2009年02月22日

2009/2/7 ワンコインショー インプロジャパン 川添圭太

今年最初のワンコインショーが、この日行われました!
今回は、ワンコインショーデビューのメンバーが2人もいて、ますます賑やかになっていくこの公演の熱気を、私もプレーヤーの1人として感じました。

この日は、男性5人チームvs女性4人チームの、対抗戦形式。
両チームとも、当日あっという間にチーム名と登場ポーズを決め、テンションを高ぶらせながら開演時間を迎えました。


ではまず、その両チームを簡単にご紹介します。

★男性チームは、その名も「高気圧ペンタゴン!」
5人が互いに腕を握り合ったそのポーズが勇ましい星型を描いていました。

私が印象的だったのは、「イケメン達が国を創るシーンが観たい!」という、女性チームからのリクエストに応えたシーン。
その美貌ゆえに祖国を追われたり迫害されたりしている5人のイケメンが、国を創るために集結!醜悪な顔の敵キャラクターとのバトルも見ものでした。
(5人が、それぞれが思うイケメン像になりきっていました!)


★そして、女性チームは、「Yes!!天竺!」
お揃いのポーズ&みんなで一点を見つめて登場。チームワークの良さでは、天竺を目指したあの4人組にも負けていません!

MCからの「小さいものがたくさん出てくるシーン」というリクエストを受けた際には、4種類の動物達が活躍するシーンが繰り広げられました。

 巨大なケーキを数センチずつ運ぶネズミ君、
 ケーキを待ち焦がれるあまり飛び跳ねてしまうノミ君、
 観察眼が鋭く、でもケーキがなんだか知らないモグラ、
 同じくケーキを知らないけれど、好奇心旺盛なダンゴムシ、

とそれぞれのキャラクターの違いも楽しめました。


そして、男女互角の戦いを繰り広げたあとは、いよいよラストシーン。
最後は、チームに関係なく、9人全員でお話を作りました。

タイトルは、「明智小五郎VSヒツジ」
(やや長いですが、一風変わった推理小説として、お楽しみいただけると幸いです。)

〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜
羊毛が床一面、壁一面に散らばった部屋。
ある洋館の中の一室。扉を開くと、メ〜という鳴き声。机の上には、1通の手紙。
クモの巣が生え、すえたにおいのする部屋。


…15年前、この部屋で怪奇事件が起きた。羊の毛が所狭しと散乱した、この部屋。
手がかりはそれだけ。誰もこの事件を解決できずにいた。
だが、15年後の今日、探偵・アケチコゴロウのもとへ、挑戦状が届いた…。

最初の場面は、アケチの探偵事務所。
助手は、アケチに奇妙なセーターを見せた。
「次はお前がセーターだ」と、挑戦的な言葉が書いてある。
アケチは、15年前のあの事件を思い出していた。
探偵の師匠であった、アケチコタロウが変死した、あの事件を…。

――コタロウは、口いっぱいに羊毛を詰められていた。
まだ若かったアケチ(コゴロウ)。憤りを感じながらも、どうする事もできなかった。
アケチも地元の駐在さんも、手がかりを見つけられないまま、15年が過ぎた――。

そして今、この挑戦状である。アケチは、意を決して、〜〜君とともにあの奇妙な部
屋の扉を開けた。
あの時と全く同じ状態。床一面の羊毛。すえた匂い。
そして…あったかいよ…という何者かの声!
その声は、 …眠くなーれ …羊を数えてみな…。 と続いた。

 …羊…?

そして…2人は、いつのまにか、眠ってしまっていた。

…どれくらい時間が経っただろうか。
2人の目の前には、「ヒツジ人間」と名乗る、羊の毛を生やした人間達が立っていた。
「多くの殺人事件を、我々ヒツジのせいにされた!」
「お前達のせいで、毛糸が売れなくなったんだ!」などと口々に思いのたけを叫ぶ彼ら。
そして、その中の一匹が、机に置かれた手紙を読んだ。
アケチも、警察も、誰も気づかなかった手紙…。

なんと、書いたのは、ほかでもない、師匠・アケチコタロウであった。


――この部屋には、10年前、メリーさんという女性が住んでいた。
羊たちとずっと仲良く暮らしていたメリーさん。
だがある日、メリーさんは自殺した。
でも、私はそれをなぜか認められなかった。
メリーさんが自殺をする動機がわからなかった。
その時、口の中に詰まっていた羊毛に直感のようなものを感じ、私は、
メリーさんは自殺でなく、羊たちの手によって葬られた、と推測してしまった――。


一同が初めて知る、驚愕の事実!コタロウは今から25年前にそんな推理をしていたのだ!

だが、その推理に激怒したのは羊たち。
「何もしていないのに、なぜ逮捕されなければいけないのか!」
その恨みは積り積って、10年後(つまり、今から15年前)、コタロウ殺害へと発展したのだ。


だが、アケチはある疑問を感じていた。
では、最初の事件・メリーさん殺害の犯人は誰なのか?それとも自殺なのか?
自分達ではないと言うのなら、羊たちは真相を知っているのか?


すると、その現場に、1人の女性が現れた。
羊たちは、目を疑った。
 …メリーさん…?
そんなはずはない、彼女は25年前に亡くなったはず。
一匹の羊が、女性の匂いをかいだ。匂いでわかった。そこにいるのは、まぎれもなく、メリーさんだった。
証人のように、そこに現れた、あの日の駐在さん。
メリーさんがお詫びをしたいそうだ、と羊たちに告げた。

重い口を開いたメリーさん。
――私と羊たちんは、10年前のあの日まで、それはそれは仲よく暮らしていた。
私が、自分の本当の気持ちに気づいた、あの日まで。
実は私は、牛が好きだった。
それを気づいた瞬間から、羊たちからの愛情は重荷でしかなくなった。
どんなに羊毛で温めてようと、無理矢理お乳を搾り出そうとしようと…。

だが、それを言えるはずがない。
どんな方法をとっても、羊たちを傷つけてしまう。そこで私はひと芝居売った。
シリコンで自分そっくりの人形を作り、「メリーさんは死んだ」と羊たちに思わせるのだ。
作戦は成功。羊たちはおろか、世間もすっかりだまされた――。


そして、メリーさん(の人形)に詰まった羊毛を見て、アケチコタロウは、「犯人は羊たち!」と推理したわけである。

最愛の人から、悲しい告白を受けた羊たち。いや、悲しいだけでは収まらなかった!
なぜ!?なぜ今さら!? 25年越しに言われると、余計に傷つくわよ!!
羊たちの目がキラッと光り、メリーさんに飛び掛った。
「嫌いなんじゃないの!」「でも、自分の気持ちには、どうしても嘘をつけなかった!」と語るメリーさん。

だが、メリーさんの言い分を聞いても、「25年もだまされ続けた」という思い
が消えない、羊たち。メリーさんが牛乳製造会社に勤めている、という事実もまた、彼らを傷つけた!
どんどん激しくなる羊たちの攻撃!メリーさんの体は、どんどん彼らの羊毛で縛られ
ていった。

そしてこの部屋は、開かずの「メリーの家」となった。


数日後。
アケチの探偵事務所。アケチは助手とともに今回の事件を振り返っていた。
相手を傷つけまいとしてついたウソが、結果的にもっと相手を傷つけてしまう事もある。

相手には、正直に気持ちを伝えよう。
アケチは、誰に言うでもなく、そっと呟いた。

〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜

最初はミステリー風に始まったストーリーが、いつのまにか肩の力が抜けたコメディテイストになっていて、私は、インプロの自由さを、あらためて感じました。

そして、個人的には、いつか「ミステリー風」でなく、本格的なミステリーを創りたい、という欲も沸いてきました。

もちろん、プレーヤー同士の思いが融合し合うのも、インプロの面白さ。
私以外のプレーヤーも、今回の公演を経て、早くも次の目標や欲求を感じている事でしょう。
次回・3月22日は、それぞれのそんな思いが融合し合って、さらに活気のある公演になる事と思います。

皆さまも、ぜひ会場に足をお運びください!

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