2016年10月01日

月刊インプロ10月号〜「ご挨拶」〜  秋山桃里(インプロジャパン取締役)

毎年この日を迎えるたびに、
インプロジャパンは世界中のインプロヴァイザーによって
支えられているのだと改めて思います。

インプロの精神さえ共有していれば、
私達はどこにいても、どんなに離れていても繋がっていられるのだと
信じています。

インプロを通じてこれからもより良い世界を作っていければと思います。

これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。

月刊インプロ10月号より〜「ご挨拶」〜池上奈生美(インプロジャパン代表取締役)

おかげ様で、株式会社インプロジャパンは本日15周年を迎えます。
いつもお力添えをいただいている皆様方には、心より感謝申し上げます。
2001年に生まれた子どもたちが、今では中学生です。
インプロジャパンのキッズクラスを受けていた小学生たちも高校生になりました。

1998年、インプロジャパンができる前
私が初めてアメリカ・シカゴにインプロを習いに行った時、
プロの団体の入門編のクラスに、50歳の演劇素人の方が受けていました。
失礼ながら私は違和感を感じ、何故受講しているのかと聞きました。
すると、「スターになりたいからさ」と笑顔で返してくれました。
その時の私は正直驚きました。
私の中では、「夢を見るのは若いうちだけ」
という、固定概念があったのです。

2001年設立当初のインプロジャパンは、20代がほとんどでした。
しかし、今年のインプロジャパンの公演には、68歳のパフォーマーがデビューします。
仲間とのチーム練習に、なんと60時間以上を設定し、演出家である私に、
申し出てきました。
先日、彼のチームは、朝9時〜夜21時までインプロ漬けだったのですが、
終了後も疲れひとつ見せず笑顔でいらして、誰よりもお元気です。

インプロのクラスでは、全く年齢は関係ありません。
10代と60代が同じクラスで、すべて平等にトレーニングが進んでいきます。
長幼の序とはいいますが、
年齢に関係なく、誰に対しても、
人として敬い、人として慈しむことができるのも、
インプロの魅力だと思います。

むしろ年功者のほうが、若者を敬う姿勢があるのです。
クラスの間は、いろんな視点から一つでも多く学ぼうという貪欲さが、
自然と若者の良さを見つめ、認め、敬う姿勢になっているのだと思います。
成長したいという思い、限りない自己への探求心は、
他者に対して自然と尊敬の念を生み出すものなのですね。

これからも、いろんな年代の方の魅力をさらに引き出す場、
そして、人が人から学ぶ場を創っていきたいと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。

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http://twitter.com/naomiikegami

2016年09月15日

月刊インプロ9月号より〜「不確実性」に飛び込んでみませんか?」〜 秋山桃里

ホフステッドという学者が、異文化を理解するフレーウワークのひとつとして
「不確実性の回避」を挙げています。

これは、ある文化を構成する人々が、不確実な状況に対して不安を感じ、
それを避けようとする傾向の強弱を表したもので、
不確実性を回避しようとする傾向が高い国としては、
日本、フランス、ドイツなどが挙げられています。

一方、「わからないけれどまずはやってみよう!」というのが
不確実性を回避しようとする傾向が低い文化で、
アングロサクソン諸国や、北欧の国々に強い傾向だそうです。

この研究のことを知り、日本人の中で、どちらかというと即興的な考え方が
苦手と考える人が多い理由のひとつは、
ここにあるのかもしれないと思わされました。

確実であることや間違いを過度に恐れると、不確実性を回避し、
安全な道、マニュアルに沿ったやり方に頼るようになりがちです。
しかし、変化が激しく、先の読めない今の時代には、
確実なものなどほとんどないといっても過言ではありません。
その場、その瞬間の変化を読み取って、たとえ不確実であっても
進めて行くしかない場合が数多くあります。

あなたは不確実性を回避しようとする方ですか?それとも?

インプロで、不確実性に飛び込んでみませんか?

月刊インプロ9月号より〜「ネガティブな思考に気づく」〜 池上奈生美

先日、一人の受講生が、
「昨日、新しい職場の人と飲み会に言ったら、みんなず〜と愚痴を
言っていてびっくりした。」と言っていました。
インプロの中では、愚痴が飛びだすことのほうが少ないので、
ちょっと違和感を感じたんですね。

でも、確かに、飲み会ではよく愚痴が出ますよね。
私もついついしゃべっています。

しかし、インプロを始めてから、ネガティブな言葉に敏感になるようになりました。
愚痴、不平不満、妬み、嫉み、、、、
「あ、私今ネガティブなことを言っている。」と気づけるようになりました。

以前は、自分がネガティブな言葉を発しているという自覚すらなかったんです。
飲み会などでの愚痴も、愚痴という認識ではなく正論を言っているつもりでした。
つまり、誰かを否定しているという意識はなく、自分が正しいことを言っていると思っていたのです。
でも正義は、人の数ほどあり、
正論というのは、1つのものを一面でしか捉えていない可能性があります。

私は、インプロによって、一見間違ったと思えることも、違った角度から見れば
それは大きな可能性を秘めていることを知りました。
そのことで何かが起きた時、「間違ってる。」と思うのではなく
「私は新しい視点を手に入れようとしているのだ。」と思えるようになりました。
そして、愚痴を言った時も、愚痴と気づいたその瞬間に、
「これは違う可能性と出会える時なんだ。」と思えるようになってきたのです。


クラスでは、時々こんな振り返りがあります。
「なんでもイエスアンドしたら、正しいことを伝えられない。」
この方の言う「正しいこと」とはなんでしょうか?
それは一つの正論にすぎません。
もちろん、それが必要な時もあります。
でも、それすらを捨てて、相手を受け入れたとき、
自分が思ってもいない新しい「正しいこと」に出会えます。

とはいえ、私は今も毎日のようにネガティブなことを言っています。
でも、自分がネガティブなことを言っているとと気づけるようになったおかげで、
そこで立ち止まりポジティブな可能性を探せるようになったのです。
それは私にとって、とても大きなことです。
気づくようになってから、自分の思考を変化させるチャレンジができるようになってきたのです。

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2016年08月12日

月刊インプロ8月号より〜 「二見にしばられない」〜 池上奈生美

先日のインプロシンキング研修で、
「自分はプレゼン能力がないと思っていたが、そうではなく、
自分にはプレゼン能力がないと自分に言い聞かせていただけだと気付きました」
という振り返りがありました。

仏教では「二見」という、分別による相対的な見方がありますが、
私たちはいかに、この二見にしばられ、物事を決めつけてしまっているかと、
感じることがあります。

外からの変化に対して、私たちは、まず
「これは良いに違いない」
「これは悪いに違いない」
と、無意識に判断し、そこに足を踏み入れる前から、
自分の頭の中で、善悪を決めつけてしまっていることがあります。
それはいわば、結果を自分で作ってしまっていることではないでしょうか。

この、参加者の方も、今までは、
「プレゼン能力がある人」
「プレゼン能力がない人」
という、二見で自分を判断していたのでしょう。

一度判断してしまうと、そのように自分に言い聞かせ、
結果、"そのような人"になってしまう。

これは、とても残念なことです。
しかし、誰もが陥っていることではないでしょうか。
挑戦する前に、自分で自分を「向いていない人」「できない人」と判断してしまう。
それは、個性とは別のものであり、
自分の可能性を自分で閉じ込めてしまうことになります。

インプロでは二見にとらわれる暇がありません。
まず、飛び込んでみる、まずやってみるという経験から始まります。
そのことで、
「自分が思っていた自分」とは違う「自分」を知ることができます。

そして、またその場所に、「できる」「できない」という二見ではなく、
挑戦している姿、そのままの自分を称賛してくれる仲間がいることも大きいで しょう。

「自分の可能性と出会える」
そんな場をこれからも創っていきたいと思います。

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2016年06月17日

月刊インプロ6月号〜「安心・安全な場所が創れていますか?」〜 秋山桃里

突然ですが、リーダーの一番大切な仕事は何だと思いますか?
世界の人材開発の潮流を占うと言われている米国のイベントATDの基調講演で、
サイモン・シネック氏は、「リーダーの仕事はメンバー全員が安心、
安全だと思える環境を創ること」だと述べました。

具体例として挙げられた
・フォーシンズホテルのマネージャーは、スタッフに常に関心を向けながら日々
声をかけてくれる。
・同じく大手Sホテルのマネージャーは、スタッフがミスを犯したときだけ言い
にくる。
という例も印象的です。

インプロシンキングのワークショップが「安心できる場づくり」を
大切にしているのも、安全で安心な環境こそが、
ポジティブに、主体的に、発想力豊かな行動につながると考えるからです。

即興で飛び込んでみて、もし「お前何やってるんだよ!」などと
否定される恐れがあれば、誰もそんなリスクを取ろうとはしないでしょう。
そうなれば、発想も、主体性も失われ、保守的になる一方です。

「人は安全だとわかると協力し合うようになる」
というシニック氏の言葉も印象的でした。

そんな場づくりから生まれる数々のシーンを見るチャンスが
もうすぐやってきます。

「Tokyo Impro Festival 2016」http://www.tokyoimpro.jp/

月刊インプロ6月号より〜 〜 「相手の言葉を深く理解する」 〜 池上奈生美

2003年から、不定期に開催されていたフェスティバルですが、
2007年からは、実行委員会が設立し、今年で8回目を迎えます。

実行委員会は、国内で活動している5団体のリーダーたちによって
結成されており、毎回、彼らによってフェスティバルの構成等を決めています。

当然、全員、インプロのプロフェッショナル。
ですので、ミーティングも、イエスアンドされ、目的と言うフォーカスもぶれ
ず、短い時間で充実した成果を上げることができます。

インプロシンキングの研修でも、時々「イエスアンド会議」というアクティビ
ティをすることがあります。

順番に、他の人が言った提案をイエスアンドして、新しい提案を重ねていきます。
この時、難しいのは、他の人の提案を「相手の立場になって理解する」というこ
とです。
相手の言葉を聞いているつもりでも、その話をイメージせずに、
言葉だけを自分本位の理解してしまうと、積み上がってきている提案内容の
フォーカスはずれていき、最終的にその人の意見は反映されなくなってしまいま
す。

もちろん、多くの人が、相手の提案を無視したいと思っているわけではありませ
ん。
しかし、話し合いや会議の場において、「相手の言葉を深く理解する」というエ
ネルギーより、「何を提案しよう」というエネルギーの方が強いと言えるのでは
ないでしょうか。受信することより発信に意識がいきがちということです。

その結果、折角出てきた提案も活かされずに、消えてしまい無駄になってしまう
アイデアが出てきてしまうことがあるでしょう。

アイデアを無駄にしない為には、瞬間瞬間、浮かんでしまう自分の考えを
ちょっと横に置いて、
まず、
・他念を捨て、目の前の人の意見に集中して聞く。
・その言葉の奥にある真意を読み取ろうとする。
・この場の目的を共有する。
ことが大切です。

これは、もちろんインプロのシーンの中でも大切です。
人間は想像する、思考する生き物です。
ほんの一瞬で、時間も場所も超えて、様々な想像が浮かんでいきます。
でも、それをちょっと横に置いて、
「目の前に起きている現実」
「伝えようとしているエネルギー」を受け取り、
そこから新たに生み出していきます。
ですから、どんな瞬間でも新鮮であり、お互いに繋がっているのです。

インプロは、お互いに生かし合い、進んでいくエンタ―ティメントです。
今年も、5日間の祭典が始まります。
ステージ上で、生かし合い、提案し合っている姿をお楽しみください。

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http://twitter.com/naomiikegami

2016年05月12日

月刊インプロ5月号より〜「インプロで変化を作り出せ!」〜 秋山桃里

マハトマ・ガンジーの
「あなたがこの世で見たいと願う変化に、あなた自身がなりなさい」は
ご存知でしょうか?

「なにか問題や課題があったら、文句をいうのではなく、自分自身が動き、
それを解決しなさい」という言葉だと私は理解しています。
しかし、自分自身が変化をする、もしくは変化を起こすのは腰が重くなってしま
うもの。
しかし、ご存知のように「変化」の重要性は、さまざまなリーダーや偉人達が
口にしています。

「目指す方向が見つかれば、一日でも早く決断し、変化すべきだ。」
シャンタヌ・ナラヤン氏(アドビシステムズ社長兼CEO)

「求められているのは、「競争」よりも「変化」である。同じ土俵で競うのでは
なく、次々に変化し土俵を変えていくことが評価されるのである」
鈴木敏文氏(セブン&アイ・ホールディングス代表取締役会長)

「絶えず変化を求める気持ちと不満こそが、進歩するために最初に必要となるも
のである」
トーマス・エジソン

インプロシンキングのキーワードのひとつでもある「変化」。
さまざまなインプロのアクティビティを通じて
・変化を感じ取る
・変化を受け入れる
・変化をつくり出す
どれも、今の時代に書かせないことです。

インプロのワークショップはまさに皆で変化を作り出していきます。

次のワークショップは、5月29日(日)14:00〜19:00です。
http://www.improjapan.co.jp/company/class_c1.html#c_1day

ご参加をお待ちしております!

月刊インプロ5月号より〜「想像を生み出すコミュニケーション」 〜 池上奈生美

先月はありがたいことに、中高生700名以上とインプロをすることが
できました。
ほとんどが1年生で、これから3年間ともに過ごす仲間と少しでも早く
仲良くなれるために、授業の一環として開催されました。
すでに、仲良しグループがいくつか出来上がっていて、
楽しげに話している生徒の皆さんが私たちを待っていてくれていました。

最初に、私たちインプロジャパンの役者による、
インプロのパフォーマンスです。
もちろん、お題は生徒さんからもらいますし、芝居の途中にも
色々なアイデアをいただきました。
物語が決まっている台本がある演劇とは違い、その場で役者たちが発想し、
それを伝えあう即興コミュニケーションには何が必要なのか、
その場で観てもらいました。
生徒の皆さんは、「大きな声や演技で、相手にわかりやすく伝えようとしてい
た。」という積極的な表現力、「相手が言ったことから次の展開につなげてい
た。」という受容しあうイエスアンド力が、コミュニケーションに大切であるこ
とを感じ取ってくれていました。
そして、何より演じている私たちが楽しそうであったことが印象的だったようです。

授業が進み、いざ自分たちがやる番になり、最初は「楽しい」ことの意味は、
仲間とわいわい笑えることでした。
しかし、時間がたつれて、その楽しさが積み上がっていく時と、
消えていく時があることに気付いていきました。
楽しさが積み上がっていく時、それは、何かが創造されている時です。
お互いにアイデアが生かされ合い、今この瞬間が共有されている時。
消えていく時は、誰かのアイデアだけが目立ち、
創造はギャグに消されていきあとに何も残らない時です。
その違いに自ら気付いた生徒たちは、仲間が言うことをよく聞くようになり、
自然と生かしていくようになっていきました。

普段は、テレビのバラエティ番組などから「受信するだけの楽しさ」に
慣れていたようでしたが、インプロを通じて、「発信していく楽しさ」
「自分たちで創り上げる楽しさ」を感じてもらいました。

そして、友達とは、ワイワイ笑いあうだけの相手ではなく、
共に創造していくかけがえのない仲間になっていきました。

最初は、グループごとに分かれていた生徒さんたちが、
混ざり合って、誰とでも打ち解けあえていく姿を観れることほど、
嬉しいことはありません。

この3年間での友達作りは、この先の人生を支えていくものです。
インプロを通じて、よりよい関係の一歩を踏み出してくれることを
心より祈っております。

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http://twitter.com/naomiikegami

2016年04月18日

月刊インプロ4月号より〜「チャレンジするかどうか迷ったらやってみる!」〜 秋山桃里

「ズバ抜けた結果」を出す人の行動週刊(坂本幸蔵著・日本実業出版社)
という本に書かれていた「迷う時間をゼロにする『マイルール』のつくり方」と
いう章がおもしろかったので、今回はこれをご紹介しようと思います。

・迷っていると行動が遅れてしまう
・発送から行動への時間を短縮するために「マイルール」を作ることを勧める
例)本は、迷ったら買う/洋服は、迷ったら買わない/時間がないときに食べる
か食べないかで迷ったら、食べない/上司に何か言われたら、すべてイエスと答える
・不都合が多ければ見直す
・これにより、迷ったままで終わらせない習慣ができる

直感を最大限に生かすためには、ルールに頼らないことが必要ですが、
決断のスピードを速めるためのひとつのステップとしては、有効な方法かもしれ
ません。
このルール作りは、自分自身の価値観や判断基準を明確にしていくプロセスでも
ありますから、決断スピードを速めることには役立つ場面もありそうです。

おすすめしたいルールのひとつは、
「チャレンジするかどうか迷ったらやってみる!」

ということで、皆さんも「インプロ・シンキング」が身に着く
「1日集中クラス」を、ぜひチャレンジしてみませんか?

*日程:4月29日(金祝)13:00〜18:00
http://www.improjapan.co.jp/company/class_c1.html#c_1day

月刊インプロ4月号より〜助け合い生かし合う関わり 〜 池上奈生美

インプロシンキングではLeaderとReaderがあります。
Leaderは、チームを引っ張っていくリーダー
Readerは、周りがやりたいことを読んでサポートしていくリーダー
です。
同じ環境にいると、自然とどちらかのリーダーで固まってしまうことがあります。
でも、どちらもできた方がいいですよね。

以前、とても皆と楽しくインプロをし、
いつも場を引っ張っていってくれるメンバーがいました。
彼は、インプロジャパンに入った当時は、Leaderが得意で、
責任感が強く、その分、時にコントロールしてしまうこともありました。
瞬時に「こうあらねばならない」という志向になり、
他の人のオファーをちゃんと聞く前に、場を仕切っていまうのです。

そんな彼が、何回かクラスを経験する中で、自分の場を支配してしまう関わりを
変えたいと思うようになり、少しずつ、周りをよく見るようになってきました。

そのことで、仲間のアイデアの本当の意図や意思が見えてくるようになりました。
それまでは、仲間のオファーは自分にとって、どう調理すればいいかのネタでし
かなかったのが、オファーの中には「思い」があることを知ったのです。
無意識のうちに「自分のアイデアが一番」と思っていたことにも気づきました。

そして、しばらくの期間、
「まず、聞こう」
「まず、観よう」
ということに挑戦しました。

そのことで、今まで以上に仲間のことを深く理解し、
本当に信じられるようになりました。

「あ〜、今まで気にしていなかったが、こんな風に助けようとしてくれていたのか」
「こんな風に、自分を生かそうとしてくれていたのか」
ということに気づいていきました。

そして、そんな期間を経て、いつしか自分からも発信したいという思いが自然と
沸き上がり、思い切ってアイデアを出してみました。

それは、とてもはっきりとした強い提案でしたが、以前のように場をコントロー
ルするようなものとは全く違っていました。
一度、仲間のアイデアを徹底的に聞く、観る、受信するという時期を経た彼から
の発信は、どんな瞬間にも、
「仲間にとっていま必要なことは何だろうか」
という意識の上で生まれており、今までの「自分のための」自分だけの責任感か
ら、仲間への責任感に変わっていったのです。

LeaderもReaderも、助け合い生かし合う相手の存在があるからこその役割であ
り、相手が何を望んでいるか、その場に何が必要なのか、を相手の立場になって
考えることが大切なんですね。

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2016年03月15日

月刊インプロ3月号「なぜディズニーランドにはマニュアルがないのか?」〜 秋山桃里

世界のディズニーリゾートには、共通の行動基準「SCSE」
(「Safety(安全)」、「Courtesy(礼儀正しさ)」、「Show(ショー)」、
「Efficiency(効率)」)があり、
「すべてのキャストは入社時にディズニーフィロソフィー(哲学)を学ぶと共
に、配属先でもトレーニングの一環として「SCSE」を学びます」
と、ウェブサイトにも書かれています。

ここ何回か、「マニュアル」について書きましたが、
ディズニーリゾートはマニュアルの存在しない企業です。
スタッフは、「SCSE」の行動基準そしてその優先順位に基づいて、
自分たちで考えて行動を決めていきます。

マニュアルがあることは悪いことでありません。
しかし、「マニュアル通りにやればいい」と、考えることをやめてしまえば、
千差万別のお客様の気持ちやニーズに対応することができなくなってしまいます。

インプロシンキングの企業研修では、インプロによる顧客対応力の強化を目指し
て、依頼を頂くことも少なくありません。
というのも、この研修には、マニュアルはありません。
過去の経験や教本から答えを出すのではなく、共感力、知識、経験、言語力な
ど、様々なスキルがより求めらる中で、「目の前のお客様の感情や要望に集中
し、ベストの提案を出していく」ということを、その場その瞬間に自ら考えるイ
ンプロワークを通じて、身につけていきます。

そしてその際、常に心に留めるべき規範が「イエスアンド」。

相手の感情やアイデアを受け入れ、自分なりのアイデアや提案を「アンド」して
コミュニケーションを伝えていく。

この「イエスアンド」は、いわばディスニーランドにおける「SCSE」であるとも
言えるでしょう。

始まりの春、イエスアンドのマインドをもう一度思い出してみませんか?

■クラスのご案内
≪インプロ・シンキング≫
・1日集中クラス:3月21日(月祝)13:00〜18:00
http://www.improjapan.co.jp/company/class_c1.html#c_1day
・レギュラークラス(全5回):隔週水曜日19:00〜22:00(3/30〜5/25)
http://www.improjapan.co.jp/company/class_c1.html#reg

月刊インプロ3月号〜「主語は一人称?二人称?」 〜 池上奈生美

突然ですが皆さんは、会話をする時の主語は、一人称が多いですか?
それとも、二人称?三人称?でしょうか?

インプロでは、その場でお芝居を演じるので、自然と主役や脇役という役割が生
まれます。
主役になるか、脇役になるかは、もちろんお話の流れや、共演者とのバランスも
ありますし、自分でそれを選択できない時もたくさんあります。
しかし、なんとなく主役をやることが多い人、脇役をやることが多い人っている
んですよね。
その分かりやすい傾向の一つとして、
主役をやりやすい人は、主語が一人称であることが多い。
脇役をやりやすい人は、主語が二人称もしくは三人称であることが多いのです。
主語が一人称の人は、「自分の目的」があり、自分が物語をすすめていきたい傾
向があります。
主語が、二人称、もしくは三人称の人は、誰かを立てて、その人の目的をサポー
トしていきたい傾向があります。

この傾向は、インプロに限りません。

例えば、部内で旅行に行こうという話し合いがあったとき、
「私がお勧めする温泉はどうですか」
と言う人
「山田さんがお勧めしてくれている温泉はどうですか」
と言う人の違いです。

何かを選択すると時に、自分の意思から発信する人、
他者の意思を思い図って発信する人、がいます。
どちらがいいとか悪いとかではありません。
しっかり意思を持った自分発信の人がいると、周りは安心できるでしょう。
自然と、それをサポートしたいともう人も集まってくるかもしれません。
しかし、常に自分発信ばかりでは、行き過ぎれば「自己顕示欲」が強い人と見ら
れてしまうかもしれません。
また、その逆に他者の意見をよく聞いて、それを生かそうとしてくれる人がいる
と、場が和みますし、周りの人は安心して意見を言うことができます。
しかし、どんな時も他者発信ばかりでは、他者依存につながってしまうかもしれ
ません。

会社の中で、上司部下にもとめられる場合
現場の中で、顧客にもとめられる場合
家庭の中で、家族に求められる場合
相手によっても違いますし、状況によっても違うと思いますが、
ちょっとご自身が使う言葉を意識して、反対の言葉を使ってみてはいかがですか?
自分発信、他者発信をその場において使い分けられると、柔軟な発想力も身につ
いていきますし、いろんな視点で物事を見ることができるようになります。
日本語は英語のように主語がはっきりしていませんが、どこの視点で伝えようと
してるのかは、とても大事なことですよね。

池上奈生美のツイッターはこちら
http://twitter.com/naomiikegami

2016年02月17日

インプロゲームの紹介(58)〜「主役リプレイ」〜

インプロのゲームを1つずつご紹介するコーナーです。
*ゲームの名前や解釈は団体によって異なる場合があります。
同じ内容でもその都市によって、ゲーム名が変わることもあります。
あくまでインプロジャパンで上演しているスタイルのご紹介でありますことを、
ご了承ください。

同じシーンを、主役を変えてご覧いただけるゲームです。

最初に、30秒〜1分程度の短いシーンを即興で演じます。
次に、同じシーンを演じますが、最初に主役だった人がわき役の立場で
わき役だった人が主役の立場になり、同じシーンを演じていきます。
ただの通行人、エキストラだった役が、主役になることで、
違った視点でその出来事を楽しめるゲームです。

このゲームは、一見主役を演じるプレイヤーが難しそうに見えますが、
実は、主役を引きたたせる脇役たちの方が難しいのです。

どんな場面においてもいろんな人に支えられていることを再確認させてくれる
ゲームでもあります。

月刊インプロ2月号より〜「時にはマニュアルや譜面に戻ってみよう」〜 秋山桃里

昨年は、即興演奏以外にも、クラシックから歌謡曲、
ミュージカルなど様々な舞台で演奏させて頂きました。
「即興もできるし、クラシックもできるなんてすごいね!」
と時々言われますが、
「クラシックができるから、即興もできるのだ」
と思っています。

基礎なくして応用はできません。
基本的な約束事を理解せずに演奏してもめちゃくちゃになるだけです。
「マニュアルにたよるのやよくない!」という声もありますが、
マニュアルがなくてもやれる人は、マニュアルに従ってもきっとやれるはずで
す。(クラシックがマニュアルだと言っているわけではありません、念のため!)

私自身も、譜面に書かれていることを時間をかけて突き詰めていく演奏と、
その場の感覚での即興的な演奏とが、それぞれの演奏を高めていると
感じています。
マニュアルに従うことと、自分の自由な発想も、良いバランスで
自分の中に取り入れていくことで、また新しい発見があるのではないでしょうか?