先日、ある都立高校でインプロ授業を行ってきました。
高3生の彼らは、1年生の時から毎年1回、インプロ授業を受けており、今回が3回目で最終回。
初めてあった頃は、まだ幼かった彼らも、卒業を目前に控え、随分大人びて見えました。
自分の発想を出すことにためらいや恥じらいが感じられた子達が、
瞬時にためらうことなく自分の考えを発信する、表現することが当たり前にできるようになっており、
こちらの働きかけにもエンジンが掛かりました。

彼らにとっても、インプロの授業は印象的なようです。
今回も教室に入ってくるなり、「今日は何やるんですか~?前回やった●●は?」とか、
中には、「俺、3回目だから!」と自慢げに言ってきたり。みんな同じ条件なのですが(笑)。
なので、どのクラスもあっという間に盛り上がり、授業が終わってしまうので、
我々講師陣は、毎回、時間との真剣勝負です!
そして、その彼らとの濃密な時間がたまらなく楽しく、お互いにとって、印象深い授業となっているのでしょう。
コミュニケーション向上を目的とした授業ですが、まさにその時間自体がコミュニケーションがあってこそ
成り立っていると言えます。

もちろん、例に漏れず、彼らの中には、先生が言ったことを素直にやる生徒もいれば、
敢えて「やだ」と甘えて座り込む生徒(特に女子達!)もいます。
高校生ぐらいになると、「めんどくさい~」「かったるい~」と、
授業で与えられたことに素直に関わらない、やってみない時期だったりしますよね。
成長過程としていえば、健全と言えば健全かなと女子経験の私は思いますが(笑)。
今の子達ですから、自分の行動に選択権があり、「やだ」といえば「やらない」という選択が
叶っている環境があるかもしれませんが、折角出会えたのに、ちょっとした思いつきで発した言葉で、
この経験を逃させるわけにはいきません!
とはいえ、授業の時間は限られています。彼女達を説得することに時間を割くほど、余裕はありません。
では、どうするのか・・・。
その時が来るまでに、いかにコミュニケーションをとっておくかです。
教室に入ってきた時から、どの瞬間も一人ひとりとの関係を構築する、
彼らとの「イエスアンド」コミュニケーションです。

すると、その後、「やだ~」と言って関わろうとしなくても、こちらの働きかけひとつで
あっという間に、そのワークの中心人物になります。
そして、その後は、逆に他の人達を巻き込み、教室に「やりたくない」の言葉は消えます。

今回、あるクラスでは、めんどくさがりの女子達が、授業最後の全体での創作活動の時に、
大きな声で、他の人の出すアイデアに感謝したり、褒めたり、面白がったりしており、
極めつけは、
「まだやりた~い、(早く自分達の教室に戻って)もう1回やろう!有難うございました~!」
と元気よく言って、その教室を楽しく出ていきました。


今回のインプロ授業では、ネガティブな言葉のつぶやきは捨て、どんな時でも、ポジティブな意識、
たとえトラブルが起こっても「それはちょうどいい!」と言う考えを持ってみるということをテーマに
行われました。

これから、進学したり、就職したり、今までとは違う『社会』に飛び込む彼らには、
新しい人々との出会いや様々な想定外の出来事が起こったりすることと思います。


インプロで体験した『関わって生まれるものの面白さ』を忘れずに、
経験を恐れず、ポジティブに自分の世界を広げていって欲しいと思った一日でした。