今年は、本格的にコロナ禍が明け、
これまで実施できなかった表現活動を制限なく実施できるようになったことで、
学習発表会の時間を久しぶりに「劇発表」を実施する学校が増えたようです。
それに比例して、2倍以上のご依頼の数。
しかも、観劇もあればワークショップも。
学校によっては、両方をご要望頂いた学校も!
そのほとんどが、
「コロナ禍で、大きく表現する機会がなかった子ども達に、
即興での劇づくりを通して、表現って楽しいんだということ、
そして、そこへの興味関心、また意欲に繋げる場を学芸会を前に設けたい」という先生たちの想い。
それが、インプロをご存じない先生方が、
「みんなでつくるインプロ劇場」という我々のプログラムに、興味を持って下さった大きな理由です。
公演観劇、ワークショップ。
いずれもその先生方の想いを大切に、
私たちも、子ども達を前に、「今」に全力で関わっていきました。
公演を実施したある学校では、
舞台で歌う私たちに合わせて、子ども達が自ら立ち上がり、気がつくとみんなで踊り出したり、
また、公演の途中で、舞台に上がりたい子を募集すると、あまりにも人数が多く、
2回に分ける事態になるほど!表現欲求が身体からはみ出す子ども達の様子に、嬉しくなりました。
そして、何より、それを見ている先生方の笑顔は、我々にとって、もう一つのギフトでした。
また、ワークショップを実施した学校では、
最初は個々だったのに、次第にクラスの一体感が見られるよう変化していったり、
普段教室では見られないそれぞれの姿や彼らの素晴らしいところを見つけて、
驚いている先生方もいらっしゃいました。
ある学校では、我々の子ども達の関わりを見て、
「すべてがイエスアンドなんですね。私たちも勉強になりました」
と言ってくださる先生もいらっしゃいました。
最初は一人ひとりやりたいことをやれたり、恥ずかしがってできなかったり、それぞれです。
我々は子ども達に無理強いせず、その子の存在をイエスアンドし、
また、タイミングでやりたくなった時は逃さず、引き込めるようにしています。
ワークショップ自体がインプロとして、動いていた私たちを見てくださっていて、有難い限りでした。
学校の中では、昨年に引き続き、2年連続でお声掛けを頂いた中学校もありました。
その理由は、昨年実施した後の文化祭で、明らかに生徒さん達の表現が変わっていたからでした。
校長先生から聞いたお話では、
「インプロを観た子ども達は、これまでの子ども達と明らかに表現が違っていました。それは、リアクションです。それまでは、セリフをどういうか、セリフを言うことに意識がある演技でしたが、昨年の子たちは、セリフを聞いた子がしっかりと演じていたり、もっというと、セリフをしゃべっていない子たちの演技が素晴らしかったんです。これは彼らにとって大切なこと。」とのこと。
彼らの感度にも感動しましたし、そこに教育的意義を考えていらっしゃる先生の言葉に胸が熱くなりました。
ちなみに、この学校では、今年は観劇とワークショップ、両方実施させていただき、
彼らのイキイキとした表情に、更なる効果を感じてくださって、
早速、来年のお話もしてくださっています。
学校公演やワークショップは、3月まで続きます。
ある子ども達が、私たちのパフォーマンスを見て、「みんな楽しそう!」と言ってくれました。
大の大人が、何も決まっていない未来を恐れず、「今」を全身全力で楽しみまくる姿を、しっかりと届けていきたいと思います。