EDU IMPRO ブログ

インプロジャパンが行っている教育分野でのインプロ活動をEDU担当、峰松佳代がレポートいたします。 https://www.improjapan.co.jp

2015年03月

昨日ブログで書いた「キッズクラス」。
実は終了後にも、一つ面白い出来事がありました。
ある少女がふと発したひと言が、大人のこころを鷲掴みしたのです。


クラスが終わっても帰ろうとしない5歳~小1の女の子達。
忍者ごっこをやったり、姫ごっこをやったり(笑)。
あまりに楽しそうなので、子ども達にこんな提案をしてみました。

「しゃべらないで何かお芝居をしてみて!何をしているのか、ママ達と一緒に当てるから。
何をするかはみんなで相談していいよ」

インプロジャパンスタジオには、ワークを行うスペースとママ達が待っているスペースの間に、
カーテンがあるのですが、子ども達はカーテンを閉めて作戦会議です。
どんな会議なのか、そーっと覗いてみました。

どうやら、お互い、あーだのこーだの言って、なかなか話がまとまらないみたいです。
「私、○○やる~」と言って、勝手に練習を始めちゃう子がいたり、誰かが提案したアイデアに
納得しない子がいたり、、、。
すると、ある少女がとうとう「も~、これじゃ~、まとまんないよ~」と悲しそうに言いました。
それを見た他の少女が、今までどんな提案もあまり乗り気でなかったのですが、
「ね~、○○ちゃん、◇◇ちゃんが可哀想だから、ちょっとこっち来て話を聞こう」
と言って場を一つにし、すると他の子が、「お助けマンにならなきゃね」と言い、
ようやく何をやるか決まり、ママたちにお披露目です。

結局楽しくなって、その後2回もやったのですが、終わった後、一人の女の子がポロっといった言葉が、
強烈にインパクトがあり、思わず大人達は大笑い。

それがこれです。
「うん、いいね!って言わないと、まとまらないね~」

すると、それを聞いた最年少の子が、
「私が最初に言った時、皆、イヤって言ったけど、そのあともう一回言った時に、いいね!って
言ってくれてうれしかったよ」
と一言。

そうなると、全員同じように、あれが嬉しかった、これが嬉しかったと言い出す彼女達。
可愛すぎです!

大人がイニシアチブ取ったり、介入しなくても、
子どもは自ら気づき、解決する力を持っているのですよね。
子ども達が遊びの中で、また一つ成長する姿が見れた瞬間でした。

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先日のキッズクラスには、5歳~小学1年生のお子さん達が集まりました。

キッズクラスで、大切にしていること。
それは、子ども達から始めたことや、提案してきたことは、必ずやるということです。
子ども達は発展させるプロ。
その結果、今までにもこのキッズクラスでは、たくさんの遊びが生まれてきました。


この日も、子ども達発信で色んなことをやりました。
最初に彼らがハマったこと、それは真似っこでした。
皆で一つの円になった状態で、私が話をしていると、
突然、小1の女の子が、私の話を聞きながら、私の真似をし始め、
するとみんなが面白がって、全員が真似を始めました。
こちらが集中を促すこともなく、気がつくと全員の集中が一点に!

自分達で集中する力を導き出した彼らは、同時に何でも面白がってやってみるようになりました。
例えば、名前を呼び合うゲームでは、ある子が他の子の名前を呼ぶ時、間違って逆さに言ってしまったのです。
間違ってしまってバツが悪そうな子に対して、呼ばれた子が同じように逆さに他の子を呼びます。
すると、それが面白くなった子ども達は、瞬時に名前を逆さに呼ぶゲームに切り替えていきました。

「違うよ~!」ではなく、「面白い!」という発想が、その場の空気を明るく盛り上げることは
言うまでもありません。
この日初めてだった年長さんの男の子は、クラス始まる前は恥ずかしがっていましたが、
この頃からどんどんと発信力が強くなってきました。
皆と一つになって遊ぶことで安心感が生まれたのでしょうね。
あとでお母さんに聞くと、引っ込み思案なところがあって、積極性を持たせたくて、
連れていらしたとか。
クラスでは、彼の意気揚々といろんなアイデアを出して、楽しかった!と笑顔ではっきりと言ってくれた姿を
見ていた私はびっくりです!


キッズインプロで、もう一つ大切にしていること。
それは、子ども達が創る世界を必ず物語にして繋いでいくことです。
子ども達はその物語の中で生きることにより、「こんなことをやってみたい」「こんなことができた!」と、
自らの可能性をどんどん大きく広げていきます。

この日の最後も、子ども達と一文字ずつ入れた絵から始めました。
それは、ある島に隠された「神様のこころ」が隠された地図になりました。(添付の写真)
この絵も、実は、ある少年が説明の前に、ペンを紙につけてしまった「点」から始まりました。
一見、間違いだった点が宝のありかだったのです。

完成した絵を元に、子ども達に尋ねながら、お話は始まりました。
ここでそのお話を少しご紹介しましょう。

実は、今、「神様のこころ」がどこかに隠されてしまって、神様が悪魔みたいになってしまって、
戦争とかが起こっているので、「神様のこころ」を探しに行くことになりました。
その勇者達のチームの名前は、「ルえまゆDたい」。

硬い尖がったダイアモンドの湖の奥にある洞窟の先にいるカタツムリにくっついている
ラピスラズリを触ると、その中に閉じ込められた「神様のこころ」が蘇るというのです。

ただし、その洞窟からはネズミのシッポのような紐が100本出ていて、
そのうちの99本は爆弾。
カタツムリに通じる正しい紐を引っ張ると、鈴の音がして、その扉が開く仕組みになっていました。

爆弾の罠をよけながら、なんとかラピスラズリを見つけた「ルえまゆDたい」が、
それに触れると、真っ暗だった空が明るくなり、世界に神様が戻ってきて、
「ルえまゆDたい」のおかげで、みんなが幸せになったのでした。

というお話が出来上がりました。

5歳~1年生が作った作品とは思えないほどの作品だと思いませんか?

子ども達とインプロ遊びをしていると、どの瞬間にもそれぞれの個性の輝きが見えます。
そして、出来上がる物語はどれもその個性がなければ誕生しなかったものばかりです。


いつも、楽しみにここに通ってくれている子ども達。
でも、その楽しい場所にしているのは、私や大人達ではなく、子ども達自身なのです。

次のクラスで、どんな遊びが生まれるか、どんな物語ができるか、今から待ち遠しくてたまりません。

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