2018年06月19日

2018/5/31 ベーシッククラス(5) インプロジャパン 峰松佳代

今度の木曜日、6月21日は、今期のベーシッククラスの発表会です。
経験者と初めての方が混じり合う中で、
回を重ねるごとに、内に秘めた魅力が表面化し、
かなりオリジナリティの高い作品が毎回誕生するようになりました。

発表会も7名のメンバー達が、互いの個性を存分に発揮し、
虹のように鮮やかな世界を見せてくれることでしょう。

それぞれの魅力が存分に発揮されるきっかけとなったのは、なんといっても5月31日に行われた
池上による代講の日でした。
この日は、初めてインプロゲームではなく、即興で少し長めの物語を創りました。

2つ作りましたが、いずれも、それぞれのキャラクターがなくてはならない秀作となりました。
ここでご紹介しましょう。

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(1)森の中の湖

森の奥にある静かな湖。ここには、ある伝説があった。
それは、ゴールドの願いを叶えてくれる大竜がいるということ。
50年前に一度だけ村長が出会っており、その時、竜にもらった勝負パンツのおかげで、
この50年当選し続けていた。
以来、伝説だけが残り、村人たちは毎日のように、
その湖に行っては、「おーい、竜よ、でてこーい」と湖に向かって叫んでいた。

村人達にはある悩みがあった。
それは、村へ走る電車が廃線になるということであった。
外部との唯一の交通手段である電車が廃止になることは、
皆にとって、町との繋がりがなくなり、生活が不便になってしまうという、とても大きな問題であった。

とにかく、竜に願いをかなえてほしいと思った村人たちは、
とうとう、湖の水を抜くという手段に出た。
湖の水が減り底が見え始めた時、地鳴りと共に、そこに金の大きな竜が!!!

竜が出てくると、村人たちは、自分達の願いを伝えた。
すると、実は、この竜、その昔、その電車でこの村にやってきた者が湖に落ちたとたん、
竜になり、その水を飲んでいるうちにどんどん大きく成長したとのこと。
そして、竜もまた、自分の街に戻りたいと思っていた。
しかし、あまりにも大きくなりすぎて身動きが取れない竜は、
村人たちが乗ることで、飲み過ぎた水を吐き出すシェイプアップに励むことにした。

そして、数日後、廃線になる電車の役に立てるかもと、
村人が村長の元に竜を連れていくと、村長室には「勝負パンツが!」。
それを見た竜は、「あ!」と言って、それを無造作に履き始めた。
すると、見る見るうちに、竜の姿はイケメンの青年に!!

あまりの美少年ぶりに、それを見た村の少女は、
思わず、結婚してください!と求婚する展開に!

町に帰ることと、村にいることとの葛藤に悩む青年。
しかし、そもそも、彼はこの50年、竜として生きてきており、
何より、目の前には、廃線になることで悲しい思いをしている村の人達がいた。

「僕ができること・・・」

青年は決意した。
もう一度、竜に戻って、この村と町を行き来することを。
そして、彼は、湖につかり、その水をどんどん飲み、大きくなっていった。

それからというもの、この村は電車の代わりに、竜が人々を運ぶようになったのでした。

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(2)知る人ぞ知るケーキ屋

ある惑星の宇宙人の間では、今、スイスのあるケーキ屋が話題で持ちきりだった。

ある日、彼らはワープして、スイスにやってきて、そのケーキ屋を探したが、
得体の知れないその様相に、スイスの人々を怖がらせてしまい、ニュースとなった。
その騒ぎはどんどんエスカレートし、宇宙人が攻めてきたと勘違いをされ、スイス軍まで出てきてしまった。

そして、とうとう、
宇宙人の『チーズをくれ』という言葉が、「地球をくれ」という言葉と聞き間違えられてしまい、
各国が力を合わせて立ち向かうことになったが、そこは宇宙人の方が上手。
彼らに眠らされてしまうのであった。

ここで、宇宙人にとって、大きな問題が発生した。
欲しかったチーズケーキがない!!
そこで、ケーキ屋だけを起こし、1万個作るよう指示する。
ケーキ屋は、自分達だけでは人手が足りないから、宇宙人にも手伝うように言う。

すると、宇宙人はどんどんと上達し、美味しいケーキをつくれるようになった。
気がつくと、ケーキ屋の従業員として働きはじめる宇宙人達。

人間達が目を覚ました頃、彼らは立派なケーキ職人になっており、
宇宙人がつくるケーキが売っているとして、あらゆるところで有名になっていった。
しかも、レシピを覚えた宇宙人達は、
そのレシピを自分達の星に交信で送り、
ヤギも牛もワープで送り、宇宙でも食べられるようになった。

こうして、知る人ぞ知るケーキ屋だったこの店は、
地球一のケーキ屋になったのだった。
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ファンタジックな世界を楽しめるメンバー達。

発表会当日はどんなお話が誕生するか、楽しみです!

6月21日(木)20時30分開演 @インプロジャパンスタジオ (観覧無料)

お待ちしています!

2018年06月18日

2018/5/24 ベーシッククラス(5) インプロジャパン 峰松佳代

今期のベーシッククラスは、久しぶりに受講してくれているメンバー達がいて、
経験者と初めての方が混じり合った刺激的なクラスとなりました。

刺激的といっても、学生時代の部活動に熱い刺激的ではなく(笑)、
いたって穏やかです!
平日の夜でありながら、心に安らぎを与えてくれる感じでしょうか(笑)。

さて、少し前になりますが、このクラスで作った物語を一つご紹介します。
とてもファンタジックであり、まさかの展開でしたが、
どの瞬間も、まさにイエスアンドが光った作品となりました。

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「タヌキに悩まされる村」

青年団のケンジたちは、村の畑を荒らすタヌキに悩まされていました。
ケンジたちは、タヌキを退治する方法を考える会議を開きました。
一人が、「餌を罠にして、取ればいいんじゃないか?」と言いました。
そこで、タヌキが好きなきつねうどんを畑の周りに100個置きました。
その100個のきつねうどんは、村中に良い匂いを漂わせました。

ある満月の夜です。
静かな満月の夜なので、辺りはシーンとして、きつねうどんの匂いがむちゃくちゃ漂っていました。
その匂いに誘われてきたのは、タヌキではなく、まずは村の人達でした。
若い人も年寄りも全員・・・
青年団は焦りました。なんで、村の皆にこのことを知らせなかったのか…
実は、それには、タヌキの為に、しびれ薬を入れていたのでした。

そうとは知らず、村人たちは、それを食べてしまいました!
食べちゃった人達は、ベロを全開まで出して、のた打ち回りました。
青年団の人達は責任を感じて、全員に「きつねうどんを吐くんだー!」と言って回りました。
そして、気持ちよく吐かせる為にアイスクリームを用意しました。

すると、なんてことでしょう!!!!
今度はその匂いに誘われて、タヌキたちが出てきたではありませんか!!!
アイスの匂いに誘われたタヌキたちは、「ポンポコポン」と、踊りながら、人間の周りにやってきて、
苦しんでいる村人たちをあざけ笑っているようでした。

集まってきたタヌキを見た青年団たちは、タヌキをここで一網打尽にする方法はないか、考えました。
「そうだ、アイスを上げるふりをして、捕まえよう!」

アイスをタヌキに上げるとすっごい可愛い笑顔で青年団に有難うと微笑み返しをしました。
しかし、ケンジたちは、この機会を逃せないと、心を鬼にして、アイスで池を作りました。
そのアイスの池を見た100匹のタヌキたちは、喜び勇んで、飛び込み、そのアイスの海で、クロールを始めました。

クロールをすると、アイスの海はみるみる泡立ち、その泡は畑中に広がり、
泡立ちすぎるくらい泡立って、硬いホイップ状態になりました。
それは固く冷たいホイップとなり、それに囲まれた村人たちは、その冷たさでしびれが取れたようでした。

村人たちは泳いでいるタヌキめがけて走り出しました。
毒が抜けた村人たちは、いつもより軽やかに走れていることに気がつきました。
ジャンプ力も増したので、皆が、タヌキに向かって飛び蹴りをしました。
100人の飛び蹴りは、100匹のタヌキの急所を射止め、タヌキはコンコロリと転がりました。
転がったタヌキたちはホイップに包まれ、まるでお地蔵さんのようにコーティングされました。
そして、そのまま固まっていったのでした。

それからというもの、固まった100体のタヌキを見に、沢山の観光客が村に訪れるようになり、
畑がなくても村が潤うようになったのでした。

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まさかの展開の連続も、受け入れ合えば、この世に一つのステキな物語になります!

それを味わえた作品の誕生でした。




2018年04月23日

2018/4/4 「ベーシッククラス(5)」インプロジャパン 下田明正

3月にスタートした「ベーシッククラス」。
早くも、明日4/25(水)は最終回の発表会です!

スタート時、この春から大学生になったメンバー達もいるこのクラスには、
現在、週3回のクラスを受けているインプロジャパン最年長の大先輩もいます!

発表会前に、彼らが今期作った作品をご紹介しましょう。

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サーカス団員の娘リリーは、7歳の誕生日を機に空中ブランコの練習をさせられることになった。
リリーのお父さんは空中ブランコのスターで世界一のブランコ乗り 。
リリーに対する指導はとても厳しいものがありました。
ある日、リリーはそんなお父さんに歯向かって、サーカス団を出て行ってしまいました。
リリーにとってブランコは子供の時からお父さんの姿を見続けてきた物にもかかわらず、練習をしているうちに、何か面白みのないものに見えてしまったのでした。

サーカス団を出たものの行く宛のないリリーは、お腹が空いて倒れ込んでしまいました。
そこは街でも1番大きい道路。
今は夜なので車はきませんが、朝になると車がいっぱい通るような場所でした。

すると、そこに素敵な紳士が現れて
「お嬢さん、そんな所で寝ていると危ないよ」と抱き起こしました。
リリーは父以外の男に触れられた事がなく、思わずおじさんを突き飛ばしました。
初めての大人の男に抱えられて心臓がドキドキし、どうしていいか分からない…。
緊張しながら相手の顔をちらっと見ると、おじさんは優しい顔をしていました。
そして筋肉隆々。
スポーツで鍛えていると、見る人がみたらわかる体つきをしていました。
その人はなんと隣街のサーカス団の一員でリリーを陰から見ていて世界でもトップになれると思い、
スカウトをしに来たのでした。
しかしリリーは、ブランコを好きになれと言われても好きになれない!…と思い怒鳴ってしまいました。
するとおじさんは「サーカスはブランコだけではない。一輪車とか色んな種目がある。
私の所に来て色んな演目をやってみればよい」と言ってくれました。
心動かされたリリーは、その施設で色んな種目を体験しました。

その隣街のサーカス団には、リリーと同じくらいの男の子ジョージがいました。
ジョージをはスカウトしてきたおじさんの息子でした。
リリーは自分が嫌いな空中ブランコでスターになるために練習し、凄い技を楽しそうにやっているジョージに
衝撃を受けました。
「一度ここで空中ブランコをやらせて下さい!」
ついにリリーは空中ブランコに飛び乗りやってみることにしました。
楽しさを思い出したリリーはおじさんのところを飛び出し、お父さんの所へと戻っていきました。

リリーはジョージには負けられないという闘争心から練習を続け、誰よりも上手くなりスターになっていき、
やがて、ジョージのサーカス団とも共演するようになりました。
そのリリーとジョージの空中ブランコは、なんとサーカスの中には収まりきれず、
街中にロープを張り街中を飛び回るサーカス団となったのでした。

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このクラスの発表会は、
4月25日(水)20時30分開演です。
場所はインプロジャパンスタジオで、観覧無料です。

是非、彼らのフレッシュなインプロを観にいらしてください。
よろしくお願いいたします!

2018年04月10日

2018/4/8「関わり方次第で特別なものに!」ベープラクラス(2)インプロジャパン・峰松

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インプロジャパンスタジオの日曜昼は「ベーシックプラスクラス」。
前期から引き続き同じメンバーが受講してくれています。
まさに、「日曜のお昼!」といった穏やかな空気が流れるこのクラスは、
今期に入り、お互いへの信頼と安心感が更に増し、
シーンの中でも、明確な想い(オファー)のキャッチボールが随所に見られるようになってきました。

「場」への安心感は、集中力を上げ、
集中力が上がると、イマジネーション力も高まり、
イマジネーション力が高まると、固定概念を超えた創造力が引き出される。

2回目のこの日は、皆の取り組む姿勢から、そんなことを感じさせてもらいました。
何もない舞台上。
集中し、物をしっかりとイメージし、そこに生きる。
言葉がなくても、伝わり合う想いの数々。
すると、そこには背景となるストーリーが見えてきます。


クラスの最後には、誰しも知っているある名作を言葉を使わずに1分間で演じてみました。
既にストーリーが知られている作品なので、一見簡単そうですが、
その物語の捉え方、表現したい箇所は人それぞれ、千差万別、思い通りに事が運ぶとは限りません。
しかも、今回は言葉がない状態。

終わった後、メンバーの一人がこんなことを言ってくれました。
「登場人物を勘違いしてやっちゃったんだけど、皆が、それを受け入れてくれて、結果、シーンが出来てて、感動した!」

そう、本来のストーリー(決まっていること)に捉われてしまい、周りがそれを「間違い」と捉えて否定的に関わったり、それを突っ込んでなかったことにしてしまっていたら、逆にギクシャクしてしまったり、「正しい」と思われる道をなぞることに必死になってしまい、「今」を楽しむ余裕すらなくなっていたでしょう。
何より、「今」ここに生まれた世界が消えてしまい、折角「新しい物語」が誕生しようとしていたのに・・・となったかもしれません。
でも、皆は、「正解」に捉われず、「今」目の前で起こっていることに関わって、創っていき、結果、名作を超えたオリジナリティ溢れる物語の世界が出来上がりました。
つまり、関わり方次第で、「奇異」なことや一見「間違い」に思えることも、特別なことにできるのですよね。

みんなの「イエスアンド力」が磨かれてきたことで出会えた気づきでした。

次回は、どんなキャッチボールが見られるか、このメンバー達が生むオリジナリティが楽しみです。


ちなみに、写真がなぜミカンなのか。
それは、メンバー達だけが知っている秘密?!(笑)

2018年04月09日

2018/4/8「まるで大家族!!」〜インタミプラスクラス(2)〜インプロジャパン/峰松

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4月1日から始まった「インターミディエイトプラスクラス」。
有難いことに、みんな、引き続き受講してくれて、今期も11名と大所帯となりました!

2回目の昨日(4/8)は、全員勢ぞろい!!
いや〜、「これでもかっ?!」というぐらいに、笑い倒しました(笑)。

ウォーミングアップの段階から、ただ名前を呼ばれ、それに反応するだけゲームにもかかわらず、足がもつれて転んだり、「キャァっ!」と大声で叫んだり・・・
20代〜60代、各世代のいい大人達が、世代を超えて、興奮気味にはしゃぎまくり。
前半10分でこの状態なのですから(笑)。

このクラスの特徴の一つ。
それは、やるゲームがどれもこれも「こんなに面白いゲームだったかな?」と思えるほど、
より楽しく進化していくところ。
それもこれも、誰もが、瞬間瞬間に集中し、真剣に取り組むからこそなのでしょう。
ひょうきんを狙って、やっているわけではないんです。
ただただ、真剣!!
それだけで、一人ひとりの魅力が、そのゲームの中で際立ち、互いが愛くるしく思える「場」がそこに誕生しています。そう、個性がゲームの持つ面白さを超えて、『人ってこんなに面白いんだ!』ということを純粋に感じさせてくれるのです。
このクラスは、インプロを超えて、そんなことを教えてくれます。

昨日のクラスでは、終わった後の振り返りでこんなことを言ってくれている人たちがいました。
「11人、皆、違うから面白い!!」
笑いが絶えない理由は、ここにもありますね。

『違い』を楽しめる。

繋がれる『個性』。

生まれる『愛着が湧く場』。

創られる『オリジナリティ』。

この体現が、皆の挑戦や真摯に課題と向き合う姿勢にも繋がっているようです。
この日は、楽しむ一方で、それぞれがしっかりと個々の挑戦への高い意識が見えた日でもありました。


そうそう、忘れてはならないのが、このクラスの休憩時間!
話題(笑)の『もぐもぐタイム』です。
今や、この交流も、皆にとって、大事なひと時・・・
女性陣は全員でテーブルを囲んでおしゃべりタイム、男性陣はその周りで各々に立ち話、、、
共に、お菓子を口に頬張りながらの和気あいあいとした空間。

「まるで、大家族みたい」

嬉しそうに、そう語ったメンバーの言葉に、私も大きく頷いたのは言うまでもありません。

私が子どもの頃、日曜夜の楽しみと言えば「サザエさん」でしたが(笑)、
今では、この「大家族」クラスが日曜夜の楽しみです!!

来週も、大笑いに備えて、更に腹筋を鍛えて、臨みたいと思います!!



2018年02月15日

2018/2/11 ベーシッククラス(4)インプロジャパン 峰松佳代

1月期のベーシッククラスも4回目となり、早くも折り返しに入りました。
4回目の今回は、全員が揃い、
「前に進ませる、展開させるアイデアよりも、今を掘り下げ、じっくり創り、共有している世界を広げていく」ことに重きを置いて、ワークに取り組みました。

それは、まさに、「A ○○」から「The ○○」というように、定冠詞がついたストーリー作りとなるので、
「世界に一つの物語」、つまり、よりオリジナリティが発揮された作品となります。

この日、早速、皆さんのインプロでの作品作りに変化が現れました。
今までは、ただの「宇宙飛行士と宇宙人が出会う」という世界から、
「もし、怖がりの宇宙飛行士と欲深い宇宙人が出会ったら…」という先が楽しみになる世界になったのです。
この時、誕生した宇宙人が発していた口癖は、「ピロピロピロ〜」。
そういいながら、欲しいものがあると、手がどんどんと伸びていき、何でも手中に収めてしまうのです。
どんな宇宙人か、体を使ってじっくりと掘り下げていくうちに、自然と誕生したキャラクターでした。

その他にも、この日は、この感覚を使って、即興で順に語りながら、物語も作りました。
そこには、ノスタルジックでかつファンタジーな世界が広がり、情景が目に浮かぶ作品が誕生しました。

ここでご紹介しましょう。

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「ある日の海岸」

貝殻集めが好きなヨーコは、ある日、いつも行く海岸で珍しい貝を拾った。
その貝は、白い巻貝で、振ると「カラカラカラ」と音がするものだった。
ヨーコは、その音が気になって、耳に当てて聞いてみた。
すると、ヨーコは、その音を聞いているうちに、遠い子どもの頃、同じことをしたのを思い出した。

ヨーコは、小さい頃、この海岸に、生きていたことのおばあちゃんと毎日散歩に来ていた。
おばあちゃんは、ヨーコが幼かったので、手を引きながら連れてきてくれていた。
その手は、しわくちゃな手だったけど、ふわふわで、ヨーコは子どもながらにその手に癒されていた。
その頃のヨーコは、父母と離れて、おばあちゃんと一緒に暮らしており、
そのおばあちゃんのふわふわの手を触って散歩するのが大好きだった。

ヨーコは、その頃を思い出しながら、目をつぶって貝殻の音を聞いていると、
その貝柄からおばあちゃんの声が聞こえてきて、次に目を開けると、
目の前にはおばあちゃんがいた頃のあの海が広がっていた。
気がつくと、5歳の頃の自分の目の前には、同じ5歳のたろう君が一緒に砂の城を作っていた。
砂の城は、両手で広がる大きさで、上がとんがっていて、真ん中にトンネルができていた。
その空いた穴に両側から掘る二人。
中で、繋がる手。
ヨーコは、たろう君の握っていたら、たろうの手の温かさに、ポッとなった。

そんなヨーコに、たろう君は、「僕、明日引っ越すんだ」と突然言った。
ヨーコは、大泣きし、その涙で砂の城が崩れるほどだった。
「必ず手紙を書くから」 たろう君は、そう言って、去って行ってしまった。
ヨーコは、たろう君が最後にくれた手紙を読みながら、そこに白い巻貝は入っているのを見つけた。
その貝を耳に当てて振ると、「カラカラカラ」と音が鳴った。
再び、目を開けると、そこには、現代の海が広がり、そして隣には同じ年頃の青年がいた。

「あなたはたろう君?」
「きみはヨーコさん?」
「僕が送った巻貝、気づいてくれた?殻から音がするの分かった?」
「今、たろう君と私は、同じ海に立っているのね」
「うん。その巻貝、殻からが入っているのは、中に何かが入っているからだよ。開けてごらん」

たろう君の言葉を聞いたヨーコは、その巻貝を割ってみた。
するとそこから出てきたのは、ヨーコが小さい頃、お気に入りで毎日来ていたブラウスについてた花柄のボタン。
そのボタンは、ツルツルでかざすと万華鏡のようにキラキラ光るお気に入りのボタンだった。
宝箱に入れていたのに、いつの間にかなくなっており、それをヨーコは忘れていた。
「たろう君、これ、大切なボタンだったの。どうして持っていたの?」
「それはね、君のおばあちゃんが僕に預けたんだよ」
その時、「幸せにね」というおばあちゃんの声が聞こえた。
ボタンを見ると、そこには、小さな文字で「このボタンを受け取った人と渡した人は結婚する」と書いてあった。

「おばあちゃんから預かり、大事に貝殻に入れておいたんだ。
そして、今日、君がその貝殻に気づいてくれて、またこうやって巡り合えた」
たろう君はそう言うと、ボタンがのったヨーコの手にそっと手を添えたのだった。

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毎回、インプロの深みと面白みを味わい、どんどんステップアップしていくメンバー達。
発表会まで、どんな変化を見せてくれるか、楽しみです!!

2018年01月30日

「おかげ」という想い〜インプロ・ワークショップ in 福岡〜 峰松 佳代

こんにちは、インプロジャパンの佳代です。
先週は、福岡で5年ぶりにワークショップを開催しました!
東京の大雪を離れ、来福したら、あちらでも小雪がチラホラ・・雪を連れて行っちゃったかしら?(笑)

外は今年一番の冷え込みでしたが、会場は、ご参加者の笑い声とエネルギーでポッカポカ。
何より、とにかく、温かいお人柄の皆さん!
福岡がまた大好きになっちゃいました!!

3時間という時間はあっという間。
最後に皆で創った「2100年のオリンピック物語」では、
新しい種目「念通力」によって注目を浴びた選手が、
話題とお金をたくさん手にしたことで生まれた憎悪が、
時を経てじわじわと愛に変わっていくというドラマが生まれました。
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即興だからこそ、意図せず生まれる言葉や場面。
それが、私たちにとって、忘れられない名言や名場面となっていきました。

そうそう、実は、私、九州生まれで、子どもの頃は休みの度に、
帰省していて、加えて仕事でも何度も福岡には来ていたのですが、
人生で一度も『博多祇園山笠』を見たことがないんです!
でも、今回、念願叶って見ることが出来ました!しかも、この1月に、室内で(笑)!
私にとっての『博多祇園山笠』は、皆さんが作ったソレ。
出来上ったソレは、女性が縁の下の力持ちになっていて、九州らしくて?!、気に入ってしまいました!!

3時間という時間はあっという間でしたが、終わった後の皆さんのコメントも、まさに忘れられない言葉ばかり。
中には、「『人のおかげ』」で自分がいるという事を体感し、感謝の気持ちが生まれる場。人との関わりで自分を成長させることが出来る。」と言ってくださった方がいらっしゃり、思わず、胸にグッときてしまいました。
改めて、その時その瞬間をおざなりにせず、直の心で関わっていこうと、思いました。

ご参加いただきました皆様、ステキなひと時を有難うございました!
またお会いできる日を楽しみにしています!!

2018年01月18日

2018/1/17 ベーシッククラス発表会 インプロジャパン 下田明正

昨日、1/17(水)は、「ベーシッククラス」の発表会でした。
今回のベーシッククラスは、珍しく、経験者ばかり。加えて、全員女性。
今期、みんな忙しく、全員が揃ったのはわずかで、
「ようやく全員揃った!」その喜びも込めて、チーム名を『コンプリートガールズ』と命名し、
発表会に登場!!

しかも、なんと、この日はお客様も女性ばかり。
スタジオにいる男性は、講師のしもぴ〜だけという、『インプロジャパン・レディースディ』でした(笑)。

外は久々の雨で、寒い中、スタジオは彼女達から溢れ出る温かさで、
ステキな作品ばかりが誕生しました。

3メートル近い巨大プレゼントをサンタクロースからもらった特別の紙でラッピングする包装の達人のお話や、
山奥に秘薬を探しに行くと、ちっちゃなお爺ちゃん(仙人)がそれを手にしていて、目の前で本物か飲ませたところ、実はそれは惚れ薬で、おじいちゃんに惚れられてしまうというお話や、また、最後には、
寂れた水族館に訪れた女の子が、空いている水槽に彼女の空想の世界の魚(ブルークリオネアフィッシュ)の
絵を描いて入れたところ、その魚達が泳ぎ出し、水族館が復活する・・と言ったお話など、
彼女達ならではのお話がたくさん誕生しました。

キュートな彼女達の魅力たっぷり詰まった発表会。
惚れ薬がなくても、見たら惚れちゃったかもしれませんよ(笑)。

最後に、シェアードストーリーというゲームで出来上がった物語をご紹介しましょう。

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「バレンタイン。ケンタの悲劇」〜シェアードストーリー〜

高校生のケンタは今年こそバレンタインにチョコレートが欲しい!
とモテる方法を模索していた。

まずは、昨年持てきれない程チョコを貰ったマコトにモテる秘訣を聞いてみた。
しかし、マコトには“秘訣なんてないよ”と言わてしまい、ムカついたので、とりあえず一発殴ってやった。

そして、次に一昨年20個貰ったというシュンイチに話を聞いてみた。
シュンイチが「まずはヨシコちゃんから攻めるのがいいよ!」とアドバイスをくれたので、
早速ヨシコちゃんの情報を仕入れにB組の教室へ向かった。
ヨシコちゃんはお姫様的存在でクラスにはたくさんの取り巻きがいた。
簡単には近づけないので、ヨシコちゃんの友達のカズコちゃんに聞いてみた。
すると、ヨシコちゃんはちょっとした変態性をもっている男子が良いという。
シュンイチの内股歩き、髪をかきあげる仕草、語尾に“ですよね”をつける所が好評だったのだ。

ケンタは俺もやってみよう!と家の鏡の前で内股の練習をはじめた。
それを見た母親はスカートを買ってきて与えた。
何やら勘違いされているが、(これはチョコを貰うため!)ケンタは、なり振り構わず練習をつづけた。

そして、バレンタインデー当日。
ケンタは験担ぎそのスカートをはいて登校した。
周りの視線が痛いが教室の中へ中へと入っていった。
「今日は特別な日ですよね」と話しかけると、ヨシコはニコッと笑って「一緒に写真を撮ろう!」と言ってきた。
ヨシコの要望のままに練習したクセを出し、念願のチョコレートを手にすることが出来たのだが…
次の日が悲惨なことに…

その恥ずかしい写真は世界中の人の目に晒されてしまっていたのであった。
チョコレートひとつの為に、大きな代償をはらう事となったケンタであった。
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来期の皆のインプロも楽しみです!

またお会いしましょう!!



2017年10月10日

2017/9/20  ベーシッククラス(5)インプロジャパン下田明正

ベーシッククラスで、出来上がったお話をご紹介しましょう。

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「社長御曹司のパティーに招かれた時の話」

私はお金持ちの友達のお誕生会に招待されました。
駅前で待ち合わせという事で待っているとなんと白いリムジンが迎えにやって来ました。
リムジンの運転手は高価そうなタキシードを着ており、降りて来ると車内へと私をエスコートしてくれました。
リムジンに乗ると中はパティーディスコ状態でオシャレな飲み物の入ったグラスもたくさん並んでいました。
私はドレスなどでなく普段着で来てしまった事を後悔し、この後のお屋敷でのパティーにも不安が込み上げてきました。
けれどこんな機会は一生に一度あるかないか…この雰囲気を最高に楽しもう"私はお姫様ッ!"と、
ひらきなおりました。

リムジンの中ではお酒をいっぱい飲みました。
リムジンの中でさえ高価なワインが揃えられているので、パティー会場ではどんなモノ出てくるのか!?…
とまた不安が広がりました。
しかし、周りを見渡すと場違いなのは私だけじゃない事に気付きました。友達たちも皆、普段着姿でした。
格差はあっても私達はみんな彼に憧れていました。

他の子には負けたくない!車が会場に着くと私は一目散にリムジンから降り走り出しました。
友達たちもお互いをライバル視し、負けずと後を追ってきました。

横を見ると50cm離れた同じラインに1番仲良しの友達が並走していました。
彼女とはよく彼のことを話していましたが、そんな事は一度も聞いていなかったので「え、ライバルだったの!
?」と裏切られた気持ちになり「あの子には絶対に負けたくない!」と意気込みました。
…しかし、普段走りなれていない私は転んでしまいました。
みんなが会場の豪邸へと走り去って行くのをひとり悲しく見ていると、後ろから憧れの彼が現れました!

しめた!と思って、慌てて取り繕って優雅に振る舞いました。スッと立ち上がり彼の方を向くと「大丈夫?…」
と彼が優しく手を差し伸べてくれたので、更に好きになりました。

彼はケガしている私に気遣い、破れてしまった服にも気付き、「僕の家のドレスを貸してあげるよ」とうちの中へエスコートしてくれたのでした。

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この日は、男性がお休みで、女性達だけで創った物語。
夢のようなお話がワクワクと膨らんでいったようです。


いよいよ彼らの発表会は明日!

10月11日(水)20時30分開演
インプロジャパンスタジオ
観覧無料です!

是非いらしてください。



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2017/9/13 ベーシッククラス(4)インプロジャパン下田明正

8月後半から始まった「ベーシッククラス」もいよいよ大詰め!

4回目のこの日は、物語作りに挑戦です。
お互いのアイデアを繋ぎ、一つの物語が誕生しました!

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「ノボルと不思議な卵」

飼育係のノボルはある日の放課後飼育小屋で見慣れない卵を見つけた。
その見慣れない卵はとてもきれいなマーブル模様をしていました。

マーブル模様の卵はノボルの腰の高さ位まである大きな卵で、
温めるには大きな毛布が必要でした。
ノボルはさっき用具入れに毛布があったのを思い出して取りに行くと用具入れには毛布が二枚ありました。
二枚の毛布で卵を包み込んだのですが、今は凍えるくらい寒い冬…ストーブも持ってきました。
あまり近いと燃えてしまいそうなので、飼育小屋の中で程よく距離をとり温め始めました。

…ノボルが抱きかかえていると、コツコツと音がしてきました。
毛布を取ってみるとマーブル模様の卵にはイナズマのようなヒビが入っていて、ちょっと揺れていました。

ノボルはどんな鳥が出てくるのか興味津々…
ワクワクして友達を呼びに行きました。
友達である生物の先生にそれを見せると、これは数少ない貴重な卵であると教えてくれました。
先生は鳥ヲタクで卵にも詳しかったのです。

いつも先生と語りあっていたノボルは嬉しくてビデオカメラを回し長時間に渡り記録する事にしました。
それを資料として使って論文を書こうと思ったのです。

ビデオを回していると赤いクチバシが出て来ました。
そしてその後上半分の殻が割れると、卵と同じ色のクジャクが出て来ました。
このマーブル模様のクジャクは聞いたことのないような鳴き声で鳴きました。
人の叫び声のようにギャーと鳴いてとても凄い音がしました。

周りの人達がどうしたの?とそれを聞いて集まって来ました。
綺麗な羽根を見て更に興奮したノボル。
周りの人には(しっかりと研究をまとめるまでは)見られたくないと思い、
どうしようか悩んだあげく、温めていた毛布で小屋を隠し、見えないようにしました。
集まった人達が何の叫び声だ?!
と聞いてきたので、ノボルはとっさに自分がただ叫んだだけだと誤魔化しました。

こうしてノボルは極秘に観察を進めていったのでした。

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発表会は、
10月11日(水)20時30分開演!
@インプロジャパンスタジオ