2005年04月29日

インプラント治療の成功率

今から10年以上前に世界では早くも高い成功率が報告されています。


ー研究者らによる論文に見る成功率ー

フィクスチャー712本による293個のインプラント補綴物5年間の安定率は98.7%
Torsten Jemt,DDS,PhD INT J Oral Maxillofac Implants 1989;4:211-217

上顎において621本のフィクスチャーによる250個のインプラント補綴物の2〜8年の安定率は99%
下顎において506本のフィクスチャーによる247個のインプラント補綴物の2〜8年の安定率は97%
Myron Nevins,DDS INT J Oral Maxillofac Implants 1993;4:428-432


上記の研究論文からも解るように、今から10年以上前に世界では早くも高い成功率が報告されています。
しかしこれらの多くが同一施設において行われた治療結果の統計であることを忘れてはいけません。高い成功率の報告と同時に以下のような統計も発表されています。

未熟な外科医によって埋入されたインプラントの失敗は、経験豊富な外科医によって埋入されたものの2倍ほどであり、その差は統計的に有意であった。

Lambert PM,Morris HF,Ochi S.Positive effect of surgical experience with implants on second-stage implant survival.J Oral Maxillofac Surg 1997;55(Suppl 5):12-18


数々の長期予後の研究論文をからインプラント治療を長い期間において成功に保つに多くの事項が影響し合います、以下の論文があります。インプラント治療を受診する際のポイントとなります。

インプラント治療の長期予後は、患者、インプラントコンポーネント、および治療にあたる臨床家の力量によって決まる。

Albrektsson T, Branemark PI, Hansson HA, Lindstom J. Osseointegrated titanium implants. Requirements for ensuring a long-lasting,direct bone-to-implant anchorage in man. Acta Orthhop Scand 1981;55:155-170.

既に世界では10年以上前から言われている事です

上記の内容を簡単な解説と共に言い換えれば、インプラント治療は、全身的、局所的に適した患者さんに、数あるインプラントの種類の中から、適切なインプラントシステムを用い、熟練した歯科医師によって治療が行われれば、長い期間安定して使うことのできる安全な治療方法であることが証明されています。ということではないでしょうか。


  

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2005年04月25日

インプラント治療の期間

インプラントの治療だけの治療期間は

 インプラント治療はインプラント体を骨の内に埋め込む手術を行ってから数カ月間の安静期間を必要とする事が特徴です。この期間にインプラントは骨とオッセオインテグレーションと言う強固な接合を得る事ができるのです。
 一般的にはこの期間は骨の密度とほぼ比例し、下顎で3ヶ月以上、上顎で6ヶ月以上の待ち時間を必要とする事が知られています。
 従って、インプラントの治療だけの治療時間は待ち時間の前後に治療を行う期間を考えると、約6ヶ月から12ヶ月となります。


限られた場合に限り治療期間が短縮される場合があります

 数多い臨床例のなかでは、インプラント埋入手術後直ちにインプラントの歯を装着する事が出来る場合があります。この術式を用いる事によって、手術当日に歯を装着して帰宅する事が出来ます。この術式は歯科専門誌に論文を発表。2004年に顎咬合学会学術大会で学会発表を行いました。

「光造形モデルとサージガイドを応用した即時荷重用プロッビジョナルレストレーション」クインテッセン デンタル インプラントロジー、Vol.11 No 4; 27-42、2004. 小川洋一、法月謙市、河津 寛、嶋田 淳

「インプラント治療の新たな潮流ー即時荷重インプラントの文献的考察と臨床」デンタルダイヤモンド、第9巻16号 123-133、2004. 小川洋一、嶋田 淳

現在、上記論文の術式は特許申請中です。



悪いのはインプラントの治療部位だけですか


 インプラント治療を成功させる為にはお口全体から考えてなければならない事は、以前にも述べました。インプラント治療を希望される患者さんの多くは歯周病を発病している方が非常に多くいらっしゃいます。歯周病の患者さんにはインプラント治療を行う事はできません。従って多くの患者さんは、インプラント治療以外にも歯周病治療のための治療期間も考える必要が有るのです。

  
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2005年04月23日

インプラント治療の費用

一般的な治療費は

 インプラント治療は歯科医院によって異なります。治療ステップが幾つも有り、それぞれに治療費が必要となりますが、一本のインプラント治療に対して、はじめから終わりまでで合計して、約42万円から63万円程度が一般的な治療費でしょう。

その他に必要な費用は

 インプラントの治療とは別にCT撮影を行う場合はCT撮影料が撮影を行う病院で2から3万円必要となります。また麻酔医に必要な費用も5から10万円必要となります。
 インプラント予定部位の骨が重度に破壊されている場合は、骨移植などの付加的手術が必要となります。移植などが必要な場合は、インプラントの手術費以外に費用が必要となります。
 
悪いのはインプラントの治療部位だけですか

 インプラント治療を成功させる為にはお口全体から考えてなければならない事は以前にも述べました。インプラント治療を希望される患者さんの多くは歯周病を発病している方が非常に多くいらっしゃいます。歯周病の患者さんにはインプラント治療を行う事はできません。従って多くの患者さんは、インプラント治療以外にも歯周病治療のための治療費も必要です。


それぞれの診療施設でそれぞれの治療費の設定があります。詳しくは担当医に診断してもらい、直接ご質問されるのがベストです。
  
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2005年04月18日

インプラント治療で重要な事 Vol 2

インプラント治療で重要な事を昨日にも述べました。
診査・診断をきっちり行い、適切な治療計画を立案し、それを具現化する事だと....。

6月に東京フォーラムに於いて開催される学会で発表する内容にふれながら考えます。


学会抄録より抜粋

「インプラント治療における目的で最も大切なことは、高い予知性の獲得であり、そこに審美性が伴うことが望ましい。疾病の進行程度によって、歯周環境や、欠損や咬合状態が異なるため、それぞれの疾病状態を的確に診断しなければならない。

立案する治療計画は、歯周環境と補綴環境に高い予知性が獲得できる様に考え、その上での審美性でなくてはならない。従って、各症例における疾病構造の違いから、治療目標に対する優先順位が異なるため、審美性獲得の概念が異なる事は必須である。

今回、各治療ステージにおける治療の優先順位と審美性についての考察を行いたい。..........」

歯科治療は長期間わたり良好に機能する事が最も大切です。インプラント治療も同様です。

そのためにどうしても欠かせないのが、歯周病に対しての配慮と、咬む事によって発生する力のコントロールを十分に考えた治療計画が大切なのです。
そして、それらを満たした上で、審美性が伴う事が出来ればなお良いでしょう。  
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2005年04月17日

インプラント治療で重要な事


インプラント治療は、外科処置ばかりがクローズアップされていますが、インプラント治療で重要なことは、治療そのものに対する考え方です。
すなわち、診査、診断が非常に重要で、診断した治療目標を如何に結果として具現化出来るかが治療技術です。

インプラント治療に長く携わっていると、上記のことが如何に重要かがよく解ってきます。
インプラント治療は、歯を失った部分だけで治療を行うだけでは、決して良好な結果を得ることが出来ないことが少なくありません。残存している歯や、歯周環境に目をやり、一つの口を診断しなければならないのです。
この事は、何もインプラントだけに言えることではなく、歯科治療全般に言えることです。

しっかりとした治療計画に基づき、治療の歯周、咬合、審美の調和を計り、ゴールを見据えて行う治療をトップダウントリートメントと呼び、歯科治療では重要な事です。



以下は、日本歯科評論の次号に発表する論文からの一部抜粋です。

「具体的にメインテナンスの行いやすい環境とは何か。インプラントと天然歯は同様に、浅い歯肉溝、十分な口腔前庭、付着の獲得があげられる。また天然歯では根分岐部病変が存在しない事や、インプラントと天然歯に歯頚ラインの連続性が保たれている事などが考えられる。

治療に際してはまず。保存不可能な歯の抜歯、不良修復物の除去、ルートプレーニング、歯周外科処置を終了させる。一定期間、抗生剤の投与を行う事も術前処置として行うべきであり、可能であれば、DNAプローブ法等を用い、細菌量を術前術後で定量的に診査し、埋入時期の診断に用いることが望ましい。

長期的な咬合の安定には理想的な咬合関係を付与しなければならない。このために、事前に診断用ワクシングとプロビジョナルレストレーションや診断用スプリント等を用い最終的な顎位と咬合関係を妥当性の見いだせるまで模索する事が重要である。このことにより残存歯の咬合的、歯周的評価を行い、欠損部分に必要なインプラントの適切な埋入計画を立案する事が可能となる。

これらの全顎診断と評価の行程がトップダウントリートメント概念である。」

ー日本歯科評論5月号掲載予定から一部抜粋ー  
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2005年04月15日

インプラントとsimplant

simplant01

以前にインプラント治療におけるCT撮影の大切さを述べてきました。現在では撮影結果は「simplant」と呼ばれる専用のコンピューターソフトで解析される事が多くなりました。このソフトを使用し、インプラントを埋入使用とする骨の状態を解析するのです。

この時に必要な診断道具が「撮影用ステント」と呼ばれるものです。これはあらかじめ、インプラントの歯をどの様に作れば、口全体の咬み合わせに調和するか、どの様な配置なら、歯周環境に調和するかを全体のバランスを考えながら事前にシミュレーションずる診断道具です。

インプラント治療は綿密な計画の上進行するものです。決して初診から数日で即手術などとは行きません。じっくり時間をかけて進めることが大切です。

これを装着して撮影したものが上記の写真です。
現在マッキントッシュ用フリーソフトOsiriXを使用して、どこまで歯科臨床に応用出来るか試行錯誤中。進展し次第報告します。  
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2005年04月09日

インフォームドコンセント Vol 2

インフォームドコンセントについて考察した論文について先日述べました。
実際には歯科医療の現場でどの様に考え実践すべきかを考えまとめてみました。特にインプラントを希望する患者さんに多い。歯周病との関係を含めて考察しました。


-先日に続き、発表論文より一部抜粋-

歯科領域の疾患の多くは慢性疾患であると言える。成人の多くは歯周病に罹患している。その中でも深刻な悩みを抱える多くの患者は、欠損を伴い咬合関係に変化が生じ、顎口腔機能の機能低下が生じている症例が多く、臨床現場では遭遇する事が珍しくない。

急性症状を伴う患者は別とし、慢性疾患であるが故、実際に治療を行うまでに、時間を費やす事は可能である。患者の多くは応急的な治療を望んでいるのではなく、永続的で良好な口腔機能の回復を望んでいる事は紛れもない事実であろう。しかし同時に患者はそのことを達成するために必要な治療行為を知るよしもない。

そこで治療の始まりは、なぜ今日の口腔環境になってしまったかを理解させ、これからどうすれば良いかの目標を設定する事から始まる。このことがインフォームドコンセントの始まりであり、ここで行われる説明は科学的根拠に基づいている必要がある。インフォームドコンセントは主観的な物になっては患者を混乱させるからである。

本稿では歯周疾患を有した患者に対するインフォームドコンセントについて考察したい。


今回の論文は、法学部の教授のご協力を頂き、歯科医療現場からと、法律的な立場からの見解を合わせ考察しています。  
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2005年04月06日

インフォームドコンセント

歯科専門誌の、日本歯科評論の5月号が今月末に発行されます。
以下の書き出しで。インプラント治療におけるインフォームドコンセントについて考察した論文を書きました。

歯科界を取り巻く環境は大きな変革の時代となり、医療を受ける側と提供する側のともに変化し、新たな方向性へ進んでいくのでしょう。



-発表論文より一部抜粋-

歯科治療の多様化が進み、多くの患者は、自分の納得のいく医療を受診したいと望む様になった。しかしそれとは矛盾し、患者の大部分は、どの治療方針が自身の望む治療であるかを、具現的に伝える事は不可能と言えよう。そこで近年クローズアップされたのが「インフォームドコンセント」であり、「科学的根拠に基づく治療」と言える。インフォームドコンセントは簡単には説明と同意と訳されているが、我々医療人の行う説明とは、その多くが、科学的根拠に基づいた説明でなければならない。

今日多くの医療現場に於いて、歯科治療の説明には大きな差異が生じている事は認めざるを得ない。歯科治療に際し患者との間に不信が芽生えるはじめは、納得のゆく説明が成されないままに治療が進行し、患者に不利益が生じる事から生まれる事が多いのではないだろうか。
すなわち、インフォームドコンセントにおける説明と同意は、いわゆる説明に対し患者の理解が行われた後にしか真の同意は得られず、見かけ上の同意は、何かのきっかけで不信感という、医療現場における最悪の結果を引き起こしかねないのである

国際的にはWHOでは1994年ヨーロッパにおける患者の権利の促進に関する宣言として「全ての人は、自己決定の権利を有する。患者は、容態に関する医学的事実を含めた自己の健康状態、提案されている医療行為及びそれぞれの行為に伴いうる危険と利点、無治療の効果を含め提案されている行為に代わりうる方法、並びに診断、予後、治療の経過について、完全な情報を提供される権利を有する。」

また世界医師会では1995年に患者の権利に関するリスボン宣言改訂として「患者は自己決定の権利、即ち、自己に関する自由な決定をする権利を有する。医師は患者に対して、その決定がもたらしうる結果についての情報を提供する」と定義している。

これらの事から我々医療従事者の行う「説明」とは患者自らが治療法を選択できるまでの教育を示し、「同意」とは患者が自ら選択した治療法を意味すると考えられないではないだろうか。


論文の一部を抜粋し掲載。
  
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2005年04月04日

インプラント治療とOsiriX

インプラント治療におけるCT検査の重要性は昨日述べました。
診断に際しても、現在はフイルムによる診断から、コンピュータを用いて読影する事が一般になっているようです。なぜなら、CTの撮影データは三次元データであり、それをわざわざ二次元で表現する事は、あまりにも情報を活用していないからです。

CTデータを解析するためには撮影結果のDICOMデータを読み込むMPRソフトを使用します。つい最近まで,これらのソフトは非常に高価なものでした。
近年、このMPRソフトが各メーカから無償でダウンロードされるようになり、臨床現場で、有効利用されています。しかしながら、それらのソフトは、テラリコン等に代表されるような、WindowsOSで起動するものばかりでした。

先日にも書きましたが、私はMacを「クワドラ」時代から使っています。当時の歯科界で、私の周りには、コンピュータと言えば「マッキントッシュ」の事を言う位にMacユーザーばかりでした。そんな歯科界も2000年頃からWindowsの波が押し寄せ、今までMacを使っていた先生方もいつの間にかWindowsのノートを使うようになってきたのです。

私は昔から、Macデスクトップでマルチモニター主義です。

そんな私もCT解析用にWindowsを使っていますが、いつもMacで使えるソフトがあればと切望しておりました。

そんな折り、親しくしている放射線技師の方に教えて頂いたのが
「 OsiriX 」です。

驚くことに
このMacで動く高性能のソフトがなんと無償ダウンロード出来るのです。
何という事でしょう。

早速使ってみました。
でも、まだ使い方が今ひとつ解らないのです..........

つづく...>>>。  
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2005年04月03日

インプラント治療とCT検査

インプラント埋入手術における、三次元的診断は非常に大切な要素です。
現在、インプラント治療において私は90%程の確立でCT断層撮影を行っています。その理由は、レントゲン診断は一方向からの診断のみに限られるため、本来立体的な形状をである顎骨を正しく診断することは不可能だからです。

インプラント治療における三次元的診断の重要性は過去に
「SIM/Plantとサージカルステントを用いた画像診断」1999
「補綴の立場からのSIM/Plantとサージガイド」2003
と言ったテーマで発表を行ってきました。

また、2004年には CTの撮影データから顎骨の光造形模型と呼ばれる、患者さんの骨の模型を製作し、インプラント埋入手術前に、インプラントの歯を作製し、インプラント埋入手術後30分で、今まで歯がなかった方に、瞬時に歯を取り戻す事が出来る臨床術式を発表。この術式は特許申請中です。

これの様に、CTとインプラント治療は切っても切り離せない関係なのです。
多くの方はCTを輪切りのレントゲンの様にイメージしていらっしゃるようですが、CTの検査結果をフィルムで診断するとそのように見えるからです。

しかし、CTの撮影結果は、三次元的なデータであるため、撮影対象を、あらゆる角度や方向方観察し、その部位の、任意の方向の断面を観察する事がてきるのです。

CTの撮影結果は、三次元のデータとしているためです。

この三次元のデータを見るためには、そのためのコンピュータソフトが必要となります。私は、8年ほど前よりSIM/Plantというインプラント治療専門のソフトを使っています。
8年ほど前は、「コンピュータを使ってインプラントの埋入診断をするなんて、先生オタクだね」なんて言われたものでした。現在ではこのソフトは。当たり前のように使われています。


これらのソフトはウインドウズOSで動くものばかり...
10年以上マックを使っている私にとっては、何となく寂しいものです。
そんな私に....救世師降臨.....OsiriX

続きは次回に.....  
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