首都圏にある某大学での選択必修講座の一つとして、
「インプロ・シンキング講座」がスタートして今年で5年目。

9月~12月は、週1回、大学に出向くことが楽しみでした。
自然に囲まれたキャンパスなので、この時期は、行くたびに変容していく光景に、
秋の深まりを感じ、ここで季節の移り変わりを肌で感じることも日常となっていました。
都心より少し気温が低い中、学生達とも気候の話で盛り上がることもたびたびありました。

2020年。
その日常が変わりました。
今年度の授業は、すべてオンライン。
もちろん、我々の体験型の「インプロ・シンキング講座」もです。

インプロジャパンでは、3月から既にzoomによるワークショップや企業研修を行っていたので、
オンラインでの実施には、全く不安はなかったのですが、やはり授業初日を迎えるまでは、
正直、今までにない緊張感がありました。

受講学生のほとんどが1年生。
これまでの新入生と違い、キャンパス内での学生同士の交流はほとんどなく、
構内で過ごす時間もなく、まだ、キャンパスが自分の居場所になっていない可能性もある。
そして、何より、入学してから今まで、すべてオンラインや動画授業で、ほぼ受動的な受講。

だからこそ、体験型と謳われているインプロの講座は、
彼らにとっても、始まるまで、緊張があったかもしれない。
恐らく、履修登録をした4月の時点では、このようなことになるとは想像していなかったでしょう。

そう考えたら、
「初日に彼ら一人ひとりとしっかり絆をつくりたい。
オンラインでできる範囲ではなく、オンラインでも対面以上の繋がりをもちたい」
と強く思うようになりました。

しかも、有難いことに、今年はここ5年のうちで一番多い履修人数。
気を抜けば、彼ら一人ひとりとのコミュニケーションバランスは傾いてしまいます。

講師 対 学生多数
の図式ではなく、
講師 対 学生一人

自分自身がもつこの理想を裏切らないよう、「発信より受信」を意識し、
そして、何より、大人の「本気」を見せる。
初日は、その1点に注力を注ぐこととしました。

授業開始時、「カメラオン」にもかかわらず、
自分の番でない時は、下を向いて何やら指を動かす学生もチラホラ。

(スマホ???ゲームやってる???)

もちろん真偽のほどは分かりませんが、
座学の授業で、先生の目を盗んで机の下に雑誌や本を隠して読んでいた自分の学生時代を振り返ると(笑)、そんなことも頭をよぎります。

ただ、講師となって教室でのインプロ授業では、これまでそういったことを経験していなかったので、
(やはり、これはオンラインの弊害かな・・)と、一瞬思わなくもなかったです。

しかしながら!!!!

その姿勢は、徐々に変化を見せました。
時間を追うについて、一人ひとりが参加に「本気」になっていき、、、
初日の最後。
学生達のパソコンの前に座る姿勢は、明らかに変わっていました。
正面に前のめりになっている姿。
開始直後は、床に深めに座って目から上しか見えなかった学生も(笑)、
しっかりと座り、肩から顔の表情までしっかりと見えました。


「即興で関わる」

「本気」にならないと出来ないですね。
そして、その「本気」を引き出すのは、誰かに言われてではなく、そこに興味関心であるから。
まさに、彼らが人との交流を求め、それが楽しいということがその姿勢に現れていたのだと思います。
それは、彼らが主体的に自ら動いた証とも言えるでしょう。

彼らのその姿を見て、
「インプロってすごい!」
と思いました。
結局、オンラインとか関係ないですね(笑)


先日、4回目の授業が終わりました。
現在までのところ、受講の全学生が出席及びレポート提出がパーフェクト!
回を重ねるごとに、前のめりの姿勢が感じられ、どうやら楽しんでくれているようです。
今では、スマホいじり?はもちろんなく(笑)、画面越しにみんなからの集中のエネルギーを感じます。
そのおかげで、それぞれの個性も見えてきました。


やばい!!
楽しいです、この授業(笑)
キャンパスに行けず、季節の移り変わりを肌では感じられていませんが、
学生達の移り変わりをいつもとはまた違ったアンテナで感じています。

あと5回、青々しかった彼らがどんな色に変容していくのか、
この秋の楽しみです!

【インプロ・ワークショップ@学校】
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