2005年10月30日

「知」と「技」

自由診療表紙

「知」と「技」を修練し、患者さんに質の高い医療技術を提供

この言葉は、先日発刊された歯科学術誌の新刊本「腕を上げたい、うなくなりたい」ーデンタルダイヤモンドーに掲載された私の論文のタイトルの言葉です。

http://www.dental-diamond.co.jp/


この本の発刊における編集部の意向は次のように巻頭の言葉で書かれています。

「腕を上げたい」「うまくなりたい」は、意欲的な臨床家ならばごくごく当たり前の思いだろう。どんなに理論や理屈に通じても、それを患者の口腔内に応用できなければ、臨床家の評価はゼロである。結局、”手が動かななっくっちゃ” 歯科医は成立しない。その意味で歯科は特殊な医療分野と言えるかも知れない。医療という自然科学の世界に職人的「技」が大きなウエイトを占めるからだ。

ーーー中略ーーー

ということで、歯科医療の第一線で活躍する臨床家に、臨床手技の飛躍、ステップbyステップした症例「私は自由診療でスキルアップした」を読者諸兄にお届けしたいと思う。自由診療の魅力は奥が深い!のだ。

書籍編集部

とあります。



この歯科医師向けの書籍に先日私の臨床ケースが紹介されました。

この中で、インプラント治療を成功に導くための基本な考え方を、
インプラント治療とは、欠損を生じ顎口腔機能に異常を生じた口腔内に、咬合、歯周、審美のそれぞれをより機能的に、予知性高く導くために必要な治療ステップの一つである。欠損を有する患者が望むものはインプラント治療ではなく、高い予知性を持った顎口腔機能の回復に他ならない。その具現化にはただ単に欠損を生じた顎堤にインプラント治療を施術しても患者の満足は得られないばかりか、治療結果を予知性高く維持することが困難なことさえある。
と述べました。

すなわち、
インプラントを歯を失った部位にただ漫然と埋入するだけでは、けっして高い治療結果を得ることは出来ないこと。口の中の全体をしっかり見据えて、口腔機能全体をしっかり治療する、歯科トータルの治療技術か必須であること
単にインプラントの治療術式だけでなく、高度な歯科治療術式全般をしっかりと実践しなければならないと言うことを伝えたかったのです。

そして最後に、

術前の診査診断を分析できる学者の要素と、立案した治療計画を精度良く遂行することのできる、職人的な要素の二つの要素が求められる。臨床技術のレベルアップのポインは、良好な口腔機能を維持させることを可能にする「知」と実行する「技」を常に修練する事である。

と結びました。  

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2005年10月25日

患者が満足する口腔デザイン

フロンティア表紙
歯科専門学術誌のデンタルフロンティアQAの最新誌の巻頭にに論文が掲載されました。

「患者が満足する口腔デザインとは?」と題し7ページから24ページわたり、いくつかの臨床ケースを提示しながら、良質な診療を行うために必要な臨床的考察を執筆しました。
巻頭カラーということで、使用スライド138枚を用い原稿用紙35枚と長い論文となりました。


http://www.dental-diamond.co.jp/



普段はインプラント関係の執筆依頼が多いのですが、今回は「患者が満足する口腔デザインとは?」とのタイトル頂いたため、良質な歯科治療とは何かを考え、それに基づいて、前歯部の審美ケースを中心に、歯周形成外科(歯肉形を口元に調和した形に整える外科手術)のステップを詳細に解説しました。
また、広範囲の欠損のため咬合が崩壊したケースを診断する際に、顎間接のMRI撮影の応用について触れ、インプラント治療のケースも解説しました。

この論文の中で
現在の歯科治療においてチームアプローチがいかに大切か。また診査診断によって導き出された治療目標をいかに説明するか。そして、そのことをどの様な治療によって具現化するかについて述べました。

最後に
医療行為に対する人のニーズが多様化しても、良質な医療を受けたいと願うニーズは変わることはない。そのことにポイントを絞ってじっくりと患者さんと向き合うことがいかに大切かと結びました。  
Posted by implant418 at 22:36Comments(0)TrackBack(0)

2005年10月21日

学会誌の表紙に

JCPG

日本臨床歯周療法集談会 - JCPG
( Japan Clinical Periodontal Group )と呼ばれる、歯周病治療を中心とした学会があります。

今月発刊された学会誌の表紙に、私の手術シーンの写真が採用されました。この事は、発刊されるまで全く知りませんでした。
送られてきた郵便をあけると学会誌がありました、グリーンでまとめられクールな感じに仕上がってるなー、ウチの手術シーンに似てる写真使ってるなーって、PRP使った手術なんだー。最初に見たときはそう思いました。


よく見ると..............
エーーー それってウチのー(*^_^*)

開けてびっくり学会誌です!
学会誌の表紙に登場とは........誠に光栄です!

実は、この学会誌に当医院の歯科衛生士が論文を投稿していたのです。
「インプラント治療チームにおける歯科衛生士の役割ー多数歯欠損症例を考察するー」
黒崎信子 岩井理子 小川洋一 2005 Vol.19 22-23

この投稿論文で使用している写真が、学会誌の表紙として採用されたようです。


この学会の巻頭語には、「ホスピタリティ・マインドを持とう」と題し以下のように書かれています
ー抜粋ー
「私たち医療従事者にとって必要とされるのは、第一に医療技術であることはもちろんですが、患者さんとのファースト・コンタクトにおいては特に、以後の良好な患ー医関係をかたちづくるためのホスピタリティこそが医療技術に負けず劣らず大切になってくるでしょう。」
ー以下続くー

我々の投稿論文にも、まとめとして
「歯科医療チームにおいて治療行為に分担はあるが、身につける知識に分担は存在しない。歯科衛生士は豊富な知識を身につけ患者との架け橋になり、良質な医療を提供する医療チーム内で重要な存在になる事が求められている。」 と結びました。

歯科医師だけが頑張っても出せる結果は限られています。これからの時代の歯科医療は、治療チーム全体でより質の高い治療結果を出さねばならない時代となりました。
そして、まします治療内容は複雑化、緻密化してきます。チーム全体でいかに良質な結果を出せるか、目標を具現化するための修練をいかに重ねる事が大切なのでしょう........。


写真の真ん中が恥ずかしながら私です (^_^) ..............  
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2005年10月16日

ブログ紹介

友人のブログを紹介します

技工戦士・渡邉 一史のsmall world!

このブログ、歯を作る歯科技工士さんのブログで、専門的な内容なので一般の方は取っつきにくいと思いますが、写真をたくさん使っていて、何となく見てみても面白いかもしれません。
もちろん、業界の方は是非訪問してみてください。

特に、プロフィールの写真で用いられているガイコツは、レジンと呼ばれる仮歯などを作る際に用いられる、歯科材料を用いて作られています。
よく見るとそこには精巧に作られた歯が28本。そのうち前歯の一本はインプラントの歯になっています。
残り27本の歯は、それぞれ歯の根の部分までも精巧に再現されているこだわり様。もちろん、日常臨床で実際に用いられるポーセレンと言う素材で細部にわたりこだわって作製されています。

こんな遊び心だけでなく、実際の臨床はというと、QDTと言う歯科専門誌の巻頭を飾る、Masterpieceと言う非常に難関なコーナーにその実力を紹介されるほどの達人です。

まだ始まったばかりのブログですが立ち寄って見てください

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10月11日のブログより転載

渡邉写真
時とは過ぎてみると早いもので、もう秋です。
秋は恋人達が寄り添うのが似合う季節です。「寄り添う恋人達☆」を歯で表現してみました。


向かって右が女性の歯です。実際の患者様の歯をセラミックで模倣したものです。左が男性の歯をイメージして製作したものです。歯だけを見て性別を判断することは難しい部分もあるのですが、何となく男女が寄り添うように見えないでしょうか?
恋人達にはいつまでも寄り添っていて欲しい、そんな気持ちで写真におさめてみました。
秋は人の心をセンチメンタルにさせるようです・・・

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2005年10月10日

歯科医院選び

OJ発表01
先日、ある患者さんからメールを頂きました。この患者さんとは、症状についてのメールを交換した事のある患者さんで面識はありません。もちろんその患者さんが現在どこの歯科院に通院しているかは知るよしもありません。
その患者さんからのメールには以下の事が書かれていました

患者さんは、主治医の先生と、私のブログの事は話題にお話をしたそうです。するとその先生は
「えー、小川洋一先生は、私のお友達だ。とても上手な先生だよ。でも、私も負けない位に前歯を綺麗に作ってあげますよ」とおっしゃったそうです。
メールには「ビックリしたり嬉しかったりです。」と続いています。

面識のない患者さんではありますがどこの歯科医院で加療しているのかな?と思っていたやさきでしたので。
でも、心配ご無用。私も、この先生を存じていますし、治療技術も知っています。この患者さんはきっと素晴らしい治療結果を手に入れる事でしょう。


インプラント治療に限らず歯科治療は、受診する施設により、治療結果に大きな違いが出る事は残念ながら事実でしょう。
しかし、一般的にはどこで受診したらよいか判断がつかないのも事実です。現在、歯科医院選びの情報源としてインターネットが大きなウエイトを占めています。
2005年2月に
:インプラント治療の情報収集
:インプラント治療と口コミ
:HPにおけるインプラント症例
の項目で書きましたが、インターネット上のインプラント情報化は氾濫しています。バーチャル空間では迷医も名医に大変身も珍しくありません。

ここからは、私の私見ですが、歯科医院選びの一つの基準として、個室による手術の施術や清潔環境の確立は最低条件ですし、個人の技量とは関係がありません。00学会会員や00学会認定医などは、ほとんど意味を持ちません。
臨床的な技術を基準にするのならば、臨床系学会の発表経験の方が価値は高いと考えます。それも現在も継続して発表している事に価値があります。
そして、何よりも困難を乗り越えた結果は、臨床系(治療技術系)の論文の投稿経験でしょう。
自分の臨床結果をまとめて臨床系の論文にまとめる事は、かなりの治療技術の修練がなければ出来ません。
ちょっときつい表現になりますが歯科界では、バーチャル空間のみで有名な方々もいらっしゃいますので、それらの先生方が実空間で有名かどうかは............。
大切な事は、歯科界の専門家が治療技術を判断している方が信頼度が高いと思います。
これらの先生がWebに露出する機会は多いとは言えませんが......

そして、医療人としてのホスピタリティーが備わっている事も必要です。
これは、相性もありますので、判断基準は難しいと思います。

メールは続きます
「私の治療は、まだまだ続きますが、0000先生を信じて良い結果がでるように頑張ります。」

このメールにもあるように、最終的には人と人の信頼関係となるのでしょう。
そして、我々はその信頼に答えるべく技術の修練に努力するのです。

インプラントが素晴らしいのではなく
インプラント治療かもたらす結果で、喜ぶ人がいる事が素晴らしいのです.........。

「小川先生、今後も、インプラントの情報を沢山発信してください。ブログ楽しみにしています。では、また」......ありがとうございました。応援してくださいネ!
これからも営業色を出さないWeb発信をかんばりマス。
上の写真は私の発表時の写真ですが、その時は心臓バクバクです (^_^;)
  
Posted by implant418 at 12:37Comments(0)TrackBack(0)

2005年10月09日

手術連携

手術風景01
先週の3件の手術はこれからの時代を反映するかの様な手術となりました。2件の手術は他歯科医院からの依頼による手術。残る一件は、口腔外からの骨採取を必要とする骨移植手術で大学のチームと大学病院で入院下で行いました。

移植手術に関しては
9月2日のブログに少し書いた内容です

現在、インプラント治療の急速な普及に伴い、インプラント外科を手がけていない歯科医院でもインプラント治療を希望する患者さんが増えています。そのため、インプラント埋入手術を私が行い、インプラントの上部構造部分の治療を主治医の先生にお任せする、連携による治療が行われています。そしてもう一つが、大規模な骨移植手術における大学病院との病診連携です。

いずれのチームアプローチも、今後多様化するインプラント治療をより安全かつ確実に行っていくために大切な、チームアプローチの在り方と言えるのではないでしょうか。

インプラント治療は益々多様化し、易しい症例はより簡便になりますが、その反面、成功の基準レベルが向上し、中程度以上の症例にいおいては、治療の術式がより複雑で難易度の高いものとなる傾向になります。

一口にインプラント治療といっても、簡単に語れない幅の広い治療方法です。また治療を受ける施設によって治療結果にバラツキのある事も事実でしょう。安易な治療でなく質の高い治療結果が得られるよう、歯科業界としてのコンセンサスが得られる事を切望します。  
Posted by implant418 at 19:36Comments(0)TrackBack(0)

2005年10月02日

即時荷重インプラント

光造形模型
先日、ブログに掲載した私の治療結果に、お褒めのコメントを頂戴致しました。ありがとうございます。またメールでのご質問で、インプラントは埋入手術後、一定期間を待たならないため、その期間をなんとが出来ないかという内容のご質問も頂きました。


現在、インプラント治療は、ある一定の条件を満たした場合、埋入手術後、直ちにインプラントで咬む事が出来るようになりました。ただし、条件が厳しく、骨の条件に恵まれた一部の患者さんだけが、この術式に精通した歯科医師のもとで行う事の出来る最新の術式です。

インプラント埋入手術後に如何に短時間で機能回復が行えるかを考えた術式を考案し昨年発表致しました。
CTのデータから埋入予定の骨の模型を作製、埋入シミュレーションをパソコンで行い、インプラント埋入手術後の状態を想定した模型上で、インプラント埋入手術前に歯を製作します。
この術式を用いれば、手術終了後約1時間でインプラントの歯でかむ事が出来るようになる画期的な術式です。

この術式、11月にフランスで行われる国際学会で発表予定です。
International Congress of Oral Implantology World Congress XXIII

今日、インプラント治療を初めとする歯科治療は進化を遂げています。変わる事のない基本を忠実に守りながら、進化する潮流を取り入れる。

完成度の高い治療結果を獲得する為に、進化する臨床家を志して.............  
Posted by implant418 at 22:23Comments(0)TrackBack(0)