期末試験も終わり、すっきりとした表情で集まった「中高生クラス」のメンバー達。
今日参加してくれた子達は、女子ばかり。
でも、出来上がった作品に恋愛ものが一切なくて、自分達で笑っていました(笑)。
今日のクラスでは、感情を持ってシーンを演じることと、関わることで生まれていくシーンを楽しみました。
感情を使ったゲームでは、二人だけのシーンで、片方が体の形にヒントを受けて思いついたシーンをはじめ、
もう片方は、それがどんな状況であっても、その時指定された感情でシーンを演じることに挑戦。
・朝顔のツルが1センチ伸びただけで、大興奮をする少女。
・大切にしていたクラスの縄跳びが引きちぎられ、ライバルクラスの仕業だと怒り心頭の女子生徒。
・大きなプールに水を入れるという大作業にもかかわらず、自信満々で何事もこなす姿が、偉そうでちょっと鼻につく女子生徒。
・友達がやること、言うこと、なんでも新鮮に感じて、食い気味で興味津々な姿がを見せる少女。
・友達が欲しいだけなのに、皆に怖がられて寂しがっているゾンビ達。
どのシーンも、即興とは思えない場面ばかり。
普段やらない感情をやることで、語尾や話し方が変わったり、
表現が大きくなることで、お互いが作ろうとしている場面が分かりあえて、
より協力して演じられるようになったり。
何より、本当に楽しそうに演じていました。
あまりにも楽しかったようで、もっとやりたい!というメンバー達。
そこで、急遽、違うゲームで、感情を使うことに挑戦してみました。
そのインプロゲームは、「インアウト」。
それはどんな時も舞台上は2人で、例えば3人目が入ってきたら、先にいたうちの1人が何か理由をつけて、
その場面からいなくなるというゲーム。
加えて、今回、皆に与えられたミッションはそのルールに加えて、後から入ってくる人は、入る前に感情が書いてある紙を拾って、その感情で入ってくるというもの。
「町の夏祭りの準備」というタイトルで、最初は準備であるハッピ作りがなかなか進まないというシーンから
始まり、最後は一人の子の感情に影響されて、どんどん準備が楽しくなってきて、最後は最高のハッピが
出来上がり、皆で大盛り上がり!
というシーンが生まれました。
どんな展開になるか分からない中、それぞれの感情がお話を作っていき、本当に面白く、
しかも最後はポジティブな子の感情に、皆がつられて盛り上がっていく姿に、観ているこちらも心が動くシーンでした。
クラス最後は、一人の子を主役として、他の子達が色々な人を演じて彼女に関わることで、
その人物を作っていくゲームをやり、皆が関わることで、
・家庭環境が複雑の中、ウーパールーパーだけが心の友で、他の勉強は苦手だけど、生物の成績だけ良いという15歳の少女。
・愛嬌がなくて、この歳でお金が大好きな子だけど、お父さんが海外で寂しい思いをしている、人気の中学生モデル。
が、誕生しました。
いずれも、シーンを演じるごとに少しずつ人物が描かれていき、自分達が関わることで、
リアルに目の前で浮かび上がっていく様を楽しんでいました。
今日のクラスは、どの瞬間も、集中し、クリエイティブで、見ているのも楽しかったのですが、
なんといっても、皆の振り返りがとっても素晴らしいもので、感心しました。
「インアウトで、私、イライラの感情で出たけど、こんな子が周りにいたら迷惑!って自分でやってて思ったし、
ハイテンションな人が入ってきてくれると、自分も楽しくなったので、普段もその方がいい」
「主人公になってみて、周りの影響を受けて、人って作られるんだなぁ」
「主役ゲームで、色々な状況から人のストーリーは発展して行くなぁと思った」
など、インプロを通じて、出来上った作品の感想だけでなく、色々なことを感じてくれていました。
誰かに教えられて知るのではなく、実際にその状況を疑似体験することで感じたことは、
生きていく上で大切な「ナニカ」を心や体に深く伝えてくれるのだなぁと、
彼女達の振り返りの言葉から実感し、
このぐらいの年頃の子達にインプロや演劇の体験の大切さを改めて感じた一コマでした。
8月は、インプロクラスは2回開講予定。
次回も、彼らがインプロを通じて、何を感じてくれるか楽しみです!