"インプロシンキング"スタジオ報告

インプロジャパンのインプロ・ワークショップ のスタジオ報告です。

【インプロとは】「インプロヴィゼーション(即興)」の略語。「その瞬間のできごとに即興で対応しながら作り上げられていくエンタテイメント」です。詳しくはインプロガイドブック (http://impro.jp) をご覧ください。

【インプロジャパンのコミュニュケーションコース】職場や学校等、日常生活の中でインプロ・シンキングを行うことにより、コミュニ ケーションスキルの向上や発想力の強化を目指すクラスです。(人間関係力の強化に最適)人前で演じることよりもインプロゲー ムを楽しみながら様々な能力を伸ばすことを目的としています。
詳細:インプロジャパン http://www.improjapan.co.jp

インタビュー

【受講生インタビュー58】~「インプロはカテゴリーで見ない世界」~

今月の受講生インタビューは、現在、パフォーマンスコースをレギュラーで受講していらっしゃる
古谷真由さんです。

現在、障害者施設にお勤めの真由さんが、インプロジャパンでインプロをスタートしたのは2008年の秋。
今年で10年を迎える彼女は、インプロジャパンの劇場公演へ出演の他、2011年春からは、
SAC(ミュージカルカンパニー)のワークショップの時に、アシスタントをしてくれています。


SACとは、都内の特別支援学校を卒業したOB・OGによって結成されたミュージカルカンパニーで、
2年に一度、劇場公演もやっている団体。http://sac-musical.com/
我々インプロジャパンは、2003年より、メンバーの皆さんのトレーニングの一つとして、
インプロ・ワークショップを毎月1度やらせてもらっています。


今回は、SACのアシスタントとして、メンバー達を側で見てきて、
どんなことをお感じになっているかを、伺ってみました。
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インプロジャパン(IJ):
SACのワークショップでは、いつもアシスタントをしてくれて、有難うございます。
手伝ってもらうようになってから、今年の春で7年ですね。
今日は、アシスタントをしていて、お感じになっていることを聞かせてもらえたらと思います。

まず、アシスタントをしていての率直な感想を聞かせてください。


真由さん(M):
始めた当初は、アシスタントいう立場で、受講者のサポートをすると思っていました。
でも、今、7年経って思うことは、私はSACの皆さんの手助けをしてきたのではない、と。

一緒にインプロをやることで、私自身が教わり、時に救ってもらっているなと思っています。
と言うのも、皆さん、自分の想いの伝え方が優しいんです。
インプロで皆さんとお話創りをしていると、どんなアイデアもとても楽しいのです。

それは
アイディアを、いつでも受け止めてくれる仲間、だから。
アイディアを、いつでも受け取りたくなる仲間、だから。
それが、SAC。


他者のアイデアを聞くのが面白いと再度気づかせてくれたのは、SACの皆さんとのインプロです。
おかげで、私のささいな悩みを吹き飛ばしてくれたり、「信頼」を体で感じることが出来たり、
インプロが更に好きになったり、、、
そう考えると、本当に、皆さんのインプロに出会えて良かったなと、思います。


IJ:
真由さんから見た、皆さんのインプロについて、もう少し詳しく聞かせてもらえますか?


M:
どんな瞬間も、純粋に楽しんでいる姿を見ていると、オフの時間(余暇時間)の大切さを感じます。


これは、今の仕事をするようになって感じていることですが、
障害があるということで、「◯◯をしよう」と行動を起こすにも、より制限が伴うことがあります。
本人が、やりたいこと、好きなことをするにしても、
情報を集め、段取りや準備を介助者と整えて取り組む必要が多いと感じています。
また障害故に、初めての活動はより緊張する、より不安という制限がかかることもあります。

なので、オフの時間についても、今まで馴染みのある決まった活動
(例えば介助者も慣れている図書館に行く、家から近い駅ビルでお茶をする)を過ごす方々もいらっしゃり、
本人にとって、変わらない活動をすることが楽しい…という方もいらっしゃいます。


でも、オフの時間を、やったことがない初めて挑戦する、
自分で自由に選んで感情を発散できる時間(ストレス発散)にするのもいいのでは、と思うんです。
自分が好きなこと、やりたいことを存分に楽しめるように、経験していく時間にすることも大事だと
私は思っています。


インプロは、お話を創り表現できる活動…しかも、いつも決まったお話や、
人を演じるわけではないですよね。即興ですから!
SACの皆さんは、その好きなインプロの中で、やりたい役を演じ、創りたい物語を創るという、
その場その瞬間の自分の感情で選択し、想いを叶えている場があるんですよね。

自分のやりたいことを純粋に楽しめるこの時間が、皆さんの明るく楽しそうな、イキイキとした表情に
繋がっているのではと思います。


IJ:
真由さんから見て、皆さんが、その経験を通して、変化していることはあると思いますか?

M:
出会った時と明らかに変化してきています。


さっきもお話しましたが、障害があるということで、それまではより良い生活のためにと、
学校や家庭で、少なからず制限や決められたレールがある中で過ごしてきたメンバーも
いたのではと思います。
だからこそ、決められていないことを楽しむ「インプロ」の場の存在は大きいと思います。

ただ、最初は、「何でもいいって、なんだろう?」と、躊躇する様子やこわばっている姿も見られました。

でも、今は、「自分で選択する」「やりたいことを伝える」といった楽しかった経験を何度もすることで、
枠から解放され、「自由」になったと思います。
そして、リラックスし、個々の魅力を存分に発揮しているように見えます。


皆さんのステキなところは、そのお互いの「自由なアイディア」をどんな時も、楽しみあえていることです。
それは、それぞれが枠に捉われずに、お互いの「個性」を見て、想いを尊重しているからだと思います。


その姿から、私自身の障害がある方々への見方も変わりました。


IJ:
具体的に教えてもらえますか?


M:
極端に言うと、障害があるという枠でくくって決めつけたり、思いこんだりせず、
「個人」を見るようになりました。


皆さんのインプロを見たり、一緒にやっていると、その場で感じていることを素直に表現しています。
そして創ったお話の人間模様は、リアルで、共感できることが多いのです。
だから、一緒になって心を動かし、楽しめる。
そこでは、障害があるから出来ないという枠を感じることはありません。
皆さんを見ていると、素直に「楽しい」から関わる、もっと「面白く」したいから共に創る、
という瞬間をたくさん見ます。
それがお互いの助け合い、協力に繋がっているんです。


そんな姿を見ていて、出来ることだけをやるというのではなく、
方法によって、誰でもが自由に可能性を広げ、変化していけると思うようにもなりました。


IJ:
「枠がない」とは、「同じ舞台にいる」とも言えるかもしれませんね。
それも、SACの皆さんとインプロで数々の物語を創ってきた経験が教えてくれたのでしょうね。


最後に、真由さんにとって、インプロの好きなところを聞かせてもらえますか?


M:
インプロの「あなたのアイデアを受け入れます」「あなたを助けます」という精神が大好きで大切にしています。


相手を分かろうとする為に確認をする。
相手に分かってもらおうと伝える。
インプロの中で自然とやっていることが、安心感を生んでくれていて、
その空間や感覚が私は大好きです。


自分を振り返ると、
インプロをやってきたおかげで、相手の想いに気がつけるようになったり、
相手を受け入れた上で、自分の想いを伝えるように伝え方も変わってきました。
そうすると、自分が伝えたいことだけでなく、相手への意識も生まれるので、
視野が広がってくるんですよね。
仕事でも、関わる人達の求めることを客観的に受け止められるようになったと思います。

考え方を否定されたら、それは「変」となりますが、
受け止めてくれると、それは「変」ではなく、
その人の「オリジナリティ」になり、
それが、「自分」というものの意味づけに繋がるんじゃないかと。


インプロジャパンの仲間やSACの皆さんと一緒にインプロをする中で、実感しています。


IJ:
個人を見て、お互いの想いを受け入れ合う関わりこそ、
オリジナリティ溢れる自由で、創造的な環境が生まれるのでしょうね。


これからも一緒に、インプロを通じて、そんな場をたくさん創っていきましょう!

有難うございました。

【インプロ・シンキング講座】ご担当者インタビュー*大学編

インプロジャパンでは、主催ワークショップや企業研修の他、
小学校~大学まで、様々な教育機関で、授業や講座として、
「インプロ・シンキング・ワークショップ」を実施しています。

いつもと違う子ども達や学生たちの様子や、
また回数を重ねるごとに変化を遂げる姿に、先生方もとても喜んでくださり、
有難いことに、一度ご実施いただくと、継続してお声をかけていただくことが
多くあります。

本日は、その中から、2014年以降、年に一度、大学の授業として、
教職志望の学生向けの特別講座として、我々のプログラムを導入くださっている、
木下まゆみ先生にお話を伺いました。

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インプロジャパン(IJ):
「インプロ」を授業への導入理由と実施ねらいを教えてください。

木下先生(K):
大学で教職科目を教えていますが、教師を志望する学生にとって、
他者と関わる力や、そのためのワークショップが必要だと考えてきました。

彼らが志望する「教師」が関わるのは教師と生徒という、
縦の関係だけではなく、保護者や、同僚の他の教師たちとの横の関係も含まれます。
対等な立場同士で、自分の考えや気持ちを伝え、
また他者のそれを受け取ることが重要であることを認識してもらうのがねらいです。

IJ:
2014年以降、毎年実施いただいていますが、毎回、どのようなことをお感じですか?  
学生達の受講の様子と合わせて聞かせてください。

K:
学生一人ひとりで見ると、みな良い学生なのですが、集団になると、そこにある種の「リーダー」がいる時と
いない時で、パフォーマンスが大きく変わるように感じています。
リーダーといっても、みんなを鼓舞するのではなく、楽しんで取り組んでいるのがわかる人、という意味ですが、そうすると、他の学生も少しずつ遠慮がなくなっていくようです。
その為、ワークの中でも、普段付き合いのない学生同士で組んでリーダータイプがいないと、
そういった傾向が見え隠れしますが、そこをうまく講師のナオミさんやカヨさんに突いてもらってるなと
感謝しています。
また、その学生への働きかけ方を観察するのも、教職を目指す彼らににとって良い勉強になります。

IJ:
学生の皆さんからの実施後に聞いた印象的な言葉や出来事があれば、聞かせてください。

K:
インプロを受けた後、他の場面でも積極的に発言するようになったという学生や、
コミュニケーションにおいて、今まで受信ばかりだったけれども、発信を意識するようになったという話を
聞きました。

また、以前、学生が講師のお二人の即興劇について、どういう気持ちで臨んでいるかと質問したことが
あるのですが、「未来に責任を持つ」とお答えいただきました。
その答えが当の学生には印象的だったようで、「未来の自分を意識して、今の自分のことを考えてみる」
と話していたのを覚えています。

その他にも、この講座に参加していた私のゼミ生が、実際にインプロで身に付けた力を活用している場面もありました。
私のゼミでは集団討論をよく行いますが、インプロを経験した学生が司会進行をしていた時に、
その彼が「フォーカス」がどこにあるかを他の学生に頻繁にフィードバックしており、
かなり複雑な議論にも関わらず、大きな混乱もなく良い議論が出来ていました。
コミュニケーションというと、センスや才能と繋げがちですが、
知識や経験があるだけでも全然変わってくるなと実感しています。

IJ:
先生から見た「インプロ」の魅力を教えてください。
また、教職志望の学生達に、「インプロ」を通じて、何を伝えたいですか?

K:
インプロの魅力は、人と一緒に作業をするのが「楽しい」ことであり、
でも、「楽しくなる」ためには、自分も進んで動くことが必要だと体験できるということ、でしょうか。

今の学生たちは、非常に繊細な社会的空間の中に生きていて、
できるだけ面倒を避けて省エネモードで無難に乗り切るのが良いという、
暗黙のルールに従っているように見えます。
人間関係は難しいから、それも仕方ないです。

教職志望であれば、人と関わりたいから教師を志望しているはずですが、
実際は、固定化された教師―生徒の縦の関係という、人と関わる難しさのない、
自分の立場が保証された安全な環境を求めている印象です。
もちろん実際にはそんなことは全くなく、一般企業と同じように、
多様な価値観のある人たちの中で苦労していく仕事です。

そのなかで四苦八苦してなんとか通じ合えるから、それが嬉しくて楽しくなるはずで、
教師は率先してその大変さを引き受ける人であり、インプロを通じて、その見返りは十分ありますよと
わかってほしいと願っています。

IJ:
教育機関で「インプロ」講座を行う実施意義を聞かせてください。

K:
大学であれば特に、授業で「体」を使うことがありません。
小学校の頃は図工や音楽など体を使って学ぶ時間がたくさんありました。
しかし、年齢が高くなると抽象的な学習内容になり、頭の中だけで完結するのが勉強、
それが賢いと受け取られるようになります。

でも、それだけが勉強ではないはずです。
体験するのも大切な勉強ですが、残念ながら、現在の大学ではまずありません。
かといって、学生が体をつかって豊かにコミュニケーションできているかというとそうではなく、
かつてより体の使い方が平板で乏しくなっている気がします。

しかしながら、想像以上にコミュニケーションにおける身体の役割は大きくて、
それが苦手になっているために、学生が過度に対人関係に気を遣うことにもつながっているのではないか。

そういう状況で、インプロのような授業は、実社会に出た後の大きなプラスになるはずです。
豊かなコミュニケーションができる人は、豊かな体の言葉(?)を持っている人だと気づくことができるのは、
インプロならではの魅力です。

【受講生インタビュー57】~「夫婦のベースは”イエスアンド”」~

今月の受講生インタビューは、長期にわたり、
パフォーマンスコースをレギュラーでご受講くださっている
溝口健史・麻依夫妻。


このインプロジャパンで、出会ったお二人は、
昨年、結婚したばかり。
そう新婚さんなのです!


新婚さんと言えば…「新婚さんいらっしゃい!」?!(笑)
実は、お二人、今月19日のこちらの番組に、出演するそうです。
(放映日時:11月19日(日)午後0:55スタート)


インプロジャパンでは、
今まで、受講期間中に結婚された方や、受講生同士でカップルになった方達も
見てきましたが、この番組に出演されるご夫婦は初めてです!


テレビで放映された内容は、当日までのお楽しみ・・という事で、
そこでは語っていない「インプロとご夫妻」について、
お話を伺ってみました。
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インプロジャパン(IJ):
「新婚さんいらっしゃい!」の収録に行ってきたそうですね!
どういう経緯で出演されることになったのですか?


健史さん:
僕が「新婚の期間しか出られないから、折角だから応募してみない?」って言ったら、
「いいね、そうしよう!」って言ってくれて・・。


麻依さん:
そして、私が応募用紙をダウンロードしました。


健史さん:
このこと自体もそうですけど、
自分達って、やっぱりいつもインプロ的に日常生活を送っているんですよね。
どちらかが提案したら、
「いいね、そうしよう。そして・・」って、次の行動に繋がっていて、、。


今回、書類審査が通って、夫婦のエピソードをたくさん考える機会があり、
振り返ってみたら、どのエピソードもインプロの考え方「イエスアンド」が
ベースにあって、結局、何を話しても、インプロに繋がってしまうんです(笑)。


麻依さん:
だから、出演が決まるまで何回か面接があったんですけど、
どの時も、夫婦エピソードと合わせて「インプロ」の話をしました。
もう、本番の収録の時も含めて、何度も「インプロ」の説明をして・・
実際に、インプロも少しお見せしたので、
カットされていなければ、流れるかもしれません(笑)


IJ:
夫婦のベースが「イエスアンド」。


健史さん:
はい。お互い、まずは、相手を受け入れて、否定しない。
相手のアイデアに乗っかって、そのアイデアをより大きく膨らませて、より面白い形で実現していく。


麻依さん:
だから、夫婦での会話が多い方かもしれませんね。


IJ:
受け入れ合った会話・・二人は、ケンカするんですか?


麻依さん:
ケンカ・・しないですね~。


IJ:
具体的なエピソード、有ります?


麻依さん:
あるんですけど・・収録で話しちゃってて・・


健史さん:
使われてるかもしれないので。


IJ:
あ、では、それはテレビで観るという事で(笑)。


ご結婚されて1年。
お互い、パートナーがインプロをやっている人で良かったなと思うことってありますか?


健史さん:
二人とも長くインプロをやってきたから、
積み上げて、即興で物語を創っていくという感覚が体に染みついていて、
それを共有できるのが嬉しいですね。


結婚して、夫婦で、家族で、「こんな先を創りたい」というお互いの想いを
受け入れ合って進めていって、それを共有出来た時、同じ方向を見てるなって、
そんな時、インプロやっている奥さんで良かったなぁって思いますね。


これって、一緒に受講してきたクラスが、「ロングフォーム(長編インプロ)」
だったことも影響しているのかもしれないですね。


IJ:
なるほど。
「ロングフォーム」では、
あるスタイルでは、一つの言葉を多面的に捉えて様々な場面を描いて、
ひとつの世界を創り上げたり、また違うスタイルでは、即興で「人」の様々な側面を関わりを通じて描き、
そこに人間ドラマを創ったりしますからね。


そういう意味では、お二人は、数えきれないくらいたくさんの人間ドラマや世界を即興で創ってきていますし、
その感覚はまさしく家族づくりに使えるのでしょうね。


麻依さん:
私も、インプロをやっている相手だから、
同じ方向を見ていることを実感できます。


あと、これは、まさにインプロで染みついているからですけど、
日常的にお互いに「確認」をしています。


IJ:
なんの「確認」ですか?


麻依さん:
お互い同じ方向を見ているかどうかという確認。


例えば、今度引っ越すんですけど、その物件探しの時も、
「今、こういう方向で探しているけど、大丈夫だよね?」
「ここを重要に考えて、探しているよね?」
など、お互い、同じ方向を見ているか、相手の話を聞き、
自分が思っていることも伝え、、その上で、決めました。


一方ばかりが話したり、聞きっぱなしという事はなく、
「聞く」「話す」という時間を自然にバランスよくやっていますね。
だから、後になって、「こう思ってくれてると思ったのに…」ということは全然ないです。


健史さん:
インプロやってきて、自分一人では話は作れないって、
イヤってほど体が覚えているので、無意識にお互いの話を聞き合えて、
同じ方向を見ることを大切にしているかもしれないです。


麻依さん:
あ、あと、お互いインプロやってるから、
どんな時も、退屈しないですよ。
旅行行っても、景色とかで話を創っちゃったり。
急に話をふっても、膨らむし(笑)。


IJ:
会話が絶えない楽しいご家庭ですね。

最後に、これからどんなご家庭を作りたいですか?


麻依さん:
今もすでにそうですが、会話が多く、お互いの考えを確認し、
言いたいことを聞き合える風通しがよい家庭を作りたいです。


健史さん:
すれ違いが起きないよう、聞き、話をする。
お互いを尊重し合って、表裏のない家族を作りたいですね。


麻依さん:
うん、そうですね。
そのためにも、思いついたことを遠慮せずに言える環境を作りたいですね。


IJ:
結婚後、お二人とこんなにゆっくりお話ししたのは、初めてでしたけど、
二人の会話の呼吸がピッタリで驚きました!


これからも、「イエスアンド」で、お二人ならではの家庭を作ってください。

そして、数年後、今お腹にいるお子さんのキッズクラス参加も、
楽しみにしています!!


心温まるお話、有難うございました!

【受講生インタビュー56】~「インプロは自分を見せてくれる鏡」~

今月の受講生インタビューは、現在パフォーマンスコースを
レギュラー受講してくださっている、まさやこと、阿部眞也さんです。

実は、まさやさんは、2004年~2009年までおよそ5年間、
パフォーマンスコースに定期的に通ってくださっており、
『インプロであなたも「本番に強い人」になれる』
(池上奈生美・秋山桃里共著/フォレスト出版)の中でも、
受講生の声として、ご紹介させていただいています。


そして、この4月、8年ぶりにインプロ活動再開!
現在は週2回、満面の笑みでインプロを楽しんでくださっており、
また、「R50指定/大人の創るインプロの世界」クラスでは、
圧巻の存在感とその佇まいに、他の受講生の皆さんからも
絶大な人気を得ています。


今年、65歳をお迎えになったまさやさんは、
5年前に、37年お勤めになられていた会社を定年退職し、
現在は、大学生の就職相談などの
キャリアコンサルタントやコーチとしてご活躍の中、
インプロを日常に活かしていらっしゃいます。

今回は、久々にインプロを再開されてみて、
改めてお感じになっていることなどを伺いました。

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インプロジャパン(IJ):
昨年の夏でしたね、まさやさんが久しぶりにインプロのライブに来て下さったのは。
本当に飛び上がるほど嬉しかったです!!
しかも、その時、「時間が出来たら、またインプロやりたいですね」と
言ってくださり、、それがすぐに実現しましたね。


まさやさん(M):
2007年頃から娘もインプロを始めるようになり、
クラスが上がるにつれて、彼女にもインプロ仲間が増え、
娘から「お父さんが一緒にいると自由にできないから止めてほしい」と言われ(笑)、
ちょうどその頃、仕事もとても忙しい時だったので、一旦、インプロを中断しました。


ただ、その後も娘からインプロの話や、
皆さんが私のことを話してくださっているという事を聞いていて、
その間も、インプロのことは頭にあったんです。


昨年、久しぶりにショーを観に行ってみようと伺った時、
クラスの案内をもらって、ちょうどタイミングがあったこともあり、申し込みました。
正直、その時点では、仕事も忙しいし、
体力も使うし、とりあえずやってみてしっくりこなかったら、
1クールでやめてもいいかな、という軽い気持ちでした。


IJ:
そうだったのですね!
でも、現在、週2クラスも受けて、3クール目に入っていますね(笑)。


M:
1回目、やってみたら、本当に楽しかった。
そして、それだけでなく、今の自分にとって、
インプロを続けることの意義を見出すことが出来たんです。


今、学生の就職のための面談をやっていますが、
まさに、それも即興で、インプロの世界そのものだなって
久しぶりにインプロをやった初日に思いました。


面談においても、
予見を持たずに、好奇心を持って自然体で相手を受け止めることが大切です。
それができないと目の前の学生に集中できず、
落としどころを考えてしまったり、相手をこうだと勝手に決めつけたりと
自身の傲慢さが出てしまう事があります。


色々と取り組んできましたが、
常に、学生とフラットに関わる感覚を持つためのトレーニングとして、
インプロが最も効果的だなと思います。
そして、もっとインプロに浸かりたく思って受講クラスを増やしました。


IJ:
学生の面談について、もう少しお話を聞かせてください。
インプロでのことが、活かされている場面はありますか?


M:
身についた力が活かされている点で言えば、
定年退職してこの4年半で5000回以上、面談をやってきましたが、
それら全て、決めごとを持たず一つひとつの面談を、
違うものとして、目の前の学生と一緒に創り上げてこられた事です。


目の前にいる学生一人ひとりをしっかりと受け止めて、
彼らにとって、今最も必要なことを伝えてきました。
例えば、エントリーシートの書き方にしても、
採用面接でのことにしても、彼らの話を聞きながら、
一緒に工夫します。
こんな風にしたらどうかとアイデアが溢れます、、
まさに、これはインプロでの「イエスアンド」。


それから、学生との採用面接に向けたロールプレイでも
インプロでの力が役立っていますね。
様々な状況設定に応じて、面接官になりきり、即興で学生に応対します。


また、その面接の場面では、
インプロのパフォーマンスで学んだことが活きています。
例え、練習であっても、本番で面接をしている就活生になりきり、
恥ずかしがらない。
やり切る事、徹する事の大切さを伝えています。


IJ:
一回一回の面談が、まさにインプロの作品みたい。
ステキな考え方ですね!


M:
学生達には、ただ内定を決めるだけでなく、社会に出た後も
人生を輝かせて行ってほしい。
その為に、出来ることは何でもしようと思っています。


それに、自分にとって、学生との面談はアウトプットの場。
そう考えると、学生一人ひとりに育てられてきたんだなと思いますね。


ですが、会社勤めをしていた時は、自分にフォーカス(焦点)があり、
自分を成長させたい、こんな自分ではまだまだと足りない部分を探し、色ん
なことを学ぼうとしていました。
欠点を補う為のインプットですね。インプロもその一つでした。
そして、これでもかこれでもかと努力しても、未だ足りないと思っていました。


私は人の採用の仕事にも長いこと携わってきたこともあり、
スキルアップの為に、カウンセリングやコーチングの勉強もしていました。
しかし、退職して、大学で学生との面談を始める段になった時、
最初は、果たして自分に実践でカウンセリングできるのだろうか、
と自信がなく不安で一杯でした。


でも、実際飛び込んでみると、できた。
しかも、自分なりのやり方で。
そして、やっていく中で、今の自分でも十分人の役に立てるんだという事が分かり、
初めて自信を持つことが出来ました。


今は、外にフォーカスがあって、
もっと喜んでもらいたい、もっと役に立ちたい、、
より良いサービスの提供をする為のインプットに変わってきましたね。
つまり、自分自身の出来ないこと、足りないことへ意識より、
自分をどう外へ活かすかということへの意識が強くなりました。
これもまさにインプロでも感じることですが、
アウトプットしないと、自分の中にあるものを自覚できないですから。


学生との面談をするようになり、会社員時代の自分の経験が引き出され、
今までの自分がすべて活かされている感じがしています。
彼らと向き合い、そこに自分なりのアンドで答えてきたからでしょうね。


IJ:
まさやさんに面談をしてもらった学生さん達は幸せですね!


8年ぶりにインプロ再開されて、以前と現在のご自身について、
変化していた点はありますか?


M:
以前は、何かと構え、尻込みしてしまうところが多かったかな。
今は、あまり意識をせずに、積極的にリスクに飛び込めている気がしますね。


IJ:
8年前とまた違った感覚や新たなインプロの楽しみ方とも
出会えているのかもしれませんね。


そんなまさやさんから見た、インプロとは何ですか?


M:
「ありのままの自分を見せてくれる鏡」。


インプロに出てくるものは、自分の人生そのもの。
瞬間瞬間、生きざまが反映されて、ごまかせない(笑)。
自分と向き合うことになるから、常に試されている感じもして、
怖いし、時に目をそらしたくもなりますね。


でも、人が成長するには厳しい環境の中に、自分自身を置くのが一番。
その意味で、インプロは人前に立って、
そうすれば、否応なく、自分の課題と向き合わざる負えず、
その場で乗り越えていくので、だからワクワクもする。
もう中毒ですね(笑)。


それに、インプロは、人と創り上げていくもの。
好奇心持って、まずは受け入れていく。
普段、苦手で見ないようにしていることでも、
インプロでは、触れ合ってやっていくわけだから、良い成長の機会になりますよね。


色々な人からインパクトある刺激を受けるのは、
一種のカルチャーショックのようなもので、
インプロ通じて、まだまだ知りたい分野ややりたいことが出てきます。


まだまだ成長し続けていきたいですね。


IJ:
いくつになっても、成長し続けたいと思えるって、
カッコいいですね!


最後に、まさやさんのこれからの夢を聞かせてもらえますか?


M:
更に上のクラスを極めて、
いずれ、インプロを教える側も目指したいですね。


そして、もう一つは、舞台に立つこと。


『人の役に立ちたい』
『人に喜んでもらいたい』


そういう思いが常にあります。
そのアウトプットができる為にも、
更に、様々なことをインプットしていきたいです。

そのためにも、健康で、体力をつけておきたいですね。
生涯現役を目指して。


IJ:
これからもまさやさんのパフォーマンス、
益々楽しみにしています!


有難うございました。

【パフォーマーインタビュー】~入岡雅人氏(impリーダー)~

今月のインタビューは、インプロジャパン主催公演には欠かせない
パフォーマー、impのリーダーのイリこと、入岡雅人氏です。

クラウン(道化師)としても、日本に留まらず、
中国・韓国など、アジアでもご活躍中の入岡氏ですが、
http://www.yentownfools.com/yentownfools/top.html

インプロとの出会いは、かれこれ25年前にさかのぼり、
そのクラウンの勉強の一環としてワークショップに行ったことだったそうです。


その頃のことを振り返りながら、イリさんから見た、
インプロの魅力を伺ってみました。

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インプロジャパン(IJ):
はじめに、インプロを始めた頃のことを聞かせていただけますか?


イリ:
'92か'93年頃かな。
当時、教わっていたクラウンの先生が外国人で、
「知り合いがインプロのワークショップをやるから」と勧めてくれ、
クラウンに活かそうと、勉強の一環で、やってみたのが最初でした。
そのワークショップに参加した人達は、多くがクラウンでしたね。


その時インプロを習っていた先生が、
後に、ナオミ(池上奈生美)達と一緒に「がらくたエキサイトシアター」という
インプログループを作ったマイケル・ネイシュタットです。

IJ:
「がらくたエキサイトシアター」!!

海外遠征でアメリカで観客投票による最高賞をもらったり、
当時は月に2回、六本木でショーをやっていましたね。
懐かしいです。


その時のメンバーだったマイケルさんが、
イリさんとインプロを繋いだ最初の人だったのですね!


初めてインプロをやってみて、いかがでしたか?


イリ:
やってて、楽しかったですねー!!
やればやるだけ楽しかった。


何が楽しいって、自分の考えをストレートに出せる。
なぜなら、「受け入れ合う」「失敗はない」という土壌があるので、
セーブする瞬間なく、そういう行動に繋がっていたんでしょうね。


クラウンも、ライブでお客様にお見せし、表現に対する反応が直接あるこ
とが魅力の一つですが、インプロは、その場で創って、その場で表現して、
お客様から反応をもらう、、恐るべき見世物だなと、惹きつけられました。


IJ:
そこから、インプロにはまっていったのですね。


イリ:
しばらくは、マイケルにインプロを習いながら、
少しして、日本にオーストラリアから、インプロの先生「リンピアス氏」が
やっ てくるという話を聞き、マイケルをはじめ、7,8人のクラウンの仲間達と一緒に、
そのワークショップに行ってみることにしました。


そこで、ナオミをはじめ、今、各インプロ団体の代表で活躍している
吉田敦氏や今井純氏、絹川友梨氏達に、出会ったんですよ。


IJ:
そのワークショップが、今の日本のインプロ界の礎となっていますよね。


ここで、イリさんから見た、「インプロの面白さ」を聞かせていただけますか?


イリ:
やはり、受け入れているからこそ、自分がそれまでに考えたことないことへ
突き動かされていく感じかな。
受け入れてない時は、頭を使っているんですよ。
こうしてやろうとか、やらされてるとか・・・。
そうではなくて、
あれこれ考えず、感覚的に受け入れ合ってインプロができた時、
爽快感や充実感を感じますね。


自分にとって、「受け入れる」というのは、
相手が何かしら出してきたら、
まずは、その瞬間は自分のアイデアを捨て、ゼロにする。
そうすると「こうきたか」「こうくるか」を楽しめて、
それが心地良いです。
アイデアに乗っかったり出したりして、その流れに委ねていくうちに、
誰も予想しない結末を迎えた時、
「ほほ~、こんなところに来ましたかぁ~」と。
それがたまらないですね。


それに、さっき、自分のアイデアを捨てて、ゼロにすると言いましたけど、
完全になくなっているわけではないんですよね。
自分のどこか片隅には残っている。
シーンが進む中で、突然、それが繋がる時が出てきたりして、、
リンクされる瞬間がふと湧いてくるのも面白いですね。


IJ:
25年のインプロ歴という事ですが、パフォーマーとして、
変化してきていることはありますか?


イリ:
若い頃は、「笑かしたい」「奇抜なアイデアを見せたい」「面白い俺を見ろ!」
という気持ちが少なからずあったと思います。
当時、「シアタースポーツTM(チーム対抗戦)」では、チーム優勝するより、
そのショーの中で一番ホットだったシーンに贈られる「モーメント・オブ・ザ マッチ」に
選ばれる方が嬉しかったですから(笑)。


でも、年を重ねてきて、「面白い」とかお客さんが楽しんでくれるというのは、
後からついてくるものだと思うようになってきて、
そういうことに縛られなくなってからは、ことさら、
舞台上でのその場その瞬間のメンバー同士のやり取りが、
楽しくなってきました。
ゆっくり、その空間を味わえるというか。
これも、インプロへの信頼や自信がそう思わせてくれているのかもしれないかな。


IJ:
なるほど。
その観点は、今、パフォーマーになる為に学んでいる人達にも参考になるかもし れませんね。


最後に、イリさんが思う「インプロ観る時の楽しみ方」を1つ教えてもらえますか?


イリ:
「人間観察」。
インプロは即興だから、演じているとはいえ、そのパフォーマーそのものが
見えてくるもの。

人はどう関わり、瞬間にどう判断し、どう反応するか。
予想がつかないだけに、生身の姿がさらされています。


お客さんから頂く様々なタイトルの状況下で、
それが見られるので、多角的にその人間を観察することが出来るというのも、
楽しみ方の一つになるんじゃないですかね。


次回の公演で、是非、「イリオカマサト」を観察してください。


IJ:
次回は、10月26日(木)@サラヴァ東京 で行われる「Impro Box」ですね。
http://www.nextimpro.com


じっくりと『観察』させていただきます。

有難うございました!

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