昨日は、月に一度の中学生クラスの日でした。

この日は、小学校の時から一緒にインプロをやってきた仲間が高校受験を終え、
久々に参加。開始前に、皆で受験合格のお祝いをしてから、スタート!
本人も、まさか、皆から寄せ書きをもらえると思っておらず、とても喜んでいました。

さて、この日の彼らも絶好調。
現実とファンタジーがうまく混じり合いながら、大人顔負けの物語を創り出してくれました。
ここで2つご紹介しましょう。

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1つは、ラジオドラマで創った作品「咲かない桜」は、彼らのリアルな現状を反映してか、
教育の指導方針で対立し、分裂した学校同士の争いが舞台でした。

その発端は、30年前。
ひまわりの種爆弾の投下という危機に、「桜が丘高校」のシンボル桜の木が、
全エネルギーで学校を守ったという出来事があり、そのせいで桜は咲かなくなってしまったという。
そして、それ以降は、いつかまた桜を咲かせたいと思っている桜の精が色々な人に化けて、
この木を守り続けていたが、そんな中、また新たな新勢力「すみれ学園」の登場により、
また「すみれ爆弾」の危機に直面。
この学校をずっと守ってきた校長先生と生徒達は、謎の桜餅屋のおばちゃんが作った桜餅で、応戦。
見事、学校を守り切った時、その桜餅パワーで、桜がまた見事に咲き乱れるようになったというお話でした。

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また、最後にみんなでナレーションを入れながら、即興で演じたドラマも、ファンタジックでありつつも、
やけにリアルなお話でした。

子ども達しか入ることができない「遊園地」の名物は、ジェットコースターが巻きついたお城。
子ども達は、折り紙で作った1000円でも入場できる子どもだけの夢の国。
しかし、ここには、一つ謎があった。
それは、最上階まで行けた子どもは、その後帰ってこないというもの。
ある日、『アルテ』という都会から逃げるようにやってきた女の子が、この遊園地にやってきた。

そこに現れたのは、ここのメインキャラクターの『くうちゃん』。
実はくうちゃんの中には大人が入っていた。大人なのに、どうしてもここで遊びたくて、
この仕事をするようになったのだった。
アルテを城に案内すれば、一緒に遊べると思ったくうちゃんは、ウキウキしながら城へ行った。
そこには、さるのキャラクターが門番で立っており、「1時間待ちで~す!」と言われたが、
くうちゃんは、この機会を逃したくなくて、おさるくんを買収し、無理やり中に入ってしまった。

しかし、無理やり中に入ってしまったので、通常の通路ではないところに出てしまった二人は、
誤って、地下に繋がる秘密の部屋に転げ落ちてしまった。
二人が辺りを見渡すと、そこにはたくさんの氷漬けされたくるみ割り人形が!

「あ~、僕の彼女だった、あーちゃん、いーちゃん、うーちゃん、えーちゃん、おーちゃん、かーちゃん、
きーちゃんだ!…と言うことは…次はぼくだ・・・どうしよう!!!」
と、くうちゃんはパニックになった。

一方、最上階。そこには、城を守る石像がいた。
「?なにやら、地下で何かが起こったようだ!」
実は、この石像、中には人間が入っており、彼は最上階まで来た有能な子ども達をここのスタッフとして
スカウトしており、門番を務めていたおさるもその一人で、彼の意のままに動かされていた。
異変を感じた石像の男は、地下へと降りてきた。
彼を見たアルテは、こう言った!

「この男、都会でいっぱい女の子に声を掛けて、失恋ばかりしていた人だよ。ほら、ネットに載ってる」
といって、スマートフォンを見せた。
恥ずかしい過去をばらされた男は、
「恋愛は懲り懲りだ~と思って、男女のカップルが来ないように子どもだけの遊園地を作ったんだ~」
と半狂乱になり、くるみ割り人形達を使って、彼女達に攻撃を仕掛けた。
それに対し、ポケットに入っていたおやつのくるみを投げまくるアルテとくうちゃん。
すると、くるみが当たった人形達はどんどんと割れはじめ、くうちゃんと彼女達の愛が戻り、
地下は、愛の力で満ち溢れた。

1ヶ月後。
ネットでは、この遊園地が男女の愛が結ばれると話題になり、
そして、石像にくるみを投げると愛が叶うという都市伝説も生まれ、
それからというもの、この遊園地は、子どもだけでなく、大人の女性達がたくさん集まり、
新しいデートスポットとなった。
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今の子ども達は、ストーリー性のあるゲームが身近にあるからでしょうか。
小さな出来事から、お話はどんどん展開していきます。
しかも、それに加えて、小学校の時からインプロをやっていた彼らはイエスアンドの強者達。
他の人のアイデアを無視することはありません。
当たり前のように、「OK!」と言わんばかりに、すぐにそこからまたお話を作っていきます。
インプロをやったことがある人達には、この凄さを分かってもらえるかもしれませんが、
彼らが素晴らしいのは、新しいアイデアが出てきた時、彼らは「えっ?」とはならずに、
「そういえば、・・・」と、誰も知らない過去を瞬時に創り上げ、
そのアイデアがあったからこそのストーリーをまた更に膨らましていきます。

この日、クラス最後に行ったインプロのシーンづくりが終わった後、
子ども達からこんな言葉が出ました。

「フラグ立てまくって、回収できてない~(笑)」

この言葉を聞いた時、私は衝撃を受けました。
彼らなりのインプロ道を垣間見た瞬間で、「なるほど~!」と大きく感心してしまいました。

もちろんながら、今までのクラスの中で、一度たりとも、私から「フラグ」と言う言葉を使ったことはありません。
ゲーム世代の彼らだからこその言葉で、
彼らが今まで一緒にインプロをやってきて、培った感覚なのでしょう。

「フラグを立てる」
つまり、どんなアイデアもその場で誰かが言ったアイデア全てを、自然とストーリーの伏線として捉えているのです。
そして、それを回収できてないということは、「アイデアを活かしきれなかった~」という意味なのです。


言うまでもなく、大人クラスを担当していても、毎回発見と気づきを頂いていますが、
キッズや中学生クラスは、新しい視点を教えてくれます。

私は彼らの講師であると同時に、彼らの教え子だな~と改めて思った出来事でした。