今回の受講生インタビューは、インプロジャパン・パフォーマンスコースを
ご受講中の『むっきー』こと、向山彰彦さんです。

普段は、ゲームの企画・制作のお仕事をされているむっきーさんが、
インプロと出会ったのは、英語習得の為に通っていた「英語学校」。
その後、インプロジャパンのレギュラークラスに通い始め、
3年が経った昨年、「インプロ・ミニ・フェスティバル」のステージに、初めて出演されました。


なぜ、「インプロ」に興味を持ち、そして、今、「インプロ」の経験を通じて、どんなことをお感じか、
お話を伺ってみました。

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インプロジャパン(IJ):
インプロを始めたきっかけと目的を教えてください。


むっきー(M):
元々、英語学校で、授業の一つとして「インプロ」と出会いました。
即興で英語をしゃべらされ、ある種、追い詰められた感の中、
自分の中から思いがけない表現が出てきたことが、自分にとって「インプロ」の原体験でした。


目的が英語習得だったこともあり、「トレーニング」として捉えていた「インプロ」でしたが、
その授業の最後の発表会で、その場に必死になってやっていたら、観ている人達にウケたんです。
そこで、「インプロ」のエンターテイメント性について考えるようになり、
「人を楽しませるもの」への探求心から、「インプロ」への興味が湧き、
日本語でも体験したくて、単発でワークショップを実施しているところに顔を出すようになりました。


IJ:
やはり、お仕事柄、「人」を楽しませるものへの興味があるのですね。


M:
もっと言うと、
自分が携わる分野は「仕込み」で面白さを創造する。
それに対して、インプロは「その場」で面白さを創造する。


今考えると、自分の仕事は、ゴールを目指して、綿密に計算し、準備していくスタイルで、
そこにはライブ感はなかったので、全く違う分野で新鮮さを感じていたのでしょうね。


色々なところのワークショップを受けたり、公演を観ているうちに、
もっともっと深く知ってみたくなっていき、そんな時、ご一緒した人から、
「がっつりやってみたいなら、インプロジャパンはクラス制でカリキュラムが組まれているからいいんじゃない?」と勧められて、「ベーシッククラス」に通い始めました。


IJ:
あれから3年半が経ちましたね。
継続していくことで、「インプロ」について、何か発見がありましたか?


M:
現時点では、「インプロ」=「スポーツ」のような感じがしています。
スポーツって、プロアマ問わず、プレイヤーがその場で必死になっている様が面白いじゃないですか。
プレイヤーが「今」に真剣に取り組むからこそ、
「勝ち・負け」「成功・失敗」、全てひっくるめての観る面白さを創造している。
そこに、インプロとスポーツのエンターテイメント性の共通点を感じています。


そう感じたのは、昨年の「インプロ・ミニ・フェスティバル」出演ですね。
それに、この「ミニフェス」の出演は、自分自身を大きく変化させてくれました。


IJ:
そのご自身の変化について、詳しく聞かせていただけますか?


M:
初めに話した通り、「インプロ」を始めたのは探求心から。
自己研鑽目的ではなかったのですが、気づくと「インプロ」のおかげで、随分変わりました。
特に、この「ミニフェス」が大きかったです。


まずは、受け入れる力がつきました。
好き嫌いがはっきりしている自分が意固地ではなくなりましたね。
それはインプロに限らず、日常生活でも。
以前は、理不尽に思えることに対して、拒絶するタイプでした。
極端なことを言うと、自分が求める完璧、正解に結び付かなければ、
それはダメと決めつけて、関わりを避けたり。
でも、今は、たとえ考えが違っても、端っから拒絶せず、様子を見て、
そこから何かしらの好ましい道を創る、つまり、状況に応じて、
その場の正解・今のベストソリューションを創るようになっています。


そのおかげで、人間関係においても、友人が増えましたね。
例えば、昔は合わない人とは口を利かないこともありましたが、
そういう風に思っていた人でも受け入れてみると、その後、助けてもらったり、
案外、繋がりが持てたり。
今まで、捨てなくていいものも捨ててたのかなって思います。


IJ:
そういった意識の変化は、ミニフェス出演が影響しているのですか?


M:
はい、それは大きいです。
ショーに出るということは、お客様の前で「インプロ」を見せるということ。
ライブなので、「今のは無し」とか「好き嫌い」で逃げることできない。
始まっちゃったら、何とかしなくちゃいけない。覚悟を決めて。

そうなると、「その場の素材を活かす」ことになるんですよね。


ちなみに、「エンターテイメント」ということで言えば、「人を楽しませるネタ」って、あるんです。
最初は、正直、客前で困ったら、それに逃げれば!なんて、
考えたこともありましたが、それって「インプロ」じゃないですよね。
「仕込み」の笑いであって、「その場」で生まれる笑いではない。
それは、チームメイトに気付かせてもらいました。


「そこに生まれた材料を活かせばいい」と思えるようになると、
余裕も生まれてきました。
昔なら、受け入れられなかったことでも、「どうにでもなるだろう」という
気持ちになっていきましたね。


IJ:
度量が広くなったのですね。


M:
だから、仕事でも大きな変化はたくさん起こりますけど、ほぼ動じなくなりましたよ。
それに怒りの感情や頭にくることも減りました。


「その場を活かす・受け入れる」って、その場の状況をちゃんとしっかりと見れば、
それなりにできることなんですよね。
見てないから、パターンにこだわる、ルーチンでやる。固定概念が生まれて、
それにこだわってしまうんだと思います。

今は、どんなこともどう乗りこなそうかっていうサーファー的な感覚です(笑)。


IJ:
どんな波も楽しめるサーファーですね(笑)。
他にも、お仕事されている現場でのご自身の変化はありますか?


M:
身に着いたスキルという点では、間接的に人をリードできるようなったことです。
命令したり、正論で言うことを聞かせようとコントロールするのではなく、
相手が自ら気づいて動くように、仕向けられるようになりました。
これは、まさにインプロで培った力だと思います。

IJ:
最後に、「今」インプロを継続している理由を教えてください。


M:
一つは、毎週クラスで仲間と一緒にインプロをすることが楽しいから。


もう一つは、昨年ショーに出演してみて、欲が出てきました。
もっとパフォーマンスのクォリティを上げたいです。
今年は、観ている人達を楽しませる「インプロ・パフォーマンス」を目指して、
トレーニングしていきたいと思います。