2018年07月17日

池上奈生美コラム 〜「生徒の数だけ創造がある」〜 

「以前、池上さんにこんなことを教えてもらった。」
と、言われることがあります。
有難くとても嬉しい事なのですが、
恥ずかしながら、その場面は覚えていても、
言った記憶がないことが少なくありません。

というのも、それは「覚えていない」のではなく、実は「言っていない」
ということもあるように思います。
その内容について、確かに私もそのように思うところではありますが、
実際に、そのことに気づき、言葉にしたのは、
私ではなく、その方自身であることが多いのです。

インプロジャパンでは、段階を踏んで学べるようにクラス設定をしていますが、
クラスは毎回即興です。
その回ごと、テキスト通りに進んでいくわけではありません。
そもそも、インプロは講師が教えることを生徒が覚えるというものではまったくなく、
講師の役目は、受講者の「気づきを促すもの」です。
ですから、その気づきは人それぞれ違っています。
逆を言えば、こうなって欲しい、これに気づいて欲しいと思うことも、
講師のおごりなのかもしれません。

同じことを教えても生徒によって得られる質も量は変わっています。
その個性に合わせた指導を心がけていますが、教える側が望んでいることではなく、
その方が望むものが生まれていきます。
たとえば、講師として「あー今日は、伝え方が良くなかった。」と思うことありますが、
それでも「今日はとても勉強になりました。」と気づいたことを熱弁してくれる生徒は少なくありません。
それは、受講生側の感度の高さの表れです。

私と生徒さんの間には、常に創造の化学反応が起きていて、
その生徒さんの中でその瞬間瞬間創られている何かがあるのだと思います。
だから時として私が教えたつもりは全くないことを、
「以前、池上さんにこんなことを教えてもらった。」と言われることがあります。
ちょっとずるいですけれども、それはそれで嬉しくもあります。

インプロのステージの上でも常に受信発信の中で変化が起きているように、
クラスの中でも私の口から出た言葉は生徒に届く間に、
もうすでに変化を起こし、もうそこで何かが生まれているのだと思います。
ですから、発信受信発信受信、この4つの最後に
何がその生徒さんの中に生まれたもの、
それがその日の創造したものなのです。

生徒の数だけ創造がある。
それを観ている講師は、実はクラスが終わった時、
一番多くのものをもらっているのだと思います。

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2018年06月18日

池上奈生美コラム 〜「インプロの楽しみ方〜観劇編〜」〜

最近は嬉しいことに、あちこちでインプロのパフォーマンスが観られるようになり、
今月も、いくつもの公演が開催されていました。

そして、いよいよ今月末には「IMPROJAPAN PROJECT 2018」が始まります!

そこで、今回は、私が思う「インプロの楽しみ方」をお伝えします。

ーーその1「積極的に参加する。」ーー
インプロの参加の仕方はいろいろあります。

<タイトルを提案する>
タイトルを提案するのはインプロの醍醐味です。
公演によって、アンケートのように事前に紙に書く場合と、
その場で役者から聞かれる場合があります。
どんなお題でも大丈夫です。
「気の利いたこと言わなくちゃ」と思わず、是非「これが観たい」という素直な感覚でご提案ください。

<大笑い、拍手>
インプロは静かに見ている必要はございません。
客席の空気を気にせず、笑いたい時に笑って、拍手してください。
お客様の反応によって、役者たちのテンションは確実に上がり、
より良いショーになります。

<ステージに上る機会があれば出る>
公演によっては、実際にステージに上る機会があります。
そんな時、躊躇せず、ぜひ上がってください。
難しいことをさせられることはありません。
必ず役者たちがフォローしてくれます。
俳優気分を味わい、素敵な思い出を作ってください。

ーーその2「自分だったらこうすると想像する」ーー
インプロの物語は、その場で創られていきます。
役者たちも先を知らず、演じています。
ステージ上にいる役者全員が、「こうなるんじゃないか」と、
想像しています。
役者と一緒にその先の展開を想像し、時に共感し、時に違いを楽しんでください。

ーーその3「役者の個性を楽しむ」ーー
インプロは瞬間瞬間、役者たちの選択によって進んでいきます。
その選択や、反応には、演じているキャラクター以上に、役者自身の個性が溢れています。
「そういう発想があるのか」
「そのリアクション新鮮!」
と、お気に入りの役者を見つけてください。

ーーその4「イエスアンドのチームワークを楽しむ」ーー
どの役者もイエスアンドをしています。

でも、イエスアンドの仕方はそれぞれ違います。
一見否定しているように見える関わりこそ(例えば敵対する役など)、
お互いの意図を読み取り合える、深い信頼関係によって成り立っていることが
あります。
お互いが助け合い、尊重し合い、進んでいくのです。
どんなストーリーになっても、絶対お互いを見捨てない、熱いチームワークを
お楽しみください。

ーーその5「終演後も楽しむ」ーーー
インプロは、観る方によって、面白かったポイントや、
時にストーリーさえ、違って見えてきます。
是非、終演後、お連れ様と一緒に「私ここが面白かった」
「こう思った」と盛り上げってください。
また、ご自宅に帰ってご家族とインプロのゲームをするのも、
お薦めです!

いかがでしょうか?
インプロを観たことがある方も、ない方も、
ぜひ、ご参考にして、さっそくインプロの公演にいらしてください。
そして、是非、ご自身で6つ目の楽しみ方を見つけてください!

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2018年05月15日

池上奈生美コラム 〜「相手の立場になって考える。」〜 

「相手の立場になって考える。」
よく言われることですが、簡単ではないですよね。
むしろ、不可能なことでしょう。
でも、やはり「相手の立場になって考える」ことはとても大切です。

私達は、相手の気持を100%理解する事は不可能とわかった前提で、
少しでも相手を理解しようと、相手の立場になって考えます。
時には、本人以上にわかったつもりになって
「彼はきっとこう思っているんだよ。」と、
仮定することから、次へのアプローチを考えたりもします。

その時大切なのは、
・100%相手を理解することは不可能という自覚
・100%に近づく努力をし続けること
ではないでしょうか。

インプロのゲームに「キャラクターチェンジ」というゲームがあります。
シーンの途中で、合図がなるとその瞬間に演じている役を交換するというゲームです。
たとえば、
自分が男性役で「結婚してください、」と、目の前の女性にプロポーズしたとします。
その瞬間に合図がなったら、プロポーズされている女性の役になるのです。
まさに、「相手の立場になる」を実践できるゲームです。

もちろん、すべてお芝居ですので、お互いの感情も演じているものではありますが、
発信していた側が一瞬にして受信する側に回る。
完全に相手になりかわり、自分の問いかけに、自分で答える。
そのことで、
「こういうこと言われたら、こんな気持になるんだ。」
「こういうことされたら、こんな感覚になるんだ。」
ということを瞬時に体験できます。

パフォーマンスのためのゲームですので、
演じている時はストーリーや演技に夢中になりますが、
終わってみると、いくつもの人物を体験でき、
いろんな視点、感覚の充実感があります。

私はこのゲームをやる度に、相手に対する丁寧さが足りないことや、
自分本位の解釈をしてしまっていることに気づかされます。

相手の立場を理屈で理解するのではなく、
その人になったつもりで、その状況の中に身を置いてみる。
理解ではなく、感情を共感しようとしてみることで、
自分だけの価値観を超えた新しい景色が見えきます。
日常生活でも、時にキャラクターチェンジをしているくらい、
相手の立場になって、理解する努力をしていきたいと思います。

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2018年04月16日

池上奈生美コラム 〜「私」から「私たち」へ〜 

クラスを進めていくと、受講生の皆さんにある変化がおきます。
最初のころは、「私は〜」と言っていた方々が、
いつの間にか「私たちが〜」と言うようになっていることです。
すると、課題も目標も、個人からチームに変わっていきます。

初めは、個人の発想力、想像力、実行力が課題だったのが、
チームに対する発信力、傾聴力、柔軟性へと、広がっていきます。

その変化は、クラス後の振り返りにも表れており、
「もっといいアイデアを言えばよかった。」
「今日は、あまり活躍できなかった。」
「もっと違うキャラクターに挑戦したい。」
から、
「〇〇のアイデアにもっとみんなで集中すればよかった。」
「みんなで目的が共有できてよかった。」
「次回は、◯◯が主役になるようにサポートしたい。」
というように、変化していきます。

それぞれ自分の行動や選択が、どの様に仲間に影響を与えているのか、
仲間が自分に何を求めているのか、に敏感になっていきます。
そして、自然と、自分がやりたいことよりも、チームがやりたいことに
意識がいくので、より多くの可能性を感じ、受容力も高まっていきます。

そうなると、それまで悩んでいた個人の課題すら小さなことに思えて気にならなくなり、
それがいつの間にか克服へとつながっていくことも少なくありません。
まさに、人と人との関わりが足し算ではなく、掛け算となっていくと言えるでしょう。

こういった意味でも、なるべく早い段階で、「私」から「私たち」に意識の転換をさせるのは有意義なことです。

新学期がはじまり、今月はインプロを活用した我々のメソッド『インプロシンキング』でも、
新人研修、新入生向けワークショプのご依頼をたくさん頂いています。
初めて握手をする、初めてお互いの名前を呼ぶ、初めて共通の目的に向かって行動する。
そんな新鮮な空気の中、できるだけ早く、みなさんの意識を「私」から「私たち」に変えていく。
そのことは、今後の組織での活動に良い影響を与えてくと思います。

そのためにも私自身がまず率先して、
講師という「私」にとどまらず、みなさんの中に飛び込んでいき、
一期一会のチームの「私たち」を創っていきたいと思います!

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2018年03月15日

池上奈生美コラム 〜「その場の流れをつかむ、感じる」〜 

平昌オリンピックすごかったですね!
アスリートたちの4年間の努力の上に立つ瞬間の輝き、
どの種目も、その姿に興奮しました。
そして、現在行われているパラリンピックでも、
更に、アスリートが秘めているあらゆる力の凄さに感動しています。

さて、オリンピックと言えば、
先日、ある企業様で、元オリンピック・メダリストによる講演会と
それに続いて、我々の「インプロ・シンキング」という
アスリートとのコラボレーションによるチームビルディング研修が行われました。
講演会でのお話は、オリンピックでの経験や、トレーニングのでの出来事など、
トップアスリートならではの体験談で、とても興味深い内容でした。
また、登壇された方は、ペア競技の選手でしたので、
パートナーとのチームワークにも焦点を当てて、お話をされていました。

試合では完璧な呼吸なので、普段どれほど仲がいいのかと思うと、
プライベートではほとんど行動を共にしないそうです。
そんなお二人が、どうして息が合うかというと、
相手を直接意識するというより、
「その場の流れをつかむ、感じる」ということでした。

そして、講演会の後は、まさに「その場の流れをつかむ、感じる」ことを実践できるインプロ研修です。
頭では理解できていても、はじめは「場を感じる」ということができずに、
パートナーともなかなか合わない…といった皆さんが、
ふとした瞬間に、お互いにその場の流れをつかみ、
集中し、意識が揃っていくのを感じ始めます。
すると、言葉を発せずとも合致しはじめ、共鳴しているようでした。
まるで、ペアでありながらも、一つの空間において一人の人間が
本当に動いているような瞬間でもありました。

コミュニケーションは、相手の発言を理解したり、明確に伝えたり、
とロジカルなことからのアプローチも必要ですが、
体感していく、肌で感じることにより、伝わってくることがあります。
相手の思考のスピードに合わせたり、表情から感情を感じ取ったり、
相手の理解に寄り添ったり・・・

アスリートたちは、それぞれの競技のためにトレーニングしていますが、
ある意味、私達の日常も日々コミュニケーションのトレーニングをしているようなものかもしれません。
その感度を高め、人生のパートナーたちと、人生の金メダルを目指し、
このペアだからこその瞬間の輝きを味わっていきたいですね。

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2018年03月01日

池上奈生美コラム 〜「もし、このような態度(行動)をしたら」〜 

インプロジャパンでは、マナーや思いやりなど、
モラルや社会のルールをテーマとした講演依頼を頂くことがあり、
そんな時、時折、インプロを活用した演劇形式で、
尚且つ、参加型といった一風変わったスタイルをお届けすることがあります。

そのスタイルは、まず、ご依頼くださった団体様が、
現在抱えている問題を事前に確認し、それを基に、
架空の設定で台本を作り、その劇をご来場の方々にお見せします。
その後お客様やご参加者から、
「どのようにしたら、もっと良くなるか?」と、
ご意見を聞き、役者はその通りに即興で演じるのです。

つまり、現在、このような問題があるが、
「もし、このような態度(行動)をしたら」
どのように未来が変わっていくかを、
目の前で体感していただくことができます。

過去には、「防災意識を高める」や「江戸しぐさから日常を考える」などを
テーマに、このスタイルの講演会を実施したことがあります。


昨年も、ある青年会議所様から、学生たちに「武士道の精神」を
日常で活かすことを伝えられないか、とご依頼を頂きました。
その時も、担当者の方と何度かお打ち合わせをし、
最終的に”チームワークがうまくいかない架空のサッカーチーム”の設定を
演じ、武士道の精神によって1つになっていく内容に決まりました。
そして、新渡戸稲造が言う武士道には、義、勇、仁、礼、誠、名誉、忠義が
ありますが、特に、「誠」「名誉」「礼」を中心に、台本を作りました。

この作品において、聴講の方々に投げかけた課題は
「目先の勝利だけをみて、未来を見失っていいのか?」でした。
そこで、勝ちたいと思うがあまり反則ギリギリの行為をしようとする
サッカーチームの様子を演じ、その後、学生の方に、武士道の精神を生かした場合、
どのような行動ができるか?と、伺ってみました。
すると、
「ずるい行動をして勝つより、1回位負けても正々堂々と戦ったほうが、
チームの未来の為になる。」という心強い意見がありました。

その後、その意見を基に、即興で演じ直し、
物語は、とても明るく可能性に満ちた内容に変化していきました。
即興ですので、役者も観客もその場でその違いを感じ気づくことができます。
その学生の方のおかげで、私達も大切なことに気づき、
とてもすがすがしい気持ちになれました。


講演会というと、登壇者が伝えたいメッセージを伝えるという印象が
あるかと思いますが、「インプロ的講演会」の場合は、
講演会を通じて、登壇者と参加者(聴講者)が一つの答えを
一緒に導き出すことが出来るのです。

現に、この時も、学生さんの視点からの言葉から誕生した作品では、
テーマを超えて、
「目先のことだけではなく、先の未来や周囲のことを感じ取れる強い意志を
もつことが大切なんだ」ということを教えてもらうことになりました。


インプロも私達の日常も演じ直す事はできませんが、
このスタイルの講演会を実施するたびに、
選択を求められるその瞬間に、
自分の人生のステージからちょっと降りて、客観的視点から考えてみる。
「もし、このような態度(行動)をしたら」どのように未来が変わっていくか。
そういった冷静な見方や、他者の意見に耳を貸すことの大切さを、
身にしみて感じています。

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2018年01月10日

「新年のご挨拶」〜池上奈生美

「今年の目標」

インプロジャパンでは、毎年「今年の目標」を
メンバーたちに書いてもらうボードがあります。
そのボードは、スタジオの一番目立つ場所に1年間飾られます。
つまり、自分の目標であってもスタジオに来る多くの方々の目に触れ、
その方々に対して「宣言」するようなものです。
インプロと直接関係ないことも多々あり、2018年自分がどうありたいかを想像 し、
みんな真剣に書いてくれています。

1年経った時、達成されてる人もいれば、その先に向かっていった人もいます。
中には、他の人の目的に憧れているうちに、自分の目的を忘れ、
そちらを達成した人もいます(笑)
みんな、そこに書き宣言することで達成率は上がっているように思うのです。

私も毎年書かせてもらっています。
今年は、「願いを持ち続ける」と書かせていただきました。
どんな行動にも、どんな思いにも、
必ずそこにもは「願い」があるはずです。
でも、ついつい忙しくなったり、目の前に美味しいご褒美があると、
「願い」とは違う選択をしてしまうことがあります。
そのせいで、2017年には幾つもの反省を残してきました。
今年は、365日「願い」を忘れず、
自分に正直な選択を常にしていきたいと思います。

ここで言う「願い」は、「インプロジャパンの5大目標」のような
現実を変える具体的な目標ではありません。
もっと根っこにある、私自身が「どんな人間でありたいか」ということです。

今、この瞬間目の前の方にどんなオファーを出したいのか、
今、この瞬間目の前の方のオファーをどう受けたいのか、

です。

インプロをしていると、この瞬間のオファーの受発信が、
いかに大きなことであるか思い知らされます。
たった一瞬、不誠実な受け方をしたことで、
不本意な結果になることは、多々体験してきました。
もちろんその不本意というのも、結果的に
新しい道ということではあります。

しかし、今年は、その「願い」を忘れることなく365日積み重ね、
自己成長に繋げていきたいと思います。

さぁ、私はここに宣言してしまいました。年末には、皆様に達成の御礼が
できるよう、精一杯がんばります!

皆様は、今年どのような願いや目標をお持ちでしょうか?
是非、お近くの方に宣言されてはいかがでしょうか?

皆様の、願いや目標が花開き、輝く1年となりますこと、
心よりお祈り申し上げます。

本年もよろしくお願いいたします。


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2017年12月15日

池上奈生美コラム 〜「プラスのエネルギーを与え合う」 〜

皆さんは「コミュニケーションが上手な人」という言葉に
どんなイメージがありますか?

人見知りしない人。
積極的に話せる人。
自分から関われる人。
いつも笑顔な人。

などでしょうか?

確かに、このような人を見ると、とても魅力的で、コミュニケーションが上手だ なぁと思いますよね。

コミュニケーションとは、「交流すること」ですよね。
そして、それは相互作用であり、お互いに何かしらの情報やエネルギーをやり取 りしあい、変化することです。

と、すると、コミュニケーションが上手な人とは、上記の他に、
お互いに「プラスのエネルギーを与え合える人」ということも、
大事な要素なのではないでしょうか?

一方向の笑顔だけではなく、相手の笑顔も引き出せる人。
一方通行の思いではなく、相手の思いを引き出せる人。
頼らせてもらう、頼ってもらう。
聞いてもらう、聞かせてもらう。
関わることで、自分も相手もプラスに変化し合える人。

インプロのクラスでも、良い空気が流れている時は、
クラス全員が響き合いお互いにプラスのエネルギーを渡しあっています。

そして、クラス後はいつも
◯◯さんのおかげで、〜な挑戦ができました。
◯◯さんのおかげで、〜な気づきがありました。
◯◯さんのおかげで、〜なことをやりたいと思いつきました。

このような振り返りが多く聞かれます。
しかも、○○さんというのは、そのクラスのある一定の人を指すのではなく、
どなたの名前も挙がるのです。

「ありがとう」
「こちらこそ」
これが、心から言える人・・それこそ、コミュニケーションの達人と言えるのではないでしょうか。

12月15日からインプロミニフェスティバルが始まります。
ステージ上ではまさに、プラスのエネルギーのキャッチボールが見られます。
そのエネルギーは必ず客席までお届けします。

是非是非、観にいらしてください。

そして、2018年も沢山のプラスのエネルギーを皆様からいただきました。
有難うございました。
2018年は、その倍のエネルギーをお届けしたいと思います。

良いお年をお過ごしください!

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2017年11月18日

池上奈生美コラム〜「分かり合える喜び」〜

今年の7月より、「大人のインプロ」としてR50クラスを
祝日の度に開催しています。
その日だけ参加する方もいらっしゃいますが、多くは、
他のレギュラークラスを受講しているメンバーたちです。
つまり、そのメンバーたちのインプロは毎週見ているのですが、
同年代が集まる「R50」になると、
本当に同じ人だろうか?と、思うほどいつもと違う自由さを見せてくれるので す。

同じ世代というだけで、共通している世界があります。
たとえば、黒電話、写りの悪いテレビ、巨人大鵬卵焼き、
など、誰かの一言で次から次に、
「あ〜あれね!」と体が反応し、
その時代の景色が生まれていくのです。

懐かしい過去を思い出すことは、それだけで脳にとっても良い刺激になります。
その上インプロは、その世界の中で仲間と共有される新しい体験が重なり合う
ので、さらに脳が活性化されていきます。
「R50」クラスの後の打ち上げが、とても盛り上がるのは、
ご想像できると思います。

ただ、ここで思うのは、分かり合えることの喜びを感じるということは、
私たちは、自然と「分かり合いたい」という意識があるということです。

それは、相手が誰であっても、例え共通していることが少なかったとしても・・
です。

例えば、どのメンバーも、違う世代の方とのインプロを、みんな楽しそうにしていますが、
その一方で、自然と、相手のことを考え、
・これは伝わるだろうか?
・これは受け入れられるだろうか?
・これは相手の意図にあっているだろうか?
と、その瞬間に思考し、自分の表現を選ぶことがあります。

これこそが、
「分かり合いたい」という願いの現れであり、
協力し創造していきたいというコミュニケーションなのではないでしょうか。

伝わらないから、諦める、のでも
分からないから、関わらない、でもなく、
「分かり合いたい」という思いのもとに、
様々な表現を探っていく。

その関わりが、円滑なコミュニケーションを生み出すのだと思います。

来月15日(金)〜17日(日)に、インプロジャパン主催の公演があります。
どの公演も、様々な年代のパフォーマーの共演です。
全員、世代の違う仲間を「分かり合いたい」と切磋琢磨しております。

是非、観にいらしてください!

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2017年10月01日

〜ご挨拶〜  秋山桃里

ここ数年、「VUCA」「アジャイル」など、
即応力に関係するキーワードが注目を集め、
やっと時代がインプロに近づいてきた感を強くしています。

これから時代の変化はますます加速度を増し、10年もすれば、
今とは全く違う世界が広がっていることでしょう。
しかし、その変化は私たちが作り上げるものです。
自然が司る変化以外は、私たちの想像力から生まれます。
言い換えれば、私たちが想像したものが、私たちの未来になるのです。

何もないところから始まる即興劇は、ある意味、未来を作る作業です。
未来を皆で協力しながら作り上げていくのです。
あなたの頭の中には今どんな未来が描かれているでしょうか。
その未来を皆で共有しながら、これからもインプロを通じて、
共により良い未来を作っていければと思います。

〜ご挨拶〜 池上奈生美(インプロジャパン代表取締役)

本日、インプロジャパンは16歳になりました。
この期間、どれだけの方に助けられ、
イエスアンドをしていただいたかわかりません。
本当に、感謝の思いでいっぱいです。
ありがとうございます。

16年前、演劇のことしか知らなかった私は、
社会人の方に指導することに、いつも緊張していました。
特に、目上の方には言葉を選ぶのに必死でした。
研修では、今よりも女性講師も少ないですし、
「なぜコミュニケーションを学ばなければいけないのだろう?」
という空気がありました。
演劇出身の講師に対して、当惑している方も。

そんな中、つねに私に自信を与えてくれていたのは、
受講生の方々の変化でした。
はじめは不安そうな方が、クラスが終わると目を輝かせ、
大きな声で笑いあっている。
その姿を拝見する度に、私は、インプロが持つ力を目の前にし、
「たとえ自分に自信を持てなくても、『インプロ』には自信を持とう」
そう、思っていました。
おかげさまで、今では、人生の先輩方にも、
私の言葉で胸を張って「インプロ」の素晴らしさを伝えられています。

先日、あるテレビ番組のプロデューサーとお話をしました。
すると「インプロは、子どもとか大人とか、
うまいとか下手とか無いですよね。本質ですものね。」
と言ってくださいました。
嬉しかったですね。

そうなんです。
大人だからこうあるべき、子どもだからこうあるべき、
親だから、子どもだから、男だから、女だから、社長だから、教師だから、、、、
こんな「こうあるべき」はインプロにはありません。

今も、インプロジャパンのクラスでは、
いろんな年齢の方、いろんな職業の方が、一緒になって楽しんでいます。
それぞれが違うから、
「自分のままでいる」
それだけでもう誰にとっても「特別な存在」です。
これからも、その特別さを見つけ、引き出し、輝きを増す場を創っていきたいと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。

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2017年09月14日

池上奈生美コラム 〜「必要のない人はいない」〜 

「◯◯がいてよかった〜!」
これは、どのクラスでもよく聞かれる言葉です。
キッズクラスでも大人のクラスでも、です。

先日のクラスで、シーンの中、
一言も発しなかったメンバーがいました。
登場したのも一瞬です。
でも、その一瞬でシーンが大きく動きました。
終わってから、皆がそのメンバーに、
「すごいよかった!」「ありがとう」と言っていました。
あとで聞くと、そのメンバーは、
はじめ
「シーンが上手くいっているので、
自分がいなくてもいいのではないか。
無理矢理入ったらかえって邪魔になるのではないか。」
と、思っていたそうです。
でも、少しでも自分も皆と一緒に何かをやりたいという気持ちと、
なぜ、今、ここにいるのかという想いが、   
一瞬の衝動を起こしました。

もし、その瞬間が見逃され、彼の動きに誰も関わらなければ、
彼は、「余計なことをしなければよかった。」と思ったかもしれません。
でも、一緒にやっていたメンバー達は、皆、
彼の勇気ある行動を、最大限に受け止め、反応したのです。
皆の彼へのイエスアンドの関わりが、彼の存在を確固たるものにしました。

インプロの世界は、お互いに影響し合い、イエスアンドされて、
つくられていきます。
「誰かの言葉」
「誰かの行動」
「誰かの存在」
すべてが、次の何かに影響していきます。

ですから、どんな物語になったとしても、出来上がった時、
そこにいるすべての人がいてくれたおかげだと、自然と私たちは思います。
「その人がいなければ、」
「その言葉がなければ、」
「その行動がなかったら、」
生まれなかった世界。

インプロをやるたびに、「必要のない人はいない」ということを
身をもって知らされます。

夏も終わり、秋の到来。
夏休み明けの9月1日は、子どもたちの自殺が最も多い日だそうですね。
今年は、ニュースやSNSでも、いろいろなメッセージが流れていました。

私も子供の頃、死にたくなる気持ちになったことはあります。
でも、そんな時、自分を元気づけてくれたのは、周囲の人達に必要とされている・
影響を与えているんだという気持ちです。
特別に何かができるわけでもない、平凡な子どもでした。
そんな私でもそこに存在するだけで、みんなは喜んでくれている。
そのことを、周りとの関わりで、自然と実感できていました。

今は、電子機器、インターネットなどの進化により、
1人で何でもできてしまう時代であり、
人と人が必要とし、関わりあっていることを実感するのは難しいかもしれません。
だからこそ、「人とのつながり」の中で、お互いの存在を感じ、
「◯◯がいてよかった〜!」と、
影響を与えあいたいと思います。

インプロはまさにその大切さをどんな瞬間にも感じさせてくれます。

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2017年08月02日

池上奈生美コラム 〜インプロで引き出されていく個性〜 

おかげさまで、先月、「IMPROJAPAN PROJECT 2017」は
無事終了しました。

観に来てくださった皆様、応援してくださった皆様、
本当にありがとうございました!

今回の出演者は、インプロジャパン発足時のメンバーや、現メンバーたち。
さながら、交流会のようで、メンバーたちにとっても、
相互に刺激しあい良い経験になったようです。
私自身も、稽古をする度に「あ〜、15年が立ったんだなぁ」と
感慨深いものがありました。

そんなメンバーたちを見ながら、つくづく感じたのは、
インプロにおける一番の魅力は、「個性」だということです。
どの公演を観ても、心に残るのはストーリーの質や小粋なアイデア、演技力ではなく、
(もちろんそれらも大切であり、それらが土台となってこそのショーではありますが)
一人ひとりが放っている輝きや印象、つまり独特の存在感でした。

ただ、その「個性」というのは、自分には分かりにくいものですよね。
ついつい「人と違うもの」を個性だと思ったり、
誰かに、「◯◯らしいね」と言われると、それが個性のような気がしてしまいます。

でも、個性とは、もっともっと内側にあるものではないでしょうか。
簡単でわかりやすく表に出てくるものではなく、
普段の生活の中で何を思い、何を感じ、何を大切にしているのか、
そういった心の奥にあるものが、ふとした瞬間に溢れてくる。
それが個性だと思います。
そして、個性は1面ではなく、どこまでも自分の内側から
引き出し続けいく「超多面的」なものなのだと思うのです。
それは、人と関わるから、イエスアンドするから、
引き出されていくんですよね。

インプロは、その「ふとした瞬間」でいっぱいです。
つまり、やるたびに「自分」を知ることが出来るのです。
そして、その心の奥にあるオリジナリティが、
ショーでは、お客様に感動していただくための大切な礎となるのです。

日常生活では、その場に求められる自分を私たちは時に演じています。
感情を出さないように、抑えることも少なくありません。
社会の中に溶け込み生きることも、もちろん大切なことですが、
自分を自由に開放し、表現できる場を持つことは、
大切なことなんだと、改めて感じた公演でした。

今年の「Impro Mini Festival」は
12月15日〜17日 を予定しています。
また、どんなドラマが生まれるか今から楽しみです!

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2017年07月15日

池上奈生美コラム 〜イエスアンドすることで、それまで気づかなかった自分 と出会える〜 


演劇は、言うまでもなく自分とは違う人物を演じます。
しかし、たとえ違う人物を演じても、それを演じるのは「自分」でしかないので、
自分の中にある感覚や感情を使って表現していきます。
そのことによって、普段なかなか表に出てこない感覚や感情が引き出されていき ます。

たとえば、子どもを産んだことがなくても、母親役を演ると母性が引き出された り、
人見知りの人が、交友関係が広い役を演じることで、積極性が引き出されたりします。
つまり、違い人物を演じることによって自分の中ににある気づかなかった自分が表に出てくるのです。

しかも、インプロで演じる場合、当たり前ながら、あらかじめ役は決まっていません。
その為、その役のための資料を集めたり、研究することはできません。
その場、その瞬間に求められる役を、その時の「自分の中にあるもの」だけで演じ、
その役は共演者との関わりの中で成長していきます。

その経験を通じて、自分自身が思っている「私はこういう人間」がどんどんと変化していきます。
その変化というのは、「変わっていく」変化ではなく、「広がっていく」変化です。
そして、それは、イエスアンドのおかげだと、私自身の体験から感じることがで きます。

クラスでも、おとなしいメンバーが元気で快活な役をやってから、
表情が豊かになったり、消極的なメンバーが、積極的な役を演じたことで、
何事にも前向きになったりすることはよくあります。
「立場が人をつくる」とはよく言いますが、
自分らしからぬ役を演じ、周りの人にそのように扱われることで、
新たな一面が引き出されることはよくあることなのです。

逆をかえせば、私達はいかに「自分とはこういう人間だ。」と思い込んでいるのだろうと思います。
よく、自己紹介で、「私は消極的なんです。」とか「私は発想力がないんで す。」というお声を聞きます。
しかし、私がこれまで出会った受講生の方達でその通りであることはほとんどありません(笑)
しかしながら、本人がそう思い込んでしまっている自分を壊すのは簡単なことで はありません。
自分は消極的な人間だと思うと、物事が消極的な目で見えてしまいますし、
周囲も自分は消極的な人間だと思っていると感じ、それに応えようとしてしまい ます。

そんな時、違う役を演じていただくことで、
「こんな役ができた!」
「こんな行動ができた!」
「こんな感情になった!」
と、今までの自分とは違う感覚を楽しんでもらいます。
そのことで、消極的なのは自分の一部に過ぎなかった、と気づかれる方はたくさんいます。

インプロは、まず受け入れることから始まります。

「自分はこういう人間だから、こういうことは受け入れられない。」
ではなく、
「まず受け入れよう。そのことで、自分の新しい面に出会えた!」
と気づいていきます。

つまり、
イエスアンドすることで、気づかなかった自分と出会える。 のです。

どの企業様の研修でも、
みなさん「仲間の新しい一面を見た。」という声を聞きます。

それは、仲間だけではなく、自分にも当てはまることなのです。

私は、インプロを初めて20年以上になりますが、
まだまだやる度に、それまで気づかなかった自分と出会えます。
ですから、「私はこういう人です。」とは、言い切れません(笑)
これからも、イエスアンドをして新しい自分を発見していきたいと思います。

池上奈生美のツイッターはこちら
http://twitter.com/naomiikegami

2017年06月22日

池上奈生美コラム 〜「受け入れたくない自分、受け入れたい自分を理解する」〜 

メンバー達を見ていると、経験を重ねることによってインプロへの
関わり方が変わっていくのを感じます。

特に大きいのは、
「インプロを理解しようとしなくなる」ことです。
その代わり、
「インプロをすることで、自分を理解しよう」
としています。
そのことが、インプロの成長にも確実につながっています。

先日のクラスの後に
「なぜ、受け入れなきゃいけないのか?と疑問に思う時がある。」
と言うふうに言ってくれたメンバーがいました。

この疑問は、私を含め多くのインプロヴァイザーたちが抱いたことがあるはずです。
それも一度や二度ではなく。

そこで、私は「みんなならどうしているのか?」と、
他のメンバーたちに聞いてみました。
その答えの多くは、「受け入れたくない」という気持ちになることも正直あるが、
それより仲間と共感すること、仲間と同じ世界を創ること、仲間が求めている世界に足を踏む入れること、
を選択したい気持ちが上回っている。
といったものでした。

「受け入れたくない理由」「受け入れたい理由」それぞれ千差万別で、
それは個性なのでしょう。
ただ、「受け入れたくない理由」は、日々変化していきますが、
「受け入れたい理由」は、インプロを重ねるごとに深まっているのでなないかと、
メンバーそれぞれの声を聞いていて、思いました。

自分の気持ちを”自分自身”で理解した上で、
もしかしたら、今、この世界に飛び込んだら、自分でも知らなかった自分の喜びに繋がるかもしれない。
また、もしかしたら、今、それを受け入れたら、視野が広がるかもしれない。

といった境地と出会えるのかもしれません。

つまり、それは、「受け入れたくない気持ち」と同時に存在する「受け入れたい気持ち」の発見に繋がっていくのでしょう。

このように自分を理解していくことが、
目先のこだわりを捨て、自分の意志、願いにつながり、
演じる上でも、振れない軸をもった堂々とした表現につながっています。


そして、我々がやっているインプロは即興劇であり、お芝居です。
自分なら嫌だけど、自分が演じている人物(役)なら、
それを楽しめるだろうと、役の判断に委ねることも大切です。
そう言った意味でも、客観的に、自分を知るチャンスに恵まれていると言えるでしょう。

「自分の心に正直になること」と「他者を受け入れること」は、相反することに思えますが、
このように別のことではなく、関わりがあることなのです。
「えー、これは私が苦手な展開だ。」
「あ〜、これはなかなか受け入れたくない流れだ。」
それを十分自分の中で理解した上で、一歩踏み出してみるチャレンジしてみたら、
意外とその展開を好きになれるかもしれません。
「こういうこともありなんだ。」と発見があるはずなんです。

これは、我々、インプロのパフォーマンスだけに言えることではなく、
日常生活や仕事上でも、言えることでしょう。
「嫌だな」と思っている自分の気持ちを理解した上で、
そのことに対して、関わり、受け入れ、「アンド」してみる。
そうすることで、自分が何に対して苦手意識があるのか、
また、やってみると自分にはこんなこともできたんだ。
という発見と出会うこともできるのではないでしょうか。


2週間後、新宿で、3日間にわたるインプロ公演が行われます。

私たち役者は、自分そのものが楽器です。
その楽器という自分を理解することは、美しい音色を奏でることにつながります。
そんなチャレンジをしている私たちを、是非劇場に観にいらしてください。
お待ちしております!

池上奈生美のツイッターはこちら
http://twitter.com/naomiikegami