昨年暮れに始まった「ベーシッククラス」。
いよいよ来週は発表会です!
前期のベーシックから引き続き受講してくれている2名を除く8名全員が、
インプロジャパンで初めての発表会となります。

その日を前に、9回目のこの日は、代表池上による代講でした。

即興で、みんなで、物語を創り上げる。
そこに向けて、それぞれの感覚をいくつかのトレーニングで鍛えていき、
この日の最後は、10名全員で即興劇‥に挑戦です。

ここまでのクラスでは、いくつかのインプロゲームを通して、
即興で創ることをやってきましたが、
フリースタイルで、しかも全員で、劇を創るのは初めてです。

どんな感じになるかな。。
私も、ドキドキワクワクしながら、観せてもらいました。

いや〜、それはそれは、本番が益々楽しみになるほど、
みんなのチームワークが素晴らしく、それぞれが劇中でしっかりと自分の役割を果たし、
全員が存在感を発揮してくれました。

お互いの言葉を受け、活かし合っており、観ていてもとても気持ちが良いインプロでした。

ここで、そのお話をご紹介しましょう。
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舞台は「花畑」。

真っ黄色な背の高い大きな花が咲く花畑。
ここの花たちは、人間としゃべることはしないが、意思を持っていた。
村の人達は、この花たちをとても大切にしていて、
毎朝、花たちが気持ちよく過ごせるよう、手入れを怠らなかった。

「あ、すみません」「失礼します」
今日も、手入れ係のタネとヨネは、花たちのご機嫌を取りながら、
大きな花たちを見上げながら、手入れをしていた。

「季節の変わり目はご機嫌悪くなるのよね〜」
「虫も出てきたからね〜、消毒してあげましょうかね」
二人はちょっぴり苦手ではあったが、
花たちの為に、シャワーを当てるように優しく散布していた。

その日の深夜。
人間が寝静まったころ、花たちのおしゃべりが始まった。
「へたくそなんじゃ、消毒が」
「本当だよ、何回もぶつかって。レベッカは傷つきまくっていたなぁ」
ここ最近、刺激もなく、退屈していた花たちは、
ちょうどいいので、昼間に動き出して、人間達をビックリさせようという話になった。

翌日。
タネとヨネは、ソワソワしていた。
というのも、今日はこの花畑を支援をしている大富豪のエリザベス夫人が
見学にやってくるというのだ。
しかも、このエリザベス、誰もが恐れる存在で、決して粗相は許されなかった。
彼女が家臣と共に現れ、恐るおそる花畑を案内し、接待するタネとヨネ。
その時だった!!!!

花たちがブルンブルン茎の部分から葉を振り回した。
それはそれはすごい勢い!
そして・・・その往復ビンタの手のように動く葉は、
なんと、エリザベスをバタバタと叩きつけたのでした!
怪我を負い、怒りまくるエリザベス。
「許せません!!もうこの花畑の、いえ、村の支援を全部止めるわ!
明日、すべての花を処分しなさい!」
そう、言い放ち、帰っていった。

その日の夜の花たち。
「ちょっとやりすぎたよね・・」
「トム、派手にやったもんなぁ〜」
反省する花たち。
このままだと、自分達は明日処分されてしまう。
そんなことされてはたまったものではない。逆襲して、人間と戦うか。。
その時、レベッカが言った。
「我々の本気を出して、彼らを感動させよう!」
花たちは、目を輝かせ、みんな乗っていた。
「じゃあ、オーロラを起こそう!」
「そうだ、サンダース、得意のダンスだ!」
彼らは、今まで以上の自分たちの本気を人間達に見せることにした。

翌朝。
花畑は、朝からただならぬ空気が放たれていた。
エリザベス夫人を連れてきた家臣が、その時気づいた。
「空が虹色になっている!」
よく見ると、背丈の高い花たちが一心不乱に踊りまくり、
それが反映して、空が輝きだしたのだった!
それはそれは美しく、人々がどんどん集まり、
あれだけ怒っていたエリザベス夫人さえも、美しさに魅了されるほどであった。

「(家臣に向かって)支援継続よ!手配しなさい!」

こうして、花たちの本気が感動を生み、
それからというもの、この花畑はさらに人々に愛される場所となったのだった。

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互いの発想を楽しみ、受け入れ合うその姿勢が、
それぞれの表現を更に大きく広げてくれています。

当日の発表会は生配信します。
個性溢れる10名のインプロを是非観てあげてください。

3月4日(土)15時配信 ※アーカイブ2週間
https://www.improjapan.co.jp/class_showcase_movie/