今月の受講生インタビューは、現在、パフォーマンスコースを
レギュラーで受講していらっしゃる、のりっぷこと吉田賀子さんです。

普段、訪問介護のサービス提供責任者として、
訪問ヘルパーさん達のとりまとめや、
利用者に合わせて介護計画を立てたり、
現場に出て介護のお仕事をされているのりっぷさん。

お仕事の現場で、インプロが活かされていることを
実感することもあり、他のヘルパーさん達にも伝えたいと
最近では、地域での活動も始めているそうです。

介護現場から見た「インプロ」の活かし方を中心に、
お話を伺ってみました。

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インプロジャパン(IJ):
のりっぷさんがインプロジャパンに来たのは、2015年3月。
いらしたきっかけを教えてもらえますか?

のりっぷさん(N):
高校演劇をやっていた仲間たちと、卒業後もお芝居を
続けていたのですが、結婚・出産を機に、遠ざかっていました。

子ども達が学校を卒業し、気持ちに余裕ができた頃、
その当時の仲間が、ちょうどインプロジャパンでインプロをやっていて、
発表会に誘われ、観に来たのがきっかけです。
最初に観た時は、インプロなんて無理だと思っていたけど、
観続けていくうちに、面白くて、
「続けたら、こんなことが出来るのかな、
あんな風になりたいなー」と思うようになり、やってみることにしました。

IJ:
それから3年、ずっと続けてくださっていますね。
その間には、公演にも出演されたり!

のりっぷさんにとって、
それほどまでに続けたくなるインプロの魅力は何ですか?

N:
まず、不器用になれる!!(笑)
日常はかなり器用なので。

思いっきり、普段の生活では出来ない、自分の中の自分を出しても
受け入れてもらえる安心感があるので、自分をさらけ出せます。

ただ出すだけでなく、出したことを活かし合う体験をもっともっと
増やしたい・・・その向上心が自然と湧き上がってくるのも、
はまっている理由かな。

IJ:
大人になってからの向上心…素敵ですね!

インプロをやっていて、自分自身に感じる変化はありますか?

N:
変にこだわらなくなったこと。

人の考えや行動を受け入れられるようになって、
そういう考えもあるんだなぁと思うと、 自分を突き通さなくなりました。

サービス提供責任者は、様々な利用者に対応していかないとならないし、
色々な畑からきている様々な個性や考え方のヘルパーさん達に、
指示を出していかないとならないんです。
柔軟な対応、指導が必要な仕事なので、
インプロのイエスアンドの考え方が非常に活かされているなと。


そう考えると、取りまとめる立場の責任者の人達には、
インプロをやったらいいのになと思います。

IJ:
働く側からしても、自分の意見を活かしてもらえたら、
やりがいも出てきますよね。

さて、お仕事の中で、インプロが活かされているという話ですが、
他に、介護現場などで実感している場面はありますか?

N:
認知症の方の介護をしている時、
インプロの感覚はとても活かされていると思います。

認知症の症状で、程度にもよりますが、
自分の現状が認識できず、 過去の記憶の中にいたり、
実際そこにないものが 見えていたりすることがあります。
そこで、何を言われても、それに合わせて会話をすると、
利用者は安心し、ヘルパーを拒否することは減り、
すんなり介助ができることが少なくありません。


例えば、ベットで寝た切りで、寝返りも難しい状態でありながら、
「今日は、○○へ行って疲れたわ~」とおっしゃれば、
「今日は、外暑かったでしょ~」と言いながら、手ではおむつを替える・・
といったように、ご本人の世界に合わせながらも、
自分自身は現状に対応していきます。
私が、お話に合わせて返せば、またそれに対して、
返してくれるので、話が続くんです。

IJ:
それって、架空の会話がどんどん続いていくということですよね?
まさに、インプロじゃないですか!!

N:
そうなんです!
利用者さんと一緒につくる話で繋がれるんです。

以前に、あるベテランヘルパーさんが、認知症をお持ちの利用者さんがおむつ替えの時に暴れて
どうしたらいいか悩んでいて、私がおむつを交換しているところを見てもらったんです。
すると、そのヘルパーさんは、
「絶えず、話しているんですね!」とビックリしていました。
たぶん、おむつ交換の手際は、私の方が悪いんですけどね。

他にも、例えば、トイレや入浴に嫌がる利用者を誘導する時、
立ちたくなりそうな内容を話しかけたり、、
とりあえず立ち上がりさえすれば何とかなる利用者や、
その気になってもらう為に口八丁つくす場合など、インプロは役立っています。

認知症ケアの一つとして「ユマニチュード」という技法があり、
それは、その方の世界を大事にするという気持ちが大切ですが、
インプロを活かせば、それを実践できると思います。

IJ:
それは、介護する側にとって、とても参考になるお話ですね。

N:
介護の上でも役立ちますが、
私がヘルパーさん達にインプロをやってもらいたいと思うようになった理由には、
もう一つあるんです。

特に、訪問ヘルパーの場合、利用者さんのお家に入るので、
その家に合わせて、寄り添って、言い方を変えれば、
その利用者さんのやり方に染まる必要があります。
例えば、あまり片付いていないお宅だからと言って、
自分のやり方を持ち込んで、環境を急に変えてしまうことは、
利用者の方々にとってあまり好ましくありません。
まずは、利用者の考えを受け入れ、その上で、安全や健康を考慮して、
利用者に一つひとつ提案していきます。

自分のやり方ではなく、利用者さんのやり方に合わせる。
利用者さんの話に合わせながら、介護する。

これって、瞬時に柔軟な発想することが求められるとつくづく感じています。

そんな想いがあって、ヘルパーさん達に、
インプロを知ってもらいたいと思うようになりました。

そこで、ヘルパー仲間の人達に観てもらいたいと思い、
地元に近いところでインプロショーを仲間たちとやって、
それを見に来てもらったんです。

そしたら、皆面白がってくれて、興味を持ってくれました。

IJ:
地域で広がるきっかけ作りになりましたね。
これから、ヘルパーさん達にも、どんどん体験してもらいたいですね。

ちなみに、高齢者の方々へのインプロについては、
どんな風にお考えですか?

N:
すごく有効だと思います。

インプロを体験することは難しくても、
インプロショーでのお客様との掛け合い一つでも!

実際、高齢者住宅にあるサロンで、
何度か、ショーを観てもらったんですが、
例えば、ショーのお題をもらうときに、その前に、
一緒に連想ゲームをしたり、また簡単な質問に答えてもらったり、、
色々な言葉を引き出せるんですよね。
脳への刺激って感じ。

何より、思いっきり笑うって、いいですよね。

IJ:
元気が湧き出てきそうですね!
シニア世代の方々に、どんどんインプロを観ていただきたいですね。

シニア世代といえば!!

まだシニアというには早いですが(笑)、
インプロジャパンのR50メンバー達によるインプロショーが
7月1日(日)にあり、のりっぷさんも出演されるんですよね?
http://www.improjapan.co.jp/ijp2018/#kidsr50

今や、インプロジャパンで一番バイタリティ溢れる世代の方達によるショーですが、
最後に、ショーへの意気込みを教えてください。

N:
この世代にしか創れないインプロを世に広める為に、
いいものを創りたいです!

これこそ、ヘルパーさん達に見てほしいな。

IJ:
インプロショー、楽しみにしています。

有難うございました。