恵や経験、技術、そして実証する”場”がないと実現しません。まさに、ものづくりならではのサービスと言えます。

PoCを社内の製品開発プロセスに導入するだけでなく、企画・研究開発・プロトタイプ制作など新サービスとする動きが活発化しています。最近では、大企業だけでなく中小企業や産業財商社へも拡大、ものづくり相談サービスやコンサルティングサービスとして商品化されています。また、産総研では加工機、ロボットに加え作業者まで含めたサイバーフィジカルシステムを構築し企業と連携しPoC深化を図っています。

2020年は、ものづくりPoCに限らず、ものづくり企業ならではのサービス創造の年となると考えています。

まさに「製造業のサービス化2.0」です。

「製造業のサービス化2.0」実践には以下の点が重要と考えます。

1.自社の技術を活かす
これまで自社の現場で培ったノウハウや知識・知恵や経験を可視化(言語化)する。

2.走りながら考える
サービスは顧客との相互作用が大切だからこそ机上で考え込むより市場で試行錯誤することが大切。

3.仲間を持つ
「製造業のサービス化」はビジネス生態系の革新、自社でカバーできる範囲は限られます。新しいビジネスエコシステムの構築には同じ志を持つ仲間の力が不可欠。

4.収益源の発見、創造にこだわる
収益なくしてビジネスは成立しません。収益源も従来の発想にとらわれず、デジタルトランスフォーメーション(DX)を味方に付け新たなビジネスモデル創造に挑戦する。

5.良き志
これは、ビジネスの要諦ですね。
新たな取組みは不安なもの、”良き志”があれば前に進むことが出来るはず(自戒)

私も技術マーケティングの視点から「製造業のサービス化2.0」にチャレンジします。

本年もどうぞよろしくお願いします。

技術情報協会「月刊研究開発リーダー」2019年10月号の『技術マーケティングと潜在ニーズ、新事業テーマの発掘』特集において,「研究開発部門が押させておくべき技術マーケティングの新潮流」を寄稿させていただきました。

技術マーケティングの新潮流として掲げ点は

1)アイディア発想へのデザイン思考の活用

2)製造業のサービス化とソリューションニーズへの積極対応

3)市場に向き合い、変化に対応できる研究開発組織の構築
の3点です。

概要はアイマーケHPに掲載しています。 アイマーケ HP

さて、OODA(ウーダ)ループですが
OODAは、Observe(観察)→Orient(情勢判断)→Decide(意思決定)→Act(行動)の頭文字を取ったもので
元米空軍大佐ジョンボイドにより提唱された概念で、マネジメントでも注目されています。


10月号の研究開発リーダー」にも神戸大学原田勉教授が「OODAループによるイノベーション・マネジメントへの挑戦」で大変興味深い論文を書かれています。 

原田教授によると,ウーダループではOOAが重要で,(O)観察→(O)情勢判断により暗黙の誘導・統制により(D)を経由しなくても(A)行動することで、ビジネススピードを速まり、結果として競争力が向上する。また実践にはミッションとコミットメントのマネジメントと観察の質的向上が必要であるとのこと。

技術マーケティングの新潮流でのべた「市場に向き合い変化に対応できる研究開発組織の構築」の内容と親和性のあるアプローチで、ものづくり企業の組織の変革ドライバーとして活用できそうです。

なお、今年の4月に日本語版「OODA LOOP(ウーダループ)」チェットリチャード著 原田勉訳・解説 東洋経済新報社が出版されています。

学会誌「商品開発・管理研究」16巻が届きました。

査読付き論文は
東洋大学李教授の「消費者の自発的簡素と物質主義が生活満足度に及ぼす影響」でした。

”自発的簡素”は1980年代にデュエイン エルジンが 「ボランタリー・シンプリシティ―」を出版するなど歴史のある概念で、消費を節制して自ら生活の簡素化を図る消費志向のことです。
(私自身、李先生に出会うまで知りませんでした。。。)

李先生はマテリアリズムと自発的簡素が生活満足度に及ぼす影響を定量調査、検証され
検証結果の一つとして
簡素生活と物質的豊かさ追求が共に生活満足度を高める。との結論を導き出しています。
この点は、人それぞれ価値感が違いますので納得する結果です。


また、物質的に簡素な消費生活を営みつつ内面的な充実と成長を図ることが生活満足度を高める。と言います。
この点に関しては、
ライフスタイルが時代とともに変化するなかで
最近は、若者をはじめ幅広い年代において自発的簡素の消費スタイルが拡大しているように思えます。

これを、物消費の減少とマイナスに捉えるのではなく、
人々の内面的な充実と成長を支える、人中心のものづくりの成長可能性が顕在化していると考えあたらしい、もの・ことづくりのヒントとしていくことが大切なのではないでしょうか。

先週の金曜日、広島県のものづくり企業のネットワーク「YAMATO PROJECT」の一般社団法人 設立総会でお話をする機会をいただきました。

*YAMATO PROJECT 総会記事

講演のテーマは「YAMATO PROJECTによる新サービス価値の創出」です。

トヨタが自動車をつくる会社から「モビリティカンパニー」へチェンジすることを宣言したように、ものづくり企業がビジネスにサービスを組込む動きは急速に広まっています。

講演では
これまで、ものづくり企業はハード(もの)とサービス(こと)が完全に分断されていた訳ではないがサービスは無償で提供されることが多く、ハード(もの)販売のための手段という位置づけが一般的だった。

今後は製造業でも、サービスが有償で提供されるケースが増えてくる。
実際、コンサルティングやメンテナンス、トレーニングなどのサービスをビジネスにしている企業が多くなっている。

サービスのビジネス化には、ものづくり企業が「量産で儲ける」という発想から「量産がなくても儲ける」というマインドチェンジが必要である。
そして、他業界のサービス形態を学び取入れるなど積極的な姿勢を持つことが大切である。

という点をふまえ
「ものづくりPoC」を提案しました。

PoC(proof of concept)は日本語では「概念実証」や「コンセプト実証」と訳され、製薬業界では市民権を得、IT業界で普及しつつある、知恵や経験、技術がないと実現しない付加価値の高いサービスです。
ものづくり分野では”まだまだ”認知されていない「PoC」ですが、製造業の企画・研究開発・プロトタイプ制作など製品開発の前工程の新サービスとして「ものづくりPoC」を展開しましょう。というものです。
「ものづくりPoC」の実現には、ものづくり企業の技術に加えて、ユーザの深い理解と課題の設定、合理的な検証行為、など、PoC実践の場(ものづくりPoCエコシステムのようなもの)が不可欠です。
簡単なことではありませんが地域力を結集することで、魅力的なサービスになると信じています。

経済産業省は、ものづくり企業の付加価値の創出・最大化の方向性として「モノにとどまらないサービス・ソリューションの展開」を提示するなど、サービス化は日本のものづくり企業がチャレンジしなくてはならないテーマです。

講演後の懇親会では「ものづくりPoC」に賛同の声もいただきました。

引き続き、具現化にむけ地道に活動を続けていこうと思っています。

これからの商品開発は、エフェクチュエーションとSTPマーケティングを最適化し商品開発プロセスに組込むことが重要です。これは、STPマーケティングを基盤とした商品開発の進化版です。

STPマーケティングによる商品開発は
〇夏する市場(業界)を顧客・競合・自社の視点でビジネス環境を調査・分析し市場を細分化(Segmentation)
⊆社のビジネスにとり魅力的な分野を選定(Targeting)
A定分野での競争関係や顧客状況から、最適なポジションを設定(Positioning)
という´↓のステップを踏みながら極めて論理的に進められます。

最近は(私のまわりでは)経験と勘と度胸によるKKD開発を卒業し、STPマーケティングによる商品開発を進めている企業が多くなっています。(私もそれを支持し推進してきました)

問題は、STPマーケティングを開発プロセスに単純に取入れてもヒット商品が生み出せない点にあります。
精緻にSTP分析をすることで突破口が見いだせないほど、社会は複雑に、そして、不確実になっているのです。

エフェクチュエーションは不確実な市場でより効果を発揮する事業の考え方・行動原理です。
したがって、エフェクチュエーションとSTPマーケティングを最適に合成することで、時代に即した、商品開発プロセスが構築できるのではないでしょうか。

商品開発における、エフェクチュエーションとSTPマーケティングの合成のポイントは、開発のプロセスでそれぞれの良い点を使い分けることです。
前回のブログ、エフェクチュエーションとSTPマーケティングの関係の図を参照ください。(前回のブログ)

商品開発のプロセスを技術開発と市場開発の視点で捉え、商品開発の出発点から商品化までの軌跡を
みた場合、商品開発のスタートの時点では、商品を具現化する技術情報も市場の情報も充分な状態にはない場合ほとんで商品化の道筋は幾通りも想定できます。
従来この段階からSTP分析が進められるのですが、それに費やす、時間・労力を押さえ(これに時間がかかり企画担当者が疲弊していまっている事が多く見受けられます。)
開発初期の段階でエフェクチュエーションの原則を取り入れ、テストマーケティングを進める。

テストマーケティンの結果をうけて、その成果を活かし、STPマーケティングを効率的に推進する。
また、開発を前に進めている途上で、予測外の事態が生じた場合は、エフェクチュエーションの原則のクレイジーキルトの法則やレモネードの法則を思い出し、開発を前に進める(もしくは断念する)力が重要なのです。



商品開発・管理学会第30回全国大会が、8月31日、京都大学で開催されました。

統一論題テーマは:ロボット、ものづくりネットワークです。

基調講演は
京都大学工学研究科 松野文俊教授とJOHNAN株式会社山本光世代表取締役社長が登壇し、松野教授は「ロボット革命の気配」について、ロボットの起源や発展経過、現在のビジネス用途、そして今後の動向を解説下さいました。
また、山本社長は、JOHNAN株式会社の新規事業展開や京都ものづくりバレー構想の概要と、今後の取組みについて話されました。
お二人のお話は、日本のものづくり産業は、厳しい環境に置かれているのは間違いありませんが、決して悲観する状況ではなく、まだまだ世界をリードする力を持っていることを再認識させるような興味深いテーマで、わくわくする内容でした。


統一論題・自由論題報告では、私も「ものづくり中小企業の新市場展開を目指した新商品開発」をテーマに発表しました。(おかげさまで、優秀発表賞を受賞しました!)


ものづくり中小企業の新事業への取組み意欲は高く、新商品を投入し新分野の開拓を試みる企業が多く見られようになっていますが、現実には、新事業展開がうまくいかず中止・撤退する企業も少なくありません。
新市場は外からみると魅力的ですが、現実には、不確実性が高い市場であり、新商品を開発し事業化を図るのは容易なことではありません。

今回の発表では
S. サラスバシが提示した、成功した起業家の研究から導き出された考え方、行動原理「エフェクチュエーション(Effectuation)」が、自社の技術を出発点として新商品を新市場に展開にするにあたり有効であるとの仮説の基、商品開発の実務においては、エフェクチュエーションとSTPマーケティングを最適化し商品開発プロセスに組込むことで、効果を発揮することを提言しました。


(商品開発における、エフェクチュエーションとSTPマーケティングの関係は下図のようなイメージです。)

図1エフェクチュエーション


これを実践するには、エフェクチュエーションとSTPマーケティングを併用するための
フレームや指標が求められますが、この点については、今後ブログでもお伝えしたいと思います。



*エフェクチュエーションの 5つの行動原則は前回のブログでも書きましたが
1) 手持ちの鳥の原則
2) 許容可能な損失の原則
3)クレイジーキルトの原則
4)レモネードの原則
5)飛行中のパイロットの原則
です。

これからの商品開発の鍵は「エフェクチュエーション」です。

「エフェクチュエーション Effectuation」はアメリカの学者サラス・ サラスバシーが提示した成功した起業家の研究から導き出された行動原理で、日本語では”実効論”と訳されています。
日本語版『エフェクチュエーション:市場創造の実効理論』(加護野忠男 監訳,高瀬進・吉田満梨訳)が出版されたのは2015年で、エフェクチュエーションは比較的新しい概念ですが、ビジネスでも、既に話題にのぼるようになっています。
これは、エフェクチュエーションのエッセンスである「5つの行動原則」が実務で効果を発揮すると感じる人が多いからでしょう。

以下が5つの行動原則です。(いかにもアメリカっぽい表現ですね。。)

1)手中の鳥の原則
目的を達成するために効果的な方法を発見するのではなく、
今ある経営資源を最大限活かせることを考える。
まず行動!


2)許容可能な損失の原則
最適な戦略を選びリターンを最大化するというような思考ではなく
はじめから「いくらまでなら損してよいか」決めておく。
損切りの決断!

3)クレイジーキルトの原則
可能な所から実行し、そのプロセスで生まれた協力者の特長や強みを柔軟に組み合わせ
そこから新しいものを創造する。
走りながら成長あるのみ!

4)レモネードの原則
「すっぱいレモンをつかまされたら、レモネードを作れ」の格言のように
想定外の事も逆境と悲観せず、逆手にとって利用する。
転んでもただでは起きない!

5)飛行中のパイロットの原則
不確実な未来における予測可能な側面に焦点をあてるのではなく
予想できない未来の中のコントロール可能な側面に焦点を合わせ,パイロットのように、常に注意と活動を怠らない。
事業機会をたぐり寄せるのはその場そのときの人間! 

以上が5つの行動原則です。
確かに私も回りでも、バイタリティ旺盛にビジネスに取組む方々は、この行動原則に基づく言動が多いように感じます。

「エフェクチュエーションによる戦略は、未来が予測不能で、目的が不明瞭で、環境が人間の行為によって変化する場合に有効である。」とサラスバシ-は話しています。
まさに、新規事業開発や新商品開発はそのようなケースばかりです。

起業家のみならず、経営者や組織のリーダも、エフェクチュエーションの行動原則を
ビジネスにとりいれることが必要なのではないでしょうか。

秋は学会シーズンです。
私が所属している商品開発・管理学会(Association of Product Development and Management)も11月18日〜19日 尾道市立大学で全国大会が開催されます。
商品開発管理学会は、2001年に設立された商品開発・管理研究を専門とした学術組織で大学等の研究者、学生、民間企業など様々な分野の方がメンバーで、毎年参加を楽しみにしています。(学会の内容は、また後日書きたいと思います。)

さて学会会長の高橋幸司鶴岡高専学校長がです。
学会会長の高橋幸司鶴岡高専学校長が、商品開発・管理学会ニューズレターで商品開発との関係で「負のモチベーション」に触れておられ興味を持ちました。高橋先生は、巻頭言の中で、商品開発の社会的な意義を確認した上で商品開発の成功には「専門能力」「新規アプローチ能力」「戦略的思考」そして「モチベーション」が重要であると言います。
このなかで「モチベーション」でも「負のモチベーション(やらざるを得ないと思う気持ち)」が商品開発の推進の原動力になると言う点に関して、島根県海士町の事例で説明されています。海士町の事例の紹介は省略しますが、商品開発者の危機感や現状打破の気持ちが商品化に大きく影響し、成功に貢献すると言うのです。
負のモチベーションは、未来志向の正のモチベーションに比べ、商品開発の事例として取り上げられることは比較的少ないように思います。しかし、実際の商品開発の取っ掛かりは、既存商品の課題の対策であったり、時には既存事業継続のための手段であったりするケースが多いように思います。

昨日、ものづくり企業の社長さん達にこの話をすると、「確かにそうだ」「あの商品は負のモチベーションだな〜」とか、「正のモチベーション商品より負のモチベーション商品のほうが地に足がついたものができる」など様々な意見が活発に交わされました。これが、関心の高いテーマであることは間違いないようです。

とはいえ、商品開発のきっかけは暗いイメージの負のモチベーションであっても商品そのものは、社会を明るくするものであることは変わりありません。負のモチベーションから、未来志向、プラス思考の商品を創っていく。
それが結果として独創的な商品として実現するのだと思います。


「BtoB製品開発マーケティング基礎セミナー」
ー市場志向製品開発の基礎知識から実践手法までー

開催日時 2017/7/19(水)〜 2017/7/20(木)

開催場所 東京 日本能率協会・研修室

参加料  85,000円

主催 日本能率協会

【セミナーのねらい】
BtoB製品の開発は、これまで、顧客の明確な要求にもとづいて進めることが主流でした。
しかし近年は、顧客の要求に頼らず企業自ら市場を開発し、製品コンセプトを創りあげていく事が必要となっています。
これらの取り組みには「製品開発マーケティング」が効果的です。

本セミナーでは、日ごろの業務ではマーケティングになじみの少ないBtoB企業の技術者に必要なマーケティングマインドや基礎知識、そして市場志向形製品開発の実践的手法を体系的な理解をはかります。

【セミナーの概要】
はじめに BtoBマーケティングの概要と開発とマーケティング機能の関わりを学びます。
次に、自社の技術を活かした製品開発でのテーマの創出や事業・製品の構想の方法について、
デザイン思考やビジネスデザインの手法を用いて学んでいただきます。
そして、製品開発の実践力の向上をめざし、アイディア創造、コンセプト創造、市場テスト、
技術ブランド等開発の各プロセスで有効な手法を個人演習を通じて体得します。
ご関心のある方は日本能率協会のHPでご確認ください。

セミナー詳細
https://school.jma.or.jp/products/detail.php…

当社では、企業様でのオンサイトセミナーも承っております。

3月もあとわずかですね。。
今月は、技術者むけの研修や、自治体さん主催のセミナーや、ものづくり企業グループむけの講演などいろいろお話する機会をいただきました。(感謝)
このような場で参加者の皆さんの意見はとても勉強になります。
参加された人との会話を通じ製造業のソフトの大切さを痛感しました。

ソフトとハードの融合はあらゆる場面で、ずいぶん昔から言われているものの、日本の製造業では、途上にある課題だと思います。
そして今こそ、ものづくり企業が自社のビジネスに組み込むべく真剣に考えなければいけない時期だと思います。
そのためには、まず、ものづくり企業にとってのソフトを明示することが大切なのではないでしょうか。

ものづくり企業にとってのソフトと言えばサービスがまず思い浮かびます。
つまり、製品を売るまでのビフォーサービスや売った後のアフターサービスなどです。
ものづくり企業の場合、ビフォーサービスやアフターサービスは無償で行われることが多く、コストに位置づけられていました(今も大半はそうですが)。
もう一度ビジネスを見直し、お客様の現場に寄り添い、お困りごと、やっかいなことを少しでも取り除き解決に導く、という視点でサービスを捉えると、お客様が「お金を払っても良い」と言うことがが見えてくるでしょう。

また、ソフトは製品に組み込まれるソフトウエアやデザインなどもそうですし、製品のイメージなどもソフト領域になります。最近、デザインやイメージは一般消費者向け商品だけでなく産業用部品や機械などでもその重要性が高まっています。
同じような機能や性能なら、産業用品であっても、よりデザインの良いもの、心地よいものを買おうと思うのが人情というものです。

また、ものづくりの現場でもソフトの大切さが見直されています。
つまり機械一辺倒のものづくりから、職人や現場の人の感や熟練を活かしていこうという動きです。
人的ソフトの活用とでも言えるでしょう。
人手不足や職人の減少をAIで補完しようとする動きもありますが、人を育て、技術を継承するという地道な取り組みを捨てるべきではありません。

ものづくり企業がソフト視点で価値を生み出せるところは、まだまだあるのです。

セミナータイトル「自社の強みを活かした開発マーケティング実践講座」

開催日時 2017/3/8(水)

開催場所 大阪 滋慶医療科学大学院大学

参加料  49,980円

セミナーのねらいと概要
技術を利益に結びつけるには技術開発とともに、マーケットを設定し理解する市場開発が必要です。
そのためには、開発とマーケティングを融合した開発マーケティングが効果的です。

本セミナーでは、自社の強みを活かして商品開発を進めるための、市場志向の考え方と開発マーケティングの基礎的な知識を習得するとともに、自社の強みを活かした開発テーマの創出方法、市場調査、コンセプト創造、事業性・ビジネスモデルの評価方法など開発マーケティングの一連のプロセスを演習を通じて体得します。

<プログラム>
1.技術者が押さえておきたいマーケティングの基礎
 
2.開発マーケティングの全体像

3. 開発マーケティングの導入と実践

4.新製品の事業性・ビジネスモデルの評価方法

5.開発マーケティング実践の課題

詳細はR&D支援センターのHPでご確認ください。 HP

当社では、企業様でのオンサイトセミナーも承っております。

詳細 セミナー・研修のページ

京都産業21主催の技術連携フォーラムに出席しました。

今回はものづくり企業を対象としたものですので参加企業の大半は製造業です。

20161201
企業表彰、基調講演、各企業の商品紹介、交流会と
内容の濃いプログラムで参加企業さんの得るものも
多かったと思います。

私は、きょうとマーケティング研究会の一員として
研究会のPRをしました。(写真)
多くの人にマー研を知ってもらいました!



ところで、企業連携も1980年代の異業種交流スタートの
時代からビジネスの環境に対応しつつ進化し今日に至っ
ていますが連携により素晴らしい成果を遂げたところも
あれば、そうでないところもあります。
それぞれに個別の事情があるとは思いますが...

そのような中、成果をあげている青年経営者のグループがあります。
このグループと関わりも持ったのは今年からですが、彼らが素晴らしいのは、みんな参加意欲が旺盛でどんな時も主体的である点です。。。。まあ、経営者ですから当たり前といえばそうなのですが。
また、プロジェクトはいつも活発で楽しいコミュニケーションがくり広げられます。まあ、これも青年経営者という面もあるのでしょうが。とはいえ簡単なことではありません。

この自主性と明るさがある限りは、少々の停滞や壁は乗り越えることができるのではと思うのです。



滋賀大大学大津サテライトプラザで開催された商品開発・管理学会第27回全国大会に出席しました。

本学会は社会科学、工学、人文科学など広い領域にまたがり、産学が意見を交わし商品開発・管理の研究を行う団体で日本学術会議協力学術団体に認定されています。

私にとっては商品開発の最新の研究動向を知ることが出来る機会であり、同時に、全国の商品開発関係者と交流を深めることのできる場です。

今回の統一テーマは「商業の原点から考える商品開発・管理」です。

基調講演は、近江商人発祥の地での開催にちなみ宇佐美英機滋賀大学名誉教授よる「近江商人の商品開発の商い方法 」で、近江商人の成り立ちや特徴を短時間で知ることができました。
特に、近江商人の近代商業技術や陰徳善事の話はとても興味深いものでした。
利益配分の考え方など、今の企業経営に活かすことができる点も多いですね。

特別講演は(株)たねや松宮佐起子室長による「たねやの商品開発-伝統と革新」でした。
たねやといえば、伝統的な和菓子にくわえ、クラブハリエの洋菓子が急成長を遂げています。この「たねや」の成長の源泉である商品開発にも「たねや」らしさの発想や開発プロセスが組み込まれていて、とても新鮮でした。

午後からの研究発表セッションでは、「知識商品のマーケティング特性」や「地域での産業集積とイノベーション」など関心の高いテーマの発表がつづきましたが、とりわけ「ネットワーク埋め込み」に関する企業間取引の研究は
ものづくり企業のマーケティングや製品開発など、あらゆるビジネスの局面で応用できるものでした。

それにしても一日で消化できないほど豊富な内容を得ることができた、刺激的な一日でした。

京都高度技術研究所主催の次世代エネルギー関連の研究会に参加しました。
研究会の副題は「エネルギーの地産地消化と京都が結ぶビジネスチャンス」です。

地球温暖化、資源・エネルギーなどの社会的課題解決として新エネルギー技術の社会実装が開始され
かなり経過しましたが、太陽光発電ブーム以降、その動きも少し穏やかなように感じます。

研究会では、ドイツの地域エネルギー事業や国内の再生可能エネルギー事業の近況に加えて
宮古島市のエネルギー政策、再生可能エネルギーの取り組みについての講演とパネルディスカションがありました。
特に関心を持ったのは、市役所、企業、大学、が一体となりエコアイランドの実現に向け様々な事業にチャレンジしている
宮古島市の事例です。詳細は宮古島市のHPをごらんいただくとして、事例から見えてくるのは、
役所がエネルギー使用者である地域住民の視点で取り組んでいる点です。(当たり前かもしれませんが、なかなか出来ていない。。)
たぶん、このエネルギーが企業や大学を引きつける力となり、プロジェクトを前に進めているのではないでしょうか。

また、企業は社会への貢献意識、存在意義を感じているからこそ、短期的な収益にはつながらなくても続けられるのでしょう。


宮古島市もまだまだ課題はあるようですが、エネルギー政策という枠組みにとどまらず
あらたな視点を組み込み、エコアイランドを作ってほしいものです。
エコアイランドは、エコシステムの視点で技術をビジネス化することが鍵となるのではないでしょうか。。

きょうとマーケティング研究会に参加しました。

この会は、公益財団法人京都産業21が事務局をつとめる、京都の異業種交流団体で、月1回 様々な視点からマーケティングをとらえ、ビジネスに活かせるよう学習しています。
多様な業界の方がメンバーのため、取り扱うテーマも毎回バラエティに富みます。
今月は、新たなビジネス、商品開発の場面で不可欠となる「知的財産」がテーマです。

最近、中小企業でも知的財産の重要性が認識されはじめていますが、正しい知識をもちマネジメントに活かしている企業は多くはありません。
今回、営業秘密の管理や対外的な関係における秘密保持に関して独占禁止法や下請法に照らし合わせ大変わかりやい説明で頭の中がすっきり。

ものづくり企業の知的財産というと、特許や商標が思い浮かびますが、それだけでなく、ビジネスに関わる行為の問題や法的規制なども十分に把握する必要性を再認識しました。

季節の変わり目は、人間の体調だけでなくパソコンもそうなのか?
先週突然動きが遅くなり、急遽買い換えることにしました。

これまで、VAIOの愛好家だったのですが富士通に決めました。
最近は、日本製のデスクトップPCは、富士通かNECぐらいなのですね。。

それでPCを入れ替えて新しい発見があったのは、写真のように
ディスプレイの下にFUJITSUのロゴの右端に(見えにくいですが、、)Pioneerのロゴ。

blog20161004


これ成分ブランドの活用といえるのでしょうね。
最近、関心が高まっている成分ブランドですが、
成分ブランドとは、ある特定のブランド(ここではPioneerのスピーカ)が別のブランド(富士通のパソコン)に成分として組み込まれることで製品の価値を高める効果をもたらすものです。
パソコンでは、Intel インサイドなどはよく知られている事例ですね。
FUJITSUにPioneerのロゴという日本メーカ同士の組み合わせもなかなかインパクトあります。
そういえば、カタログでも音の良さをPRしていたような気がします。
富士通は(系列の富士通テンはあるものの)AV機器をラインアップしていませんので、パイオニアの技術は魅力的なものだと思われます。
また、パイオニアといえば、最近オンキヨーさんと関係が深いようですが、今回の仕掛けは、どこが発端となり実を結んだのか気になるところです。

今週は、某地区の経済団体で講演をさせていただきました。
テーマは「自社の強みを活かした売れる商品開発」

講演内容のポイントを述べますと。

(1)強みを知る:市場目線で強みを評価する

(2)強みを広める:強みをブランディング化する

(3)お客様を絞る:ターゲット市場を設定する

(4)お客様に寄り添う:顧客価値を可視化(言語化)する

(5)価値を創る :組織として開発を進める 

という手順で商品開発を進めるというものです。

この(1)〜(5)で自社の強みを棚卸しして、強みを評価している企業は多いのですが
お客様の視点で評価に欠けていたり、(2)の強みを広める活動(強みをブランディング化する。言い換えれば技術のブランディング化)に取組んでいる企業は限られているように思います。

今回は、その点を強調し方法論もお話ししました。

参加された皆さんは、ものづくり企業だけでなく、サービス業の方もいらっしゃいましたが、
懇親会で感想を聞くと多くの会社さんで賛同くださりました。(よかった。。)

産業財である部品や機器、材料などの分野では、まだまだブランディングに対する意識が低いのが実情です。
まずは、企業が保有している製品に対して
部品ブランドや材料ブランドの意識を高めることが第一歩ではないでしょうか。

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