今回の受講生インタビューは、インプロジャパン・パフォーマンスコースを
ご受講中のNINOさんです。

NINOさんは、インプロジャパンのレギュラークラスの中で、最年長の66歳!
誰よりも好奇心旺盛で、チャレンジ精神に溢れるNINOさんのインプロ人生は、
昨年の「東京インプロフェスティバル」観劇からスタートし、
なんと、今年のフェスは、9公演全てをご覧になってくださいました。

定年前は外資系認証機関に勤務され、現在は、国際ファシリテーター協会で
アジア地域を舞台に活躍されているNINOさん。
数多くの人生経験の中で、既に多くの喜びや感動をご存知のNINOさんが、
なぜ、今、インプロにはまっていらっしゃるのか、その魅力について、
お話を伺ってみました。

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インプロジャパン(IJ):
インプロのワークショップを受講し始めたきっかけを教えてください。


NINOさん(N):
元々、活動しているファシリテーション協会の仲間から、
「インプロ」の話は聞いていました。
「即興劇」と言っても、きっとその場に反応する程度の
表面的なことなんだろうと思いつつ、まずは観てみようかと、
昨年の「東京インプロフェスティバル(TIF)」に行ったのが、
きっかけです。


実際観てみると、「インプロ」は、表面的な面白さではなく、
人間の深いところやそれぞれの関係性とそのドラマがあり、
通常の演劇とはまた違った深いものが見えてきて、非常に驚きました。
舞台上で感情のやり取りがドラマになっていく様子とその奥深さに
興味を持ち、その後すぐに、ワークショップを受講し始めました。


IJ:
なぜ、そこにご興味を持たれたのでしょうか?


N:
例えば、ファシリテーションを行う会議では、環境、背景の違う人達が
それぞれの立場で参加します。
表面的に話すだけではなく、それぞれの想いが絡み合い、
互いの感情も生まれてきます。
そういった人間同士の絡み合いの中で、
この「インプロ」が、いいヒントになると思ったからでしょうね。


私はこれまで、左脳的な思考を必要とする仕事が多く、
議論を論理的に組み立てたり整理したりする事に重点をおく世界にいました。
あるビジネスモデルを元に、体系立てて、答えを導き出していくタイプの思考です。


でも、「インプロ」を観て、感情が言葉を生み、ストーリーが創られ、
また、言葉だけでなく、体の表現で間接的に伝え合い、感じ合うことで、
直感・感覚から答えが生まれていく右脳的な創造の世界があること知りました。


コミュニケーションの場では、瞬間的に相手との間に沸々と湧き出てくる感情や
空気を捉えていく右脳と、論理的に冷静に組み立てていく左脳の両方の融合が大切です。


そこで、「インプロ」で右脳を鍛え、左脳と右脳が融合された感覚を身につけたいと始めました。

そのTIFがきっかけなので、
インプロを始めて、もう1年になりますね。


IJ:
継続のご受講、有難うございます。
実際、インプロをやってみて、お気づきになったことを教えてもらえますか。


N:
クラスを受講していて感じることですが、インプロでは
リスクに飛び込むということの意味を身体で体験できます。

いきなりお題を与えられると、迷いとかこれはだダメだと絶望に近い行き詰りを
感じることがあります。
しかし、目をつぶって思い切ってそのドアを蹴破って飛び込んでみると、
入る前には思いもよらなかった感情が生まれ、イメージが広がり、
そこにドラマが展開し、そして。何よりも一緒に演じている仲間が
突破口を見つけてくれたりします。 
これはドアを開けなければ絶対に見えない世界ですね。


恐らく、これが、私のような初心者が感じるインプロの
一番難しいところでかつ醍醐味なんだろうと思います。


これって実社会にも当てはまるのではないでしょうか。
例えば、新しいプロジェクトに直面した時、始める前にはうまくいくかどうか
大きな不安にかられます。
しかし、実際に行動してみると次々と新しい情報が入り、
難局があっても助けてくれる仲間が現れ、しばしば感動的な
チームワークが生まれます。

そうなるだろうと頭では分かっていても、実際にリスクに飛び込むのは大変です。
でも、インプロではそれを何度も何度も体験させてもらえます。


素晴らしいことですね。


IJ:
NINOさんのその姿に、我々講師陣も多くの感動と刺激を頂いています。
恐らくお仲間の皆さんもですね!


N: 
いえ、こちらこそ、ここまでの1年間情熱あふれる講師陣と
毎週会う素晴らしい仲間達からとんでもないエネルギーを頂いています。 

うまく行かなくて自己嫌悪に陥ることもしょっちゅうありますので、
本当に助けられています。


IJ:
さて、ここで、今回の「東京インプロフェスティバル」をご覧になった
感想を伺いたいと思います。

9公演全てご覧になっていただき、本当に有難うございます。
ご覧になって、何をお感じになりましたか?


N:
ひと言でいうと、『可能性』ですね。

人が絡み合うと、こんなことが生み出せるんだという
人の創造力の可能性を見せてくれました。

意外性が散りばめられ、客の想像力を超えて、恐らくパフォーマー達も
想像を超えた結論に辿り着くからこそ、イキイキとしていているんでしょうね。

それに、観客からこんな世界が観たいと要望が出せて、それを活かして
見せてくれるし、皆で驚きを創って楽しむエンターテイメントでした。


公演では様々な団体の色々な個性のパフォーマー達が同じ舞台で共演していました。
団体が違えば、やり方も違うでしょう。
なのに、その人達が、打ち合わせなしで瞬時にコラボし合い、噛み合っていくのが、
とても印象的でした。


インプロは思いつきで出来上がる軽いお笑いと思っているようでしたら、
一度観てみるといいと思います。


IJ:
ご覧になりながらも、NINOさんの右脳も、存分に動いていたのでしょうね。


さて、NINOさんの今後の夢をお聞かせいただけますか?


N:
インプロを通して、よりたくさんの『感動』を得たいし、あわよくば仲間達と一緒に提供したいです。 
それが夢です。

やはり、「生きててよかった」と思えるのは、考えてもみなかった『感動』に出くわして泣いたり、
笑ったり、ワクワクしたりする時ですからね。 
振り返ると、学生の頃から、それが自分にとって一番大切な想いだったような気がします。


IJ:
失礼ながら、NINOさんは、既に多くの感動と出会ってきていると思うのですが…。


N:
今までの人生では、『感動』の多くは偶然に向こうからやってきていました。
インプロは、自ら『感動』を生みだすことができます。
だからいくらだって『感動』と出会えるのです。

新しいものを創造することで、深い『感動』をたくさん得たいですね。


IJ:
そう考えると、未来にワクワクしますね!


では、最後に、今年のTIFのテーマは、『リンク』でしたが、
NINOさんは、インプロで未来に何を繋げたいですか?


N:
もちろんワクワクする、感動する世界。


その意味で、自分が関わるコミュニティとインプロを繋ぎ、
融合させて、将来新しい感動の方程式が生まれれば最高ですね。


そんなことがいつか起きる予感がしています。