今月の受講生インタビューは、現在パフォーマンスコースを
レギュラー受講してくださっている、コバーンこと小塙祐介さんです。

現在、大手通信関連企業で管理職としてお勤めの小塙さんが、
インプロジャパンのワークショップを初めて受講されたのは、
コミュニケーションコース(現・シンキングコース)。

その後、2012年11月~は、パフォーマンスコースをレギュラー受講されるようになり、
先月には「インプロ・ミニ・フェスティバル」にも出演されました。

実は、20代の頃まで台本芝居の役者をやっていらした小塙さんですが、
インプロをはじめた当初は、パフォーマンスすることへの興味はなかったそうです。


色々なお話の中から「なぜ、今、インプロなのか?」を伺うことができました。

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インプロジャパン(IJ):
どんなことを求めて、インプロをやってみようと思われたのですか?

コバーン(K):
当時、普段の仕事の他に、コーチングやNLP(神経言語学的プログラム)の
トレーナーやセミナー講師をするようになり、「インプロ・シンキング」の
情報を目にした時、スキルの幅を広げることに使えると思って、
コミュニケーションコースを受講しました。
パフォーマンスすることは、全く考えていなかったです。


IJ:
お芝居をやっていらしたのに?

K:
台本芝居をやっていたので、即興で芝居を創るなんて、
言い方悪いですが、「どうせ大したことはできない」と思っていました。


IJ:
実際受講してみていかがでしたか?

K:
「インプロ・シンキング」がパフォーマンスからきていることが結びつきましたね。


「インプロ・シンキング」のワークショップでは、
相手からの言語以外のことを受け取っていく感覚を味わい、
このノンバーバル(非言語)な感覚は、カウンセリングやコーチングでも
大切だなと思う一方で、昔、自分が舞台をやっていた頃を思い出しました。
舞台も、台詞以外のノンバーバルなキャッチボールが求められますから。


IJ:
その後、パフォーマンスコースを受講されるようになったわけですが、
初めてご受講された時の感想を聞かせてください。

K:
「えっ?なにこれ?えっ?えっ?」「こんなことやっていいの?」
「あれあれ、こんな自由でいいの?」と、毎回、驚きの連続でした。

芝居をやっていた感覚を思い出してきたことに加えて、
台本がないだけ色々なことをやらせてもらう自由も感じ、
自分が今までやってきたことが、「今」ここで、繋がってきたなと思いました。

ベーシッククラスの発表会の時、
お互いが自由に表現していくことがどんどん形になっていき、
こんなに楽しんでいいの?と思うほど、
どんどん面白くなっていったことは今でも忘れられないですね。


IJ:
舞台上で楽しんで弾けていたコバーンさんのことは、
私も今でも覚えています(笑)。


この11月でパフォーマンスコースを受講して4年ですね。
なぜ、ここまで続いていると思いますか?

K:
初めは、講師業のスキルを広げる目的で「インプロ」を知りたかっただけで、
パフォーマンスすることへの興味はなかったのが、今では、
「インプロ・パフォーマンス」が、自分の日常生活に欠かせなくなっています。


普段は仕事が忙しく、論理的に考えなくてはならない組織のリーダーを務めていて、
成果を求められます。その為、平日は左脳づくし。
そんな中、週末は、「インプロ」で右脳になれて、そこで、衣を脱ぐかのように、本当の自分が出てくる。
本来、感覚人間なのですが、
長く生きてきて、こうしなきゃという理詰めが染みついてしまっているので、
それを解き放つことができる場になっています。


あ、あと、クラス後の飲み会も、今や大切なサイクルです(笑)。



「ダメ」「ダメ」の否定がなく、「これもあり」「あれもあり」で
出したものから可能性が広がっていくのがインプロの魅力で、
世代が違っても互いの自由で作られるその空間が、やめられないです。
この意識が、会社でも政治でも、どの世界にもあれば、幸せですよね。


IJ:
生活のサイクルの中にインプロが入ってきたことで、
コバーンさんご自身の変化はありますか?

K:
仕事をしている中で、どんな窮地や大変なことが起こっても、
その場で最適を考える瞬発力・発想力がついたと思います。


インプロのパフォーマンスでは、様々なシーンを演じますが、
その都度思いもよらない場面にたくさん遭遇し、そこから色々な展開を生み出していきます。
日常でも、その感覚が活かされて、
どんな場面においても、色々な可能性を想像し、
瞬時に生み出すことができるようになったのでしょうね。


会議では、対立だったり、少し陰険な空気になってしまうこともありますが、
そんな時でも、まとめやすくなりました。

おかげで、そういう会議になりそうな時に、呼ばれる回数が増えましたね(笑)。


IJ:
お呼びがかかるということは、職場の皆さんにも、認識されているのですね!


他にも、パフォーマンスをしてきたことによって、
具体的に伸びてきた力があれば、教えて下さい。

K:
はじめに話したように、インプロはノンバーバルな感覚が養われるので、
観察力が身についたのもその一つです。
言葉になっていない人の想いを見逃さないようになりましたね。


あと、ストーリーを創ることを重ねてきて、俯瞰する力もつきました。
自分の視点だけでなく、違う視点を持つようになったことも、会議の場で生かされています。



例えば、部下達との会議の場面で、
彼らの表情で何か引っかかっていることがある時は見逃さなくなりました。
そして、そんな時は、自分に答えが見えていたとしても、
こちらの意見を言ってまとめてしまうのではなく、
彼らに投げかけ、どこに引っかかっているのかを聞き出すようにしています。


彼らの視点も受け入れ、話し合っている内容の本質と照らし合わせて、
まとめていくことで、部下と一緒に作っていくことになり、それが信頼に繋がっているんじゃないかな。
強引に進めるより、結果的には、その後の仕事もスムーズに運ぶようになっています。



それに、会議の場に限らず、彼らの話を時間がある限りいつでも聞けるよう、
門戸を広げたことも、インプロで身につけた「聞く力」が影響していますね。


IJ:
部下の皆さんからも信頼が厚いのでしょうね。


さて、今度は「パフォーマンスする」ことについて、お聞きしますが、
先月、「インプロ・ミニ・フェスティバル」に出演されましたね。

久々の舞台、しかも、それが「即興」の舞台。
いかがでしたか?

K:
楽しかったですね~。
照明の感覚、お客様の反応を肌に感じ、30年ぶりの舞台が懐かしく、
少しでも長く立っていたいと思うほど、楽しみました。


今回、「シアタースポーツ」(チーム対抗戦の公演)に、
「化生人フォー」というチームで出演しましたが、
まず、第一に良かったと思えるのは、このメンバーと出演したことです。


IJ:
それはなぜですか?

K:
我々のチームは、全員50~60代。
50代前半の私が最年少で、他は、50代後半~60代後半の人生の大先輩でした。


初めは、ショーに出たいという想いだけで何とかなると思っていました。
年寄りが元気になって、楽しくやっていればそれだけでいいだろうって。


でも、やってみたら、稽古がなかなかうまくいかない。
それぞれに、凝り固まっている視点があって、
インプロでは自分の歴史にないことばかりですから、それだけで挑戦でした。


稽古をやるうち、人生経験が長い分、価値観が変わらない、
先入観が出てきてどうにもならない・・・そんなことの繰り返し。
やる前は、「今日は頑張るぞ!」と思って稽古に臨むも、
稽古が終わると、「はぁ~」とため息の日々も・・

ただ、長く生きているだけ、打たれ強かったみたいですが(笑)。


結局、最後のチーム稽古まで変わらず、手応えなく終わりました。


IJ:
でも、公開リハーサルから素晴らしいチームワークでしたよね?

K:
最後の稽古が終わった時、「やるだけやったんだから」と互いに言い合い、
ある意味、開き直ったんです。
そしたら、公開リハーサルで形になり、本番を迎えることができました。


IJ:
稽古が実を結んだのですね。

K:
稽古では、今まで纏ってきた自分の殻を脱ぎ捨てて、生まれ変わるステップを踏めました。

我々のチーム名には、これまでの人生経験にすがるのではなく、
今、この歳で、生まれ変わりたいという想いがあったんです。


IJ:
そこにたどり着いたのですね。

K:
だから舞台の上で、楽しくいることができました。
2か月半の稽古は、その為だったんだと。


「不格好でもいいから、みんなで創っていこうよ!」って、
どこよりも元気にさらけ出し、チームが1つになれた。


このメンバーだからこそ、できたことだと思います。


IJ:
観ていたお客様、共演者、スタッフ達の中にも、
「化生人フォー」のその姿に、感動し、元気をもらった人は多くいたと思います。
私自身、皆さんの姿勢に尊敬の想いがぬぐえませんから。


さて、舞台も終わり、今後、どんなことをやってみたいと思いますか?
野望があれば、聞かせてください。

K:
「シニア・インプロ」を教えられるようになりたいですね。

ミニフェスの稽古を通して、固まった価値観をどう解かしていくか、
そして、それが解けた時の喜びを味わいました。


「自分が見えている世界は簡単に書き換えられる」
「新しい価値観を持つことはいつからでもできる」


自分の経験を通じて、シニア世代にそれを気づかせてあげたい。


若い人達とやれば、刺激になるし、
身体と脳を動かすからボケないし、病気にならない。
楽しむことで若返るし、
相手を理解できるようになると関わるのだって楽しくなる。


そこには、ハッピーな世界しかないですよね!
高齢者が自立するのに、「インプロ」はとても有効的だと思うんです。


インプロジャパンで「シニアクラス」やってください!
アシスタントしますから。


IJ:
是非、近い将来、実現しましょう。

その時は、よろしくお願いします!