"インプロシンキング"スタジオ報告

インプロジャパンのインプロ・ワークショップ のスタジオ報告です。

【インプロとは】「インプロヴィゼーション(即興)」の略語。「その瞬間のできごとに即興で対応しながら作り上げられていくエンタテイメント」です。詳しくはインプロガイドブック (http://impro.jp) をご覧ください。

【インプロジャパンのコミュニュケーションコース】職場や学校等、日常生活の中でインプロ・シンキングを行うことにより、コミュニ ケーションスキルの向上や発想力の強化を目指すクラスです。(人間関係力の強化に最適)人前で演じることよりもインプロゲー ムを楽しみながら様々な能力を伸ばすことを目的としています。
詳細:インプロジャパン http://www.improjapan.co.jp

【受講生インタビュー57】~「夫婦のベースは”イエスアンド”」~

今月の受講生インタビューは、長期にわたり、
パフォーマンスコースをレギュラーでご受講くださっている
溝口健史・麻依夫妻。


このインプロジャパンで、出会ったお二人は、
昨年、結婚したばかり。
そう新婚さんなのです!


新婚さんと言えば…「新婚さんいらっしゃい!」?!(笑)
実は、お二人、今月19日のこちらの番組に、出演するそうです。
(放映日時:11月19日(日)午後0:55スタート)


インプロジャパンでは、
今まで、受講期間中に結婚された方や、受講生同士でカップルになった方達も
見てきましたが、この番組に出演されるご夫婦は初めてです!


テレビで放映された内容は、当日までのお楽しみ・・という事で、
そこでは語っていない「インプロとご夫妻」について、
お話を伺ってみました。
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インプロジャパン(IJ):
「新婚さんいらっしゃい!」の収録に行ってきたそうですね!
どういう経緯で出演されることになったのですか?


健史さん:
僕が「新婚の期間しか出られないから、折角だから応募してみない?」って言ったら、
「いいね、そうしよう!」って言ってくれて・・。


麻依さん:
そして、私が応募用紙をダウンロードしました。


健史さん:
このこと自体もそうですけど、
自分達って、やっぱりいつもインプロ的に日常生活を送っているんですよね。
どちらかが提案したら、
「いいね、そうしよう。そして・・」って、次の行動に繋がっていて、、。


今回、書類審査が通って、夫婦のエピソードをたくさん考える機会があり、
振り返ってみたら、どのエピソードもインプロの考え方「イエスアンド」が
ベースにあって、結局、何を話しても、インプロに繋がってしまうんです(笑)。


麻依さん:
だから、出演が決まるまで何回か面接があったんですけど、
どの時も、夫婦エピソードと合わせて「インプロ」の話をしました。
もう、本番の収録の時も含めて、何度も「インプロ」の説明をして・・
実際に、インプロも少しお見せしたので、
カットされていなければ、流れるかもしれません(笑)


IJ:
夫婦のベースが「イエスアンド」。


健史さん:
はい。お互い、まずは、相手を受け入れて、否定しない。
相手のアイデアに乗っかって、そのアイデアをより大きく膨らませて、より面白い形で実現していく。


麻依さん:
だから、夫婦での会話が多い方かもしれませんね。


IJ:
受け入れ合った会話・・二人は、ケンカするんですか?


麻依さん:
ケンカ・・しないですね~。


IJ:
具体的なエピソード、有ります?


麻依さん:
あるんですけど・・収録で話しちゃってて・・


健史さん:
使われてるかもしれないので。


IJ:
あ、では、それはテレビで観るという事で(笑)。


ご結婚されて1年。
お互い、パートナーがインプロをやっている人で良かったなと思うことってありますか?


健史さん:
二人とも長くインプロをやってきたから、
積み上げて、即興で物語を創っていくという感覚が体に染みついていて、
それを共有できるのが嬉しいですね。


結婚して、夫婦で、家族で、「こんな先を創りたい」というお互いの想いを
受け入れ合って進めていって、それを共有出来た時、同じ方向を見てるなって、
そんな時、インプロやっている奥さんで良かったなぁって思いますね。


これって、一緒に受講してきたクラスが、「ロングフォーム(長編インプロ)」
だったことも影響しているのかもしれないですね。


IJ:
なるほど。
「ロングフォーム」では、
あるスタイルでは、一つの言葉を多面的に捉えて様々な場面を描いて、
ひとつの世界を創り上げたり、また違うスタイルでは、即興で「人」の様々な側面を関わりを通じて描き、
そこに人間ドラマを創ったりしますからね。


そういう意味では、お二人は、数えきれないくらいたくさんの人間ドラマや世界を即興で創ってきていますし、
その感覚はまさしく家族づくりに使えるのでしょうね。


麻依さん:
私も、インプロをやっている相手だから、
同じ方向を見ていることを実感できます。


あと、これは、まさにインプロで染みついているからですけど、
日常的にお互いに「確認」をしています。


IJ:
なんの「確認」ですか?


麻依さん:
お互い同じ方向を見ているかどうかという確認。


例えば、今度引っ越すんですけど、その物件探しの時も、
「今、こういう方向で探しているけど、大丈夫だよね?」
「ここを重要に考えて、探しているよね?」
など、お互い、同じ方向を見ているか、相手の話を聞き、
自分が思っていることも伝え、、その上で、決めました。


一方ばかりが話したり、聞きっぱなしという事はなく、
「聞く」「話す」という時間を自然にバランスよくやっていますね。
だから、後になって、「こう思ってくれてると思ったのに…」ということは全然ないです。


健史さん:
インプロやってきて、自分一人では話は作れないって、
イヤってほど体が覚えているので、無意識にお互いの話を聞き合えて、
同じ方向を見ることを大切にしているかもしれないです。


麻依さん:
あ、あと、お互いインプロやってるから、
どんな時も、退屈しないですよ。
旅行行っても、景色とかで話を創っちゃったり。
急に話をふっても、膨らむし(笑)。


IJ:
会話が絶えない楽しいご家庭ですね。

最後に、これからどんなご家庭を作りたいですか?


麻依さん:
今もすでにそうですが、会話が多く、お互いの考えを確認し、
言いたいことを聞き合える風通しがよい家庭を作りたいです。


健史さん:
すれ違いが起きないよう、聞き、話をする。
お互いを尊重し合って、表裏のない家族を作りたいですね。


麻依さん:
うん、そうですね。
そのためにも、思いついたことを遠慮せずに言える環境を作りたいですね。


IJ:
結婚後、お二人とこんなにゆっくりお話ししたのは、初めてでしたけど、
二人の会話の呼吸がピッタリで驚きました!


これからも、「イエスアンド」で、お二人ならではの家庭を作ってください。

そして、数年後、今お腹にいるお子さんのキッズクラス参加も、
楽しみにしています!!


心温まるお話、有難うございました!

【受講生インタビュー56】~「インプロは自分を見せてくれる鏡」~

今月の受講生インタビューは、現在パフォーマンスコースを
レギュラー受講してくださっている、まさやこと、阿部眞也さんです。

実は、まさやさんは、2004年~2009年までおよそ5年間、
パフォーマンスコースに定期的に通ってくださっており、
『インプロであなたも「本番に強い人」になれる』
(池上奈生美・秋山桃里共著/フォレスト出版)の中でも、
受講生の声として、ご紹介させていただいています。


そして、この4月、8年ぶりにインプロ活動再開!
現在は週2回、満面の笑みでインプロを楽しんでくださっており、
また、「R50指定/大人の創るインプロの世界」クラスでは、
圧巻の存在感とその佇まいに、他の受講生の皆さんからも
絶大な人気を得ています。


今年、65歳をお迎えになったまさやさんは、
5年前に、37年お勤めになられていた会社を定年退職し、
現在は、大学生の就職相談などの
キャリアコンサルタントやコーチとしてご活躍の中、
インプロを日常に活かしていらっしゃいます。

今回は、久々にインプロを再開されてみて、
改めてお感じになっていることなどを伺いました。

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インプロジャパン(IJ):
昨年の夏でしたね、まさやさんが久しぶりにインプロのライブに来て下さったのは。
本当に飛び上がるほど嬉しかったです!!
しかも、その時、「時間が出来たら、またインプロやりたいですね」と
言ってくださり、、それがすぐに実現しましたね。


まさやさん(M):
2007年頃から娘もインプロを始めるようになり、
クラスが上がるにつれて、彼女にもインプロ仲間が増え、
娘から「お父さんが一緒にいると自由にできないから止めてほしい」と言われ(笑)、
ちょうどその頃、仕事もとても忙しい時だったので、一旦、インプロを中断しました。


ただ、その後も娘からインプロの話や、
皆さんが私のことを話してくださっているという事を聞いていて、
その間も、インプロのことは頭にあったんです。


昨年、久しぶりにショーを観に行ってみようと伺った時、
クラスの案内をもらって、ちょうどタイミングがあったこともあり、申し込みました。
正直、その時点では、仕事も忙しいし、
体力も使うし、とりあえずやってみてしっくりこなかったら、
1クールでやめてもいいかな、という軽い気持ちでした。


IJ:
そうだったのですね!
でも、現在、週2クラスも受けて、3クール目に入っていますね(笑)。


M:
1回目、やってみたら、本当に楽しかった。
そして、それだけでなく、今の自分にとって、
インプロを続けることの意義を見出すことが出来たんです。


今、学生の就職のための面談をやっていますが、
まさに、それも即興で、インプロの世界そのものだなって
久しぶりにインプロをやった初日に思いました。


面談においても、
予見を持たずに、好奇心を持って自然体で相手を受け止めることが大切です。
それができないと目の前の学生に集中できず、
落としどころを考えてしまったり、相手をこうだと勝手に決めつけたりと
自身の傲慢さが出てしまう事があります。


色々と取り組んできましたが、
常に、学生とフラットに関わる感覚を持つためのトレーニングとして、
インプロが最も効果的だなと思います。
そして、もっとインプロに浸かりたく思って受講クラスを増やしました。


IJ:
学生の面談について、もう少しお話を聞かせてください。
インプロでのことが、活かされている場面はありますか?


M:
身についた力が活かされている点で言えば、
定年退職してこの4年半で5000回以上、面談をやってきましたが、
それら全て、決めごとを持たず一つひとつの面談を、
違うものとして、目の前の学生と一緒に創り上げてこられた事です。


目の前にいる学生一人ひとりをしっかりと受け止めて、
彼らにとって、今最も必要なことを伝えてきました。
例えば、エントリーシートの書き方にしても、
採用面接でのことにしても、彼らの話を聞きながら、
一緒に工夫します。
こんな風にしたらどうかとアイデアが溢れます、、
まさに、これはインプロでの「イエスアンド」。


それから、学生との採用面接に向けたロールプレイでも
インプロでの力が役立っていますね。
様々な状況設定に応じて、面接官になりきり、即興で学生に応対します。


また、その面接の場面では、
インプロのパフォーマンスで学んだことが活きています。
例え、練習であっても、本番で面接をしている就活生になりきり、
恥ずかしがらない。
やり切る事、徹する事の大切さを伝えています。


IJ:
一回一回の面談が、まさにインプロの作品みたい。
ステキな考え方ですね!


M:
学生達には、ただ内定を決めるだけでなく、社会に出た後も
人生を輝かせて行ってほしい。
その為に、出来ることは何でもしようと思っています。


それに、自分にとって、学生との面談はアウトプットの場。
そう考えると、学生一人ひとりに育てられてきたんだなと思いますね。


ですが、会社勤めをしていた時は、自分にフォーカス(焦点)があり、
自分を成長させたい、こんな自分ではまだまだと足りない部分を探し、色ん
なことを学ぼうとしていました。
欠点を補う為のインプットですね。インプロもその一つでした。
そして、これでもかこれでもかと努力しても、未だ足りないと思っていました。


私は人の採用の仕事にも長いこと携わってきたこともあり、
スキルアップの為に、カウンセリングやコーチングの勉強もしていました。
しかし、退職して、大学で学生との面談を始める段になった時、
最初は、果たして自分に実践でカウンセリングできるのだろうか、
と自信がなく不安で一杯でした。


でも、実際飛び込んでみると、できた。
しかも、自分なりのやり方で。
そして、やっていく中で、今の自分でも十分人の役に立てるんだという事が分かり、
初めて自信を持つことが出来ました。


今は、外にフォーカスがあって、
もっと喜んでもらいたい、もっと役に立ちたい、、
より良いサービスの提供をする為のインプットに変わってきましたね。
つまり、自分自身の出来ないこと、足りないことへ意識より、
自分をどう外へ活かすかということへの意識が強くなりました。
これもまさにインプロでも感じることですが、
アウトプットしないと、自分の中にあるものを自覚できないですから。


学生との面談をするようになり、会社員時代の自分の経験が引き出され、
今までの自分がすべて活かされている感じがしています。
彼らと向き合い、そこに自分なりのアンドで答えてきたからでしょうね。


IJ:
まさやさんに面談をしてもらった学生さん達は幸せですね!


8年ぶりにインプロ再開されて、以前と現在のご自身について、
変化していた点はありますか?


M:
以前は、何かと構え、尻込みしてしまうところが多かったかな。
今は、あまり意識をせずに、積極的にリスクに飛び込めている気がしますね。


IJ:
8年前とまた違った感覚や新たなインプロの楽しみ方とも
出会えているのかもしれませんね。


そんなまさやさんから見た、インプロとは何ですか?


M:
「ありのままの自分を見せてくれる鏡」。


インプロに出てくるものは、自分の人生そのもの。
瞬間瞬間、生きざまが反映されて、ごまかせない(笑)。
自分と向き合うことになるから、常に試されている感じもして、
怖いし、時に目をそらしたくもなりますね。


でも、人が成長するには厳しい環境の中に、自分自身を置くのが一番。
その意味で、インプロは人前に立って、
そうすれば、否応なく、自分の課題と向き合わざる負えず、
その場で乗り越えていくので、だからワクワクもする。
もう中毒ですね(笑)。


それに、インプロは、人と創り上げていくもの。
好奇心持って、まずは受け入れていく。
普段、苦手で見ないようにしていることでも、
インプロでは、触れ合ってやっていくわけだから、良い成長の機会になりますよね。


色々な人からインパクトある刺激を受けるのは、
一種のカルチャーショックのようなもので、
インプロ通じて、まだまだ知りたい分野ややりたいことが出てきます。


まだまだ成長し続けていきたいですね。


IJ:
いくつになっても、成長し続けたいと思えるって、
カッコいいですね!


最後に、まさやさんのこれからの夢を聞かせてもらえますか?


M:
更に上のクラスを極めて、
いずれ、インプロを教える側も目指したいですね。


そして、もう一つは、舞台に立つこと。


『人の役に立ちたい』
『人に喜んでもらいたい』


そういう思いが常にあります。
そのアウトプットができる為にも、
更に、様々なことをインプットしていきたいです。

そのためにも、健康で、体力をつけておきたいですね。
生涯現役を目指して。


IJ:
これからもまさやさんのパフォーマンス、
益々楽しみにしています!


有難うございました。

【パフォーマーインタビュー】~入岡雅人氏(impリーダー)~

今月のインタビューは、インプロジャパン主催公演には欠かせない
パフォーマー、impのリーダーのイリこと、入岡雅人氏です。

クラウン(道化師)としても、日本に留まらず、
中国・韓国など、アジアでもご活躍中の入岡氏ですが、
http://www.yentownfools.com/yentownfools/top.html

インプロとの出会いは、かれこれ25年前にさかのぼり、
そのクラウンの勉強の一環としてワークショップに行ったことだったそうです。


その頃のことを振り返りながら、イリさんから見た、
インプロの魅力を伺ってみました。

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インプロジャパン(IJ):
はじめに、インプロを始めた頃のことを聞かせていただけますか?


イリ:
'92か'93年頃かな。
当時、教わっていたクラウンの先生が外国人で、
「知り合いがインプロのワークショップをやるから」と勧めてくれ、
クラウンに活かそうと、勉強の一環で、やってみたのが最初でした。
そのワークショップに参加した人達は、多くがクラウンでしたね。


その時インプロを習っていた先生が、
後に、ナオミ(池上奈生美)達と一緒に「がらくたエキサイトシアター」という
インプログループを作ったマイケル・ネイシュタットです。

IJ:
「がらくたエキサイトシアター」!!

海外遠征でアメリカで観客投票による最高賞をもらったり、
当時は月に2回、六本木でショーをやっていましたね。
懐かしいです。


その時のメンバーだったマイケルさんが、
イリさんとインプロを繋いだ最初の人だったのですね!


初めてインプロをやってみて、いかがでしたか?


イリ:
やってて、楽しかったですねー!!
やればやるだけ楽しかった。


何が楽しいって、自分の考えをストレートに出せる。
なぜなら、「受け入れ合う」「失敗はない」という土壌があるので、
セーブする瞬間なく、そういう行動に繋がっていたんでしょうね。


クラウンも、ライブでお客様にお見せし、表現に対する反応が直接あるこ
とが魅力の一つですが、インプロは、その場で創って、その場で表現して、
お客様から反応をもらう、、恐るべき見世物だなと、惹きつけられました。


IJ:
そこから、インプロにはまっていったのですね。


イリ:
しばらくは、マイケルにインプロを習いながら、
少しして、日本にオーストラリアから、インプロの先生「リンピアス氏」が
やっ てくるという話を聞き、マイケルをはじめ、7,8人のクラウンの仲間達と一緒に、
そのワークショップに行ってみることにしました。


そこで、ナオミをはじめ、今、各インプロ団体の代表で活躍している
吉田敦氏や今井純氏、絹川友梨氏達に、出会ったんですよ。


IJ:
そのワークショップが、今の日本のインプロ界の礎となっていますよね。


ここで、イリさんから見た、「インプロの面白さ」を聞かせていただけますか?


イリ:
やはり、受け入れているからこそ、自分がそれまでに考えたことないことへ
突き動かされていく感じかな。
受け入れてない時は、頭を使っているんですよ。
こうしてやろうとか、やらされてるとか・・・。
そうではなくて、
あれこれ考えず、感覚的に受け入れ合ってインプロができた時、
爽快感や充実感を感じますね。


自分にとって、「受け入れる」というのは、
相手が何かしら出してきたら、
まずは、その瞬間は自分のアイデアを捨て、ゼロにする。
そうすると「こうきたか」「こうくるか」を楽しめて、
それが心地良いです。
アイデアに乗っかったり出したりして、その流れに委ねていくうちに、
誰も予想しない結末を迎えた時、
「ほほ~、こんなところに来ましたかぁ~」と。
それがたまらないですね。


それに、さっき、自分のアイデアを捨てて、ゼロにすると言いましたけど、
完全になくなっているわけではないんですよね。
自分のどこか片隅には残っている。
シーンが進む中で、突然、それが繋がる時が出てきたりして、、
リンクされる瞬間がふと湧いてくるのも面白いですね。


IJ:
25年のインプロ歴という事ですが、パフォーマーとして、
変化してきていることはありますか?


イリ:
若い頃は、「笑かしたい」「奇抜なアイデアを見せたい」「面白い俺を見ろ!」
という気持ちが少なからずあったと思います。
当時、「シアタースポーツTM(チーム対抗戦)」では、チーム優勝するより、
そのショーの中で一番ホットだったシーンに贈られる「モーメント・オブ・ザ マッチ」に
選ばれる方が嬉しかったですから(笑)。


でも、年を重ねてきて、「面白い」とかお客さんが楽しんでくれるというのは、
後からついてくるものだと思うようになってきて、
そういうことに縛られなくなってからは、ことさら、
舞台上でのその場その瞬間のメンバー同士のやり取りが、
楽しくなってきました。
ゆっくり、その空間を味わえるというか。
これも、インプロへの信頼や自信がそう思わせてくれているのかもしれないかな。


IJ:
なるほど。
その観点は、今、パフォーマーになる為に学んでいる人達にも参考になるかもし れませんね。


最後に、イリさんが思う「インプロ観る時の楽しみ方」を1つ教えてもらえますか?


イリ:
「人間観察」。
インプロは即興だから、演じているとはいえ、そのパフォーマーそのものが
見えてくるもの。

人はどう関わり、瞬間にどう判断し、どう反応するか。
予想がつかないだけに、生身の姿がさらされています。


お客さんから頂く様々なタイトルの状況下で、
それが見られるので、多角的にその人間を観察することが出来るというのも、
楽しみ方の一つになるんじゃないですかね。


次回の公演で、是非、「イリオカマサト」を観察してください。


IJ:
次回は、10月26日(木)@サラヴァ東京 で行われる「Impro Box」ですね。
http://www.nextimpro.com


じっくりと『観察』させていただきます。

有難うございました!

【受講生インタビュー55】~「インプロからみた母になる楽しみ」~

今月の受講生インタビューは、現在パフォーマンスコースを
レギュラー受講してくださっている、なおこと、潮田直子さんです。

現在、妊婦のなおさんは、週1回、
おなかの中にいる赤ちゃんと一緒に
大好きな仲間達とのインプロを楽しんでいます。


今回は、なおさんにとってのインプロについて、お話を伺ってみました。

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インプロジャパン(IJ):
お腹、大きくなってきましたね!
今、何ヶ月ですか?


なお(N):
6ヶ月になります。臨月まで続けますよ!


IJ:
妊婦になってのインプロ。
今までとの違いで、何か実感していることはありますか?


N:
明らかに違う感覚があります。


具体的には、直感が鋭くなった気がします。
妊婦は、動物的になるとか、聞いたことがありますけど、
インプロで出来上がるシーンでも、本能的に捉えられるようになっていて、
自由に発想が広がっている感覚があります。


あと、これは妊婦になっての自分自身の変化でもありますが、
受け入れる器が広がったと思います。

お腹の中に赤ちゃんがいること自体が、
一つの生命を受け入れている感覚なんです。
その感覚が、自然と色んな状況や変化を受け入れられるようになっています。


それに、妊婦になって母の意識が生まれているのか、
無意識の保守本能が芽生えて、自分にとっていい事を選択するようになり、
そのためにも、曖昧なことはなく、はっきりとモノを言うようになりました。
母親って、迷っていられない時が沢山あるのではないかと感じています。
その意識が、しっかりと伝えるようにさせているのかもしれません。
これは、日常生活でもインプロでのシーン作りでも。


IJ:
今までインプロをやってきたからこそ、
その違いにも感覚で捉えられているのかもしれませんね。


「臨月までインプロをやる!」と言ってくれた
なおさんとインプロとの出会いを教えてください。


N:
学生時代から演劇をやっていて、あるワークショップで知り合った友人の
インプロ発表会をインプロジャパンに観にきたことが、インプロとの出会いです。


その後、他の演劇講座でインプロは少しやったのですが、
社会人になって演劇からは離れました。
でも、インプロは社会人としてコミュニケーションを学ぶツールとしていいなと
どこかで思っていて、そこで、インプロジャパンの「コミュニケーション」に特化した
コースの1日集中クラスを受講しました。
ちなみに、主人とはそのクラスで出会いました。


IJ:
そうでした!
インプロが繋いだご縁でしたね。


そのクラス後、なおさんは、
パフォーマンスコースのベーシッククラスを受講されたのですね。


N:
はい、パフォーマンスすることが好きだったので。
それに、当時の自分は、自分自身をオープンにすることが恐くて、
インプロなら、そんな自分が変われるかなと思って、受けることにしました。


ただ、実は、始めたその頃は継続する気持ちになれなかったのです。
今あの頃のことを振り返ってみると、仕事が忙しかったこともありますが、
自分に対するネガティブな意識が影響していたと思います。


私、自分をジャッジしたり、ネガティブに捉えてしまうところがあって、
自分のアイデアを他の人と比べてしまい、
どこかコンプレックスを感じていたこともありました。


IJ:
それでも、やはりインプロを続けようと思ったのは、なぜですか?


N:
自分に批判的なことに、生きづらさというか、
自分自身が敵なので、自分より周りがスゴく見えてしまって、
そのままの自分と付き合っていることに限界を感じたのでしょうね。


ちょうど、その頃、インプロを知るきっかけになった友人の結婚式があったんです。

そこにいた彼女は、とってもオープンで、イキイキしていました。
式も彼女がやりたいと思っていることを実現していたり、
それに、式にはインプロジャパンの先生達や仲間達も来ていて、
一緒にインプロも見せてくれて、、
良い仲間に囲まれてインプロをしている彼女は、すごく楽しそうでした。


自分自身のことで悶々としていた私にとって、
あの結婚式での光景は、きっかけの一つだったと思います。


今考えると、自分自身を変化させることは怖くもあり、
でもその反面、自分をオープンにすることへの憧れもあった気がします。


IJ:
それからおよそ3年。継続受講ですね。
続けてきた理由は何だったのですか?


N:
パフォーマンスすることが好きという事もありますが、
やはり、仲間の存在が大きいです。


インプロって、心と心のぶつかり稽古みたいな感じ。


単なるコミュニケーションじゃなくて、
やることでその人が見えてきて、自然と深く関わっていける。

相手もさらけ出してくれるし、自分も出せる空間なので、
年齢や性別、仕事など関係なく、いい仲間になれます。
家族みたいな心地よさがあるんです。


クラスを重ねるごとに、新しいメンバーとの出会いもあって、
触れ合うたびに、違う刺激をし合える仲間が増えていって、
お互いに成長し合っていく様子を楽しめています。

だから、インプロって、人の魅力や可能性を広げてくれるツールだなって思います。


そんな仲間達との週1回のインプロが楽しくて、
妊娠した後も、インプロをやめる選択はありませんでした。
おかげさまでつわりもそれほどなかったので、
今のところ、1回しかお休みしていません(笑)。


IJ:
お友達の結婚式の時に憧れをもったことを、
なおさん自身も体験することになったのですね。


改めて、継続してきたことで、ご自身の変化をどう見ていますか?


N:
明るくなったと思います。
表面的ではなく、心から。


先程も話したように、以前は、自分をジャッジしたり、
悲観的に見てしまうところがあったのですが、インプロをやってきたことで、
そんな自分もひっくるめて、好きになりました。


結婚したことも、インプロが大きく影響します。
自分を受け入れられるようになったからこそ、
相手を受け入れられる心を持てるようになったと思います。
以前の自分だったら、結婚する関係づくりは難しかったかもしれません。


そういう意味では、人との付き合い方も変わってきていますね。
昔の友達とも、表面上の付き合いだけでなく、
ありのままの自分で、深く楽しい関係づくりができるようになりました。


IJ:
昨年は、一緒に成長し続けてきたその仲間達との初舞台、
「インプロ・ミニ・フェスティバル」では、見事チーム優勝を果たしましたね。
あの経験は、いかがでしたか?


N:
自分を本当に褒めてあげたいです!
「仲間を信じ抜くこと、仲間を大切にすること。」
それをやりきれた自信があります。


正直、本番の舞台上で、一瞬、袖にいる時に優勝を諦めそうになりました。
最後の2チームに残った最終ラウンド、点差があって、もういいかなと。

でも、その時、仲間を見て、この仲間達の良さを分かってもらいたい、
伝えたいという気持ちは諦められなかった。
その想い一心だけで臨んだ最後のシーンは、何も考えずに、
とにかく仲間と創るその空間を楽しめて、ワクワクできました。
その感覚は今でも忘れられません。


感受性が強い分、脆さもあって、ちょっとしたことでくじけそうになってしまう事もあるんですが、
ミニフェスをやりきれて、自分が強くなった実感があります。


IJ:
自分の中に強さを見つけることができた昨年の暮れ。
そして、年が明けて、なおさんのところに赤ちゃんがやってきたのですね。


N:
このタイミングなんだなと思いました。
自分にオファーが来て、それを受信した感じです(笑)。


IJ:
自分自身の変化を恐れていたなおさんが、
今では、「母になる」という大きな変化を迎えているのですね。


N:
不安ももちろんありますけど、とても楽しみです!


IJ:
具体的に、どんなことが楽しみですか?


N:
ベビー インプロ。
育児書とか読んでいると、
「赤ちゃんの反応をそのまま受けて、答えてあげる」って書いてあるんですけど、
それって、まさにインプロですよね。
発信がままならない赤ちゃんの発信をしっかりと見て、感じて、
受信し、イエスアンドで返してあげる。
育児の中で、リアルにインプロを活かしていくのが楽しみです。


あと、即興でお話を語ってあげたり、言葉がしゃべれるようになって、
一緒にインプロができるようになったら、親子でお話を作ったり。


「育児でインプロ」の体験なんかも、他の育児をしているお母さん達に
発信出来たら楽しそう。


IJ:
面白そうですね!


最後に、なおさんが思う「インプロ」って何ですか?


N:
インプロは「愛」ですね。

例え言葉にできなくても発信しているものはあって、
それを受け入れて、こちらも発信してあげられるって、
ものすごい愛情ですよね。


分からないことから逃げないこと。
インプロやってきて、それを知ることができました。
母として、育児にそれを活かしたいと思っています。


そして、次にパフォーマーとして戻ってきた時には、
その育児経験を活かすことも、今から楽しみです。

私にとって、インプロは一生涯続くので!


IJ:
小さな体から、インプロ愛がいっぱい溢れているなおさん。

「これからのなおさん」と「インプロ」も、とても楽しみにしています!
有難うございました。

【受講生インタビュー54】~「自分のオリジナリティを感じられるインプロ」~

今月の受講生インタビューは、現在パフォーマンスコースを
レギュラー受講してくださっている、なること今井成子さんです。

昨年、「インプロ・ミニ・フェスティバル(通称:ミニフェス)」でインプロ公演デビューを果たし、
先日の「インプロジャパンプロジェクト」でも、チャーミングなパフォーマンスを
存分に見せてくれたなるさんは、エネルギッシュなママさんインプロヴァイザー。

飲食店で働きながら、主婦として、母親としても、お忙しい毎日を送る中、
片道2時間もかかって、連日の稽古にいらっしゃるそのバイタリティの背景に、何があるのか。。。

インプロへの想いを伺ってみました。
==========================================
インプロジャパン(IJ):
はじめに、インプロをやってみようと思った理由を教えてください。

なる(N):
友達から「インプロ」の存在を聞いて、面白そうだなと思って、トライアルを受けたのが最初です。

40代に入ってから、この後の自分の人生をより豊かにする為に、
やりたい事に挑戦してみようと思うようになってて・・・
子どもの頃から表現への憧れがあったので、興味を持ったんだと思います。

IJ:
体験してみてどうでしたか?

N:
面白かったですね~。
特に、イエスアンドに魅力を感じました。

ちょうどその頃、ちょっと辛いことがあって悩んでいたんですけど、
否定するのではなく、肯定し合って創っていく「イエスアンド」の体験がとても嬉しかったです。

IJ:
それからもう4年以上インプロを続けていらっしゃいますね。

N:
そうですね。
中学生に入ったばかりだった子どもが、もう高校生ですから。

レギュラーでずっと続けてこられたのは、仲間のおかげです。
自分では大したことないと思っていることでも、仲間の言葉で勇気づけられたり、
一緒にクラスを上がってきた仲間の支えがあったからこそ、こうやって続けられていると思います。

中でも、ミニフェスでのチームメイトと出会えた縁は、とても大きかったです。

IJ:
ここで、そのミニフェスのお話を聞かせてください。
ミニフェス出演したことは、なるさんにとってどんな影響がありましたか?

N:
ミニフェスでは、「シアタースポーツ」というチーム対抗戦に出演しましたが、
チームで挑戦する事の為に、自分自身の課題にも向き合い、すごくいい経験になりました。

ひと言でいうと、「愛を知った」公演でしたね。

IJ:
詳しく聞かせてもらえますか?

N:
私達のチームは、「こんなパフォーマーでありたい」という想いを込めて、
本番までの間、いつもと違うニックネームを自分につけ、お互いその名前で呼び合うことになり、
私は、自分自身に「あいる」という名前を付けました。

以前、”愛に溢れる子”になって欲しいという想いを込めて子どもに「あいる」とつけた人の話を聞いたことがあり、
「愛に溢れる」自分をイメージしてつけたんです。

でも、本番終わって感じた事は、「あいる」は”愛を知る”という意味だったという事です。

稽古、本当に厳しかったです。
でも、そこには、演出家からの「父親的な愛」を感じました。

表現することに憧れていた話を最初にしましたが、それはそういう職業につかないと、素人がやるのは難しいと思っていました。
でも、「インプロの舞台に出る」と決めた私達を信じてくれて、たとえ素人であっても、お客様の期待に応えられるよう真剣に指導してくれて、結果、表現できる舞台と出会うことができました。


それから、チームメイトの姿勢からも色々なことを学び、愛を知りました。

一緒にやっている仲間が、課題に対して一生懸命努力して、本番で凄いパフォーマンスする姿を
目の当たりにして、「努力すれば報われる」って心から思えるようになって、人は成長するんだって、
諦めるのではなく、期待を持つことができるようになったし。

あと、「許す」ということを覚えました。
ある時、私が迷惑をかけたことがあったんですが、チームメイトは私を許してくれたんです。
すごく救われた気持ちになりました。
その時、メンバーが「そんなこともあるよね~って、互いのダメなことも愛すのもいいんじゃない」と言ってくれて…
この出来事のおかげで、自分自身が変わるきっかけになった気がしています。
それからは「許す」方向に考えることで、怒るエネルギーやイライラすることが少なくなったと思います。

IJ:
本番だけでなく、それまでの過程も含めて、全てが「愛を知る」機会となったのですね。
真剣に取り組んだからこそですね、きっと。

なるさんにとって、インプロとは何ですか?


N:
生きている証を感じられるもの。


台本がないインプロは、パフォーマンスする自分がいるから、そこに物語ができるわけで、
そこで、オリジナルな自分を感じることができるので、言ってみれば、
自分の存在価値を感じられる場だなぁって思います。


IJ:
自分のオリジナリティを感じられる。
ステキな表現ですね!


さて、これからの夢ややってみたいことはありますか?


N:
健康寿命を延ばしたいから、できるだけ長くインプロをやりたいですね。
年を取っても舞台に立ち続ける事!

インプロのおかげで、まだまだ自分はやれると思えるようになったし、
それに、インプロやっていると一瞬の判断の連続が脳トレにもなって、
ボケ防止にもなるし、健康で長生きする為にも、インプロをやり続けたいと思います。


IJ:
エネルギッシュななるさんのパフォーマンスをこれからも楽しみにしています!
有難うございました。


N:
こうして、自分とインプロについてお話させてもらって、
私はとっても有意義な人生を送っているなぁ~と、振り返ることができました。
こちらこそ、有難うございました!

【IJP2017インタビュー】~「ありのままの可能性」~

今月のインタビューは、インプロジャパン公認講師でもあり、
パフォーマーとして活躍している”カヨ”こと峰松佳代です。

普段、インプロジャパン主催のクラスで、小学生から成人まで指導し、
学校や企業での研修講師もしています。

7月に行われるインプロ公演「IMPROJAPAN PROJECT 2017」には、

毎月指導しているミュージカル団体SAC(※)のメンバー達が出演します。
http://www.improjapan.co.jp/ijp2017/#sac

今回のインタビューでは、普段、SACのメンバーと接している中で、
感じていることを聞いてみました。


※SACとは…
都内にある特別支援学校の表現活動部の卒業生達によって結成された団体。
インプロは2003年から「コミュニケーション力向上」「心の解放」
「発想力を身につける」等を目的としてスタート。
以来、14年にわたり、月1回、インプロのトレーニングを行っている。
9月には、世田谷シアタートラムにて、ミュージカル公演が控えている。
http://sac-musical.com/

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インプロジャパン(IJ):
もともと子役であり、舞台や映像で活躍していたカヨですが、
インプロジャパンに入ったきっかけは、自分が演じることではなく、
演劇を通じて、子どもたちに教えたいということでしたね?

カヨ(K):
はい。
それも、演劇に興味がある子や子役ではなく、
一般の子ども達に…です。


大学も演劇系に行ったのですが、たまたま教職をとり、
中学校に教育実習に行く機会がありました。
そこで初めて、演劇に関係ない子ども達と出会いました。
まだ「不登校問題」が存在しない時代でしたが、
「学校、つまんない」と話してくる生徒達が何人もいて、衝撃を受けました。


子どもの「つまんない」という悲しい言葉って、切ないですよね。
その時初めて、「何とかしてあげたい」・・って、考えるようになりました。


IJ:
「演劇」を活かしたいと思ったのはなぜですか?


K:
私も、もちろん、人並みに、思春期には、人間関係で悩むこともありましたが、
その辛い思いの何十倍も笑って、自分の羽根を大きく広げて、過ごしていた気がします。
それは、子どもの頃、「演劇」を経験してきたことが、大きな影響を与えてくれたんだと思うのです。
「自分」という人格形成の上で。

委縮することなく、色んなことを感じ、表現し、集団の中にいる自分を楽しんでいる・・
これは、「演劇」で自由に自分を表現させることで培ったものだなって。

その後、芝居の道に進みながらも、
「演劇で、子ども達の羽根を広げてあげたい」
その想いは、ずっとどこか忘れられずにありました。


IJ:
そんな思いで2004年からインプロジャパンでインプロを学び、
徐々に指導する側になっていき、今では子どもから大人までたくさんのクラスを受け持っていますね。


SACについては、2008年からということですが、
ダウン症や知的障害のある方々にインプロを指導するのは初めてだったと思います。
指導している時に、気をつけていることはありますか?


K:
みんながエネルギーを出しやすい場作りを意識しています。
その為に、まず講師である私自身がエネルギーを出して、みんなを巻き込むようにしています。


IJ:
メンバーたちのインプロの特徴はありますか?


K:
人に対して「こうしてほしい」がなく、全てをありのままに受け入れていることでしょうか。
それは、私自身、皆から学んだことでもあります。


できあがったストーリーに対しても、「こうしたかった」という人はおらず、
どんな世界になっても「こんな世界もありだよね。」と、面白がっているんです。
だからと言って、自分がやりたいことを我慢することもなく、今生まれている世界の中で、
やりたいことをやっています。

それに、どんな世界になってもやりたいことをやれているので、
自分ができない事にフォーカスすることがないのです。


IJ:
10年以上指導しているわけですが、皆さんのインプロは変化しましたか?


K:
以前は、いいお話を作るために私が手助けをしていました。
でも、最近は自分が関わらない方が、ずっと面白くなると思っています。
ですから、今は、皆がやっていて、迷子にならないように、
出来る限り、皆がやりたいことを優先するようにしています。


IJ:
では、インプロ以外で感じる皆さんの成長は、どんなところですか?


K:
成長というより、私から皆への発見の方が多い気がします。
それこそ、私自身、皆から学んだことですが、
皆の「ありのまま」の凄さを楽しませてもらっています。


変化という意味では、仲間と一緒に創る楽しさの実体験が増えてきて、
前は、自分がやりたいことだけを優先していたメンバーが、
みんなと一緒に作る世界の中でやりたいことを見つけたり、
仲間に対して賞賛する姿が見えるようになりました。


また、視野が広がったなと感じるメンバーもいます。
男性メンバーの中に、「電車」がとても好きなメンバーがいるのですが、
以前は、どんな場面でも車掌役で入ってきていました。
例え、そこが海底であっても、宇宙であっても・・
ただ、インプロで物語の世界が作られていく過程の中にいることで、
少しずつ、皆と一緒に創った世界に興味を持つようになり、
その世界に、いそうな役を想像していくようになりました。
今では、「車掌役」が年に1、2度しか、見れなくなり、
こないだは、私のほうがリクエストして、久々に見ることができました!(笑)


他にも、「職場が辛かったけど、インプロやってから、楽しくなったんだよ」と
休憩中に、笑顔で嬉しそうに話してくれるメンバーもいます。


IJ:
そんなメンバーたちと関わって、カヨ自身が変わったと思うことはなんですか?


K:
彼らと関わることで「可能性」という言葉の意味が変わっていきました。
それまでは、目の前の人がこれから変化していくであろう「成長」に対して
人の可能性を感じていましたが、SACのメンバーを見ていると、
そのまま、ありのままの「存在」にすでに多くの可能性があるんだと、教えられます。

彼らは特別支援学校出身者で、社会の側から見ると支援が必要な人達になります。
でも、彼ら側から社会を見ると、支援など無くても一人ひとりの魅力をそのまま活かせる道が必ずあるはずです。
私自身は、彼らに対して「障がい」を感じたことがないので、
今ある魅力をYes andした社会づくりをしていきたいと思っています。


IJ:
カヨのパフォーマンスも変化しましたか?


K:
こだわりがなくなりました。
以前は、自分の想定外のアイデアが飛び込んでくると、
心の中で「なぜ、そっち?!」と突っ込んでいましたが、
今は、本心で「そういうことね!」と受け入れられるようになりました。


IJ:
そんな皆さんのインプロ公演が7月2日にありますが、お客様に何を楽しんでもらいたいですか?


K:
今回13名出演しますが、一人ひとり魅力が違うので、是非、全てを見逃さないでほしいです。
彼らには、どんな瞬間にも、関わり方に優劣がありません。
それも、私が皆から学んだことです。

そこに生まれる空気を心の底から楽しみ、自由に表現し合っています。
「助ける」「助けられる」
「フォローする」「フォローされる」
と、思ってインプロをやっているのではなく、
『皆と居ることを楽しんでいる』
ただそれだけで、カラフルな色が混じり合った1つの物語が出来上がります。


そんな姿から出来上がる世界を、一緒に楽しんでいただきたいです。


IJ:
早くSACの公演が観たくなりました!

さて、そんなカヨも今回7月1日に出演するのですよね?
最後に、パフォーマー峰松佳代として、7月1日の宣伝もお願いします。


K:
はい。
「impro × life -women's time- 」。
 女性達だけで、ロングフォームという長編の即興ドラマをお届けします。

今回のスタイルでは、『選択』から生まれる2つの未来をご覧いただきます。
舞台上で生まれ、遭遇する出来事や関わりに対して、
我々が、瞬間瞬間、どんなふうに心を動かし、未来を紡いでいくのか、
お客様にも、リアルタイムで、心を動かしてもらえたらと思います。

そして、その未来の先には、何が待ち構えているのか。
是非、一緒に、プーク人形劇場で、その時を迎えましょう!


お待ちしております!!


IJ:
2度と観ることができないお芝居ですね。
是非、たくさんのお客様に観ていただきたいですね。

【受講生インタビュー53】~「最強のチーム作りができるインプロ」~

今月の受講生インタビューは、現在パフォーマンスコースを
レギュラー受講してくださっている、くろちゃんこと黒川 智さんです。

普段、一般企業で人事のお仕事をされている黒川さんは、
毎週土曜日は、朝から夕方まで、インプロライフを満喫されています。

初インプロは、2012年1月。
その出会いは、衝撃だったようで、今でも鮮明に覚えていらっしゃるそうです。

それから、5年。
昨年は初の舞台出演も体験し、インプロをこよなく愛する‟くろちゃん”さんに、その魅力を伺ってみました。
=========================================
インプロジャパン(IJ):
はじめに、インプロを始めたきっかけを教えてもらえますか?

くろちゃん(K):
当時勤めていた会社の先輩に、
「面白いセミナーがあって、ちょうどNO残業ディの水曜日開講だから、
行ってみたら?仕事上でも役立つと思うし。」と勧められて。
尊敬している先輩が、毎週楽しそうに行っていたので、
何の前情報もなかったですが、良いセミナーなのだろうと思い、
8回コースの「ベーシッククラス」を申し込み、やってきました。


IJ:
普通に授業を受けるセミナーだと思って、やっていらしたのですね。
では、驚いたでしょう。


K:
はい。それはもう(笑)。
先輩には、ニックネームだけ考えて行ったらいいよと言われていましたが、
セミナーだとばかり思っていたので、扉を開けた瞬間、??と思いました。
想像していたのと違うといいうか・・
机は並んでいないし、「あれ?」って。一種の騙された感(笑)。
それでも、まぁ、そういうところなのかなと思って、

スーツのまま、ノートとペンを持って会場の中に入っていくと、
ラフな格好をした他の受講生の方がいて、その人に、
「その格好でやるんですか?」と不思議がられて・・
今思うと、そうですよね(笑)


徐々に、状況が見えてきて、
とりあえず、セミナーだと思うのはやめようと思い、
周りの人々に合わせて、ネクタイだけ外して、開始時間を待ちました。


IJ:
座学でのセミナーだと思っていたところから一転、
実際、ワークを受けてみて、いかがでしたか?


K:
楽しかったですね~。
日常生活で考えたことややったことない事ばかりで。
いい意味で、「なんだこりゃ~???!!!」って感じ。

例えて言うと、子どもが初めて何かと出会ってはまる感じ。
「こんな面白いものがあったのか??」と思いました。


IJ:
それから、ほぼ5年。
ずっと続けてくださっていますね。

ご継続されてきた中で、ご自身で気づいている変化があれば、
教えていただけますか?


K:
まずは、先への不安・恐怖心が減った気がします。
「ここまでやってきたんだから、何とかなる」と強い気持ちが生まれて、
楽になりました。


以前は、「こうあらねば」、とか「こうすべき」に縛られていたのかも
しれませんが、今は、どんな場面においても、
軸(大切なことへのフォーカス)をぶらさずに持ちつつ、
流れに任せて、対応できているんじゃないかな。


IJ:
具体的に表れていることはありますか?


K:
例えば、小さなことで言うと、雑談に乗ったり、振るようになりました。
以前は、どこか知らない話題になることを無意識に避けていたんじゃないかな。
今は、分からない内容になっても、楽しめると分かっているので、
積極的になったんだと思います。


それに繋がるんですが、人からの要望やリクエストに対しても、
前向きに捉えられるようになりました。
というのも、恐らく、以前の自分は、どこかに自分にとっての安全範囲のライン
を引いていて、知っていることだけで処理したいというところがあったんだと思います。
でも、インプロを始めてから、知らないことに派生しても、
逆に、何かが生まれるのかもしれないと思い、楽しめるようになっています。

昨年、転職しましたが、これもインプロの影響かもしれませんね。
「自分ができていることはこのくらい」と自分の力量を決めつけて、
想定の範囲内でしか働くことを考えていませんでした。
失敗が恐かったのかもしれません。


それが、インプロのおかげで、想定できない先のことであっても、
やってみたい想いに忠実に、まず飛び込んでみることができました。

「やってみないと何も生まれない」
インプロが教えてくれたことですね。


あ、あと、インプロやっててよかったなと思う変化は、子どもとの会話。
まだ幼い娘がいるんですが、娘に時々、
「パパ、何かお話して」と言われることがあるんです。

昔の自分だったら、「パパ、お話はできないなぁ~」って、
さりげなくスルーしていたんじゃないかなと。
今は、子どもの名前を登場させてオリジナル物語を語ってあげると、
すごく喜んでくれます。
これは、正しくインプロのおかげですね(笑)


IJ:
ステキなパパ!


想定外を楽しむようになったことで、リクエストに前向きになれたり、
関わり力も強くなっていらっしゃるのですね。


くろちゃんにとって、「インプロ」は何ですか?


K:
インプロは、大人になって見つけた遊び。
「一度味わうと止められない」楽しさがありますね。

大人になると、仕事以外で知り合い、仲間になる事ってあまりないですよね。
でも、ここでは、年代も仕事も個々の背景も全く違う人々が集まっていて、
即興で関わり合いながら一緒に創り上げている面白さ、
うまくいった時の達成感を味わえる。
これはやめられませんよ(笑)。


今でも初めてインプロを体験した時のことを、よく覚えてて、
あるゲームで、体の形を使って、宇宙の様子を表現したんですけど、
大人になって、普段生活をしていて、そんなこと、考えないじゃないですか。
想定していなかったこと、今まで想像したことないことをやることが、
とにかく面白かったです。


IJ:
大人になって見つけた遊び。
いいですね。


くろちゃんが思うインプロの面白さは、どんなところでしょう?


K:
例えば、パズルやクイズを解く知恵を使う感覚と
身体や心を動かす感覚的を両立させているところかな。

感覚的に即興で表現するだけでなく、そこで皆から生まれてきたアイデア達を
活かしながら、ストーリーを紡ぎ、組み立てていくインプロが面白くて、好きです。


数学には既に答えがあって、証明したり公式を解いたりすることができます。
それも面白くて好きなんですけど、
「インプロ」には、事前に答えがないからこそ、
「皆が感覚的に生み出したものから、知恵を使って一緒に答えを創っていく」
僕としては、そんな風にインプロを捉えていて、そこが面白さだと思っています。


IJ:
なるほど~。
「ストーリーを創る面白さ」は、インプロならではの楽しみ方の一つですね。


ここで、改めて、くろちゃんが考える「インプロの魅力」を聞かせてもらえますか?


K:
どんなエンディングになるか分からないけど、
皆で土台を創り、そして、そこに展開が起き、
誰も知らなかったエンディングを皆で生み出す。

そのストーリー作りが、僕がインプロの好きなところです。


昨年、初めてインプロの舞台を経験させてもらい、
そこでは、インプロを勧めてくれた尊敬する先輩と一緒にチームを組み、本番に臨みました。
普段はサラリーマンをしている自分にとって、
この真剣に舞台を創る体験は本当に貴重でした。


何より、このショーを通じて、感じたことは、
「チームは上下関係ではなく、それぞれが対等な立場で受け入れ合い、
助け合うからこそ、思いもよらないものをみんなで創ることができる」
ということ。

一人では考えつかない物語を創ったり、
予定調和でないオリジナリティ溢れる作品ができたり、
一人では起こせない奇跡を起こせるのは、
関わる皆が対等に「イエスアンド」で結集する力がなせるものであって、
そこがインプロの最大の魅力ですね。

仕事柄、組織についてよく考えるのですが、
これは、インプロだけでなく、
会社でも、大切なことだと、今、強く感じています。


会社では、もちろん役職や上下関係があり、
決断・管理という面では、必要なことではありますが、
それ以外の場面では、それぞれの立場で対等に、
感じること・考えることを受け入れ合うことで、
常に新しいものを生み出し、成長する組織こそ、
理想だと思います。


IJ:
くろちゃんのお話を伺っていて、
私達の生活も、ストーリーづくりだなぁと改めて思いました。


これからも、くろちゃんが色々な人達と創り出すストーリーを楽しみにしています!

また、インプロを活かした組織づくりにも、ぜひ挑戦してください。

有難うございました。

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