今回の受講生インタビューは、今年の冬までインプロジャパンスタジオに通い、現在は、仙台にお住まいのシャーロンこと、酒井由美さんです。 酒井さんは、今春、ご実家のある仙台にお戻りになられた直後、あの震災に遭われました。 現在は、大学事務のアルバイトをしながら、 震災ボランティアの活動を続けていらっしゃいます。8/7(日)に、仙台で開催するワークショップ「Impro for smile」 実施のきっかけをつくってくれた彼女に、インプロについて、 お話を聞いてみました。

Q1.まずは、インプロをはじめたきっかけを教えてください。

A1.中学・高校と演劇部に所属しており、社会人になってまたお芝居を やりたくなったのですが、忙しい稽古に通い続けられるか不安でした。 そこで単発のワークショップを探していたところ、インプロジャパンのHPに たどり着き、週1回なら細く長く続けられるのでは、と思い、 スタートしたことがきっかけです。

Q2.インプロと出会って2年半。インプロの一番の魅力は何ですか?

A1.老若男女あんなに笑い合えるのはインプロくらいだと思います。その笑いの質も、笑わせよう笑わせようというものではなく、友達の面白い話や 行動に思わず笑ってしまった時のような、自然であたたかな笑いなのが魅力だと思います。 笑いだけでなく、泣けるインプロも同じです。自然に心を動かされます。

Q3.今回の震災の前と後で、酒井さんの心の中に生まれた変化はありますか? もしあれば、それはどのようなことですか。

A3.「お金や物より心が大事」ということが一番大きいと思います。 どんなにお金があっても、お店が開いてなければ物は買えないし、どんなに豪華な物を溜め込んでいても、津波が来ればすべて失われます。でも、人の心は決してなくなりません。何もなくなった時に人に優しくできるかどうかで、その時の辛さは驚くほど大きく変わります。東京方面に住んでいらっしゃる方も、今後に備えて震災対策をとられているかと思いますが、普段から周りの人に優しくするということも一つの震災対策だと思います。人は急に優しくはなれません。震災直後だけなら何とかなるかもしれませんが、実際に地震が来ると、津波が来なくとも1ヶ月は何かと不自由します。 長い間心を強く持ち続け、優しさを保ち続けることは難しいものです。そういう意味では、インプロで「心を鍛える」ことも立派な震災対策だと思っています。

Q4.今回、震災直後から、「落ち着いたら、いづれ仙台でインプロをやりたい」とお話されていましたが、その理由を教えてください。また、今回実施されるインプロワークショップに、どのようなことを期待しますか?

A4.ライフラインや生活必需品の供給が止まると精神的な負担が大きいのですが、そんな中でも仙台の子ども達がピアノ弾いたり鬼ごっこしたり、どんな状況でも楽しく遊ぼうとするのを見て、そのパワーに癒され、大人にも遊び心って必要だなぁと強く思ったためです。また、インプロジャパンに通っているメンバーからもたくさん励ましのメールなどをいただいたこともあり、自然とインプロがやりたくなりました。 ただ、その一方で、震災直後はあまりにもショックが大きく、インプロで自由に思いついたことを表現するのが、少し怖くもありました。何をやっても地震や津波を連想してしまいそうな気がしていました。ですが、4月に新幹線が復旧し、インプロジャパンに行った時に、オープンクラスで一緒だったメンバーや、ワンコインの出演者達のポジティブなパワーに引っ張ってもらえ、またインプロの楽しさを実感することができました。あの時のメンバー、そして、これまで一緒にインプロをやってくれたすべての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。ワークショップでは楽しいシーンをたくさん作ってとにかく笑いたいし、参加者の方にも笑ってリラックスできる時間を過ごして欲しいと思います。そして、できれば一人でも多くの人に、インプロを好きになってもらいたいと思います。

Q5.今後の酒井さんの夢を教えてください。

A5. 1.被害を受けた地域の一日も早い復興。「えらい人がやること」ではなく、自分の問題・夢としてとらえ、なるべくできることをしたいと思っています。 2.自分のためだけではなく、人のために仕事をすること。その手段を早く見つけたいです! 3.仙台でインプロチームを立ち上げ、ミニフェスかTIFのシアタースポーツに 出場すること。目指すは優勝です♪ (※ミニフェス:インプロジャパンが主催する受講生によるインプロフェスティバル。TIF:世界のインプロヴァイザーが東京に集まり行われるインプロフェスティバル