2021年09月12日

池上奈生美コラム 〜「同じ場所にいる」 〜月刊インプロ9月号より

先日、オンラインでのアジアインプロフェスティバルに出演しました。
昨年の2月3月は、ZOOMに入ることだけでも精一杯だったのですが、
今では、背景も映像も自由に変えられ、多少の音ズレがありながらも、
ミュージカルをお届けすることができました。
相変わらずドタバタはしましたが、その様子はこちらです。
https://www.youtube.com/watch?v=GNLaALXRi7g&t=49s

読者の皆様もオンラインがもう当たり前、生活の一部になっている方もいらっしゃると思います。
私たちも、ショーに限らず、インプロのレッスンや研修、授業などもオンライン が増えました。

受け持っている大学の授業も、オンライン2年目になり、
昨年は、私たちも学生も慣れておらず、
どこか、対面で実施することの代わりの意識がありましたが、
今年は、私も学生もお互いにオンラインの生活に慣れ、
日常の一コマになっています。

ただ、オンラインでの日常が増えるにしたがい、自然と人と交流する時間も減ってきます。
と同時に、最近、 コミュニケーションを学びたいという気持ちも切実なものになっていることを感じます。
昨年までは、まだ言葉通り「コミュニケーションを学びたい。」ということでし たが、
今年は、そもそも「コミュニケーションが足りない」「人と話していない」「どうやって友達をつくればいいかわからない」という、学生が増えています。

当たり前のことですが、PCやzoomの使い方など環境に慣れても、
それが、オンラインでのコミュニケーションに慣れることにはならないですよね。
また、オンラインだから無理だと思っている部分もあるかもしれません。

インプロジャパンのオンラインクラスでは、長いクラスでは3時間です。
休憩はありますが、その間もおしゃべりしているメンバーも多いです。
オンライン会議でも3時間なんて疲れますよね。
でも、インプロジャパンのメンバーにとっては3時間なんてあっという間なんです。

その違いは何かというと、もちろん好きなことをしてるのですが、
それだけではなく、「同じ場所にいる」とイメージできているかどうか、
ということも大きいと思います。
「自分は自分の部屋にいて、パートナーは別の場所にいる」のではなく、
(物理的にはもちろんそうですが)
空想の世界の中では、「全員同じ場所にいる」のです。
おそらくメンバーたちには、同じものすら見えていると思います。
ZOOMですので、見える場所には限界はありますが、
それ以外は、スタジオで一緒に居るのとあまり変わらないそうです。

先日の授業では、
「対面だと、先生との関わりが、1対40(生徒の数)ですが、
オンラインだと、目の前に先生がいて1対1のように感じて集中できた。」
という学生がいました。

たとえ触れることができなかったとしても、
心は同じ場所にいて、同じように動いている。
そばにいるんだと思うだけで、自然と自分と相手の間の壁もなくなります。

是非皆さんも、オンラインで誰かと会う時に
「同じ場所にいる。」と思ってみてください。
おそろいの背景にするのも楽しそうですね。


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2021年08月17日

池上奈生美コラム〜「人こそ人の鏡である」 〜月刊インプロ8月号より〜

インプロは、一瞬で様々に変化していくので相手のことをよく見ます。
ですので、相手のしぐさや行動を敏感に感じ取り、
1つのシーンやゲームを演じるだけで、深く理解することができます。
だからこそ、仲間から学ぶことはとても多いのです。

「人こそ人の鏡である」とうことわざがありますが、
一般的には、他人の行いを見て、自分を改めるというように、
相手の嫌な部分をみたら自分にも同じものがあるかもしれないという
どちらかというと自分を律するという意味で使われるかと思います。

ただ、逆も言えるのではないでしょうか。
「あの人、こんな行動をしていて素晴らしい」
「こんな一言素敵」
と相手に対して羨望、称賛することは、
一見、自分とかけ離れているように思われますが、
実は、そこに気づいたのであれば、
たとえ、自分は同じ行動や言動はしていなかったとしても、
心の中に同じ感情や価値観があったからこそではないかと思うのです。

インプロの振り返りで、よく「〇〇さんのこういうところすごいですよね。」
と聞きますが、ほぼ100%その発言者も同じすごさを持っています。
ですから、そのたびに、私はその発言者に向かって。
「あなたにも同じ素晴らしさがあります。」時には、
「あなたもすでにしています。」と言います。
それはお世辞ではなく、真実なんです。

そして、他人の良い部分をきちんと言葉にして伝えている人は
ご自身の成長も早いです。
きっと、言葉自体も鏡であり、言葉にすることで、
自分の中のそれに触れ、意識化されることで顕われてくるのでしょう。

自分の長所は気づきにくいことではありますが、
誰かの素敵な行動に気づけたとき、
そこに自分の長所も眠っているかもしれません。

「褒めて伸ばす」とは、
その人の中にすでにある良い部分を教えてあげることだと思います。

であれば、、
誰かの行動で感動した時、感心した時、
「お、気づいた私には同じ部分がある、では、やってみよう。」
と、自分をほめて伸ばしてあげてもいのではないでしょうか?

これって、日常の一番シンプルなイエスアンドなのかもしれませんし、
自分にも他人にも、まず良い部分が見えてくると、
きっと毎日が楽しくなると思います。

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2021年07月18日

池上奈生美コラム 〜「その場を想像する力」〜月刊インプロ7月号より〜

ソーシャルディスタンスという言葉が自然に使われるようになりましたが、
実は、このソーシャルディスタンスを守ることは、舞台俳優は得意なんです。

なぜなら、俳優たちはいつも客席を意識して演技をしています。
そのため、俳優同士で重なったり、客席に背を向けないように、
常に、俳優同士の位置や距離感を意識しているからです。

台本のないインプロの俳優は、特に上手です。

舞台上で、自分はもちろん共演者たちがいつどこに動くかわかりません。
でも、それを感じながら、お客様の目線の邪魔にならないように、
逆に目立てるように、と動いています。
また、自然に生まれる距離感やお互いの形(姿勢)の違いからもドラマが生まれてくることがあり、
それ自体がオファーでもあるからです。

インプロのトレーニングゲームの中で、
複数の参加者が無言で、制限時間内にその場で出されたお題の形を表現するとい うものがあります。
簡単なものでは、〇とか□とか、だんだん難しくなると
未来の車など、この世に存在していない、つまりパートナーと共有していない形 を表現しなくてはいけません。
しかも、制限時間はだいたい10秒です。

そのため、自分の体の形でお互いの意思を伝え、読みあいます。
パートナーの形はもちろん位置も大きなポイントになります。

このゲームをやることで、今まで目の前のことにばかり集中していた方が、
360度意識されるようになったりします。

先日の研修では、建築家の方が、
「この感覚は現場にとても必要だ。大工たちは常にお互いがどこにいるのか感じあい、
言葉以上に呼吸でお互いに動きを合わせなくてはいけない」と、おっしゃっていました。

道を歩いている時も、相手に気づかずぶつかってしまうことがあります。
それは、前ばかりを意識しているからですよね。

どんなに慣れた道でも、同じ状況では二度とはないはずです。
前ばかり見ていてはもったいない。
360度意識することで、思いがけない出会いが見つかるかもしれません。

ソーシャルディスタンスを守るということは、
お互いの状況を意識しおもいやり、理解することにもつながるかもしれません。
触れ合えないことは寂しいことですが、
距離があることで改めて理解しあえることを大切にしたいと思います。

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2021年06月18日

池上奈生美コラム〜「その場を想像する力」 〜月刊インプロ6月号より〜

以前、アメリカのシカゴで一人即興ミュージカルを上演したことがあります。
私は、日本でも、あまり一人芝居をしないので不安はありました。
だからこそ、お題をいただいて最初に、
その場所を「見る」ことをしました。

タイトルはお客様から頂いた「grass(草)」。
まず、目の前にイメージした草を見ました。

すると、すーと気持ちが落ち着き、自然と体が動き出し、
家の周りに生えている草たちがどんどん伸び、いつの間にか
それ自体が家になるという、ホラーストーリーになりました。

話術でのコメディ的なインプロが多いシカゴで、
私のようにたどたどしい英語で言葉も少なく、音楽はアカペラ、
体の動きや感情で演じるインプロは珍しかったのでしょう。
いつもは笑いでいっぱいの客席が、シーンと静まり、お客様が集中して、
私と同じものを見ていることを感じました、
終わってすぐに、スタッフの皆さんが集まって
「こんなの初めてだ、面白かっ た!」と言っていただいたことは、忘れられません。
私の英語力では、理解できないことも多かったと思います。
しかし、私が「見ていたもの」は伝わっていたようです。


トレーニングとしていろいろなアイデアを絞り出すことは大切ですが、
ステージの上では、「次のアイデアは?」と考えるはしません。

インプロにおけるオファーとは、アイデアを提案するのではなく、
その場で感じることを素直に表現することで、
その結果として、新しいお話が出来上がっていくのです。

もちろん、ステージ上で、次どうしよう?と思うことはあります。
その時に、いろんなアイデアを探るのではなく、
その場を見る、ことをしています。
文字通り「見る」のです。

たいていのインプロのステージ上は、ほとんどセットがありません。
平凡な床があるだけです。
でも、もしその場面がジャングルであれば、
そこには、木があり、草があり、動物たちがいます。
もしその場面が学校であれば、
そこには、机があり、黒板があり、生徒たちがいます。
それを「見る」のです。

すると、自然とステージ上の空間が埋まっていきます。
その中で、今自分は何をしたいのだろう?と
心に問いかけることによって、自然と次の行動が始まっています。

しかし、「次どうしよう?」とアイデアを絞り出していると、
ステージの空間は、ただただ空虚になり、意識も自分の内側だけになっていきます。
すると、自分と共演者の間が埋まっていかない、空虚な空間、距離があるだけに 思うのです。
そうなると、どんどん気持ちは焦り、落ち込み、固まって、何も発信できなくな ります。

もちろん、目では見えないです(笑)
あくまで、心で見て、感じるのです。

以前、2時間の体験クラスで、
最初、「自分には想像力がないから」と、現実的なアイデアばかりに縛られていた方がいらっしゃいました。
何度も「目の前には何がありますか?」「触ってみてください。」
とこちらからお声をかけてさせていただくうちに、
「見えてきました!」と興奮しておっしゃっり、
その後は次々に素晴らしい発想が生まれていったのです。
その結果、その方はより自由に、自然に発信し、
素直なコミュニケーションを楽しんでいらっしゃいました。

想像力は、言葉も空間も超えて心を動かし、
人と人をつなげる人間の最高の財産 だと思います。

20日は、そんな想像力を使って、皆様を不思議な世界にお連れします。
是非、ご自宅がジャングルに感じる瞬間を味わってください。

6/20(日)17:23 生配信
「ImproBox」youtubeチャンネルから生配信!
「ImproBox」youtubeチャンネル

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2021年05月18日

池上奈生美コラム 〜「それぞれの違いが見えてくる」〜月刊インプロ5月号より

感染症の拡大により、スタジオ(対面)とリモートでのクラスを行っており、
オンラインは当初、スタジオの代替え案としていました。
始めたころ、オンラインではみんな遠慮し、おとなしく見えたのですが、
最近では、オンラインだからこそ見えてくる個性に日々驚かされています。

対面での実施は自然と、その場に見えていない空気や言葉にしない感情、
などが感じられます。
たとえ、相手を見ていなくても同じ空間にいるだけで、
何をしているか、感じ取れることがたくさんあります。

一方、オンラインでは画面上の出来事がすべてになります。
たとえば、表情は緊張しているように見えても、足元はリラックスしていたり、
また逆に、笑顔でいながらも、手に汗をかいていたり、
というようなことは、なかなか気づきにくいものです。

ですから、一つの言葉や意見をそれぞれがどう感じているのかを、
対面のように感覚で得ることは難しく、画面上に見えてくるもの、
聞こえてくる声色で想像していくことになります。
ゆえに共有できることは少なくなり、それぞれのとらえ方、
意見の違いを自然と知ることができます。

インプロのシーンではよくフォーカスが別れたり、テーマが変わっていきます。
それ自体が悪いことでは全然ないのですが、対面であれば、別れた瞬間に、
空気や、他のメンバーの反応で感じることができます。
でもオンラインではわかりづらく、1度別れたものはそのまま平行線のまま進んでいきやすいです。

でも、そのおかげで、それぞれの考え方が、より鮮明に表れてくるのです。

それがとても面白いのです。

たとえば、9人がAと思ってたことを、1人がBと思います。
それがずれた瞬間には、Bと思っていた人はマイノリティですが、
ストーリーが進むにつれて、Bという選択だからこその道が現れてくる、
すると自然と、Aがマイノリティになっていきます。
そこまで来てはじめて、他の9人はBの本当の可能性を知ることができます。

もし、ずれた瞬間に、みんながAに進んでいることに気づき、
自分1人が選んだBを捨ててしまっていたら、その先の可能性は誰も知らないま ま終わります。
対面では良くも悪くも、ずれた瞬間に気づいてしまうので、
殆どの場合が自然とAの道に戻る、もしくは吸収されていきます。

もちろんAにはAの道があるのですが、マジョリティのままの選択ははなんとなく想像しやすい道です。

強引にみんなをコントロールするわけでもなく、自然とだれもが想像していな かった道にたどり着いている。
オンラインによってそういうシーンが生まれやすくなっています。

そのおかげで、毎回、自分の固定概念が壊れ、
先に進まないとわからないことって多いのだ、と気づかせていただいています、

相手に合わせにくいからこそ、見えてくるそれぞれの違い、
それをイエスアンドすることで生まれるその先の可能性を楽しんでいきたいと思 います。


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2021年04月16日

池上奈生美コラム〜「1つのチームになるインプロ」 〜月刊4月号より

4月になり、あちこちで入学式、入社式がおこなわれているニュースを聞くと、
自然と、私も新鮮な気持ちになります。

これからの人生を共に過ごす大切な友との出会いですので、
皆さん期待と緊張でいっぱいだと思います。
最初の出会いはとても大切ですよね。

インプロジャパンでは、その「最初の出会い」に早く仲良くなれるように、
と新入生や新入社員様向けのワークをご依頼いただくことがとても多いです。

体験してくださった方ならお分かりだと思いますが、
インプロをやると、あっという間に仲良くなり、1つのチームになっていきますす。
私自身、20数年前に最初にインプロをした仲間との出会いは、
今でも鮮明に覚えていますし、とても大切な友人です。

また、多くの企業様から、たった数時間のインプロのおかげで、
同期の絆が深まった、是非後輩たちにも体験させてあげたい、
とご依頼をいただくことは少なくありません。

それは、なぜか?

やはり、イエスアンドなのでしょう。

私たちはつい、「相手に好かれる自分」を演じてしまうことがあります。
「嫌われないために」「いやな思いをさせないため」
初めて出会う相手であればなおさらでしょう。
もちろん、お互いに良い関係、良い空間を作るために相手を思いやる気持ちは大切です。
でも、それが行きすぎ「好かれる自分」を演じていては疲れてしまいますよね。
そもそも、「相手に好かれる自分」など、誰にもわかりません。

イエスアンドは、相手を受け入れるだけではなく、
自分の素直な気持ちを発信することです。

どんな瞬間も、お互いに平等に受け入れ、表現しあう。

すべてのワークは、考える暇もなく、短い時間でキャッチボールしていきます。
そのため、好かれる自分を演じる間もなく、自然でありのままの自分が現れていきます。
ありのままの自分でイエスアンドしあい、相手に寄り添う心が引き出されていく。
一見違うと思った他者同士の中に、共感してく部分が徐々に広がっていくのです。

だから、インプロを受講した多くの方が、クラスの後
「今日初めて会ったとは思えない」とおっしゃります。

クラスの前は、お互いの違いが気になっていたのに、
終わったときには、お互いへの共感でいっぱいになり、
1つのチームになっていくのです。


4月は、新入生、新入社員さんだけでなく、誰にとっても新しい出会いであふれています。
私も、自然なありのままの自分で、新しい方々と共感しあい仲間を増やしていきたいと思います。

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2021年03月17日

池上奈生美コラム 〜「「今」に存在する」〜月刊インプロ3月号より

インプロはすべて即興で、一瞬一瞬に生まれてくるものが積み重なってできて
いくので、「今」に集中することがとても大切です。

しかし、「今」だけを見ているわけではありません。

「今」の中には、過去から築きあげている世界があります。
「今」の中には、未来につながる可能性が含まれています。

当たり前ですが「今」は過去から未来につながる一点です。

しかし、時折
「過去」のことばかり気になり、
つじつま合わせをしょうとしてしまったり、
「未来」のことが気になり、
どう展開させようか、エンディングはどうしようか?と
考えてしまうことがあります。

また逆に、
築き上げいる過去を無視して、「今」だけに反応していては、
ストーリーにはなりませんし、
未来につながる可能性を無視して、思いつきだけ を表現していては、
非常にもったいないことになります。

先日のクラスで、非常にのびのびと演じているメンバーがいました。
見ているだけでこちらも笑顔になるほどです。

しかし、パートナーのある一言で、
フリーズしてしまったのです。
それはとても何気ない一言の質問でした。
でも、それを答える時、迷ってしまったそうです。
その瞬間、その方は過去に思案し、未来を探ってしまったのでしょう。

インプロに正解はありません。
どのような答えをしても、その瞬間にその場に存在していれば、
自然とその先の道が続いていたでしょう。

「今」に集中するとは、「今」に存在すること。
一瞬一瞬動いていく「今」に存在し続け、
その「今」を味わうことで、その場にある世界を感じ、
その先にある可能性を発見できるのだと思います。

私はインプロをするたびに、
「今」という一瞬に大きな可能性が広がっていることを感じます。

2020年、私たちの生活は一変しました。
まさに、『今』、何が起こるか分からないときです。
だからこそ、かけがえのない「今」を味わいながら、
その可能性を見つけていきたいと思います。

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2021年02月21日

インプロゲームの紹介(61)〜「ワンレター」〜

インプロのゲームを1つずつご紹介するコーナーです。
*ゲームの名前や解釈は団体によって異なる場合があります。
同じ内容でもその都市によって、ゲーム名が変わることもあります。
あくまでインプロジャパンで上演しているスタイルのご紹介でありますことを、
ご了承ください。
ご自宅でご家族と、また職場の休憩中に同僚の方と、気軽にできるインプロゲームです。

One letter、つまり一文字ずつ文章をつないでいきます。
ルールはとても簡単ですが、やってみると言葉っていかにいろんな可能性があるのかと、驚かれると思います。

たとえば、

A:「か」
B:「れ」
C:「は」
A:「あ」
B:「か」

みなさんがCさんだったら、どんな文字をつなげますか?
「い」でしょうか?「り」でしょうか?「ち」でしょうか?
それとも他の文字ですか?
もちろん、どれも正解です。

もしAさんが「赤い」ものをイメージしていたところ、
Cさんが、「り」と言ったら、少し混乱しますよね。
でも、もちろん、その瞬間のイエスアンドです!
「かれはあかり」に続く文字はたくさんあります。
「を」も「が」も「に」もいけますよね。
こんなふうに、瞬間的に頭の中を流れにシフトしていきながら、
瞬時に変化していく物語を楽しめるゲームです。

昨年のオンラインクラスである言葉を説明したものです。
どんな言葉だと思いますか?
答えは、本ブログの最後に記しておきます。

ふ ゆ に な る と か み が ま っ た く ま と ま ら な く な る そ の せ い で す









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「ワンレター」問題の答え:静電気
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2021年02月19日

池上奈生美コラム 〜「偶然が生み出すテキスト」〜

先日、150名近い人数による一斉受講のオンライン研修を行いました。
しかも、新人研修で、なかには、間もなく入社して1年経つ今でも、
まだ同期と 直接会えていない方々もいました。

インプロジャパン始まって以来の大人数の「オンライン」での研修。
オンラインであっても当然「体験」がメインのインプロ研修ですので、
研修の間は何度もブレイクアウトルームに分かれることになります。

しかし、ゲームによっては3人となりルームは50近くで、
全てに講師やアシスタントがつくわけではありません。
できるかぎり、インプロジャパンスタッフ総動員で、
すべてのルームを出入りしましたが、当然受講生の方々だけの時間もあります。
研修中、受講者の皆さんの様子が見えないというのは初めてのことでした。

研修は、3日間トータル12時間で、いくつかの目的を設定して行いました。
その1つは、「あらゆる状況を前向きに捉え、好転・創造させる力を醸成す
る。」です。
講義の時間では、そのことに特に時間を割き、
イエスアンドやチャンスゲームを体験する中で、実際にその力を体感してもらいました。

そんな中、オンラインですので、様々なネットでのトラブルが有りました。
しかし、受講生の皆さんには、ほぼ、誰かに頼ることなく、
自らコミュニケーションをとり、対応する姿が見られました。
また、その対応の仕方も、それぞれに工夫があり、
同じチーム内で互いに協力しあっていらっしゃいました。

どのチームも、マニュアルに頼るのですはなく、
自分たちで新しいやり方を生み出していたのです。

今までの研修やクラスでは、私は常に全員を見ており、
つい手取り足取り教えたいと思い、余計な口出しをしていたのですはないか? と、気付かされる時間でした。

受講者の皆さんは、いまだに直接会えていない仲間同志でしたが、
きっとこの研修を通じて自ら関わっていくこと、自ら助け合うことを体験してくれたんだと思います。
それは、私たちが計画していたことではありません。
「仲間やを状況を受け入れていく」そのイエスアンドの精神で、
ネットワークによって生じた問題を自ら前向きに捉えてくださったおかげです。

このような偶然に起きるような事は、講師がどんなに考えても生まれてこない素晴らしい「テキスト」なのかもしれません。
これから先もどんなことが起こるか分かりませんが、そんな「偶然が生み出すテ キスト」を皆さんにも見つけていただき、そして私たちもその瞬間を見逃さないようにしたいと強く思います。

今、社会はまさに「偶然が生み出すテキスト」で溢れています。
しかも、その答えは一人ひとりに委ねられています。
「こんなの答えられないよ〜」ではなく、
自分なりの答えをワクワクしながら導き出していきたいと思います。


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2021年01月15日

「新年のご挨拶」〜池上奈生美

新年あけましておめでとうございます。

年明け早々、厳しい状況に皆様も不自由されていらっしゃることと存じます。
この状況が1日も早く終息し、安全で自由な日々が訪れることを
心よりお祈り申し上げます。

インプロジャパンでも、平日20時以降のスタジオでのクラスは
休止とさせていただいました。

しかし、だからこそ「今できること」を見つけるのがインプロシンキングです。
早速、オンラインインプロ、LINEインプロを始めており、
あらためて受講生の皆様の「楽しい」という言葉のありがたさを感じている日々 です。

昨年、いくつかの大学でオンラインでのインプロ授業をいたしました。
そのうちの1校は、受講のほとんどが1年生で、
入学してからずっとリモート授業が続いており、
みんな、対面での関わりに不安を感じていました。

そんな中、リモートでありながら双方向の関わりを実感できるインプロを
毎週1回続けていくことで、それぞれが「コミュニケーション」について考え、
学びを得てくれていたようです。
学期終わりの振り返りでは、
「すぐに仲良くなれた」
「自然に会話が続いた。」
「自分から、話題を広げることができた。」
等の言葉が聞かれ、彼らがリモートでコミュニケーションに対する不安を払しょくし、
対面でのそれを楽しみに変換していました。

しばらくリモートでのコミュニケーションが続いていますが、
このままずっとリモートであるはずはなく、
いつかは、だれもが対面で会える時が来るはずです。
ですから、リモートのコミュニケーションに慣れるのではなく、
リモートであっても、今目の前に言うことをイメージすることがとても大事だと 思います。

先日のクラスで、受講生の一人が、
「リモートだからこそ、相手の真意をより丁寧に感じ取りたい。」
そのためにも、
「発信するより、受信することを大事にしたい。」
との振り返りがありました、

まさにそのとおりですよね。

リモートは、時間も範囲もある意味自由であり、不自由です。
いつでも繋がれますが、複数の言葉を同時に聞くことはできませんし、
見える範囲も限られています。
だからこそ、限られた言葉の中で、深く感じ取ること、
見えない部分をイメージし、その先につながっているものを信じることはとても 大切だと思います。

今はそのトレーニングのときと考えてもよいのではないでしょうか。
パーソナルスペースをしっかりとった上で、
より濃厚なコミュニケーションが取れる。
そんな時を頂いているのだと思います。

私の今年の抱負は、「もっと人に寄り添い、自ら手を差し伸べる。」です。
みんながんばっているから、と我慢している方々が身近にもたくさんいると思い ます。
笑顔でいる方にも、心深くを感じ取り「大丈夫?」と自分から声をかけていく年 にしたいと思います。

今年もよろしくお願いいたします。

2020年12月16日

池上奈生美コラム 〜 「毎日が初挑戦」 〜 

今年は、平成から令和へ、と大きな新時代への幕開けがありました。
そして、迎える新年。
今までと違う不思議な感覚を覚えます。

今年は、何をするにも
「令和初!」と、新鮮な気持ちで向き合い、より挑戦することができました。

九州で村おこし、R50でボランティア公演、スペイン公演、一人芝居、、、
そして、今月も、
インプロジャパン年内最後となる2つの公演、ミニフェス、
BOXで新しいスタ イルを上演いたします。

しかし、そうはいっても
私たちの人生はすべてが「初挑戦」ではないかと思うのです。
同じ1日は二度とない。
昨日と同じように見える出来事の中でも、必ずなにかが変化している。
それと出会っているのであれば、全てが初体験です。

インプロのシーンでも、つい「あ、前と同じ展開」とか、
「このパターンね」と思ってしまうことがあります。
でも、そう思った瞬間から、新しい流れが生まれています。
そのたびに「いつもの同じ風景」の中にある「新しいもの」を
感じられる目が必要だと思わされるのです。
インプロでは素晴らしいシーンを作っているプレイヤーより、
ずっと挑戦しているプレイヤーの方が、
観ていても魅力的で自然と目がいってし まいます。

私たちは誰もが初めての人生を生きています。
初めての今日、初めての明日。

ならば、失敗を恐れることは時間の無駄。
すべての出会いに、初心者として挑戦していいのではないでしょうか?
そうすれば、ビギナーズラックのオンパレードかもしれません(笑)

令和のおかげで、いろんな挑戦ができたことを自信に変えて、
また来年も、新たな風を自分から起こせるようにしていきたいと思います。

そんな挑戦ができるのも皆様のおかげです。
今年一年お世話になりました。
新年もどうぞよいお年をお迎えくださいませ。

池上奈生美のツイッターはこちら
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2020年11月30日

池上奈生美コラム 〜「劇場とつながろう」〜

私がはじめて観た演劇は、小学校に出張公演してくれた劇団の公演でした。
内容は忘れてしまいましたが、それを見終わったあと、
しばらく興奮して声が出 なくなったことを覚えています。

それから親にお願いし、よく劇場に連れて行ってもらいました。
劇場に入り、自分の席を探し、ちらっとお隣の方を見て同じようにワクワクしている様子に親近感を感じ、椅子に座ります。
開演のベル、暗転、まばゆいばかりの照明、
そして、夢の世界のひととき。
幕が下りてもその余韻はつづき、数日はその世界の中にいられました。

一瞬にして夢の世界にいられる。
そんな演劇が私は大好きです。

そして、演じることを学び、その中の住人になる楽しみを知ってから、
インプロと出会いました。
インプロには、もう一つの楽しみがありました。
それは「創る」楽しみです。
それまでは、夢の世界は与えられるもの、でしたが、
インプロはその世界を、1から創ることができます。

それは、ステージの上でも客席でも同じです。
夢の世界は、常にお客様と一緒に創られていきます。
客席にいるときも、
「わたしただったら、ここでどんな選択をするのだろう」
「わたしだったら、ここで何を言うのだろう」
と、登場人物としてだけではなく、演技者として
その世界に参加している気持ちになれます。

終演後、役者とお客様とする答え合わせのような意見の交流もインプロならでは の楽しみなんです。

2001年にインプロジャパンを設立して以来、
毎年、数回の劇場公演を開催していますが、
今年はもう無理だろうと、思っていました。

しかし、この状況ならではのエンターティメントがきっとある。
この状況を「それはちょうどいい」とする公演ができるのではないか?
と思ったとき、自粛期間中ずっと続けてきたオンラインでの公演とのコラボが浮 かびました。
コロナ渦になり、公演も発表会もすべてオンライン配信でしたが、
そのおかげで、多くの方々と繋がり、オンラインでの表現の仕方を学ぶことがで きたのです。

だからこそ、
「今劇場に来られないお客様だけでなく、役者も家から劇場とつながる。」
そんな公演を開催しよう、と思いました。

2020年のインプロジャパンの劇場公演は、たった1回です。
でも、その1回の挑戦が、2021年につながると思っています。

皆様も一緒に参加してくださったら、こんなに嬉しいことはありません。
是非、劇場、またはご自宅でご覧になってください。
皆様の明るい2021年にもつながる夢の世界を、
関係者一同、精一杯創らせていただきます。

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2020年11月13日

池上奈生美コラム 〜「相手にフォーカス」〜

先日のクラスでは、みんなが出すアイデアがどれも面白く、
何度も大笑いしました。
次から次にいろいろな展開が飛び交い、
その変化に圧倒され続けました。

ただ、個々のアイデアが面白すぎて、
「どんな内容だったの?」と聞かれても、
答えられるのはそれらのアイデアになり、
ストーリーとして思い出すのは少し難しかったです。
せっかく面白いアイデアなのにストーリーに生かしきれていない、
ということだったのでしょう。

そうなると、シーンが進むにつれ、徐々に矛盾が生じ、
1つのお話というより、いくつもの出来事が、
オムニバスのように絡まっているというかんじで、
ちょっと惜しい気持ちになりました。

このクラスはすでに、ステージを経験している上級者だったので、
他のメンバーがしたいこと、
他のメンバーにやってほしいことに
意識を向けるように挑戦してもらいました。
その些細なアドバイスだけで、
その後のクラスは、シンプルでかつ深いお話が生まれ続けたのです。
もちろん内容を説明することもできますし、
数日たった今でも鮮明に思い出すことができます。
ちなみに、この物語はずべてリモートでした。

どんなアイデアも、
フォーカスを、仲間に向けていることで、
より広く全体に影響し
アイデアがその先に具体的に進歩、展開していくことを感じられます、
相手が今何をしたいのだろう、
相手にこんなことをしてほしいなと、
相手フォーカスで出すアイデアは自然と一筋の糸でつながっていきます。

とはいえ、自分の欲望を抑えることではありません。
自分だけがしたいことから、
相手と一緒にしたいこと、にシフトすることです。

それは、もしかすると自分フォーカスよりも、
勇気がいることかもしれません。
しかし、それははじめの一歩だけで、
そのまま進み続けると、お互いのアイデアが掛け算となって広がっていくことを
感じるはずです。

今はリモートワークが多く、だからこそ
「相手にフォーカス」することの重要性を感じています。
お互いが伝えたい情報をただ伝え合うだけではなく、
画面越しにも相互作用し、進歩、展開していくエネルギーを大切にしていきたい
と思います。


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2020年10月01日

〜ご挨拶〜 池上奈生美(インプロジャパン代表取締役)

本日、株式会社インプロジャパンは19周年を迎えることができました。
これもひとえに、日頃からお世話になり、ご支援くださっている皆様のおかげと、感謝申し上げます。
そして、今年ほど今日を迎えられる幸せを感じたことはありません。
本当にありがとうございます。

19年前、インプロジャパンが誕生し、最初に始めたことは「インプロワールドカップ」という、様々なインプログループと
の交流公演でした。
中野の小さな劇場を借りて、シアタースポーツという対戦形式の公演をし、それから、ずっと年に数十公演(演目)を
開催してきました。

そして、今年。
これまでの19年とは違う一年のスタートでした。
初めての取組みのオンライン公演。
新しい挑戦への期待と興奮はあれど、そこにお客様の顔が見えないことへの寂しさを感じずにはいられません。

そんな中、
先日、ようやくお客様の前で公演をすることができました。
会員制の公演であり、事前に感染予防対策は、運営スタッフはもちろん、お客様にも十分伝わっていました。
主催の皆様方の、ご尽力はいかほどだったかと、頭が下がる思いです。

当日は、ステージと客席の間に飛沫保護シートを貼り、演者は、フェイスシールドをしました。
体調が不安な方のためにも、同時にYou Tube配信、ZOOMを使った交流も行い、タイトルは、通常のお客様の直接
書いていただくカードシステムは使わず、事前にスタッフがシート越しに直接伺い、お客様と私達が物を共有すること
はもちろんありません。

いつもとは違う形式でしたが、それでもお客様がひとり会場に入るごとにに熱気 があがり、「あ〜、これだな」と、肌感
覚でわかる「人のエネルギー」を味わえました。
インプロの良さは、お客様の「今、これが観たい」に瞬時に応えられることだと思います。
一瞬一瞬物語の流れが、自分だけの選択ではなく、お客様に導かれていく世界に生きている…そんな実感がありま
した。

もちろん、客席から声を出すことはできませんが、それでも、その瞬間、右に行くのか左に行くのか、どちらをお客さ
まが望んでいるのかが伝わってきて、それに応えられるのは至極の喜びです。

リモートでも誰かとつながることはできます。
でも、この空気の共有というか、言葉だけでは決して伝えきれない、「感覚の共有」、これを補うことは簡単なことでは
ありません。

インプロシンキングの研修で、4つの受信発信のことを説明しています。
(ここでは、詳しくは割愛させていただきます。)
対面ではこの受信発信がものすごい速さで行われ、言葉以上に、感じあっているものを受け取り発信しあっています



現在インプロジャパンで開講中のクラスはすべて、スタジオ参加でもリモート参 加でもOKになっています。
クラスによっては、スタジオとリモートでの共演となります。
当然、リモートのメンバーの方が、伝わってくるものは少なくなりますが、それでも「言葉以上に伝えようとしているも
のがある」ことを知っているメン バーのパフォーマンスは、画面越しの相手の空気をもイエスアンドしています。

どこにいても、誰とだって、一瞬一瞬何かを感じ、言葉以上に、それを受け取り合っている。
人と出会うことで動いていく自分を、リモート中心の生活の中でも忘れないよう にしたいと思いました。

そして、19周年を迎え、あらためてインプロジャパンが、今の社会から何を受信し、何を発信していくべきか、気づかさ
れた気がします。

まさに、We don't know what happens next.
何が起こるかわからない「今」ですが、目の前の人、出来事をイエスアンドすることで、続いていく道があると、信じて
います。

今後ともよろしくお願いいたします。

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2020年09月18日

池上奈生美コラム〜「されて嬉しいこと、嫌なこと」 〜 

孔子の言葉に「おのれの欲せざるところ、人に施すことなかれ」とありますが、
私も、自分がされて嫌なことは人にしないつもりです。
そして、自分がされて嬉しいことは人にもしようと思います。

しかし、私がされたら嬉しいことでも、それをされたら嫌な気がする人がいることを、
インプロに教えてもらっています。

インプロのトレーニングで、
相手からの提案に、自分自身が心から乗れない時、
あえて、その提案に、「NO」を出すというゲームがあります。

インプロジャパンでは、イエスアンドをしっかり経験した上で、
お互いの信頼をより深めるため、ある程度の経験を重ねてから行います。
シーンを演じながら、「あれ?ちょっと嫌だな」
と思った瞬間に、「NO」の合図を出すのです。
それは、相手に伝えることでもあり、自分自身の感覚を知ることでもあります。

イエスアンドが基本であっても、
相手に不快な思いをさせてしまう提案を無理に「イエス」させるのは、
違いますよね。
でも、何を不快だと思うのか、人それぞれですので、お互いを知ることは大切です。

殆どの受講生が、最初は「NO」を出すのに、躊躇しますし、
言われる方もいい気はしません。
でも、それも、「インプロ」という信頼しあえる空間の中でしていると、
だんだんおもしろくなってきます。
そのうち、自然と「NO」を言い、
言われた側も「なるほど」と、前向きな発見をしています。

もちろん特別なトレーニングでのことで通常のインプロをしているときは、
「NO」と言って「止める」事はしません。
ましてや、お客さまの前でのパフォーマンスの時、
「そのアイデアは嫌だから、やめて」など言いません。

そう、インプロのシーンは途中で止まりません。
次から次にいろんなことが起こるので、
思い込みのままの受信では、
どんどんすれ違ってしまいます。
ですから私たちは常に自分の提案が、
どんなふうに相手に受け取られているのか、
また自分が受け取ったものが、相手が本当に伝えたかったことなのかを
確認するという作業を、瞬時にしています。
そのため、相手のリアクションにも敏感になります。

そして、誰もが、パートナーに対して、
「良かれ」と思う行動をしています。
パートナーのアイデアをいかそう、とか、
パートナーがもっとよく見えるように、とか
パートナーが楽しんでくるように、とか
ただ、それはいつも正解とは限りません。

ですから、クラスのあとも、パフォーマンスのあとも、
しっかり振り返りをします。

そのことで、
「良かれ」と思ったことが、どうしてそうならなかったのか、
お互いの感性、感覚、好みの違いを知り、理解し、受け入れられ、
より強いチームになっていきます。

時代が進むにつれ、多種多様な情報発信が広まり、
人々の個性の違いもどんどん鮮明になってきています。
多様性の理解という言葉の奥深さを日々感じています。

そして、違いがあるから、共感できる瞬間の喜びも
大きくなっているように思います。

「人の欲するところ、人に施す」

違いを知ることで、本当に相手にとって必要なギフトを
贈れるようになりたいと思います。

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