今月の受講生インタビューは、現在、パフォーマンスコースを
レギュラーで受講していらっしゃる あや しのぶ(愛称・インプロ名)さんです。
 
明るい性格で、いつも周りを楽しませてくれているしのぶさんは、
  普段は、大手通信会社にお勤めの会社員。
「即興演劇集団インプロモーティブ」さんのメンバーでもあり、
数々のインプロショーに出演なさっており、、
今月は、9/17(月祝) の「IJ Soul Project公演」にも登場します。
 
同じクラスでなくても知っている人が多く、顔が広いのですが、
実は、インプロを始める前は引っ込み思案だったそうです。
そんな、しのぶさんに、インプロについてお話を伺ってみました
そこには、これまでの人生を赤裸々に語りながら、
自分の本質と向き合い、それ大切にして生きる姿がありました。
 
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Q: インプロとの出会いを教えてください。
 
A:  
インプロの存在を知ったのは、2006年くらいだったと思います。
 
会社の友人に誘われて異業種な人達が集まる飲み会に参加した時、
たまたまお話したのが、今、所属するインプロモーティブの
当時メンバーだった女優さんでした。
気さくにお話してくれて、その時、はじめてインプロの存在を知りました。
 
それまでの40年間、映画やドラマは観てたし、読書は大好きだったけど、
演劇とは縁が無く、自分の意志で舞台を観に行ったこともなく、
ちょっと興味はあったけど、一切かかわってこなかった分野。
 
で、その話を聞いた時、なぜか興味が湧いたのを今でも覚えてます。
 
その時アドレス交換して、公演のお知らせを何度か頂き、
2007年6月に「インプロモーティブ6周年記念公演」を観に行ったのが、
インプロとの初めての出会いです。
 
Q:  そして、ご覧になった感想は?
 
A: 
衝撃でした。
ずっと笑い転げてたこと、ずっと感情が動いてたこと、
それだけは体が覚えてる。
    
これ、不思議なんですけど、
自分は、割と記憶力が良くて、色んなことを覚えている方なんだけど、
あの日は、どんなシーンがあったとか、全然覚えてなくて、
ただ、インパクトというか、感覚だけ今も覚えてるんです。
それだけ衝撃的だった。
 
公演の後、主宰の大浦さやかさんが、打ち上げにお客様も誘ってて、
僕にも、「行きましょうよ!」と背中を押してくれて、また衝撃!
「さっきまで舞台にいた人と、対等になって飲む???!」って感じで。
引っ込み思案の自分が少しずつ壊れていきました(笑)
 
Q:
引っ込み思案だったのは、幼い頃からですか?
 
A:
小学校高学年になってからです。
少し、子どもの頃の話をしていいですか?
 
実は、低学年まで、すごくおしゃべりだったんです。
周りの大人達がもてはやしてくれて、表現することが大好きでした。
でも、学年が上がるにつれて、他の子達は周りを見てしゃべったり、
行動したりしてるにもかかわらず、僕は、周りを余り気にせずに
やりたい事をやったり、言いたい事を言ったりしていた。
 
言っちゃいけない事、やっちゃいけない事があるとか気づけなくて、
思ったことを素直に言葉にしちゃって、責められるとしょげたり、
あと気づかいに鈍感で、相手に理解してもらおうとか考えられないから、
周りに僕が言いたいこと、やりたいことが伝わらず、
ケンカになったり、「お前、わけわかんないよ」って言われたり。
 
そのうち、[理解してもらえない → ならやらないほうがいい]
ってなっていき、親しい人以外には心を隠すようになっていきました。
 
次第に伝えることがコンプレックスになっていき・・
身体や言葉で伝える「演劇」はそういう意味で、
自分からかけ離れたものと思って、近づいていけなかった。
 
小学校の時と中学校の時と一度づつ、当時演劇部の顧問だった先生が、
「君は、個性があって面白いから、演劇部入らない?」って
声を掛けてくれたことがあったんです。
すごく嬉しかったんだけど、結局その時は、表現すること、
人前に立つことが怖くて、断ったんです。
 
Q:
それなのに、何故、ワークショップを受けようと思ったんですか?
 
A:
「モーティブ」の公演を観に行くようになって、
2~3回目の時に一緒に観てたお客さんと仲良くなったら、
ワークショップでインプロ体験してみないと誘われて、なんとなく、、、
「行くだけ行って、見て帰ろう」くらいの気持ちだったんですけど、
行ってみたら楽しくて、自分もインプロできて、それも衝撃でした。
 
で、ワークショップ常連になってインプロがどんどん好きになり、
次第にインプロショーにも出てみたいと思うようになって。
「モーティブ」メンバーも通ってたインプロジャパンで
本格的にインプロを学ぶことにしました。
 
Q:
今では数多くのインプロショーに出演されているしのぶさんも、
初めは「表現すること」が怖かったのですね。
 
初めての出会いから12年。
なぜ、「インプロ」にそれほどはまっていったと思いますか?
 
A:
自分の中の欠けていたパーツを見つけたからかな。
自分を素直に出せる表現方法がゼロの状態だったから。
 
さっきも話したように、中学校の頃から、
伝えることを諦め、心を隠し、そつなく生きることを選んだので。
常に自分に鎧を着てる感じでした。
 
働くようになってからは特に、処世術として、
構えてしゃべって、自分の心をごまかして生きていた。
でも当時、そんな自覚は全くなく、うまく隠そうとかは思ってない。
無自覚だけど、訳も分からずストレスが溜まって、イライラして。
お酒で散らしたり、趣味の世界に逃げたりの日々。
 
それなのに、インプロやるようになって、
ラフに自分の言葉でしゃべれるようになって、すごく楽になって
そこではじめて、その頃の自分の状態が分かった気がします。
 
Q:
何故、「表現すること」が怖くなくなったのだと思いますか?
 
A:
「インプロ」は自分の本質を教えてくれて、
  その自分をどうハンドリングしたらいいかを教えてくれたから。
『インプロ』のおかげで自分から逃げずに、向き合えた・・そう思ってます。
 
インプロとの出会いは、例えれば、
「自分に合う自分教習所を見つけた!」という感じ。
 
僕は、インプロと出会うまでは「自分」を学ぶ機会が余りなかった。
知らずに相手を傷つけて、自分も傷ついて、その繰り返しで
人との関係作りなんてうまくいかないって思ってた。
 
大人になってから、趣味とか一緒で「理解してくれる人」に
出会って仲良くなっても、付き合いが長くなるとうまくいかなくなる。
でも、その時は、何故だか分からず、
最後は「やっぱり理解してもらえない」で終わって、
だから次第に「人間恐怖症」になっていってました。
 
でも、そもそも、自分と相手を意識して、
キャッチボールをしてなかったんですよね。
そのことに、インプロやるまで、気づかなかった。
 
インプロやって、自分を見るようになって、
自分自身が自分を認められるようになった時、
相手を意識して、自分を伝えられるようになった気がします。
 
結局、自分自身が自分の個性に気づいてなかったのかも知れませんね。
 
そういえば、中学校の時、いじめられてると思ってたけど、
そのいじめっ子だと思ってた同級生達が、卒業する時に、
「お前、すごいんだから、絶対頑張れよ!」って口々に言うんです。
その時は、なんでそんなこと言うんだろう?、と思ってたけど、
今思うと、あの言葉は励ましてくれたんだろうなって。
彼らは友達として、僕の個性が面白くて、いじってただけだった
のかなって、今は思うんですよね。
 
「インプロ」のおかげで自分の本質を見つけた今は、
『自分』の正解を探すんじゃなく、
今の『自分』こそ正解だって自信を持ってます。
そして、その『自分』の使いこなし方を見つけたいって思ってるから、、
だから、表現へのコンプレックスがなくなったんじゃないかな。
 
Q:
「自分の使いこなし方を見つけたい」ステキですね!
 
A:
本質を変えなくても、使い方次第で楽しい人生を送れるって、
今は思います。
 
Q:
これは、「IJ Soul Project」に出演の皆さんに共通していますが、
ミドル・シニア世代になってもなお、成長への意欲、挑戦を感じます。
 
しのぶさんにとって、「成長」とはなんですか?
目指していることはありますか?
 
A:
「成長」なのかわからないけど、
昨日より今日、今日より明日、何かが良くなってる、
そんな積み重なっていく人生を歩みたいです。
 
目指したい事…
僕、「人生、コンプリートしたい」って思ってるんです。
絶対ゴール出来なそうだけど、だから挑みたいっていうか。
 
色んなものを見て、聞いて、経験して、より満たされたいって。
 
Q:
だから、色んなことに興味があって、挑戦されているのですね。
 
さて、ここで、同じように色々なことを経験してきたメンバー達の公演
「IJ Soul Project」について、伺わせてください。
 
しのぶさんにとって、「IJ Soul Project」はどんな場所ですか?
 
A:
今、一番、自分の本質をさらけ出せる場所。
 
歩んできた時代・背景が近く、共通したものを持ってるっていうのも
自分が安心して存在できる場所の理由ですね。
 
Q:
この歳になると特に、世代の安心感が心地よかったりしますよね。
 
今回のメンバーは、平均年齢56歳とのことですが、
皆さんの共通点は何だと思いますか?
 
  A:
僕が思うのは、
人生において、一番大事にしている想いが似てるところ。
 
自分にとっての生きるモチベーションって「渇望」だと思うんですけど、
このメンバー全員が、常に人生に何かを「渇望」してて、
もっと自分を満たしたいって思ってる気がします。
 
いい年して、家庭も仕事も、他にもやっていることが一杯あって
忙しいのに、それを辛いとも思わずに楽しんでる。
 
だからモチベーションは高いですよね。
 
僕の、メンバーみんなが大好きなところでもあります。
 
Q:
益々、皆さんのパフォーマンスが楽しみになってきました。
 
最後に、「IJ Soul Project」の見どころをお聞かせください。
 
A:
それぞれが、自分の人生の「主人公」。
様々な人生を歩んできたその「主人公」たちが、
「自分の本質」をさらけ出し、ナニカを「渇望」し、
それを繋げて、舞台を、世界をつくります。
 
そんな僕たちの公演が、お客様一人ひとりの心の中の「渇望」する
ナニカを見つけるきっかけになってくれたら嬉しいです。