子ども達とインプロをしていると、時々、「ドキッ!」とさせられることがあります。
それは、彼らがふと発した言葉で、我々大人が忘れがちになっていること。


インプロは、台本や打ち合わせがありません。
何も決まっていません。
「インプロ・キッズクラス」では、物語の舞台となる場所だけ決め、子ども達は、その時なりたい人物や動物になって、その世界に生きながら、感じたことや思ったことを自由に発していきます。
彼らがしゃべった言葉、いわば、それがお芝居の台本でいうところの『セリフ』であり、それが物語を創っていきます。
もちろんながら、その『セリフ』は用意されたものではありません。
子ども達がその物語の世界に生きていて、感じて発している言葉。
その言葉に、「ドキッ!」とさせられることが少なくないのです。

先日行われた今年最後のクラスでも、その時は訪れました。

その物語は、森の食べ物を独り占めしていた巨大なクマとそれに困らされていた動物達のお話。
子ども達演じる動物達は協力して、見事に私が演じるクマから食べ物を取り戻したのですが、クマが悪行を働くようになったきっかけがお母さんとのケンカにあると知った動物達は、お母さんと仲直りをすることを勧めます。

しかも、その原因がお母さんに怒られたことだと知った彼らは、
「お母さんは心配して怒ったんだよ」
「仲直りしなよ」
「家族は仲良くしなきゃ」
と、必死な形相でクマ役の私に伝えてくるのです。

そして、極めつけの言葉がこれでした。
「家族は、話せば大丈夫だよ」
「ケンカした時は、お話をすれば仲直りできるんだよ」

胸に、「ズキュン!」ときました!
子どものこころの中にある『純粋』な想いが直球で飛び込んできて、
「そうだ、例えケンカしても、話せば仲直りできるんだ」と、本気で説得させられてしまいました(笑)。

彼らの世界に、解決しないことなんてないのです。
「話せばわかり合える」
疑いなく、そう思えている子ども達の純粋な姿を見て、この気持ちを忘れないで欲しいと心から思いました。

子どもだからこそ感じられる純粋で優しい心や気持ちを大切にする為に、必要なこと。
それは、心に感じたことをきちんと伝え合う体験ではないでしょうか。

インプロでは、様々な物語の世界に冒険することができます。
舞台装置や大道具がなくても、どんな場所にでも飛んで行けます。
ただ一つ必要なもの、それはその世界を生きる『私達自身』。
だからこそ、心で感じたことを言うチャンスに溢れています。
心の中にあるものを伝え合った時、子ども達の中で、それが真実に変わっていくことでしょう。

2016年もあと僅か。
今年も、インプロを通して、たくさんのキッズ達から夢と希望をいただきました。

2017年も、子ども達とともに、インプロを通じて、無限の可能性と出会えることを楽しみにしています。