今回の受講生インタビューは、インプロジャパン・パフォーマンスコースを
ご受講中のマキこと、石巻遥菜さんです。

演劇を専攻する大学4年生のマキさんがインプロを始めたのは、
高校3年生の秋。
それから、4年。
先月、初めて「インプロ・ミニ・フェスティバル」に出演し、
チーム対抗戦のシアタースポーツで、見事優勝を果たしました。

来春には、いよいよ社会人として歩み出すマキさん。
今回は、学生生活をインプロと共に過ごしてきたマキさんに、
ご自身を振り返ってもらいました。
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インプロジャパン(IJ):
初めてワークショップを受講してくれたのは、高校3年生の受験前でしたね。

マキさん(M):
はい。
演劇系の大学への進学を考えていて、
志望校の受験項目に「インプロヴィゼーション」って書いてあったんです。

「それが何だろう?」とネットで検索したら、
インプロジャパンのワークショップが出てきて、
受けてみようかなと思ったのが最初でした。

IJ:
初めて、ベーシッククラスを受講した時の感想を聞かせてください。

M:
何でもやっていい遊び場みたいな感じがあって、楽しかったです。

今、考えると、まだ高校生だったから、自分の範囲の中での自由で、
既存(自分が知っている世界)での物語だったけど、
それでも、演劇をやりたかった自分にとって、
自由に自分じゃない人になって、芝居っぽいことができることが
すごく楽しかったです。
おままごとの延長みたいで。

IJ:
そもそも、演劇をやりたいと思ったきっかけは何だったんですか?

M:
中学3年の時、初めて演劇の舞台を観て。
内容が面白かったというより、舞台上で役者同士がぶつかって、
それが客席にもこぼれ落ちている感じで、その人達を見て、
「生きてる!」って思いました。
やりたいことやらないと、そういうパワーは出てこないなって。

その頃の自分は、引っ込み思案で、やりたいことをやるというより、
やるべきことをやっていて、それだけでただ安全に生きていられたけど、
その舞台を見た時、その人達に憧れたんだと思います。

「しなくちゃいけない」は、パワーないけど、
「やりたい」は、パワーがあって輝いている。
そう意味で、インプロはそれぞれが自分を解放して、
やりたいことができる場ですね。

IJ:
となると、やはり、「自分がやりたいことができる」ことが、
インプロの楽しいところですか?

M:
始めた当初は、そうでしたけど、今の楽しさはちょっと違います。
「自分がやりたい」と思うことは、周りの刺激があって
生まれてきているものだと思うようになりました。
自分だけでなく、皆の「やりたい」が掛け算して、
それぞれの想いが一つになるのが楽しいです。

IJ:
そうなんですね。
ここで、マキさんが考える「インプロの魅力」を教えてもらえますか?

M:
まずは、「イエスアンド」。
相手から出たものを受け取って、それを膨らまして、その場に返す。
その繰り返しで、その場でつくっている「生」感が好きです。
それがなかったら、インプロの意味がないと思う。

初めて、スタジオでインプロのショーを見た時、
あるプレイヤーがそこで生まれたもの、出てきたものをすべて拾って、
膨らましているのを見て、すさまじく面白くて、勢いを感じました。

そのイエスアンドのおかげで、プレイヤー同士が繋がって、
パワーが湧いてくるんだなと思いました。

もう一つの魅力は、インプロを始めてから、色んなことを「ギフト」と
思えるようになったこと。
自分に訪れるもの、投げかけられているものは、全て安全でワクワクする
「ギフト」だなと思います。
それなのに、折角出てきたものを拾えなくて、消えていっちゃうのは、
ギフトが無駄になったみたいで、とても悲しいですよね。

IJ:
「いろんなことをギフトと思えるようになった」って素敵ですね。
 そのことで、自分が成長したなと思うことはありますか?

M:
何気なく見てきたことをギフトだって思うと、
「チャンス」を見つけられるようになりました。
たとえ「リスク」も「チャンス」だって。

だから、何に対しても積極的に行動を起こすようになりました。
以前は、新しいことや未知に対して、不安が先行して、
やらなかったりしたけど、今は、やりたいと思ったら、
知らない人ばかりのところでも飛び込んでいけるようになりました。
折角そう思ったのだから、やってみようって。

「イエス」すると、世界が広がって、人との関わりが生まれますね。
例えば、人と出会う機会も増え、
そこで舞台出演の声を掛けてもらえるようになったりもして。


未知なことでも、楽しい絵面を想像できるようになったから、
色々なことをポジティブに捉えられるようになりましたね。

IJ:
積極的に行動するといえば、先月は、初めて、
「インプロ・ミニ・フェスティバル」に挑戦しましたね!
見事、チーム優勝をしましたが、その体験を通じて、
どんなことを得ましたか?

M:
今でも、一番思い出す瞬間は、
舞台袖で、チームメイトとずっと手を繋いでいた瞬間です。
そのおかげで、その後も舞台上でも繋がりを感じられました。

人と繋がっている瞬間って楽しいし、怖くない。
安心して、自分を解放し、自然と「こうしたい」「こんなことしたい」
という思いが次々にでてきました。

インプロって、自分の考えがオープンになって、自分自身がさらされて、
恥ずかしいことだし、怖いことじゃないですか。

でも、「拾ってくれる」、「受けとってくれる」、
と思うと、繋がりの安心感から、信頼が生まれて、
自分を出せると思うんです。

IJ:
これから、インプロでさらにどんなことを挑戦してみたいですか?

M:
もっと深いイエスアンドをしていきたいです。
アイデアのイエスアンドではなく、
心のイエスアンド。
相手が投げてくれたことを自分の心で感じて受け取って、
だから自分がどうしたいのかをアンドで返す。

自分の心にも正直になって、受け取ることも心掛けたいです。

例えば、もし何かを素直に受け入れられず、「ノー」と思ってしまった時、
その自分の心も受け取り、「なぜ、自分は、ノーなんだろう?」って考えると、
その感情を受け入れた上での「こうしたい」という、
自分の心を伴った「イエス」が出てくるって思うんです。

相手に合わせるだけの表面上の「イエスアンド」ではなく、
互いの想いを一緒に積み重ね、ぶつけ合うことができる本当の意味での
「イエスアンド」を目指します。

その為に、「ノー」と思ってしまったアイデアには、
受け入れたらどんな可能性があるか想像する時に、
ただイマジネーションを働かせるだけではなく、
自分の価値観の中で一番大事に思っていることと繋げるようにし
てみる。
そうすれば自然に、「素敵だな~」と感じれて、心からこうしたいと思う
「アンド」を出せると思うんです。

IJ:
自分の気持ちをも「ギフト」と思って、チャンスにしているのですね!
ポジティブな想像力、参考にしたい大人はたくさんいると思います(笑)。

そんなマキさんが思う、インプロがくれた最大のギフトは何ですか?

M:
自由になっていい、自分は自分でいいという考え方。

生きることが楽になりました(笑)。

IJ:
最後に、来春、大学を卒業するわけですが、どんな大人になりたいか
教えてください。

M:
やりたいことを待ってあげられる大人。
それをイエスアンドして、自由にやらせてあげられる大人。

社会って、協調、協調って言われて、やっちゃいけないとか、
皆がこうだからこうしなきゃいけないってことを求められるけど、
各々が自由に個性を出して、それをイエスアンドしたほうが
面白いし、気持ちを押さえつけてないから、
それがまとまると凄いエネルギーがあって、気持ちいいと思うんです。


自分には、自分を受け入れてくれる大人が周りにたくさんいたから、
自分がやりたいことができるようになったし、
今、「自分を好き」と思える時が多いんです。

だから、そんな大人になりたいです。