"インプロシンキング"スタジオ報告

インプロジャパンのインプロ・ワークショップ のスタジオ報告です。

【インプロとは】「インプロヴィゼーション(即興)」の略語。「その瞬間のできごとに即興で対応しながら作り上げられていくエンタテイメント」です。詳しくはインプロガイドブック (http://impro.jp) をご覧ください。

【インプロジャパンのコミュニュケーションコース】職場や学校等、日常生活の中でインプロ・シンキングを行うことにより、コミュニ ケーションスキルの向上や発想力の強化を目指すクラスです。(人間関係力の強化に最適)人前で演じることよりもインプロゲー ムを楽しみながら様々な能力を伸ばすことを目的としています。
詳細:インプロジャパン http://www.improjapan.co.jp

2017年09月

【受講生インタビュー56】~「インプロは自分を見せてくれる鏡」~

今月の受講生インタビューは、現在パフォーマンスコースを
レギュラー受講してくださっている、まさやこと、阿部眞也さんです。

実は、まさやさんは、2004年~2009年までおよそ5年間、
パフォーマンスコースに定期的に通ってくださっており、
『インプロであなたも「本番に強い人」になれる』
(池上奈生美・秋山桃里共著/フォレスト出版)の中でも、
受講生の声として、ご紹介させていただいています。


そして、この4月、8年ぶりにインプロ活動再開!
現在は週2回、満面の笑みでインプロを楽しんでくださっており、
また、「R50指定/大人の創るインプロの世界」クラスでは、
圧巻の存在感とその佇まいに、他の受講生の皆さんからも
絶大な人気を得ています。


今年、65歳をお迎えになったまさやさんは、
5年前に、37年お勤めになられていた会社を定年退職し、
現在は、大学生の就職相談などの
キャリアコンサルタントやコーチとしてご活躍の中、
インプロを日常に活かしていらっしゃいます。

今回は、久々にインプロを再開されてみて、
改めてお感じになっていることなどを伺いました。

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インプロジャパン(IJ):
昨年の夏でしたね、まさやさんが久しぶりにインプロのライブに来て下さったのは。
本当に飛び上がるほど嬉しかったです!!
しかも、その時、「時間が出来たら、またインプロやりたいですね」と
言ってくださり、、それがすぐに実現しましたね。


まさやさん(M):
2007年頃から娘もインプロを始めるようになり、
クラスが上がるにつれて、彼女にもインプロ仲間が増え、
娘から「お父さんが一緒にいると自由にできないから止めてほしい」と言われ(笑)、
ちょうどその頃、仕事もとても忙しい時だったので、一旦、インプロを中断しました。


ただ、その後も娘からインプロの話や、
皆さんが私のことを話してくださっているという事を聞いていて、
その間も、インプロのことは頭にあったんです。


昨年、久しぶりにショーを観に行ってみようと伺った時、
クラスの案内をもらって、ちょうどタイミングがあったこともあり、申し込みました。
正直、その時点では、仕事も忙しいし、
体力も使うし、とりあえずやってみてしっくりこなかったら、
1クールでやめてもいいかな、という軽い気持ちでした。


IJ:
そうだったのですね!
でも、現在、週2クラスも受けて、3クール目に入っていますね(笑)。


M:
1回目、やってみたら、本当に楽しかった。
そして、それだけでなく、今の自分にとって、
インプロを続けることの意義を見出すことが出来たんです。


今、学生の就職のための面談をやっていますが、
まさに、それも即興で、インプロの世界そのものだなって
久しぶりにインプロをやった初日に思いました。


面談においても、
予見を持たずに、好奇心を持って自然体で相手を受け止めることが大切です。
それができないと目の前の学生に集中できず、
落としどころを考えてしまったり、相手をこうだと勝手に決めつけたりと
自身の傲慢さが出てしまう事があります。


色々と取り組んできましたが、
常に、学生とフラットに関わる感覚を持つためのトレーニングとして、
インプロが最も効果的だなと思います。
そして、もっとインプロに浸かりたく思って受講クラスを増やしました。


IJ:
学生の面談について、もう少しお話を聞かせてください。
インプロでのことが、活かされている場面はありますか?


M:
身についた力が活かされている点で言えば、
定年退職してこの4年半で5000回以上、面談をやってきましたが、
それら全て、決めごとを持たず一つひとつの面談を、
違うものとして、目の前の学生と一緒に創り上げてこられた事です。


目の前にいる学生一人ひとりをしっかりと受け止めて、
彼らにとって、今最も必要なことを伝えてきました。
例えば、エントリーシートの書き方にしても、
採用面接でのことにしても、彼らの話を聞きながら、
一緒に工夫します。
こんな風にしたらどうかとアイデアが溢れます、、
まさに、これはインプロでの「イエスアンド」。


それから、学生との採用面接に向けたロールプレイでも
インプロでの力が役立っていますね。
様々な状況設定に応じて、面接官になりきり、即興で学生に応対します。


また、その面接の場面では、
インプロのパフォーマンスで学んだことが活きています。
例え、練習であっても、本番で面接をしている就活生になりきり、
恥ずかしがらない。
やり切る事、徹する事の大切さを伝えています。


IJ:
一回一回の面談が、まさにインプロの作品みたい。
ステキな考え方ですね!


M:
学生達には、ただ内定を決めるだけでなく、社会に出た後も
人生を輝かせて行ってほしい。
その為に、出来ることは何でもしようと思っています。


それに、自分にとって、学生との面談はアウトプットの場。
そう考えると、学生一人ひとりに育てられてきたんだなと思いますね。


ですが、会社勤めをしていた時は、自分にフォーカス(焦点)があり、
自分を成長させたい、こんな自分ではまだまだと足りない部分を探し、色ん
なことを学ぼうとしていました。
欠点を補う為のインプットですね。インプロもその一つでした。
そして、これでもかこれでもかと努力しても、未だ足りないと思っていました。


私は人の採用の仕事にも長いこと携わってきたこともあり、
スキルアップの為に、カウンセリングやコーチングの勉強もしていました。
しかし、退職して、大学で学生との面談を始める段になった時、
最初は、果たして自分に実践でカウンセリングできるのだろうか、
と自信がなく不安で一杯でした。


でも、実際飛び込んでみると、できた。
しかも、自分なりのやり方で。
そして、やっていく中で、今の自分でも十分人の役に立てるんだという事が分かり、
初めて自信を持つことが出来ました。


今は、外にフォーカスがあって、
もっと喜んでもらいたい、もっと役に立ちたい、、
より良いサービスの提供をする為のインプットに変わってきましたね。
つまり、自分自身の出来ないこと、足りないことへ意識より、
自分をどう外へ活かすかということへの意識が強くなりました。
これもまさにインプロでも感じることですが、
アウトプットしないと、自分の中にあるものを自覚できないですから。


学生との面談をするようになり、会社員時代の自分の経験が引き出され、
今までの自分がすべて活かされている感じがしています。
彼らと向き合い、そこに自分なりのアンドで答えてきたからでしょうね。


IJ:
まさやさんに面談をしてもらった学生さん達は幸せですね!


8年ぶりにインプロ再開されて、以前と現在のご自身について、
変化していた点はありますか?


M:
以前は、何かと構え、尻込みしてしまうところが多かったかな。
今は、あまり意識をせずに、積極的にリスクに飛び込めている気がしますね。


IJ:
8年前とまた違った感覚や新たなインプロの楽しみ方とも
出会えているのかもしれませんね。


そんなまさやさんから見た、インプロとは何ですか?


M:
「ありのままの自分を見せてくれる鏡」。


インプロに出てくるものは、自分の人生そのもの。
瞬間瞬間、生きざまが反映されて、ごまかせない(笑)。
自分と向き合うことになるから、常に試されている感じもして、
怖いし、時に目をそらしたくもなりますね。


でも、人が成長するには厳しい環境の中に、自分自身を置くのが一番。
その意味で、インプロは人前に立って、
そうすれば、否応なく、自分の課題と向き合わざる負えず、
その場で乗り越えていくので、だからワクワクもする。
もう中毒ですね(笑)。


それに、インプロは、人と創り上げていくもの。
好奇心持って、まずは受け入れていく。
普段、苦手で見ないようにしていることでも、
インプロでは、触れ合ってやっていくわけだから、良い成長の機会になりますよね。


色々な人からインパクトある刺激を受けるのは、
一種のカルチャーショックのようなもので、
インプロ通じて、まだまだ知りたい分野ややりたいことが出てきます。


まだまだ成長し続けていきたいですね。


IJ:
いくつになっても、成長し続けたいと思えるって、
カッコいいですね!


最後に、まさやさんのこれからの夢を聞かせてもらえますか?


M:
更に上のクラスを極めて、
いずれ、インプロを教える側も目指したいですね。


そして、もう一つは、舞台に立つこと。


『人の役に立ちたい』
『人に喜んでもらいたい』


そういう思いが常にあります。
そのアウトプットができる為にも、
更に、様々なことをインプットしていきたいです。

そのためにも、健康で、体力をつけておきたいですね。
生涯現役を目指して。


IJ:
これからもまさやさんのパフォーマンス、
益々楽しみにしています!


有難うございました。

【パフォーマーインタビュー】~入岡雅人氏(impリーダー)~

今月のインタビューは、インプロジャパン主催公演には欠かせない
パフォーマー、impのリーダーのイリこと、入岡雅人氏です。

クラウン(道化師)としても、日本に留まらず、
中国・韓国など、アジアでもご活躍中の入岡氏ですが、
http://www.yentownfools.com/yentownfools/top.html

インプロとの出会いは、かれこれ25年前にさかのぼり、
そのクラウンの勉強の一環としてワークショップに行ったことだったそうです。


その頃のことを振り返りながら、イリさんから見た、
インプロの魅力を伺ってみました。

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インプロジャパン(IJ):
はじめに、インプロを始めた頃のことを聞かせていただけますか?


イリ:
'92か'93年頃かな。
当時、教わっていたクラウンの先生が外国人で、
「知り合いがインプロのワークショップをやるから」と勧めてくれ、
クラウンに活かそうと、勉強の一環で、やってみたのが最初でした。
そのワークショップに参加した人達は、多くがクラウンでしたね。


その時インプロを習っていた先生が、
後に、ナオミ(池上奈生美)達と一緒に「がらくたエキサイトシアター」という
インプログループを作ったマイケル・ネイシュタットです。

IJ:
「がらくたエキサイトシアター」!!

海外遠征でアメリカで観客投票による最高賞をもらったり、
当時は月に2回、六本木でショーをやっていましたね。
懐かしいです。


その時のメンバーだったマイケルさんが、
イリさんとインプロを繋いだ最初の人だったのですね!


初めてインプロをやってみて、いかがでしたか?


イリ:
やってて、楽しかったですねー!!
やればやるだけ楽しかった。


何が楽しいって、自分の考えをストレートに出せる。
なぜなら、「受け入れ合う」「失敗はない」という土壌があるので、
セーブする瞬間なく、そういう行動に繋がっていたんでしょうね。


クラウンも、ライブでお客様にお見せし、表現に対する反応が直接あるこ
とが魅力の一つですが、インプロは、その場で創って、その場で表現して、
お客様から反応をもらう、、恐るべき見世物だなと、惹きつけられました。


IJ:
そこから、インプロにはまっていったのですね。


イリ:
しばらくは、マイケルにインプロを習いながら、
少しして、日本にオーストラリアから、インプロの先生「リンピアス氏」が
やっ てくるという話を聞き、マイケルをはじめ、7,8人のクラウンの仲間達と一緒に、
そのワークショップに行ってみることにしました。


そこで、ナオミをはじめ、今、各インプロ団体の代表で活躍している
吉田敦氏や今井純氏、絹川友梨氏達に、出会ったんですよ。


IJ:
そのワークショップが、今の日本のインプロ界の礎となっていますよね。


ここで、イリさんから見た、「インプロの面白さ」を聞かせていただけますか?


イリ:
やはり、受け入れているからこそ、自分がそれまでに考えたことないことへ
突き動かされていく感じかな。
受け入れてない時は、頭を使っているんですよ。
こうしてやろうとか、やらされてるとか・・・。
そうではなくて、
あれこれ考えず、感覚的に受け入れ合ってインプロができた時、
爽快感や充実感を感じますね。


自分にとって、「受け入れる」というのは、
相手が何かしら出してきたら、
まずは、その瞬間は自分のアイデアを捨て、ゼロにする。
そうすると「こうきたか」「こうくるか」を楽しめて、
それが心地良いです。
アイデアに乗っかったり出したりして、その流れに委ねていくうちに、
誰も予想しない結末を迎えた時、
「ほほ~、こんなところに来ましたかぁ~」と。
それがたまらないですね。


それに、さっき、自分のアイデアを捨てて、ゼロにすると言いましたけど、
完全になくなっているわけではないんですよね。
自分のどこか片隅には残っている。
シーンが進む中で、突然、それが繋がる時が出てきたりして、、
リンクされる瞬間がふと湧いてくるのも面白いですね。


IJ:
25年のインプロ歴という事ですが、パフォーマーとして、
変化してきていることはありますか?


イリ:
若い頃は、「笑かしたい」「奇抜なアイデアを見せたい」「面白い俺を見ろ!」
という気持ちが少なからずあったと思います。
当時、「シアタースポーツTM(チーム対抗戦)」では、チーム優勝するより、
そのショーの中で一番ホットだったシーンに贈られる「モーメント・オブ・ザ マッチ」に
選ばれる方が嬉しかったですから(笑)。


でも、年を重ねてきて、「面白い」とかお客さんが楽しんでくれるというのは、
後からついてくるものだと思うようになってきて、
そういうことに縛られなくなってからは、ことさら、
舞台上でのその場その瞬間のメンバー同士のやり取りが、
楽しくなってきました。
ゆっくり、その空間を味わえるというか。
これも、インプロへの信頼や自信がそう思わせてくれているのかもしれないかな。


IJ:
なるほど。
その観点は、今、パフォーマーになる為に学んでいる人達にも参考になるかもし れませんね。


最後に、イリさんが思う「インプロ観る時の楽しみ方」を1つ教えてもらえますか?


イリ:
「人間観察」。
インプロは即興だから、演じているとはいえ、そのパフォーマーそのものが
見えてくるもの。

人はどう関わり、瞬間にどう判断し、どう反応するか。
予想がつかないだけに、生身の姿がさらされています。


お客さんから頂く様々なタイトルの状況下で、
それが見られるので、多角的にその人間を観察することが出来るというのも、
楽しみ方の一つになるんじゃないですかね。


次回の公演で、是非、「イリオカマサト」を観察してください。


IJ:
次回は、10月26日(木)@サラヴァ東京 で行われる「Impro Box」ですね。
http://www.nextimpro.com


じっくりと『観察』させていただきます。

有難うございました!




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