今回の受講生インタビューは、インプロジャパン・パフォーマンスコースに通っている、
あやこと、白井文さんです。

普段は音響機器のエンジニアである白井さんですが、週末は、公演に出演したり、
クラスで講師のアシスタントを務めたりと、インプロでも大活躍です。


今回は、彼女にとってのインプロについて、お話を伺ってみました。

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Q1.インプロを始めたきっかけを教えてください。
A1.
私は、エンジニアの仕事をしていますが、 人を楽しませるという意味で、
お芝居に興味が湧き、趣味で社会人劇団に入り、そこでインプロを知りました。
初めは、劇団のトレーニングとして始めたのですが、今は、インプロだけを続けています。


Q2.なぜ、インプロは続いているのでしょう?
あやさんにとって、インプロの魅力って何ですか?
A2.
創るものが毎回新鮮で、飽きないのが、続いている理由の一つにあります。

あと、普段味わえない感覚をインプロですることがあります。


2010年の東京インプロフェスティバルに出た時のことですが、
舞台上にいて、共演者、お客さんの反応、出来上がっている物語を
自分のアンテナが、全て察知している感覚を体験したんです。


『目の前のことに集中しながらも、俯瞰して、全てを把握できている』
インプロで、自分が開いている時、そういった感覚を得ることができます。
それって、日常生活では、なかなか味わえないですよね。


インプロの魅力・・始めたころに比べて、どんどん変わってきている気がします。


今は、人間の飾らない純粋な面白さを感じられることだと思っています。
台本がないので、一番自然で素直な反応が見られるんです。
意外な発想や反応に、「この人、こんなところがあるんだ~」
と思ったりすることもあり、自然と人の“いいところ”が発見でき、面白いです。


話していて思ったんですが、私はモノづくりをしていて、普段は物と向き合っています。
「対人間の仕事は面倒だし、物理は嘘をつかない」
そんな気持ちがあったりしたんですが、結局、人と触れ合えないストレスってあるんですね。
そこらへんの発散をインプロでしているのだと思います。
自分の中に、「人と触れ合いたい欲求」があったことに気づき、
そしてそれが深い意味で叶っていることが、インプロを続けている理由の1つかもしれませんね。


Q3.インプロの魅力が変わってきているとのことですが、ご自身の変化について、何か感じていますか?
A3.
一見別々に見える状況の中から、「つながり」を発見できるようになりました。
以前は、仕事は仕事、プライベートはプライベート・・というように、
「それはそれ」と考えるタイプだったんですが、今は、身の回りの出来事や人の言葉が
その場その場で終わらず、色々な場面で結びつくようになってきました。

「つながり」に気づけるようになったことで、その奥の意味を感じ取れるようになったと思います。


例えば、先日、会社で上司が新年度に向けてのビジョンを語ったのですが、
それまでは、上司の話は一面でしか捉えていなかったので、
仕事の指示としてしか聞けていなかったと思います。
でも、今は、その話が自分が他で感じ取ったこととリンクしてくるので、
能動的に聞けるようになっていて、上司が言わんとしていることがより深く理解できるようになって、
自分自身もそこに興味が持てるようになってきたんです。


これも、インプロを習っていることで、気づいたことが他と繋がっていて、
影響を与えていることを実体験したからそのように考えられるようになったのだと思います。


それに、エンジニアの仕事とインプロについても、別物だと思っていましたが、
今では、とてもリンクしています。

エンジニアもつくる作業だけでなく、『物』の向こうに使ってくださるお客様が
いて、その方に喜んでもらいたい。
インプロも、観てくださる方々を楽しませたい。

どちらも、その向こうに人がいて、その人達を喜ばせたいという自分の想いがあります。
どちらの魅力も、自分の想いを介して繋がっているんです。


Q4.繋がることで、気づきも深くなってきたんですね。
   その他にもありますか?
A4.
より内面の自分と向き合う時間を取るようになりましたね。


コミュニケーションに困っていたり、そこに課題を持って始めたわけではなく、
ただ、パフォーマンスすることがやりたかったので、
始めた当初は、クラスでやったゲームが何だったか、
ということに意識があり、それを書き留めていましたが、
今は、インプロでその時自分が感じたことを残すようになりました。


Q5.コミュニケーションに困っているわけではないのに、
なぜ、ご自身と向き合うようになったんですか?
A5.
インプロは、その人の飾らない一番素直な姿が見られます。
逆に、それが出ないと、面白くないんです。
私自身、インプロをしていると、一番素直な姿が出てきます。
だから、自然と向き合うようになったんだと思います。


Q6.最後に、インプロで、今後の自分に期待したいことはありますか?
A6.
イメージしたことを具体的に出せるようになりたいです。


変な言い方ですが、インプロやって、表現が下手になったんです(笑)

それは、表現力が低下したのではないです。


以前の自分は、思考で捉え、それを表現する。というタイプでした。
つまり、自分の中の辞書にある言葉、概念だけで理解をし、
それを表現をしていました。

でも、今は、辞書にないものも捉えられるようになりました。
五感で感じ取るようになり、今まで以上に捉える幅が広がったんです。
けれど、それを表現する言葉は自分の中の辞書にないので、
どう表現したらいいのか困るんです。


今後は、自分がキャッチしたことあらゆることを、明確にしていく表現方法を身につけていきたいです。

-----インタビュー後のあやさんの言葉-------------


あ、右脳を使うようになったってことですね。
だから、チョコレートを欲するようになったんだ。
私、インプロやる前は、甘いもの好きじゃなかったんですけど、
これも、インプロやっての変化ですね(笑)