"インプロシンキング"スタジオ報告

インプロジャパンのインプロ・ワークショップ のスタジオ報告です。

【インプロとは】「インプロヴィゼーション(即興)」の略語。「その瞬間のできごとに即興で対応しながら作り上げられていくエンタテイメント」です。詳しくはインプロガイドブック (http://impro.jp) をご覧ください。

【インプロジャパンのコミュニュケーションコース】職場や学校等、日常生活の中でインプロ・シンキングを行うことにより、コミュニ ケーションスキルの向上や発想力の強化を目指すクラスです。(人間関係力の強化に最適)人前で演じることよりもインプロゲー ムを楽しみながら様々な能力を伸ばすことを目的としています。
詳細:インプロジャパン http://www.improjapan.co.jp

【受講生インタビュー89】 ~インプロが起こした「行動変容」~

今回のインタビューは、
2018年1月から継続受講をしてくださっている「あき」こと、笹知亜希さん。

平日は、システムエンジニアとして働くあきさんですが、
毎週日曜午前中は、
「ベーシッククラス」受講から6年半、
ずっとインプロの時間として、通ってくれています。
ここ最近は、基礎クラスのアシスタントをしてくれたり、
また、ゲームクラスも並行受講するなど、
『インプロ』に益々ハマっているそうです。

インプロの劇場公演への出演や
イラストや漫画の販売会に出展経験があるなど、
興味あることは率先して挑戦して、
自分の幅を広げている印象があるあきさんですが、
インプロを始める前は、
興味があっても、そこに「足を踏み入れる」なんて考えられなかったそうです。

インプロを通じて、どんな変化があったのか、
あきさんから見た「インプロ」について、お話を伺ってみました。

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ロプンpng1(インプロジャパン):
あきさんがインプロを知ったのは、お友だちがきっかけですよね?

あきさん:はい。
会社の同期で仲の良い友人が、インプロジャパンのクラスを継続受講していて、
よく発表会や劇場公演を観に来ていました。

ロプンpng1:やることになったのは、観ていてやってみたくなったのですか?

あきさん:いいえ。
「自分にはムリ!」って思っていました。

皆さんがポンポンと発想しながら、
劇をその場でつくっていて、すごいなぁと思っていましたが、
自分がやるなんて考えてもいなかったです。

人前で話すことが苦手で、例えカンペがあっても緊張でぶるぶる震えるし、
しかも何もないところに飛び込むなんて、自分にはできるはずがないと思っていたので、
「観る専門」と決めていました。

ロプンpng1:「観る専門」から、やってみようと思ったのはなぜですか?

あきさん:演劇自体は、子どもの頃から連れて行ってもらったりしていて、観ることは好きだったのと、
学生の頃には、「自分」とは違う人物になることへの憧れから「声優」に興味があって、
社会人で構成された「アフレコサークル」に入ったこともあったのですが、
「インプロ」は何も決まっていないので、
ハードルが高く、自分がやることは想像していませんでした。

でも、ある日、インプロをやっていたその友人から、
「インプロ仲間と朗読劇をやるから一緒にやらないか」と声を掛けてもらい、
台本もあるし、面白そうだからやってみようと挑戦することにしたんです。
その稽古での初めてのインプロが楽しくて、その時、
「インプロをやる」ことへのハードルが少し下がったように思います。

友人からは、レギュラークラスを誘ってもらっていましたが、
家庭のこともあるし、週一回通うのは難しいかなぁと思って、
その頃は、月一回、仲間内でやっているインプログループに参加したりする程度でした。
ただ、そのうち、
「やって終わり。は、もったいない。
楽しかっただけでなく、基礎を知って、できることを積み上げてみたい」
と考えるようになり、
旦那に「3か月だけお願い!」と言って相談して、
2018年1月から「ベーシッククラス」を受講してみることにしました。

ロプンpng1:それから今日に至るまで、およそ6年半。3か月はとっくに過ぎましたね(笑)。

続いている理由は何だと思いますか?

あきさん:いくつかありますが、
一つは、やるたびに自分で「これがやれるようになりたい」と課題を見つけ、
できた時にその達成感を味わえる。それを繰り返せているからです。

『(自分に)これができていたら、こんな可能性があったかも!』と思うと、
できるようになりたくなって、頑張る。。それがずっと続いています。

ロプンpng1:課題発見能力が高いですね!

あきさん:元々は、「できないことはムリ」と思ってしまうタイプで、
そこに可能性があるなんて考えてもなくて、、、
インプロやってからです、その思考は。

インプロは、否定されない場で、「しなきゃダメ」がないので、
それが「インプロ」を続けている理由に大きく影響しています。

自由に表現できて、どうするかは自分次第。
だからこそ、そこに自分の可能性を感じ、
「できるようになりたい」と思うようになりました。

それと、そこには、ずっとクラスを一緒に受講してきた仲間たちの存在も大きいです。
インプロの中で、互いに活かし合う経験が、自分自身を自由にさせてくれたし、
「まず、やってみる」という気持ちにさせてくれました。

ロプンpng1:そうでした!
 
あきさんのクラスは、ずっと同じ時間帯、ほぼ同じメンバーで構成されていますね。
中でも、あきさんを含めた4名は、「ベーシック」からずっと一緒で、
2022年には劇場公演「インプロ・ミニ・フェスティバル(※1)」デビューも一緒に果たしましたね!

あきさん:「ミニフェス」出演のお誘いをもらった時は、正直、どうしようと悩みました。
あがり症の自分にとって、以前なら「出演するなんてムリ!」とやる前から諦めていたでしょうが、
お話をもらった時には、
「出演したら、自分はどうなるんだろう?」
「積み上げてきたことを人前でやったらどうなるんだろう?」
「舞台に立つのはどんな感じだろう?」と、
興味が湧いていました。

最終的には、その先の自分が観たくなり、やることにしましたが、
実際は、 一緒にやってきたメンバーとの挑戦だったので、
仲間との繋がりと安心感が、最後の最後に力をくれました。

「公演」向けての稽古は、クラスの時と違う、お客様に見せるためのトレーニングが続き、
途中「なぜ出るって言ったんだろう・・」と思ってしまうほど大変だった時もありましたけど、
最後には「この人たちとならできる!」と強い気持ちになれて、
本番は、稽古を超えたものが出せ、アドレナリンが出まくりでした。

みんなで乗り越えた公演で、繋がりが更に強くもなりました。

公演後の爽快感はすごくて、
「人に見られるのが苦手だった自分」が「見て――!」という気持ちになり、
楽しんでもらえる喜びを得た自分になっていて、
ミニフェスという大きな出来事で、自分の苦手なことも克服できました。

この経験で、
「やらない後悔より、やる後悔」が私の座右の銘になりました。
経験しなければ、マイナスかゼロ。
でも、経験すれば、何かしらがプラスになる。
と考えるようになりました。

ロプンpng1:『ミニフェス』は、あきさんにとって、マインドチェンジの大きな機会だったのですね。

あきさん:そうですね。
なので、翌年の2023年の出演については、
迷うことなく、「出る!」という決断をしました。

逆に、今度は、今まで観ていたすごい先輩方とご一緒することになり、
緊張して、はじめはどう関わるか、距離感がつかめずにいましたが、
「このままでは舞台に立てないし、自分に納得できない」と思って、
平日の稽古も調整して参加するようにし、できることをやるだけやってみると、
徐々に、皆さんの意図や呼吸、それぞれの個性が見えるようになり、
これまでとは違うチームづくりを知ることができました。

そもそも、自分には完ぺき主義なところがあり、
「こうありたい」「できないと恥ずかしい」という意識が強くて、
やらないことを選択していたように思うので、
これは大きな変化だと思います。

ロプンpng1:「インプロ」の経験が、あきさんに影響を与えたことは他にもありますか?

あきさん:仕事面でも、自分の変化は感じます。
新卒当時から知っている上司には、舞台に出たり、主体的に動く姿を見て、
「こんなキャラだったっけ?」と言われたこともあります。

インプロやる前の自分は、
会議で「誰か、これやれる人いない?」と、
全体に対して役割を求められる場があっても、
そこで、手を挙げるなんて考えられませんでした。
直接的に相談されたら「はい」とやりますが、
全体の場では静観して、自ら「やりましょうか?」と声は出せませんでした。

そんな自分が、今では率先して関わり、提案もするようになっています。

例えば、
後輩が「あがり症で、うまく伝えられないので、説明力を上げたい」と、
悩んでいることを上司から聞くと、育成係を自ら買って出たり、
また、システムエンジニアは、クライアント先に派遣されるので、
「会社への帰属意識や社員同士の繋がりを深める為の研修をやってはどうか」と、
人事に提案し、内定者研修で、主体的に動くための研修を担当させてもらったりしました。

そういった点で、自ら提案するとか、自分の考えを伝えることも増えていますが、
その時に、話の構成というか、話し方も変わったと思います。
以前は、つらつらと話して、「結局何が言いたいの?」と、
相手に思わせてしまうこともありましたが、
今では、どうすれば伝わるかの意識をもって、話すようになり、
相手に伝わりやすくなりました。
これは、インプロを継続したからこそ身についた力だと思っています。

ロプンpng1:お手本のような行動変容!

その変化を自ら明確につかめているからこそ、
「課題」を「自分の中にある可能性」と捉えられるのでしょうね。

今では、出会った頃のあきさんが上書きされて、
「率先して自分を切り拓くことを楽しんでいる」印象の方が強いです。

あきさん:「興味あっても、やらない」より「まずやってみる」
の方が、心が楽です。

「とりあえずやる」が身につき、自信がついたのだと思います。
おかげでフットワークが軽くなって、得たものは3倍も4倍もあります!

プライベートのことでいうと、
「イラスト」を描くのは以前から好きでしたが、
どこかに発信するなんて発想、全くなかったです。
それが、「インプロ」を始めて、
同人誌販売会である「コミックマーケット」や「コミティア」に初めて行き、
そこでの交流に刺激を受けたことで、作品を創ってみたくなり、
その後、販売するまでに至りました。

ロプンpng1:コミケなどには、インプロを始める前から行かれていると思っていたので、ビックリです!

日常生活の充実にも繋がっていたんですね。
元々素敵な笑顔のあきさんですが、確かに、始めた当初より、
その笑顔や笑い声がより増えましたよね!

そして、最近、更に「インプロ」を楽しんでいるように見えますが。

あきさん:インプロのクラスを継続して受けてきたことで、
その時期によって、楽しみ方が変わり、
今は、今までで一番のインプロブームです(笑)

インプロを始めた頃、「イエスアンド」の存在を知り、
クラスのアシスタントの方達が自分のアイデアを活かしてくれる成功体験で、
身体が「イエスアンド」を理解し、色んなゲームが楽しくなっていき、
できることが増えてくると、先輩達への憧れから、
課題をクリアするやりがいや、
やってきたことが積み上がっていくことが楽しみになっていきました。

そして、ロングフォーム(長編インプロ)をやるようになると、
これまでと違うアプローチで、
はじめは混乱して、出来るのかな?と思っていましたが、
クラスが進むにつれて、
自分達が創るインプロの中で生まれる起承転結のドラマが、
主人公を成長させていくのが楽しくなってきました。
みんなで様々な経験をしながら進んでいき、
演じながら、物語を読んでいる感覚がして面白いんです。

 今は、アシスタントさせてもらったり、
基礎のクラスを受けることで、新たな視点も感じられるようになり、
「楽しみ」が尽きないです。

ロプンpng1:そんなあきさんにとって、「インプロ」とは?
そして、今後の楽しみは?

あきさん:私にとってインプロは、「人生の一部」。
なくてはならないもの。

身体が動く限りやりたい。
やめたら、自分の可能性が止まっちゃう。
まだまだこれから出てくる自分への課題が楽しみです。

あと、自分がインプロをやることで、
「インプロを知っている人」から「やる人」が増えることも
今後、楽しみにしたいです!

ロプンpng1:あきさんのようにですね!

これからもあきさんのアップデートを楽しみにしています!
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(※1)「インプロ・ミニ・フェスティバル」とは・・
インプロジャパンが主催する、インプロジャパンメンバーによる インプロの劇場公演。

【研修活動報告】~「笑い合う仲間と前へ踏み出す」~

新年度に入り、企業での新卒新入社員研修や
学校での新入生オリエンテーション講座が続いています。
15名の少人数での実施もあれば、
145名の企業研修や学校での100名を超えた講座等、大人数が一斉に集っての実施もあり、
この春だけで、就職や進学など、新しいステージでの日常がスタートした500名以上の方々と出会い、
新たな息吹とエネルギーをいただいています。

インプロを通じて、これからの人生の共演者となる同期や同級生と共に、
一歩前に踏み出し、創造する楽しさを掴む受講の皆さん。
当たり前ながら、一つとして同じ研修や講座はありませんが、ただひとつ、共通していることは、
最初は互いに「同じ空間にいる人同士」なのが、最後には「笑いあう仲間」になっていることです。
特に、この時期の新入社員や新入生の講座では、その変化が明白で、
同時にその姿からは、新しく始まる道への期待感も伝わってきます。

今年の新卒新入社員研修では、より強くそれを感じます。
というのも、大卒者の場合は、コロナ禍での大学入学。
入学当初から自宅待機が続き、始まってからもしばらくオンライン。
規制が緩和されてきた頃には就活で、大学生活で密な仲間づくりする経験が少なく、
それだけに、多様に交流を図る機会を心が欲していたのかもしれません。
どなたも、その場その空間への受容が素直で、実に能動的にコミュニケーションを取っておられ、
また、研修を通じての気づき、発見を楽しむ姿勢も見えました。

気づきといえば、以前は、
「イエスアンド」について身につけたいというコメントが多かったのですが、
今年は、
「思い込みや先入観を捨て、あるがままを受け入れ、
そこに主体的に関わる発信をしていく『イエスアンド』が、想像を超えたものができるあがるので面白い」
といったコメントする受講者が、以前より格段に増えたように思います。

これも、コロナ禍が明け、自らが動き出すことで可能性は広がると期待感の下、
このスタートラインに立っているのでしょうし、
そして、何よりも、企業や学校といった彼らがいる環境では、
大人たちがそれを全力でサポートしていることをとても感じ、
それに触れるたび、我々も、その一助になる機会を与えてもらえることが有難く、
それだけに、毎回毎回、一期一会を大切に、
目の前の受講者一人ひとりとリアルにコミットしてイエスアンドし、
唯一無二の研修、ワークショップを創造するよう努めています。

新入社員研修、新入生講座は、この後も、しばらく続きます。
どんな出会いがあるか、楽しみです。

【受講生インタビュー88】 ~先に何かあると教えてくれるインプロ~

今回のインタビューは、昨年行われた「インプロ・ミニ・フェスティバル」
に初出演した、くもちゃんこと、生雲 智帆さんです。

普段は、一般企業の相談窓口業務に携わるくもちゃんは、
これまで演劇自体やったことがなかったそうで、ミニフェスが劇場での初舞台。
しかも、同時期にご結婚もされ、
2023年はくもちゃんにとって一生忘れられない年となったそうです。

稽古期間中の昨秋は、お仕事もお忙しい時期と重なっていましたが、
折角掴んだミニフェス出演の切符。
諦めることなく、見事、最高のデビューを果たされました。

聞くと、「生活のバランス」を大切にされていて、
以前のくもちゃんであれば、これだけ色々なことが重なる状況は
避けるタイプだったそうです。

2023年を経て、新たな自分と出会ったくもちゃんに、
インプロについてお話を伺ってみました。
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IJ(インプロジャパン):
まずはインプロを始めたきっかけを教えてください。

K(くもちゃん)
あるスクールで出会った人がインプロをやっていて、
話を聞いていたら面白そうで、やってみたいと思い、
その方に聞き、インプロジャパンのワークショップを受講しました。
実際にやってみたら楽しくて、
まるで「社会人になったらできないあそび場のある世界」に感じました。 

同時に、もっと継続してやってみたいと思い、
パフォーマンスコースのベーシッククラスを申し込みました。

IJ:
それが2015年7月ですね。
演劇とかやったことなかったんですよね?
パフォーマンスすることに抵抗はなかったですか?

K:
演劇やっている人ばかりだったら、引いていたかもしれないですが、
自分のように、演劇はやったことないけどインプロが面白くて参加している
という方が多かったので、一緒に成長できる場かなと思えて、
その抵抗はなかったです。
それと、当時は、パフォーマンスするというより、
「生活の中にできたあそび場」に見えていました。

IJ:
くもちゃんは、一度、留学された時期にお休みされていましたが、
その後戻っていらして、それからはずっと続けてくださっていますね。
続いている理由は何だと思いますか?

K:
初期のころを振り返ると、パソコンに向かう仕事で、
インプロをすることで人と関わる感覚を取り戻していたように思います。

それと、私は、生活の上でのバランスを大切にするタイプで、
日常生活が人とあまり交わらず、同じリズムで固い感じだったので、
週1回のインプロというみんなとキャッキャ言いながら遊べる世界で、
心のバランスを取っていたのかもしれません。

ただ、最近は、「あそび場」だけではなくなってきていて、
たとえ生活の中でのそれぞれの比重がアンバランスであっても、
粘って続ける先に何かがあると感じていて、続けています。

IJ:
なるほど。その辺りをもう少し詳しく聞かせてもらえますか?

K:
先ほどもお話しましたが、
元々自分自身が、バランスが偏らないように、
忙しくなりそうな時は、前もって調整するところがあるのですが、
昨年は、まさにその逆を体感しました。
仕事、結婚、稽古と大きな比重のものが3つ重なりましたが、
諦めずに継続して歩み続けたら、その先にこれまでに体験したことがない
ミニフェスのステージという新しい世界に出会うことができました。

意識してそうしたわけではないですが、それまでの「インプロ」経験が、
先が決まっていない一歩を歩み進めると、
その先には新たな世界があるということを教えてくれていたからだと、
ミニフェスが終わってみて思います。

IJ:
ミニフェスの経験が気づかせてくれたのですね。
そのミニフェスの感想を聞かせてください。
初めての劇場でのインプロ公演。いかがでしたか?

K:
来てくれた人たちが楽しかった、面白かった、と言ってくれたのがとにかく嬉しかったですし、
また、一緒にやったメンバー達がこのミニフェスで初めて組む人達が多かったのですが、仲
間となれ、最高の場を一緒につくれてよかったなぁと。

正直、興奮していて、当日の記憶はあまり残っていないんですけど、
ただ、とにかく、終わった後、自分を褒めたくなりました。
仕事も忙しい中、稽古に本番、よく頑張れたなぁーと自分をねぎらいました。
こんなこと、初めてでした。
「目標に向けて、焦点合わせて、全力出し切る」
こんな経験を大人になってできたことが嬉しいです。

IJ:
そんな今の自分が、過去の自分に「未来の私はこんな風になっているよ」と、
伝えるとしたら、何と伝えます?

K:
「すんごいのがあるよ!」って(笑)。

バランスを重視して、整えて前に進むために石橋を叩いて渡る私に、
「たとえ、その先、石橋が崩れても、足場が目の前で崩れていっても、
髪ふり乱して、バランス崩してでも、今にしっかりいれば、
ベストパフォーマンスはできて、その先に新しい世界が見えて、逆に面白いよ!」

IJ:
面白い表現ですね!
それは、くもちゃんにとって、インプロをやっての大きな変化なのかもしれないですね。

K:
そうですね。
ミニフェスは稽古から本番までの経験が、自分自身の変化に気づく機会でもありました。

普段のクラスでは、週1回の筋トレのような感じで、徐々に力がついていて、
その変化に敏感になっていませんでしたが、ミニフェスは負荷が数段上がった状態で、
変化がくっきり出たように思います。

仕事上でも、例えば、対応方針などに関する自分の考えを発言することに対して、怖くなくなり、まずは伝えてみるようになりました。
以前は、自分の発言に対して、相手のネガティブな声を勝手に想像してしまっていたところがあったのですが、
今はネガティブな思考に押しつぶされることも減り、その辺りもミニフェスの影響だと思います。

IJ:
ミニフェス出演が大きな節目になったようでうれしいです。
改めて出演してくれて、有難うございました。

最後に、くもちゃんにとってのインプロについて聞かせてください。

K:
私にとって、インプロは、
以前だったら。「あそび場」と答えていたと思います。

童心に帰って、一緒につくる人たちとワイワイキャアキャア、面白いねーと言い合える空間。
そして、インプロの中で生まれる感情だけにとどまらず、
観ている方達の笑い声、リアクションだったりとか、感情がうごめく場所であることも面白い。
そんな「あそび場」。
体動かして、こね回して遊ぶ。
「今、ここ」でしかできない経験で、
「あそび」をもらうのではなく、自分で掴みに行く感じの場所。

ただ、今の自分は 一言では難しいです。
一つ言えることは、この先長く積み上げていきたいなと思うものが「インプロ」です。

楽しい時も、大変な時も、そういう日々も何かに繋がっていき、
継続していれば、先に新たな世界と出会える。

インプロを続けてその体験を豊かにすることで、   
これから先の生活や人生もいい方向に向かっていくだろうなという期待があります。

【受講生インタビュー87】 ~輪郭がはっきりする「アハ体験」のようなインプロ~

今回のインタビューは、今冬、ご受講歴8年となる
ドイこと、土居 誠さんです。

普段、会社員としてお勤めをしながら、
平日週2回、長年一緒にインプロをやってきた仲間たちとその時間を楽しんでいるドイさん。

ここまで長く続いているのは、創造空間を共有する仲間の存在が大きいと
第一声おっしゃるドイさんに、その楽しさについて伺ってみました。
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インプロジャパン(IJ):
7年にもわたってインプロを続け、数年前からインプロ公演にも
出演するようになったドイさんですが、インプロをやる前には、演劇などの体験はあったのですか?

ドイさん(D):
演じること、演劇には全く興味なかったです。
そもそも、子どもの頃から映画や演劇などのエンタメを観ることもほとんどなく、
特に、「演劇」は別世界のものと思っていました。

というのも、通っていた大学が演劇サークルが盛んなところで、
当時、構内で見かける彼らの演劇に対する思い入れの強さに若干戸惑っていたのかと思いますが、
「演劇とはかくあるべき」という自分の中の演劇観を強く持っている人が多いというか、
演劇の話になると冗談が通じなさそうな雰囲気を勝手に感じていて、
自分とは違う世界と思って、あまり近寄らなかったくらいでした。

IJ:
そうだったのですね!
そのドイさんが、演劇に触れることになったのは、どんな経緯で?

D:
社会人になってから、通っていた社会人講座で、
たまたま見つけたある有名劇団のワークショップが、コミュニケーション力向上とうたってて、
それをみて、興味が湧き、参加したのが、演劇を知るきっかけです。

それも、今考えると、それより以前に、他の劇作家の方が「ワークショップ」について書いた本を読んだことがあり、どこかで「ワークショップ」というものに興味があって参加したのかもしれないです。

それまで、毛嫌いしていた演劇だったけど、その体験で、印象が変わり、
面白いのかも?と思って、演劇を観に行くようになりました。

IJ:
具体的にどんなことを感じたのですか?

D:
それまでは、演劇は「内に秘めるものを出す」印象だったんですが、
そのワークショップで感じたことは、「外に対する集中」。
相手を意識したセリフ回しや、リアクションとしてのセリフなどに面白味を感じました。

それから、演劇を観に行ったりする中で、偶然、図書館で、
区が主催する講座の中で、インプロ講座を見つけ、即興という言葉に、
より面白さを感じて、やってみることにしました。

IJ:
それがインプロとの出会いなんですね!
その後ですね、インプロジャパンに出会うのは。

D:
はい、最初はゴールデンウィークの3日間集中クラスで、
ベーシッククラスは、その年の秋かな?

最初は、区主催の講座の発表会がその年度末にあり、
月1回の練習では足りないと思い、どこかインプロを学ぶところがないかと探して、
インプロジャパンを見つけ、クラスを受けたのがきっかけです。

IJ:
そこから、7年。
以降、レギュラークラスをずっと続けてくださっていますね。

D:
一番の理由は、仲間の存在です。
ベーシックからずっと一緒のクラスを受講している仲間もいて、
彼らとのインプロが楽しいから。

先が決まっていない、何もないところを、みんなで一緒に体験し、
その空間を多角的に見ていく中で、ある時、急に明確な道が浮かび上がり、
一斉にそれに気づき、まるで同時に「アハ体験」をするかのような感覚が、楽しいです。

IJ:
ドイさんが思う、インプロの魅力って何ですか?

D:
色んな意味で「発見」があるところかな。

自分一人ではなく、他の人との関わりや協働でつくっていくので、
意外なところからのアプローチに、思わず出てしまう自分自身がいたりして、
そんな時、自分にこんな面があったんだとか、こんなこと考えていたんだと
「発見」することもあれば、
また、さっき言った「アハ体験」みたいに、
「まさかこんなことにはならへんやろうなぁ」と思うような展開が起こって、
みんなでそのドキドキやワクワクを味わう中で、
ある瞬間、ハッと、物語の中にナニカを「発見」することもあって。

自分がそれまで思っていたことと違う見方、捉え方で、
ぼんやりしていたものが、急にビビットに見えてくる感覚が、面白い。

日常で、あまりイレギュラーなことはしない、冒険しないタイプだけど、
インプロではそんな疑似体験ができるのもいいですよね。

本を読むのも好きで、それもその先を期待しながら読むけど、
それは直線的で、流れをたどる感じで、
演劇のインプロは、自分たちの感覚を通してその世界を皆で共にいき、
つくっていくので、立体的になっていくので、そんな体験ができるのも魅力ですね。

IJ:
ビビットに見えた時のその発見を実感として味わえているのは、
演劇だからこそ、ということがあるのかもしれないですね!

7年。これまでたくさんの『発見』があったでしょうね。
継続することで、ご自身にあった変化があれば教えてください。

D:
「プレゼンス」が濃くなったというか、
今ここに存在しているという自分自身の輪郭がはっきりしたような気がします。
周りからも、以前は弱々しい印象だったけど、堂々としたと言われたこともあり、
自分の特徴というものがくっきりとしてきたのかもしれません。

IJ:
「自分自身の輪郭がはっきりする」
素敵な表現ですね!

まるで、先ほどお話されていた「アハ体験」のようですね!

ドイさんが舞台上でお仲間たちと共にするリアリティある発見からの
「アハ体験」を一緒にできることを楽しみにしています!

【研修報告】「インプロシンキング」で「イノベーション」

「インプロシンキング」が「イノベーション」の力に!

先日、大手精密機械メーカー「コニカミノルタ株式会社様」で
様々な企業様のイノベーション、
ビジネス創生に携わるチームの方々を対象に、
「インプロシンキングワークショップ」を実施してきました。


 

昨年9月に、ビジネスモデル思考の普及活動を行う
一般社団法人ビジネスモデルイノベーション協会様(BMIA:  https://www.bmia.or.jp/
のご依頼で初めて実施し、今回2度目。

ひらめきを形に、変化を創造する「インプロシンキング」は、
「イノベーション創出」との親和性が高いようで、昨年初めて実施した際も、
ご参加の皆さまの興味関心の深さはもとより、
感度も大変高く、楽しみながら関わることの大切さと共に、普段とは違う発想で、
自然と思考が柔軟に働くことを体感してくださった方が多くいらっしゃいました。

 

2回目の今回は、更にご受講対象を広げ、
同部署他チームの方々や、また、現在、新規事業の共創をされているクライアント様にもお声がけ下さり、
更に変化創造へのポテンシャルを高める内容での実施となりました。


「即興で創造する」ことで、常に自らをアップデート


「今」に集中し、周囲の状況や自分自身の変化を瞬時に感じ取り、

受け入れることにより、常に新しい変化を創造していく「インプロシンキングTMは、

『発見』『気づき』の連続です。    (※インプロジャパンオリジナルメソッド)

35-DSC07963 (ぼかし)s
過去に囚われた予定調和からは、
新しいものは生まれません。

「今」を受け入れ、創造すること。 

固定概念や思い込みを捨て、
常に自らがアップデートされていく必要があります。

これこそ、「即興」の魅力の一つです。

 

そこで、今回は、「今」に集中するゲームから始め、

インプロで大切な考え方、
「イエスアンド」
重点的にトレーニングしていきました。

「イエス」で新しい出会いを受け入れ、

「アンド」で、自らその出会いを活かした新しいことを生み出す。

その感覚を、様々なインプロゲームで落とし込んでいきました。

そこで力になるのは、他者の発想や起こっている状況を
1次元的に言葉で理解するのではなく、立体的にイメージで捉えることです。

実際に、4時間のワークを通して、ご受講の皆さまが、

徐々に「理解」ではなく「捉えること」への意識が高まっていく様子が見られ、
後半のワークでは、明らかにアイデアの出し方が変わってきた方々もいらっしゃりました。

最後の振り返りでも、五感が働き、そこからアイデアを出したご自身にビックリされている方や、
映像的にイメージで捉えることで、 
それを活かした発想が湧いてくる面白さに気づいた方々もいらっしゃり、 
お一人おひとりのコメントから、体感で「イエスアンド」を知り、

内在するご自身の力と出会っていただけたように感じました。

41-DSC07993 ぼかしs

 是非、今度は、この研修を「イエスアンド」し、
ビジネスの現場での新たな創造を期待しております!
また、皆様のお声にもありましたが、「知る」だけにとどめず、
「インプロシンキング」のトレーニングで、
常にアップデートされていく皆さまを楽しみにしています!



最後に、今回、お声がけ下さった、

コニカミノルタ株式会社ビジネス開発グループリーダーの宮木俊明様に、

実施を終えて、お話を伺いましたのでご紹介いたします。


宮木俊明様へのインタビュー         

 

◆今回の企画の実施理由(目的)をお聞かせください。1-DSC07699s


インプロによるYes,andの考え方や即応力が、
新規事業開発などの企画推進において有効で
ステークホルダーや顧客との対話、

あるいは社内の対話機会においても有効であると確信しており、
それを社内で共有したいと思い企画しました。

日頃から、自身の役割や専門領域に固執せず、
創造力やファシリテーション能力を発揮する機会を最大化して欲しいと思うことが多かったり、
様々な環境の変化を建設的に受け止めることで
むしろモヤモヤを抜け出すチャンスにして欲しいなどと思っていたことも背景にあり、
今回は部門全員で受講する機会を設けました。

 
受講の皆さまのご様子、またご自身が実際受講されて、

お感じになられたこと、発見をお聞かせください。

 

今回の研修を通じて、日常とは異なるスタンスでより建設的なコミュニケーション能力が発揮され、
新たな挑戦を楽しんでいる様子が確認できたことが一番の収穫です。

私は、もともと一人ひとりに内在する意欲や能力は十分なものがあり、
それらが職場で
発揮されるかどうかは個人の自助努力や能力開発だけでなく、
「発揮されやすい環境整備が必須である」という信念をもっております。

今回の研修でも、そのことが裏付けられたのではないかと感じました。

また「環境整備」へのこだわりとして、
社内のメンバーだけでなく、外部からの参加も募ることで、
多様性を確保することに努めました。

日ごろから、研修効果を高めるうえで「非日常」を重視していることもありますが、

特に今回のような対話や創造性を狙いとした研修においては重要な要素となります。

公開セミナーや外部研修における「社外との触れ合い」と、内部研修における「個別ニーズへの適合」と、まさに「いいとこどり」を狙った取り組みでしたが、とても良い感触が得られました。

◆ビジネスの現場での「インプロシンキング」の可能性について、どのようにお考えですか?

 

先の回答とも重複しますが、
インプロシンキングを個々人が効果的に発揮するためには、環境の要素は切り離せません。

今回のように、部門メンバー全員で同一の体験をすることのメリットは
とても大きいと考えています。
通常、社内で行われる研修は階層別であることが多く、部門全員で同じ研修を受講することは珍しく、そのため、たった一人で経験してきた新たな思考法を、共通の経験のないメンバーに囲まれた職場に持ち帰って、周囲を巻き込みながら実践していくことは容易ではなく、一人で実践しても「浮きこぼれ」てしまうため、多くの場合で行動変容を起こすことが難しくあります。

一方で、職場全員で経験したことであれば、きっかけさえあれば、
全員でその時のことを思い出し、あわよくば実行することもできると考えています。

例えば、普段のミーティングであったとしても「この報告はまだアイデア段階なので、
Yes,andで発散するお手伝いをお願いします」という一言が言えれば、
わざわざ説明することなくグラウンドルールがセットできることなどを想像していただけると、
ちょっとした働きかけで中長期的にチームや組織の風土に大きな違いが生まれてくることも
ご想像いただけるのではないでしょうか。

 

私は、「社会に新たな価値を創造する挑戦者を増やすために、挑戦者を支援するとともに、
自らのイノベーションへの挑戦を発信し続ける」をミッションとしております。


今回の研修も、このミッションに沿った講師・コンテンツだったと自負しており、
これからもインプロジャパンさんのお力をお借りして、
イノベーションの担い手を増やしていきたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします!

※宮木様が取り組まれているイノベーションはこちら https://accuriodx.konicaminolta.com/

【受講生インタビュー86】 ~「子どもとの関わりの中で発揮されるインプロ力」~

今回のインタビューは、現在、アドバンスクラスをご受講いただいている
オモこと、大森靖枝さんです。

オモさんが、初めてインプロジャパンの「ベーシッククラス」をご受講いただいたのが、
2006年の秋。
もう出会って16年にもなるのです!

当時、劇団「風の子」に所属され、児童向け演劇の公演やワークショップ、
また、事務的な裏方のお仕事まで、お忙しくされていたオモさんだったので、
継続してのご受講はかなわなかったのですが、
この間も、ずっとインプロのことを気に掛けてくれており、
時折、子ども劇場さんとの会合で偶然お会いするし、
「いつかまた!」と、よくお話をしていました。

そして、昨年4月!
それがようやく叶う日がやってきました。
40年お勤めになられた劇団を定年退職されたことを機に再開し、
以来、この1年、継続してご受講くださっています。

現在は、ご自身で「うさぎの森企画」https://www.usagino-mori.com/ 
を立ち上げ、子ども・親子・おとな向けに表現あそび・劇あそびを
全国各地に、笑顔と共に届けていらっしゃいます。

先日、クラスの際に、継続して学んでいるインプロがその活動に
とても役立っているというお話を聞かせてもらい、
「これは、我々だけにとどめておくのはもったいない!多くの方々に伝えたい!」と思い、
少しお時間を頂いて、詳しくお話を伺ってみました。

そこには、子どもと関わる際のヒントが満載でした!

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インプロジャパン(IJ):
まずは、インプロとの出会いを教えてもらえますか?

オモさん(以下敬称略)
インプロジャパンを知る前、
公文協(全国公立文化施設協会)さん主催で行われたイベントの中に、
「インプロ」のワークショップがあったんです。
私が、勤めていた劇団風の子では、
参加劇(劇中に、子ども達との掛け合いや打ち合わせ無しで一人の子どもに出演してもらう劇)を
やっていたのです。
ですから、『即興』ということにとても興味が湧き、そのインプロの講座に参加してみました。

その時の参加者の多くが全国の施設担当の方々だったので、
皆さんスーツ姿で参加されていました。
私は、どんな感じになるのかな?と、少し興味本位に見ていました。
すると、最初、固くて、腕組みがちだった人たちが、徐々に表情が柔らかくなり、
後半に行われた、言葉を使わずにみんなで文字をつくるインプロのゲームでは、
徐々に、相手の動きを見ながら、喋ることなく、自分の動きや立ち位置を決めていって、
あっという間に50人のスーツ姿の方が全員で「の」の人文字になったのです。
それ見て、「インプロを、みんながやったら、もめごととか、学級崩壊とか、解決するんじゃない?」って、とても思ったんです。

その後ですね、インプロジャパンさんとの出会いは。
プーク人形劇場で、インプロジャパンが子ども達とワークショップをやると聞き、
それを観に行きました。

子ども達って、色んなこと言ってくるじゃないですか。
でも、インプロジャパンの人がどんなことも楽しんで受け入れて、進めている姿を見て、
「上から指示するのではなく、歩み寄りながら進めていく」様子に、更に興味が湧いて、
そこで、インプロジャパンのワークショップを調べて、申し込んだのが最初です。

 IJ
懐かしい~。プークさんで行われていた「夏休み大作戦」の中で、
やらせてもらったワークショップですね。
あれが、2006年夏だったので、その後、すぐに「ベーシッククラス」を申し込んでくださったんですね!

そして、今、こうして、又いらしてくださって、
しかも、毎週お会いできて、嬉しいです!

オモ:
劇団にいる時は、時間が取れなかったけど、
ずっと「インプロ」のことは、気になっていました。
時間ができた時は、単発で受講したり。

 IJ
 劇団で、参加劇をやっていらしたということですが、その辺りのお話を聞かせてもらえますか?

オモ
 劇団は、児童劇を専門とする集団なんですけど、その作品の中に「参加劇」は昔からありました。
ただ、私が入団した当時は、先輩から「参加劇をすると子ども達が大いに盛り上がりすぎる時があるから、小柄な女性ではなかなか厳しい。メンバーの中に一人男性がいたほうがいいと思うよ。」と、言われていました。

そう言われても、私はどうしても参加劇をやりたいと思っていました。
子ども達が自ら考え、発想の転換をさせるのに、とてもいいと思ったので、
劇団として私が参加劇やるのが認められないなら、プライべートな時間にお試しでやろうと思って、
自分の子どもがいる子ども会などでやってみました。

参加劇をやっていた劇団の先輩に少しコツを聞いたりしていたので、
子ども会でやった参加劇はとても好評でした。

その後、実績を重ね、劇団でも私が、参加劇をやることを認めてもらいました。
そして、私が考えた参加劇を劇団風の子のレパートリーとして、私がやるようになりました。

IJ:
参加劇は、どんな感じで進めるんですか?

オモ
例えば、台本の中で、探検するストーリー展開の時に、子ども達に向かって、
「この中に仲間がいるんだけどなぁ」と見渡して、
 子ども達の表情を見て瞳が一番輝いている子を打ち合わせなしで当ててその子に舞台に来てもらい、
風の子の役者3人と、30分位、芝居を最後までやるという形でした。

ほとんどの場合は、最初から打ち合わせ無しで出た子がやりまくってくれました。

ただ、時には、実際に舞台に上げてみると、急におとなしくなったりする子がいました。
そんな時に、無理に元気よく歩かせたり演じようとさせず、
最初は忍者みたいに音をさせないで歩く遊びなどをしました。
すると、大人しい子やドキドキしている子は、ソロリソロリと歩くので全く足音がしないのです。
そんなとき私は、ステージでその子にだけ聞こえるような小さな声で
「すごい!音が全然していない!」とか、その歩きをすごい技のように表現してつぶやくと、
その後から、その大人しかった子は、元気に表現していってくれることがよくありました。

 舞台の上に上がってもらう子は、
実際には、舞台上から見ていて、元気でやりたそうだったり、
目を輝かせている子を上げているで、ほとんどが最初からやりまくってくれるのですが、
 終わった後、幼稚園や保育園の先生方から
「なぜ、あの子だったんですか?あの子をどんな風にして、いつのタイミングでセリフや段取りを教えたのですか?あの子はいつもは引っ込み思案なのに」
と驚かれたりすることが、よくありました。
こんな先生の言葉を聞く度に反対に、なぜいつも元気ないんだろうと心のなかで私は思っていました。 

で、気づいたんです。
子ども達が見せてくれているあの開いた表情は、舞台側からしか見えていないことを。
あんなに素敵な子どもたちの表情を、私だけが見ていたらもったいない!
親御さんや先生にも見せてあげたい!と。

そこで、みんな立って、360度スペースを使って劇をするようになり、「劇あそび」が生まれました。

 IJ:
ステキですねー!!
そして、定年された現在は、ご自身で、そういった「劇あそび」活動を全国各地でされているのですよね?

 オモ
はい。
お手伝いしてくれる親御さんやボランティアの方や、主催の幼稚園保育園の先生と一緒に。
そして、その劇あそびの活動の中で、インプロを継続してきたことで身に付いたことをたびたび実感しています。

 IJ
具体的なエピソードを聞かせてもらえますか?

オモ:
九州のある地域で行われた幼児講座でのことなのですが、
ひとつは、そこに参加したある男の子とのやり取りです。

この講座は、半年かけて行われました。
去年の秋に、ワークの中で、子どもたちと一緒にストーリーの土台となる物語や登場人物、
いろんな設定や役作りを決めて、それを私がキーボードを弾いて即興で語り、
その後の半年ほどは、地元の大人の方々がその物語を深めたり、
そのお話の舞台となる場所の地図を子どもたちと作ってくれ、
その間は、私は遠いので、ビデオで報告してもらいました。
そして、4月に行われた講座最後の日には、本番という形で劇あそびをしました。

その講座の中で、最初の時に、主人公の名前も決める場面があり、
彼らから色々なアイデアが出てきて、とても難航しましたが(笑)、
最後2つの名前を主人公とそのお友達の名前として決まりました。

 無事、ラストの本番を終え、片づけていると、スタッフの方が、
「大森さん、A君と話してもらえますか?実は、10月に名前を決める時に、
 自分がつけた名前が使われなかったことを、おーちゃんに話したいみたいなんです。」
 と、声を掛けてきました。
話を聞くと、彼は10月に自分が考えた主人公の名前を考えて発言した時、
私が「いいねー!」と言ったのに、使われなかったということでした。
そのことが半年間悔しかったようなのです。
このことをスタッフさんから聞き、すぐに彼のところに行ったのですが、
その子に会った瞬間、「ごめんね」で謝って、終わらせるのは違うと直感的に思いました。
そこで、まずは、彼に話を聞き、
その後、彼の前で、空き箱で作ったおもちゃの携帯電話を出し、
一番星に帰ったその物語の主人公に私は電話をしました。

「〇〇ちゃんさぁ、本当の名前は〇〇だけど、いつもみんなに呼ばれているニックネームってあるんだっけ?」
「えっ?!なに?◎◎?!そうなんだ!
その名前って、A君があのとき言ってた名前だよね、えっ、何々?
他の名前になったけど、あの時、A君が考えた名前もいいなあと思って、
幼稚園でその名前で呼んでもらってるの?
そうかー!私、すっかり聞き忘れていたよ、ごめんねー」
 「あ、A君と話したい?わかった、聞いてみるね!」と、一人芝居をしたんです。

A君は、もう今年1年生だから、それが嘘だってことはわかっていたと思います。
でも、彼の表情がそれまでと違って、パッと開き、こちらとの壁がなくなったように見えました。
そして、A君はみんながいないところで、こっそりと空き箱の携帯電話を使って主人公と話せたのです。

その時、その出来事を対処しようと、私が謝ることで問題を解決せず、
子どもの世界に入ってイエスアンドで演じ切り、応えている自分に気づき、
自分の中に「イエスアンド」の心が根付いていることを感じました。

 IJ:
そこで、「ごめんね」と大人の対応をしていたら、
A君にとっては、この一連全てが、虚構になってしまうかもしれないですもんね。
オモとのやり取りで、A君はすべてのことがリアルに実感し、
心を動かすことができたとでしょうね。

彼の信じる力を裏切ることなく、素晴らしいですね!!

ひとつは、、、とのことですが、他にもあるんですか?

オモ
もうひとつは、大人達とのやり取りです。

この時もそうですが、全国各地でこの活動をしたいのですが、
私の仲間何人かで行くのは限界があります。
遠方だと、先方が旅費を出すのも大変なので。

なので、親御さんたちスタッフにも、劇に参加してもらい、
台本を渡さず、役と段取りだけを伝えてやっています。

この「劇あそび」の方法をやり始めた20年くらい前は、
そんなことをやっている人が誰もいなくて、誰からもやり方を教えてもらうことができませんでした。
だから、始めた頃は、主催のスタッフさんとの稽古は試行錯誤でした。

その稽古の時にスタッフさんが段取りを忘れたりすると、
それまではつい注意をしていたのですが、
時間が少ししかないときの稽古でこちらの要求だけ言ってしまうと、
皆さん失敗しないようにとなってかえってぎこちなくなってしまったのです。

そんなことを繰り返していくうちに、時間がたくさんある劇の稽古じゃないんだから、
稽古の中で、出来ていることだけを言うようにし、
そのスタッフや役者さんのできているところや面白い表現を皆さんの前で言ってみました。
すると3日後の本番、イキイキとやってくださる!
ということがわたしにも少しずつてすが、わかってきました。

その当時は、まだ「インプロ」を知らなかったのですが、
今、これも『イエスアンド』だなと感じています。
『イエスアンド』での関わりは、相手を元気にさせたり、
 また、自己肯定感を上げるのでしょうね。


「その場の空気が楽しくなる場づくり」のポイントとなる感覚の中に、
インプロを継続してきたことで身についた力が、
自分の中に落ちてきていることを最近は何度も実感しています。

 IJ
オモの「劇あそび」参加してみたいです!

最後に、今後の夢があれば、聞かせてください。

オモ
「主体的に相手のことを感じながら考えて良い方向に進むにはどうしたらいいのかな。」とか
「どうしたら争わないで人間は生きていけるんだろうか。」
 をテーマとした簡単な物語を小さい子でも分かるように、
 インプロを活かした劇あそびや紙芝居を作りたいなと思っています。 

【IJTP番外編】のご案内~「70歳インプロヴァイザー阿部眞也氏に聞く」~より

昨年10月1日、インプロジャパンは21周年を迎え、
当日、創立記念として、
インプロジャパンのyoutube番組「IJ Talk Project」で、
2004年からご受講くださっている『まさやさんこと、阿部眞也さん』をゲストにお招きして、
お話を聞かせていただきました。

まさやさんのインプロスタートは、
損害保険会社で、人事担当として管理職のお立場にあった52歳の頃。
日々、コミュニケーションの大切さを感じる中、
カウンセリングやコーチングを学ぶその傍らで、
たまたま、サイトで見つけたのがインプロジャパンが出版していた「インプロシンキング」。
インプロジャパンとの出会いを、「縁としか言いようないですね!」と笑顔で話してくださいます。

当時から、毎クール「ベーシッククラス」を含めた複数のクラスをご受講されていた
向学心旺盛なまさやさんですが、
70歳の迎えた現在も、
学生の就職相談や退職前のキャリア研修等の講師としてバリバリ働きながら、
週3日、クラスに通っていらっしゃいます。

我々講師陣も、まさやさんのインプロを通して、
たくさんのことを教えてもらい、気づかせてもらっています。

18年前の始めた当初、そして、今、、
ご自身の変化と共に聞かせていただいたお話は、どれも、突き刺さるものばかり!
例えば。。。

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★チャレンジすることについて
『チャレンジすると、そこに課題もあって、更に前に、楽しくやれる感じがありますよね。
(チャレンジできるようになったのは)自分に許可を出せるようになったということですかね。』

★クレーム対応業務に関する話の中で・・・
『飛び込んで、なおかつ、そこで言い訳したり、自分を守ろうとするんじゃなく、
イエスアンドできていくということは、人間関係がよくなり、人生が楽しくなるんじゃないですかね。』

★世代の違う人たちとやることについて
『始めた頃は、対応をどう答えていいのか、分からなかった。
子どもと遊べないとかと一緒で、考えていることがなんだかわからないと不安で、ぎこちなかった。
でも、今はそういう感覚はなく、私としては、年下の人と話をしているとかやっている感覚ないです。』

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こちらは、ごくごく一部。

常にチャレンジ精神があり、
「学びで終わらせるのはもったいない」と、
『70代の人生計画の中にも、「インプロ」があります』と語ってくださったまさやさんのお話の中には、
人生を豊かにするヒントがたくさんあります!

是非、全編ご覧ください。

全編映像はこちら ⇒
https://youtu.be/qqSx5TZY7RA



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