また面白い概念が出てきた。
社会的な分人という、
まぁ当たり障りのないことだけ言う関係性の中で出てくる分人。
これは誰しも経験したことあるだろう。
大して興味のない相手に対しても
そう振る舞う。
例えば、初めて飲みにいく人がいたとして
最初は当たり障りのないとこから始まり
お酒も進む中で
例えば趣味に共通性が見出された場合、
そこから、その話題について一気に会話がなされ
いつのまにか、タメ口になり
その趣味への造詣の深さなどで
リスペクトの心が生まれる。
なんてことは少なくない。
これが分人化といっている。
その人との間にできた新たな分人である。
逆に話せども話せども、
何も会話の糸口が見つからず
心を許すこともない。
それを文人化の失敗と呼んでいる。
なるほど、
こちらのコミュニケーション力とかじゃなく
お互いの間に分人ができなかった
という考え方。
これは面白い。
こっちが悪いわけじゃなくなるから。
僕は面接官をやっていた。
面接に来た人となら1、2時間、楽に話せる。
でも、その人とプライベートで飲みに行ったとしたら
どうように楽に2時間話せるかというと
そんなことはない。
面接の場での分人化の成功と
プライベートの場でのそれは
イコールではないから。
もちろん、全くの初対面よりも
ずっと親しくなる可能性は高いとは思うけど。
小説家の文章は読みやすいし、
この本の概念は面白い。