今回の受講生インタビューは、現在、インプロジャパン・パフォーマンスコース
をご受講中のインプロネーム「タナカ」こと、クレマンさんです。

インプロネームは日本人名の「タナカ」ですが、クレマンさんはフランス人で、
日本で、外資系経営コンサルタント会社のマネージャーをされています。


昨年春より、日本へ転勤が決まり、
その夏からインプロジャパンに通ってくれています。

毎回、クラスで、仲間達と楽しそうにコミュニケーションを取っていらっしゃる
クレマンさんに、なぜ、日本でインプロを始めたのか、
母国語でない言語でインプロをやっている理由などを伺ってみました。

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インプロジャパン(I):
はじめに、インプロとの出会いを教えてください。


タナカ(T):
日本に来る前に、アメリカにいましたが、そこで「インプロ」を知り、
少しの間、ワークショップに通っていました。
その時は、アメリカでどこまで英語が通用するか、
普段勉強したり使っていない言葉も突然出てきたり、いい勉強になると思い
始めました。

やってみて、即興だから、頭の回転を速くさせたり、
人に合わせる言い方を見つけるいい練習になるなと思いました。


IJ:
日本にやって来て、インプロのクラスを受けようと思ったのはなぜですか?


T:
英語と同じように、日本語や日本の文化の勉強になると思ったのが一つ。
やったら、人生をもっと面白く、色々な場面で反応できるようになると思って、
クラスを受けることにしました。


あと、もう一つ、日本のビジネス社会で働く上で、役に立つと思ったから。


自分は、意見を交わす時、人に合わせるより、現実的な視点から意見を言い、
主張するところがありますが、日本のビジネスはそのやり方ではダメ。
外国のビジネスは、必要なのは理屈だけで、それだけで話を進められるけど、
日本でのビジネスは、まず相手の気持ちを伺い、理解し、相手に合わせる意識が
大切。


「相手に合わせる」「相手の気持ちを理解する」
そういう点で、外国人の僕にとって、インプロはいいトレーニングだと思いまし
た。


IJ:
アメリカでもインプロのワークショップを受けていたということですが、
日本とアメリカでの違いは何でしょう?
また、同じ点もあれば、教えてください。


T:
日本は、基礎クラスの段階で、先生が「自分解放」「自信を持たせる」ことを
大切にしている、と思いました。
日本人はシャイな人が多いから、そこは僕がアメリカで受けたワークショップと
違うかな。
同じところは、悪いところに注目するのではなく、良いところを見ようとすると
ころ。


IJ:
なるほど。国民性があるのかもしれませんね。


さて、日本でインプロを始めて1年が経ちましたが、続けてきて発見したこと、
成長したことがあれば、聞かせてください。


T:
発見したことは、シーンを面白くしようとするのではなく、
自然な反応が面白くなるということ。


それに、インプロは先が決まっていないから、何が起こるか分からない。
居心地としては不安定なところに立っているようなもの。
つまり、自分の心や体が慣れていないから、自然なリアクションが生まれ、
今まで知らなかった感覚が身につけられる。
不安定だからこそ、成長していると思います。

成長という点では、インプロのクラスは日本の勉強のsource(源)になっています。


IJ:
そういえば、新しい日本語や文化と出会う度に、仲間達に詳しく聞いて、
ノートを取っていますね。


T:
クラスメイトが日本人だから、演じる場面が日本であることが多いです。

家族だったり、学校だったり、お寺だったり、
武士がいる時代だったこともあります。


その時、皆は僕を外国人ではなく日本人として話しかけてくるので、
普段の生活では使わない、知らなかった言葉を
知ることができたり、日本人にとって当たり前のことなのに、
僕にとっては知らないことを知ることもできます。


IJ:
『タナカ』さんのノートは、オリジナルの辞書ですね!


T:
はい。
そして、インプロでは知るだけではなく、体験することもできます。

例えば、こないだのクラスで、子ども達が遊んでいるシーンになった時、
前に、ノートに書いていた「日本の子どもの遊びリスト」をやってみたいと思い、
子ども役になって、「だるまさんが転んだをやろう!」と提案して、
実際に体験してみることができました。
他にも、「缶蹴り」もやることができました。


クラスは、日本のことを知るいい機会になっています。


IJ:
インプロのクラスが、日本を学ぶ場にもなっているのですね。


T:
それに、インプロのシーンの中で、そのシーンに相応しい言葉を使わないと、
相手に伝わらないし、日本語を分かって話していれば、見ているお客様も感動してくれるから、
そこでお客様と繋がることができる。


だから、皆と日本語でインプロのパフォーマンスをすることは、
状況に相応しい言葉を知る良いトレーニングです。


IJ:
言語の習得に「インプロ」、いいですね!


その他に、ご自身の中の変化については、いかがですか?


T:
相手の気持ちを考えたり、待つことができるようになりました。


それから、会話による環境づくりができるようになったと思います。
以前は、自分が言いたいことだけを伝えてましたけど、
今では、相手が自分の言葉を受け取りやすいプロセスを作ってから、
伝えることができるようになりました。


IJ:
最後に、今後、インプロを続けていくことで
どんなことを身につけていきたいか、聞かせてください。


T:
今回のクラスに、何人か先輩達も混じっていたのですが、
その人達は、ただストーリーのアイデアを出すだけでなくて、
お客様が人物を想像できるように、キャラクターを深く表現していました。
例えば、その場面以外で自分に起こった出来事を語りながら登場したり、
過去のことを話したりとか。

今後は、私も視野を広げて、人物を掘り下げて演じられるようなりたいです。


それから、ユーモアのセンス、面白さを掴む力を身につけたいです。
今は、自分がやることで精一杯なので、ステージ上で、お客様の反応にも
リアルに応えられるように。


先輩達の振り返りを聞いていると、インプロはどれだけ続けていても、
次の課題が見つかるんだと気づきます。
ということは、自分には、可能性がまだまだあるということ。

だから、これからもずっと、仲間達と一緒にインプロをやって、
頑張っていきたいです。