2005年07月31日

ブログが本に

昨年の末より運営しております「インプラント治療って何?」ですが、
このたびソフトバンクパブリッシングより発刊されました

「小さな会社の儲かるブログ活用術」

本の表紙

の本文中にブログの活用例として紹介されました。
早速購入して読んだところ
第2章ー小さな会社が参考にしたいブログ の項目で
情報発信しづらい業界で、細かいテーマで最新情報を発信する<P41>と題し
本ブログが紹介されています。

友人に勧められ何気なく始めたブログですが、半年余りの間に専門家の方に認めて頂ける様なブログに成長した事に、大きな喜びと驚き、そしてインプラント専門としてブログを書く事の、社会的責任を感じました。

益々、書く事がプレッシャー........?

著者の 
有限会社リレーションメイク 羽切徳行氏に 
この場を借りて御礼申し上げます。
http://relation-m.com/


追伸>>>>

小川歯科医院は明日より夏期休暇にはいります。
休みを利用してアメリカ審美学会に出席します。
新しい治療テクニックを持ち帰り臨床に役立てたいと意気込んで、出発の準備をしています。  

Posted by implant418 at 19:59Comments(1)TrackBack(1)

2005年07月24日

審美的にインプラント修復するには Vol3

なかなか更新が出来ません、目まぐるしく一日が過ぎていきます。一週間かあっという間です。

前歯部におけるインプラント治療について書いてきましたが、今回がまとめとなります。

 前歯部のトップダウントリートメントは歯冠部から考える要素よりも、歯肉形態から考える要素に重点を置くこと。骨形態を如何に理想的な状態に、いつの時点で、どの術式をもて改善するかの診断が重要となる。

 前歯部、特に上顎中切歯をインプラント補綴により修復することはインプラント治療の中でも難易度の高い治療術式である。特に隣在した二本のインプラント間に、失われる前と同等の歯冠乳頭を再建する事は最も困難な治療と言えよう。

 今後、スキャロップ状のインプラント歯頚部を持ったインプラントの臨床応用など、期待が高まる事は事実である。二歯欠損症例を、予知性の高く成功させるためには、軟組織と硬組織のマネージメントを的確に行い、隣在するインプラント間の骨を如何に再生させ、維持させる事が、審美的なインプラント治療の成功の鍵となると言えよう。

「前歯部2歯欠損を審美的にインプラント修復するには」
デンタルダイヤモンド、審美修復 第30巻第10号 78-79、2005 小川洋一
より改編  
Posted by implant418 at 21:47Comments(0)TrackBack(0)

2005年07月17日

審美的にインプラント修復するには Vol2

インプラント治療の結果を美しく仕上げるためには、精巧で緻密なステップを積み重ねるような治療が必要となります。
そして、しっかりとした診断のもと、正確な治療技術を駆使して治療を成功に導かなくては成りません。


 前歯部のインプラント治療を審美的に成功させるためには、インプラント頚部周囲の硬組織、軟組織のマネージメントを行い、生物学的に理想的な位置と解剖学的に妥当性のある位置を一致させ、三次元的に正しい位置に、インプラントを埋入する事にある。

 埋入されたそれぞれのインプラント周囲の生物学的幅径を考え、それぞれが距離によって影響し合う事による骨の形態を考える事が重要である。よって前歯部に二本のインプラントを埋入するに際し、インプラントーインプラント間の距離は3mm以上ある事が必要で、インプラントー天然歯の距離は1.5mm以上必要とされている。
ここで大切な事は、これらの骨の幅径はインプラント周囲全週で考えなければならない事で、レントゲン的に診断出来る近遠心的方向のみならず唇舌方向の幅径、特に唇側にインプラント辺縁より1.5mm以上の十分な骨の幅がある事が望ましい。また、統計的にはインプラントーインプラント間の骨頂から歯間乳頭の頂点までの垂直的距離は3.4mmと報告されている。

 審美的な歯冠形態を得るためには、上記の数値を既存の骨形態から診断するのではない。インプラントの埋入を、診断用ワクシングによって求められる、獲得したい歯肉形態から、3mm根尖側に位置するような、埋入位置を想定し、その際の骨形態を診断しなければならない。この時点で、インプラント周囲にこれらの条件を満たすだけの解剖学的妥当性を見いだせなければ、インプラント埋入手術以前に、またはインプラント埋入時に、骨増多術を行い、審美的歯肉形態が獲得出来るよう、妥当性のある骨形態に改善する必要がある。

 上記の事を適切に診断して行くには、欠損部位に理想的な歯肉形態を求め、それを具現化するに必要なインプラントの埋入位置を診断する。その後、現状の解剖学的骨形態を把握し、その差異を水平的成分、垂直的成分の二つに分けて、そのそれぞれを定量的に診断し、それぞれの欠損状態を改善するにため、最も適した臨床術式を選択する事が必須となる。


「前歯部2歯欠損を審美的にインプラント修復するには」
デンタルダイヤモンド、審美修復 第30巻第10号 78-79、2005 小川洋一
より改編

つづく.........>>>
  
Posted by implant418 at 16:46Comments(0)TrackBack(0)

2005年07月10日

審美的にインプラント修復するには

インプラント治療の結果を美しく仕上げるためには、精巧で緻密なステップを積み重ねるような治療が必要となります。

骨の吸収が大きい場合には、骨の移植を二回行ったり、その上で歯肉の移植も行ったりと、外科術式だけで数回、治療期間2年以上となる事もよくあります。それだけ、前歯のインプラントを美しく仕上げることは難易度は高い治療です。

以下に、発表論文を数回に分けて紹介します。

 インプラント治療の審美性はその施術に際し、フィクスチャー埋入の三次元的位置関係がその予後を大きく左右する。しかしながら、歯を失った事により、または、歯を失わざるを得ない状況では、顎堤は変化を余儀なくされ、審美的な形態からは著しく逸脱することになる。
 歯が欠損し変化した顎堤は、フィクスチャー埋入のための理想的な三次元的位置関係を困難なものとする。そのため、審美性の重要視される部位でのインプラント治療では、審美性の回復を目的とした、軟組織や骨の増多が必要となる。

 特に隣在する二本のインプラントに、審美的補綴施術のためには、インプラント間の骨を如何に再生、維持させるかの診断基準、移植や埋入の術式が、インプラント治療成功の大きな要素であり、審美性回復の可能性を大きく左右すると考えられる。

 このため、診断には近遠心的な二次元の診断のみならず頬舌的な形態を考えた、三次元の診断が必要となる。審美的に妥当性が得られない形態を分析し、骨の増多を、いつの時点で、どの術式を用いて行い、いかに成功させるかが、治療を成功させるために重要である。


前歯部2歯欠損を審美的にインプラント修復するには」
デンタルダイヤモンド、審美修復 第30巻第10号 78-79、2005 小川洋一
より改編

つづく.........>>>  
Posted by implant418 at 19:17Comments(0)TrackBack(0)

2005年07月03日

インプラントの偶発症

今月出版されるデンタルフロンティアQA誌の「困った時のQ&A」のコーナーに以下のコメントを書きました。
このコーナーは読者である歯科医師の質問に答える形式で構成されるコーナーです。インプラントの質問ばかりでなく一般、審美、歯周から税務まで日頃のちょっとした疑問を主に、幅広く構成されています。

今回、インプラント治療における偶発症についての質問に答えました。
インプラント治療における偶発症で、真っ先に思い立つのが外科的偶発症です。しかし、日常的に高頻度で発生している事は、外科的な事ではなく、補綴、歯周的観点から見た、いわゆるインプラントは骨に接合しているけど、これで良いの?と思えるようなインプラント治療です。この事は、外科的問題とは異なり、一般の患者さんにはなかなか解らない事が多いようです。

このブログ、思ったより歯科業界の方も読んで頂いている様なのですが、歯科技工士の方なら..........同感の方多いのではないでしょうか........。
歯科治療における良質とは何かの情報公開が望まれます。


ーインプラント治療における偶発症ー

 インプラント治療をおける偶発症で、大きく取り上げられる事項に、外科的な偶発症が挙げられる。これらには、下歯槽神経の損傷や上顎洞への感染の波及などや、インプラントコンポーネントの誤飲等が考えられる。
前項は、CT撮影等を行い三次元的な解剖学的形態の精査を行う事、その上で事故の事前回避に努める様、時間をかけ、安全性の確保した手術計画を立案する事が必要である。
コンポーネントの誤飲等は、咽頭にガーゼを敷く事や、器具に糸を結ぶ事などにより回避する事が出来る。全身状態の診断は専門医に対診する事も必要な場合もある。外科的項目については、多くの外科術式マニュアルに掲載されており、ここでは簡単にとどめる。
 
 外科以外の偶発症について考えてみたい。近年、他院にてインプラント治療終了後の患者のセカンドオピニオンを受ける機会が増えてきた。それらの経験から、広義の意味でのインプラント治療の偶発症について考察してみたい。相談の多くを分類すると1.咬合関係の異常2.歯周環境異常に大別される事が多い。

1.咬合関係の異常、
 これらを主訴とする患者を精査すると、遊離端症例の欠損部に、ただ単にインプラントを埋入し、欠損部の補綴を行っているケースが多い事に気づく。
低位咬合を伴う顎関節の後方転移等が生じているにも関わらず適正顆頭位を見失ったまま治療を進めた結果生じていると考えられる。残存歯の咬合関係や咬合平面、下顎の三次元的位置関係など、欠損部の診査以外に多くの診査項目のある事を忘れてはいけない。

2.歯周環境の異常、
 インプラント周囲の腫脹、出血、時としてインプラントの動揺を主訴とする。
インプラント補綴周囲の歯周環境を良好に保つためには、三次元的に良好な移入位置、歯周環境に調和した補綴物の二つによって達成できる。大切な事は、メインテナンスの行い易い歯冠形態や歯周環境を具現化できる治療計画を立案する事である。また歯周疾患に罹患した残存歯の予知性や、咬合負担能力等もインプラント治療を行うにあたり十分に検討しなければならないし、咬合関係は1.に述べた通りの診査事項となる。埋入手術前に歯周治療は終了させておく事は必要条件となる。

 上記の事は、インプラント治療を治療のゴールと考えてしまい、欠損部のみを見てしまった結果生じる、広義の意味の偶発症と考えられる。これらは、臨床の現場では外科的偶発症より高い確率で発生している様である。

 欠損部におけるインプラント治療は目的ではなく、手段である。全体を見ずしてインプラント治療は行えない。治療結果を予知性高く長期間良好に保つためには、全顎的に良好な包括的な歯科治療を施術する事が大切である。そのためには、咬合、歯周共に調和した全顎的な歯科治療を行うための診査診断を注意深く行い、そして施術する事が、これらのリスクを回避する唯一の方法であると考えられる。
  
Posted by implant418 at 21:22Comments(0)TrackBack(0)