今月のインタビューは、インプロジャパン主催公演には欠かせない
パフォーマー、impのリーダーのイリこと、入岡雅人氏です。

クラウン(道化師)としても、日本に留まらず、
中国・韓国など、アジアでもご活躍中の入岡氏ですが、
http://www.yentownfools.com/yentownfools/top.html

インプロとの出会いは、かれこれ25年前にさかのぼり、
そのクラウンの勉強の一環としてワークショップに行ったことだったそうです。


その頃のことを振り返りながら、イリさんから見た、
インプロの魅力を伺ってみました。

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インプロジャパン(IJ):
はじめに、インプロを始めた頃のことを聞かせていただけますか?


イリ:
'92か'93年頃かな。
当時、教わっていたクラウンの先生が外国人で、
「知り合いがインプロのワークショップをやるから」と勧めてくれ、
クラウンに活かそうと、勉強の一環で、やってみたのが最初でした。
そのワークショップに参加した人達は、多くがクラウンでしたね。


その時インプロを習っていた先生が、
後に、ナオミ(池上奈生美)達と一緒に「がらくたエキサイトシアター」という
インプログループを作ったマイケル・ネイシュタットです。

IJ:
「がらくたエキサイトシアター」!!

海外遠征でアメリカで観客投票による最高賞をもらったり、
当時は月に2回、六本木でショーをやっていましたね。
懐かしいです。


その時のメンバーだったマイケルさんが、
イリさんとインプロを繋いだ最初の人だったのですね!


初めてインプロをやってみて、いかがでしたか?


イリ:
やってて、楽しかったですねー!!
やればやるだけ楽しかった。


何が楽しいって、自分の考えをストレートに出せる。
なぜなら、「受け入れ合う」「失敗はない」という土壌があるので、
セーブする瞬間なく、そういう行動に繋がっていたんでしょうね。


クラウンも、ライブでお客様にお見せし、表現に対する反応が直接あるこ
とが魅力の一つですが、インプロは、その場で創って、その場で表現して、
お客様から反応をもらう、、恐るべき見世物だなと、惹きつけられました。


IJ:
そこから、インプロにはまっていったのですね。


イリ:
しばらくは、マイケルにインプロを習いながら、
少しして、日本にオーストラリアから、インプロの先生「リンピアス氏」が
やっ てくるという話を聞き、マイケルをはじめ、7,8人のクラウンの仲間達と一緒に、
そのワークショップに行ってみることにしました。


そこで、ナオミをはじめ、今、各インプロ団体の代表で活躍している
吉田敦氏や今井純氏、絹川友梨氏達に、出会ったんですよ。


IJ:
そのワークショップが、今の日本のインプロ界の礎となっていますよね。


ここで、イリさんから見た、「インプロの面白さ」を聞かせていただけますか?


イリ:
やはり、受け入れているからこそ、自分がそれまでに考えたことないことへ
突き動かされていく感じかな。
受け入れてない時は、頭を使っているんですよ。
こうしてやろうとか、やらされてるとか・・・。
そうではなくて、
あれこれ考えず、感覚的に受け入れ合ってインプロができた時、
爽快感や充実感を感じますね。


自分にとって、「受け入れる」というのは、
相手が何かしら出してきたら、
まずは、その瞬間は自分のアイデアを捨て、ゼロにする。
そうすると「こうきたか」「こうくるか」を楽しめて、
それが心地良いです。
アイデアに乗っかったり出したりして、その流れに委ねていくうちに、
誰も予想しない結末を迎えた時、
「ほほ~、こんなところに来ましたかぁ~」と。
それがたまらないですね。


それに、さっき、自分のアイデアを捨てて、ゼロにすると言いましたけど、
完全になくなっているわけではないんですよね。
自分のどこか片隅には残っている。
シーンが進む中で、突然、それが繋がる時が出てきたりして、、
リンクされる瞬間がふと湧いてくるのも面白いですね。


IJ:
25年のインプロ歴という事ですが、パフォーマーとして、
変化してきていることはありますか?


イリ:
若い頃は、「笑かしたい」「奇抜なアイデアを見せたい」「面白い俺を見ろ!」
という気持ちが少なからずあったと思います。
当時、「シアタースポーツTM(チーム対抗戦)」では、チーム優勝するより、
そのショーの中で一番ホットだったシーンに贈られる「モーメント・オブ・ザ マッチ」に
選ばれる方が嬉しかったですから(笑)。


でも、年を重ねてきて、「面白い」とかお客さんが楽しんでくれるというのは、
後からついてくるものだと思うようになってきて、
そういうことに縛られなくなってからは、ことさら、
舞台上でのその場その瞬間のメンバー同士のやり取りが、
楽しくなってきました。
ゆっくり、その空間を味わえるというか。
これも、インプロへの信頼や自信がそう思わせてくれているのかもしれないかな。


IJ:
なるほど。
その観点は、今、パフォーマーになる為に学んでいる人達にも参考になるかもし れませんね。


最後に、イリさんが思う「インプロ観る時の楽しみ方」を1つ教えてもらえますか?


イリ:
「人間観察」。
インプロは即興だから、演じているとはいえ、そのパフォーマーそのものが
見えてくるもの。

人はどう関わり、瞬間にどう判断し、どう反応するか。
予想がつかないだけに、生身の姿がさらされています。


お客さんから頂く様々なタイトルの状況下で、
それが見られるので、多角的にその人間を観察することが出来るというのも、
楽しみ方の一つになるんじゃないですかね。


次回の公演で、是非、「イリオカマサト」を観察してください。


IJ:
次回は、10月26日(木)@サラヴァ東京 で行われる「Impro Box」ですね。
http://www.nextimpro.com


じっくりと『観察』させていただきます。

有難うございました!