2005年09月28日

第5回日本国際歯科大会

登壇依頼状

先日、一通の封書が届きました。歯科業界一位の出版会社、クインテッセンス社からでした。

表には、「重要」の赤いハンコが押されていました。

やや緊張しながら開封してみると、そこには一通の手紙が.......。

「第5回 日本国際歯科大会ご登壇依頼状」とありました。

日本国際歯科大会とは4年に一度、横浜で開催されるワールドワイドの歯科大会で、日本の歯科臨床系学会の中では最高峰の学会です。歯科臨床家にとっては、オリンピックに称される、最も憧れの学会です。

来年、2006年10月13.14.15日にわたりパシフィコ横浜において開催されるとのことです。
世界中から超一流の歯科臨床家50名あまりが集結。国内からも歯科界の大御所、全国の超有名歯科医師が一同に横浜の地に集結する学会です。

手紙は続きます「..............つきましては、先生にぜひ本大会でご講演していただきたく、本日ここに書面をもちまして、謹んでお願い申し上げます。.........」

もう一度読み返します。もう一度宛名を確認してみました。
どうやら、本物のようです。宛名違いでも無いようです。
身体に激震が走りました。

私は日常的に治療を行う臨床家ですので、何かを研究して発見したとかで、学会発表を行うのではありません。日常の歯科治療の結果を報告し、この様に治療すると、こんな治療結果が出て。患者さんにこんなに喜ばれますよ。といった、臨床技術の発表を行っております。
一般の方々が想像する学会は、発見だとか、発明だとか、医科系だと研究成果とか.....
そういう内容ではなく、あくまでも、日常の治療結果の延長上に学会の発表内容があるのです。従って私の発表内容は、良好な治療結果を出す事。これに尽きるのです。

小川歯科医院は一年後のオリンピックを目指し、強化合宿態勢に入ります。
スポーツ選手がタイムを競うように
臨床家は、治療結果で..........。  

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2005年09月25日

良い治療の条件 治療結果

前歯術前01前歯術後01
いくつもの治療ステップを経て、多くの時間を掛けてセラミックの冠を装着することができました。自然観のある歯と健康な歯肉を取り戻すことができたのです。

この治療を始めるきっかけは、以前から装着していたセラミックの色が気に入らないことでした。しかし、この歯は、単に色が悪いだけでなく歯肉にトラブルが発生していました。そこで、治療の目標は、セラミックの冠を交換するだけでなく、健康な歯肉を取り戻すことも含まれるのです。

治療項目を順序立てて書くと

1. 歯肉の治療 
この事は何回か分けて書きました。もっとも時間のかかる治療です

2. 笑顔に調和した歯の形
今回は形について書きませんでしたが、歯肉の治療同様、仮の歯を何回か修正したり、作り替えたりしながらもっとも自然に見える形を探し出します。歯の色同様形もオーダーメードです。

3. 精度のよいセラミック冠の装着
精度よく歯の型を採り、ピッタリと適合のよいセラミックの冠を装着します。もちろん、残っている歯と同じような色合いで仕上げます。そして最後にかみ合わせのチェックも忘れてはいけません。

数本の冠を装着するだけでもこんなに大変です。本数が多くなればなるほど考えなければならないことは沢山あります。治療もかなり難しくなります。正確な診査診断基づいた、精密な治療技術が必要です。

歯科治療は、型を取って被せる。といったイメージが強いようですが、被せる行為は治療の行程では最後の最後です。実はその前の積み重ねの治療が、治療の質に大きく影響してくるのです。

全体的な問題点をしかっりと考え、細かい積み重ねを重ねる。実はこの考え方は、インプラント治療にもそのまま当てはまります。インプラント治療も最初にインプラントの埋入手術があるように考えられがちですが、実はインプラント埋入手術以前に行わなければならない治療ステップが数多く存在します。これらの治療ステップを怠って、いきなりインプラントの埋入手術を行うようではインプラントが骨に接合すると言う狭義の意味での成功は得られますが、残念なことに、かみ合わせの調和、歯周環境の調和、長期的な安定といった、良質な歯科治療結果を得るという、最も大切な結果を得ることはできません。

目に見える部分が同じでも
綺麗なセラミックの冠がただ入っただけ。
色々な事を考えて、かみ合わせや、歯周環境に調和した長持ちするセラミックの冠を装着する。
全く違う二つの治療。

セラミックの冠をインプラントの冠に置き換えたも同じ事が言えるでしょう。

普及し始めたインプラント治療、裾野が広がり始めましたが、正しい治療概念で広がってほしいものです。

  
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2005年09月23日

良い治療の条件 Vol3

仮歯は、ただ仮に入れておく取り敢えずの冠ではなく、歯肉の治療を目的とした非常に重要な役割を担っています。

前回、仮歯で行う重要性について書きました
仮歯を用いて、一月以上、数時間に及ぶ治療の結果、歯肉は健康を取り戻したのでしょうか。

印象前

この写真は、型を採る治療に際し、仮歯外した直後の写真です。歯肉のラインより、約0.8mm程削られた状態がご覧頂けるでしょうか。



そして、削った歯の周囲の歯肉はピンク色をした健康な状態を呈しています。
この様に、炎症無い状態でなければなりません。
言い換えれば、赤く晴れていない、出血が無い状態の歯肉でないと、冠を作製する準備の、型を採る治療を行う事が出来ないのです。

歯の型を採る治療については、2005年1月のブログで7回にわたり詳細を書きました
ご参照下さい

http://blog.livedoor.jp/implant418/archives/11851762.html
上記投稿より7回にわたり写真付きで解説してあります。

今回、適合の悪かった古い冠を外した際に、発生していた炎症部分の治療を、仮歯を用いて行った例を挙げました。この他にも、色々な原因でトラブルが発生します。原因にあった細かい治療法が他にもあります。

この事を通じて解っていただきたいことは、被せ物の治療一つとっても、歯科治療は細かいステップの積み重ねから成り立っている事です。

治療結果は......続く >>>
  
Posted by implant418 at 13:04Comments(0)TrackBack(0)

2005年09月18日

良い治療の条件 Vol2

最近、ブログ更新の頻度が落ちています。
もう少し書かなくては..........。
でも...........クインテッセンスの論文投稿の期限が直前に!
デンタルダイヤモンドの別冊の校正も!

そして本業も大忙しで
昨日も今日も昼休みなし.......サンドイッチとコーヒーで昼休み10分間。

でも、時間は作るモノとばかりに、新ページを立ち上げました。
このページ、今後私が登壇する講演会や発表論文の報告を中心にまとめようかと考えています。


前回の続きです。
冠を外した、歯肉は炎症.........
原因は被せた冠と歯との接合部分に不適合があったためと考えられます。
時に、歯を歯肉の縁より、ある一定の深さ以上削ってしまうと起こる場合もあります。この事を生物学的幅径の侵襲と呼びます。

治療の方法は色々考えられますが、このままではいけません。多くの項目をここで取り上げる事は出来ません。今回は、仮の歯を作る時のポイントを書きます。

テック作製時
この様なケースで多く用いられているのは、専用の糸を歯と歯肉の周りに巻いて精度のよい仮歯を作るのが基本です。

ここで、一つポイントがあります。炎症が重度な場合や、以前に被せていた冠の縁が、深かった場合は、一回で精度のよい仮の歯を作製する事ができない場合があります。出血が多い為、歯を削ってある部分、削っていない部分の境目が明瞭に出来ないためです。

この場合、一回の仮歯を装着した後、7〜10日間デンタルフロスを毎日行って頂き、その後に再び上記の治療ステップを行い仮歯を併せる。またデンタルフロスを行って頂く。仮歯を合わせ精度を高める。
形成時

この治療を繰り返し行う事によって、冠を作製するにあたり必要な、型どりの前に周囲の歯肉に炎症が無い状態に治療しなければ成りません。
この様に、適合精度に優れた仮歯を作る事が、歯肉の健康を取り戻す事に役立ちます。

仮歯は、ただ仮に入れておく取り敢えずの冠ではなく、歯肉の治療を目的とした非常に重要な役割を担っています。これら仮歯の調整に治療に必要な治療時間は、1時間以上を要します。本数の多い場合は何回にも分けて行うため、多くの時間と、治療回数が必要となるのです。

良い治療は、材料のみでなく、細かい精度の高い治療のステップの積み重ね。

健康に歯肉なった歯肉は次回に........>>> つづく

  
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2005年09月07日

良い治療の条件

学会の出席や発表の話題ばかりが続いたので、ちょっと話題を変えようと思います。

前歯にセラミックの冠を被せる話はよく聞く話です。
インターネットの相談コーナーには、セラミックの自費医治療か、レジンと呼ばれるプラスチックを用いての保健治療の違いを相談する投稿も見受らけれれます。
これらの質問には丁寧な答えが返答されて、情報が公開されたかのように思えます。
しかし、歯科医師の立場からすると、少し物足りなく感じるのは私だけではないようです。

それらの答えの多くは、使用材料の違いであるために生じる治療費の違いであると述べられている事が多いからです。

セラミックは変色しない、摩耗しない。レジンは変色する、摩耗する。治療費の違いを、材料の違いとしている事は決して間違えではありません。

違いはその部分だけでしょうか.......。

被せ物の治療における良質とは?

私の考える良質とは........適合精度や咬み合わせの精度だと考えています。
ですから治療費の違いとは、この部分の違いで、上記の結果を追求するために、歯科医師、歯科衛生士、そしてそれを作る歯科技工士。それらの人がその治療に費やす技と時間の違いであると考えています。

最も簡単に言えば、削り方と方の採り方、そして作り方の違いと言えるでしょう。
セラミックを用いた冠を装着した、良い治療結果が達成出来ていないケースに遭遇する事は、悲しい事です。

精度のよい型を採るためには数々のテクニックが存在します。
ここでは、セラミックの冠をやり直す際の数々のテクニックのうち、ほんの一つを紹介します。

クラウン除去


セラミック冠の再治療を望まれた方が、お見えになりました。
デンタルフロスの使用時に痛みと出血があるとの事です。

冠を外してみると歯肉に炎症があります。
なぜでしょう、そしてどうやって治療するのでしょう.........?

次回へつづく...........>>>  
Posted by implant418 at 23:42Comments(0)TrackBack(0)

2005年09月05日

海外遠征パート2

インプラントの国際大会が11月にフランスにて開催されます。

私は、かねてよりその学会で発表すべく、抄録を提出しておりましたが
その書類選考に無事通過、現地時間11月11日午後に発表の場を与えられました。

8月の台湾での発表に続き2回目の海外での発表となります。
昨年までは、海外には発表を聞きに行く立場だったのが
立場逆転
なんと自分が発表する事となったのです。それも年2回も
今年は、歯科医人生で思い出の年となりました

国内での講演や論文提出期限なども含めると年内の予定はほぼ一杯一杯です。平日は診療、終了後は歯科業者をはじめとする、色々な方との面談などがあり、多忙な日々を送っています。終日休日の日はほとんどありません。

しかし、本業は歯科医師です、治療が順調にいかなければ、全てがダメになってしまいます。今日も明日の手術の準備のため、診療室に行きCTの見直し、手術に際し使用する、サージカルステントと呼ばれる道具を調整して明日の手術に備えてきました。

極めの細かい治療を行う。そのことが良好な治療結果をもたらす。それらを記録にまとめる。
そして、見直す事により、反省点や気付く事、何よりも学ぶ事が沢山ある..............。

歯科治療は、「知」と「技」の二つによって達成できる複雑で時間の掛かる、こだわりの領域です。  
Posted by implant418 at 02:38Comments(0)TrackBack(0)

2005年09月02日

病診連携

インプラントンの為の骨増多術を大幅に行う必要性のある患者さんがいらっしゃいます。口腔内より骨を採取するには、その量に限界があるため、採取量と安全性を考え、口腔外より骨の採取を行う計画を立てました。
大学病院で入院下で行うため、本日、大学の先生とその打ち合わせを、患者さんを交え行いました。

現在、インプラント治療は、適応症が拡大し、今までインプラント治療を行うことが出来なかった方でも、インプラント治療が出来る様になりました。
そして今回のこの患者さんの様に、大幅な骨移植は必要で、今まで妥協的に行っていた治療も、口腔外からの骨の採取を、積極的に行うことにより、適応症も増すます拡大しています。

この様な大幅な骨移植、高齢者や、心臓疾患など有病者の術中管理をはじめとする、病身連携は今後重要になってくると考えられます。


今回一緒にお話をした大学の先生は、10年以上前から何度も一緒に仕事をさせて頂いた気心の知れた先生で先輩でもあります。時間も遅かったため、夕食をご一緒しました。食事をご一緒するのは一年ぶり位のため、昔話で盛りあがりました。

10年以上前、インプラントの大学主催の研修会を何年も行っていました。その頃お互いに30代だった二人は夜遅くまで準備に追われたり、色々なことを話し合ったり...........

40代になりそれぞれの道で、責任の有る立場になり、話の話題も変わりました。
それでも、嬉しい時間を過ごすことが出来ました........。  
Posted by implant418 at 22:32Comments(0)TrackBack(0)