「新型コロナウィルス感染症」の流行が、全国的に落ち着き始めた11月中旬、
関西圏にある公立中学校にて、全校生を対象とした対面でのワークショップを実施してきました。

今回の目的は、「学年を超えた交流」。
伺った学校では、学年を超えて交流を図り、助け合える仲間づくりを目的として、
通年で、1学年1クラスずつの組み合わせでチームとなって様々な課外活動を行うということが伝統的に行われていました。
しかしながら、このコロナ禍で、学校での活動が制限され、例年チームになって行っていた遠足も中止となってしまったそうです。
せめて、感染症対策の管理ができる校内で、コミュニケーションを楽しく取る交流の場をつくれないかということで、私たちにお声掛けをくださいました。

事前に、生徒達に対する先生方の熱い想いと愛情を伺い、
何とかして、安心、安全の環境下で、子どもたちが交流を楽しめる場を提供したい!という思いで、
講師6名で関西へ向かいました。

チームは5つ。
実施は、全校一斉ではなく、
1クラス×3学年で構成されたチームで、5回に分けて実施したので、
体育館は広々と使い、換気を徹底して行うことができました。

各回50分という短い時間ではありましたが、
はじめに講師陣による短いインプロ劇をお見せした後、
ノンバーバルな表現から、言葉を繋ぐゲーム、そして、最後は身体表現に語りに交え、
12グループに分かれてに物語をつくりました。
河童と一緒にキュウリをバットにして野球を楽しむ野球部のお話や
自分たちの森を守る為、そのカギとなる宝を探しに行く動物たちのお話など、、、
5チーム×12グループ、つまり、この日一日で、この体育館では、60個のオリジナルの物語が誕生したのです!

はじめは、どう関わっていいのか戸惑いもあったと思いますが、始まりだすと、立ち止まることなく参加してくれて、次第に仲間と一緒に創り上げる楽しさを味わってくれたようでした。
どうやら、時間制限があるなど、瞬発的なゲーム性が彼らに考える時間なく、まず動くことで自然に関わりを生み出すことができたようです。
また、躊躇なく動く1年生をフォローする2,3年生の姿や、戸惑っている下級生の中で、先頭きってまずは動いて引っ張っていく上級生の姿も見られ、協働創造活動の中、微笑ましい瞬間も髄所に見ることができました。
コロナ禍での実施でマスク越しではありましたが、彼らの笑顔は、行動一つひとつからうかがい知ることができたように思います。


後に、担当の先生から伺ったお話では、いくつかの質問に回答してもらったアンケートでは、
全体平均80パーセント以上がポジティブ回答で、質問によっては、90%以上、また100%ポジティブ回答をしてくれたクラス、学年もあったそうで、今まで話したことない人と交流を図れたとか、またやりたいと言ってくれている生徒さん達もいらっしゃったとのことで、私たち自身も、改めて、その空間を共有させていただいたことに喜びと感謝の想いでいっぱいになりました。

成長の過程において、コミュニケーションの機会はとても大切な時間です。
人との交流の場で、制限を設けざるを得ないコロナ禍ではありますが、
安心して取り組めるよう安全確保をしっかり工夫した上で、
互いの表現を楽しみ合いながら、創造体験する場をできる限り多く提供していきたいと、
彼らの姿を見て切に感じたワークショップの時間でした。