今回の受講生インタビューは、インプロジャパン・パフォーマンスコースをご受講中のヒトミこと、佐藤仁美さんです。

普段は大学で教員養成課程美術教育の講師をされている佐藤さんですが、6月末の「インプロ・ミニ・フェスティバル」に、パフォーマーとして出演されます。

また、画家でもある佐藤さんには、インプロジャパンが行っている「Impro workshop for smile」で即興で創られた物語の絵本づくりにもご協力いただいています。

本日は、アーティストでもあり、大学講師でもあるヒトミさんに、お話を伺ってみました。
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Q1.
インプロを始めたきっかけを教えてください。
A1.
私は、大学で教員を目指す学生に対して「美術教育」の分野を教えていて、小学校教員の経験もあるので、授業では、小学校での学芸会の背景創作指導などについても、触れることがあります。

ある時、その授業準備の一環で、演劇のことを調べていたら、「インプロ」についての記述を見つけました。

その説明を読んだ時、「協力して、皆でつくる」という部分が学生時代の気持ちを思い出し、興味が湧いて、ワークショップを受けてみました。

Q2.
そうだったのですね。
小学校の教員をされていたということですが、学生時代から教員を目指していらしたのですか?
A2.
いいえ。
元々はジュエリーデザイナーを目指していて、就職活動もしていました。
ただ、就活をする中で、自分が一番大切にしていることを考えるようになり、それが「個性を伸ばしたり、個性を認め合うこと」だということに気づいたんです。

その時、「教員」になりたいと思い、方向転換して、都の教員試験を受けました。
美術教員として受けたので、中学校に赴任かと思っていたのですが、ちょうど、小学校で美術教員を必要としており、小学校で教えることになったんです。

Q3.
その後、どのような経緯で、今のお仕事に就かれたのですか?
A3.
小中一貫校に異動したある時、その学校で学校公開の授業参観が行われました。
1週間くらいにわたって、子ども達の作品を展示していたのですが、ある日、ご覧になっていた方が近づいてきて、「大学で、教員を目指す学生達に教えてみませんか?」と声を掛けられました。
聞くと、大学の小学校教員養成課程の担当の先生でした。

その時、私は目の前の子ども達が大好きだったので、はじめは、大学で教えたいとは思いませんでした。

でも、その先生がとても熱心で、「あなたのような先生を増やしましょう」と言ってくださり、やってみようかなと思い、その翌年から大学で教えることになりました。

Q4.
その先生は、ヒトミさんの教員としての力に惹かれたのですね。
ご自身のどこの部分を評価してくださったと思われますか?
A4.
身の回りにある廃材等を使って授業をし、子ども達の作品を、見せ方やレイアウトの仕方で、彼らにとっての宝物になるよう心掛けていたのですが、その辺りじゃないかと思います。

Q5.
すっかり、インプロ以外のことを聞いてしまいましたが、ヒトミさんは、以前から子ども達の想いを「イエスアンド」して、授業をされていたのですね。
そういえば、ヒトミさんには、今、「Impro workshop for smile」で創られたストーリーと作品を使って絵本づくりをやってもらっていますね。
A5.
はい。絵本づくりはとても楽しいです。
色々な人の想いがあって、その部分を繋げて、、、すると、自分の予想とは違うものがそこに誕生する。
インプロのパフォーマンスをしている時のような感覚があります。

Q6.
では、今度は、「インプロ」のパフォーマンスについて、聞かせてください。
インプロを始めて2年が経ちましたが、ご本人の中に感じる変化ってありますか?
A6.
それまでは、「予想される負」を回避するよう計算して動いていた自分が、今は、「仲間がいるから大丈夫。思いっきり転んでみよう!」と思えるようになりました。

Q7.
「予想される負」の回避ですか?
A7.
はい。
以前は、子どもや学生の想いを大切にしたいと思ってはいましたが、やはりどうしても学校の制約があったり、保護者の想いなどを考え、うまくいかないと予想されることを極力避け、できる範囲のことを考えていました。
でも、インプロを始めてからは、例えば、学生が「どっちがいいですか?」とアドバイスを求めてきた時、「自分が楽しい方を選んでやってみたら?」と本人の想いに任せるようになりました。
それは、もちろん、予想外のものが出来上がってくることもあるし、スムーズにいかないことも想定されるのですが、どうなっても助けてあげられるし、共ににやれば必ずできると、学生の想いに委ね、まずは一緒に飛び込んで上げられるようになりました。

Q8.
なぜ、そんな風に思えるようになったのでしょう?
A8.
「インプロ」をやるようになり、周りが差し出してくれる手が見えるようになったように思います。
そのことで、お互いを認め合い、受け入れることを味わえる喜びを感じています。

Q9.
その他に、ご自身に起こっている変化はありますか?
Q9.
最近、また絵を描くことを始めました。
下図を描かずに、その時の気持ち、自分の心をイエスアンドして制作しています。
これも「インプロ」の影響ですね。

Q10.
ヒトミさんが「インプロ」で得たものって何でしょう?
A10.
「自分を大切にする」ことです。
以前は、教え子の為なら命を捨てられるって感じでしたが、今は、「自分が笑顔でいなければ、学生も幸せにできない」と思っています。

素の自分を受け入れることができるようになり、大学で教えて4年が経ちますが、今、一番自分らしく、教員の仕事ができていると思います。
授業を学生達と共に、チームとなって創っている感じがあり、自分自身も学生と共に成長できているように思います。

Q11.
今後、「インプロ」を続けることで、どんなことを期待したいですか?
A11.
どんな自分がいるのか。
「自分」を認めることで、自分の中にいるまだ知らない自分と出会える気がしています。
インプロをやっていて、「どうしよう?」と迷った時、助けてくれるのが、自分の素の感情です。
感情を素直に表現できるようになって、NEW「佐藤仁美」を期待したいです。

Q12.
「個性を認め合う」事を大切に思い、教員になられた佐藤さんが、「インプロ」にはまっている理由が分かったような気がします。
「個性を認める」ことと「自分を認める」ことは繋がっているのですね。
最後に、6月末に出演される「ミニフェス」に向けて、意気込みを聞かせてください。
A12.
私は、インプロを観たり、やったりすることで、「温かい気持ち」になり、終わった後も、心がほっこりしています。
ミニフェスをご覧になった方達が、そんな「ほっこり」した気持ちになっていただけるようなインプロをお届けできたらと思っています。

是非、劇場に足をお運びください。
よろしくお願いします。