2018年10月03日

2018/9/15 ベーシッククラス(5) インプロジャパン 峰松佳代

8月から始まっている、土曜の午後開講の「ベーシッククラス」。
バックグラウンドはもちろんのこと、世代、国籍、職業、全く違うメンバー達が集まっています。
クラス後のそれぞれの発見や気づきも様々。
お互いの振り返りの言葉も刺激となっており、講師の私自身も心打たれる刺激をたくさんもらっています。

さて、今日は、このクラスメンバーが作った作品を一つここでご紹介しましょう。
インプロの『シェアードストーリー』というゲームで、誕生した物語です。

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「古い倉庫」
タケシのおじいちゃんの家には、昔からあるすごーく古い倉庫があった。
その倉庫はいつも暗くて涼しかった。
その倉庫には、鍵がしっかり掛かっていて、普段は誰も入れなかった。
その日、倉庫が暗くてじめじめしているだろうと思ったタケシは、
肝試しをしたいと思って、鍵を開けて入ってみた。

すると、暗い中から見えたのは、びっしりと置かれたお酒の瓶だった。
タケシは、そのお酒の瓶を手に取って、1本1本、じっくり見てみた。
瓶には小難しい文字がびっしり書かれていて、見ているうちに、
段々と、その世界に吸い込まれていった。
すると、目の前に、それを書いているおじさん達の姿が見えてきた。

おじさん達の表情は、楽しく仕事に集中している様子だった。
彼らをそうさせていたのは仕事に対しての誇り。
そのお酒を飲んでくれる人のことを考えて書いているようだった。
タケシは、その姿に感動して、ほろりと涙を流した。
その涙を流した時、一人のおじさんがタケシに気づき、話しかけてきた。

「なんだ、坊主。お前には、酒はまだ早いな。ここに字を書いて見ろ」
タケシは字が上手ではないが、おじさんから渡された瓶を持ったら字が書けた。
それを見たおじさんは、タケシに対する思いやりが生まれた。
「筋がいいじゃないか。うちの酒屋を継いでみないか!」

タケシはその気持ちに、自分が知らない酒屋は継げないと言ったが、
なんとなく、いつか自分はこのお酒を好きになると思った。
タケシは、お酒がどんなものかを知る為に、瓶を開けてみた。
フルーティな良い香りが倉庫に充満し、暗くてじめじめしていた部屋が、優しい香りに包まれた。
その香りに包まれているうち、タケシはお酒を買いにくるお客さんのことを想像できた。
商売に向いていると思ったタケシは、酒屋を継いでいくことを力強くおじさんに伝えた。
「イエス!任せて!」
すると、おじさんは、有難う。これから一緒に頑張っていこう!」と言った。
その時、おじさんは感極まったようなくしゃくしゃの笑顔になり、
タケシの心にその笑顔は焼き付いた。

ふと気がつくと、タケシは自分のベットの上で目が覚めた。
隣には3本の酒瓶があり、1本には「祝」、1本には「開」、1本には「運」と書かれていた。

その文字をしみじみとした気持ちで見ていると、
「ありがとうね」と「1923年」と書いてあった。

1923年、それはトルコ共和国が生まれた年。
日本とトルコの友好関係が始まった年だった。
タケシは、その瓶を持って、お酒をトルコに売るという使命を持ち、部屋を飛び出した。
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暗示のような夢が、一人の青年の心を動かした。
そんなお話でした。

このお話にトルコが出てきたことには、大きな理由があります。
それが知りたい方、発表会にいらしたら、なるほど!と思っていただけるはずです(笑)

彼らの発表会は、10月6日(土)16時開演。@インプロジャパンスタジオ

人の融合が生みだす奇跡。
是非観にいらしてください。


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