2006年03月30日

明海大学同窓会卒後研修会講演

同窓会発表01

26日(日)に東京上野にて、明海大学同窓会の主催する卒後研修会に招聘され2時間半の講演を行いました。
インプラント治療をこれから行いたい歯科医師の方々や、導入間もない歯科医師の方々に向けた講演内容を依頼されたため、基本的な事項についての内容をお話ししました。

特に、欠損治療を行うにあたり大切なことは、インプラントの埋入技法もさることながら、いかに長期的な安定を持つ咬み合わせを回復させるかが重要な要素となること。そして術前にしっかりとした、一口腔単位の治療ゴールを診断できるかが、インプラント治療の良し悪しのポイントであるかを、具体例を提示しながらお話を進めました。

東京での講演は、私の顔見知りの先生方も多く参加されており、見ず知らずの先生方のなかでポツンと講演するよりは、心強い面もあり、リラックスしたムードで2時間半を乗り切りました。

術前にしっかりとした目標を立てること。それはインプラントを骨に接合させることではなく、咬み合わせが壊れた顎口腔機能をいかに回復させるかです。インプラントはそのための方法の一つに過ぎません。外科的な事が前面にクローズアップされがちなインプラント治療ですが、外科的な成功はあって当たり前で、その後の治療がいかに適切に行われるかがインプラント治療の質に関係します。もちろん、世の中には、残念なことにそれ以前のケースもしばしば目撃しますが。

インプラント治療の成功は、骨とインプラントが接合することだけではありません。
外科、補綴、歯周、といった各分野の治療内容がバランスよく調和し、安全に、正しく咬めて、メインテナンスし易い、長持ちする治療結果を持って成功と言えるのではないのでしょうか。

受講の先生からFAXを頂きました。「欠損部位だけの治療ではうまくいかないことを、頭では理解していても、それを実践することはとても難しい事ですよね」と
確かに、患者さんに、そのことを説明し、治療方針を受け入れて頂く事は難しい事と思います。ましてやそこに新たな治療費が発生するのですから。

溢れるインターネット情報では、そんなことお構いなしの、そこだけインプラントの情報が氾濫しています。そんななかで、調べる患者さんが本当に適切な情報と巡り会える確立は低いのではないでしょうか。思うに、まじめに治療に携わっている先生方は、もっともっとその情報を発信して頂きたく存じます。そして怪しい情報以上に、本当の情報が溢れればよいのですから。

そんな先生方からは、まじめにやっていると、そんな時間がないとか。紹介の患者さんを治療するだけで、手一杯で新たにインターネットを使って増患すると手が回らなくなる。とか聞こえてきそうですが......。
そこを何とか、インプラント界、歯科界の今後を考えて、情報発信をお願いします。

近年、爆発的に普及したインプラント治療が間違った広がり方をしないように、自分に出来る範囲でコツコツと広めていきたいと思います。

上記の事が大学主催者にも伝わったのでしょうか、昨日お電話をいただき、来年も講演の依頼を頂きました。

本日、私の恩師、UCLA大学のサーシャ・ジョバノビッチ先生が来日、3日間、明海大学生涯研修で教鞭をとります。私も実習のお手伝いを致します。が、なんとを私は治療結果の試験を受けなければなりません、ノーベルパーフェクトを用いた前歯部の審美インプラントの治療結果の症例試験です。
結果が楽しみ......(^_^;)  でも....また日曜なし.....キビシー!  

Posted by implant418 at 13:41Comments(4)TrackBack(0)

2006年03月19日

茨城県歯科医学会講演

茨城講演

本日、茨城県歯科医学会にて招待講演を行って参りました。会場には多くの歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士の方々で満席。2時間の講演を努めて参りました。インプラント治療を始めるに際し、大切なことを2時間の制限の中でまとめるには、一つに事にポイントを絞ることが大切と考え、今回は基本的な項目に焦点を当ててお話を致しました。

すなわち、インプラント治療は欠損補綴(ほてつ)治療であることを再確認した上で、欠損治療としての成功をいかに考えなければ成らないかを、いくつかの治療例を提示しながらお話を進めました。
幾度となくブログにも書きましたが、インプラントだけを考えたのでは治療が決して成功しないこと。インプラントを含む歯科治療全体をバランスよく緻密に行っていかなければ決して良質な結果を導く事は出来ないことをお話ししました。

「之(これ)を知る者は 之を好む者に如(し)かず 
           之を好む者は 之を楽しむ者に如かず」

講演のなかでお話しした、論語からの引用です。

歯科治療は、効率化とか、スピードとかが似合わない、すぐとか、簡単にとかとは無縁な、ただただコツコツと積みあげるごとくに進んでゆくものです。
そして適正のある人とは、細かいことの積み重ねを、時間をかけて精度良く行うこと、
そんな、「こだわりを楽しめる」人ではないでしょうか......。

さあ!来週は「開業医が開業医に伝える成功するインプラント治療」
東京、上野での講演です。
お話する内容が異なるため、準備をコツコツと進めなくては.....(^_^;)  
Posted by implant418 at 23:49Comments(1)TrackBack(0)

2006年03月12日

歯医者の休日

mac
日曜日、皆さんは何をして過ごしますか。

歯医者の休日、さて本日は....。

今週は2度の手術を控えています。それも両症例とも難症例のケースです。昨日はスタッフとの術前シミュレーションを行い、ミーティング。本日は一人病院に来て再度、模型やCTの見直しを行い、頭の中でイメージトレーニングを行いました。

頭の中でバーチャル手術です。経験を重ねると、手術のシーンが開始から終了まで次から次へ浮かんでくるのです。そこで、「ここがもしこうだったら、こうしよう」とか「ここがこうなっていたら、次の術式の選択肢はこうしよう」とか考えるわけです。こうしたことが、単に手術を行うとは違う、いわゆる、精巧、緻密に行う職人的術式に反映してくると思っています。

こうした、事前シミュレーションを手術チーム全体で行うことが、危険の事前回避に繋がることを、今月末に発刊される、インプラントの本「開業医のための失敗しないインプラント治療」ーデンタルダイヤモンド社ーに執筆しました。
今回は、本院の歯科衛生士が「マスターしなければならない無菌テクニック」と題し、歯科衛生士の役割を中心に、手術補助の動きについて解説しています。

一通りのシミュレーションが終了、頭の中で治療の行程が終了した後、食事をとると今度は講演準備です。来週、再来週と行うため、準備もしなくては成りません。診療室の裏のミーティングルームはマックとモニターに占領されています。

歯医者の休日はこうして過ごしています......(^_^)v

来週、開催される「第14回茨城県歯科医学会」(於:水戸プラザホテル)では、
開業医がインプラント治療を行う際の注意点を中心にお話を進めたいと考えています。インプラント治療で最も大切なことは、歯を失った部分をだけを治療として行うのではなく、全体の咬み合わせを考えた、適切な治療や、歯周組織への配慮、メインテナンス等を的確に行わなければ、決して長期的な成功は無いことをお話したいと思います。

外科的な要素はもちろんですが、それを成功させたうえで、なおかつ口腔機能全体のバランスを考えた、歯科治療としての成功をいかに納めるか。それを長期にわたり機能、維持させるか。この考え方がインプラント治療にはとても大切な事と考え講演準備を進めています。

今回は茨城県歯科技工士会による依頼講演ですが、このブログをご覧になっている、お近くの歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士方がいらっしゃいましたら、よろしければ治療チーム全体でのご参加をお待ちしております。

歯科治療は歯科医師だけでは行うことは出来ません。チーム全体が共通のコンセプトを持ち治療に臨まなければ成功しないからです。  
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2006年03月06日

模型作り

札幌、茨城と講演の話で歯の型の採り方の話がそれてしまいました。
さあ、続きに戻りましょう!


数々の治療ステップを経て、大変な苦労の末、やっと型を採る事が出来ました。専用の顕微鏡で不正確な部分や不具合が無い事を確認しました。やっと一段落です。さあ、今度はこの型に石膏を流して模型を作らなければなりません。ここからは治療ステップは歯科医師の手を離れ歯科技工士の仕事となります。歯科技工士は再度印象をチェックします。その精度にもし疑問な点があれば、歯科医師に質問する事や、再び削り直しや、型の取り直しを依頼する事もあります。良質な医療を行うためには、当事者以外のチェックが行われる様な診療システムが望ましいからです。

04a9764f.jpg5188b2e0.jpg 実際に製作した模型の精度を確認してみます。模型の写真とその一部の顕微鏡写真です。左に見える黒い物が髪の毛です。右側の線状見えるのが削った部分の境目です。左が歯肉側、右が歯の部分となります。一般の方は初めて見る写真と思いますが、この部分が何処の部分の拡大かわかりますか?もし解らなくても、髪の毛と比較しても解るように、こんなに細かい事を口の中でやっている事だけは理解してください。そしてこの事がいわゆる良い治療、そうでない治療のある一つの目安である事も理解してください。

ここまでの精度でしっかり削って、きっちり型を採り、精密なコピーである模型を製作する事が出来ました。後はこの模型にジャストフィットの被せ物を、巨匠と呼ばれるような、熟練した歯科技工士が時間をかけて丁寧に製作します。この時に模型は2つ必要となります。1つは右から左までの全体で構成される「歯列模型」そしてもう1つは製作する歯の部分の「ダイ模型」です。ダイ模型は無駄な部分を削り落とし、毎回しつこく言っている、削った境目の部分に作業をしやすくした、一本々の模型です。シリコン性の材料ですと、安定性が高いため、一つの方で二個の石膏模型を作る事が出来るため非常に有用です。

45611547.jpg時間をかけて丁寧に製作した後は、やはり完成精度を顕微鏡でチェックしてジャストフィットしていたら完成です。写真は被せ物の境目を髪の毛と一緒に写した顕微鏡写真です。隙間が無い事が確認できます。
この被せ物を専用の接着剤で歯に被せるのです。

(図、小川歯科医院HPより改編)

  
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2006年03月01日

第14回茨城県歯科医学会

茨城パンフ

3月19日(日)茨城県の水戸プラザホテルに於いて、第14回茨城県歯科医学会が開催されます。昨年末に主催者の方から講演の依頼があり、登壇する事となりました。

講演の企画趣旨は次のようなものでした。

「ここ数年でインプラント治療は急速に普及を遂げ、高い良好な治療成績を収めています。今後ますますインプラントは避けて通れない治療術式となることでしょう。その反面、インプラント治療のトラブルも多く聞こえてくるようになりました。インプラント治療はその治療計画を十分に見定める事が出来なければ、高い予知性を得ることが難しい事も事実だからでしょう。

 欠損補綴の第一選択となったインプラント治療ですが、ただ単に欠損した部位にインプラントを植立してもインプラント治療が成功する訳ではありません。そこには、術前に最終的な治療目標を見定めたトップダウントリートメントの概念が必要となります。歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士が共通の概念を持って術前からのチームアプローチを行うことは、今後、ますます複雑化する歯科治療において必要不可欠なこことなるのではないでしょうか。それは治療の基本概念や術式を十分に知ることから始まります。

 今回、インプラント治療を成功に導くために知らなければならない基本事項を、日本顎咬合学会理事 小川洋一先生をお招きし、開業医の立場から歯科医師、歯科技工士とが、一緒に治療に取り組む為に大切な事をお話しして頂きます。次の日からの日常臨床に役立てることが出来ましたら幸いです。」

以上の趣旨を受け
「インプラント治療を予知性高く始めるためには」
ー成功するインプラント治療の基本的な留意点ー
と題して、2時間の講演を行います。
  
Posted by implant418 at 20:18Comments(2)TrackBack(0)