"インプロシンキング"スタジオ報告

インプロジャパンのインプロ・ワークショップ のスタジオ報告です。

【インプロとは】「インプロヴィゼーション(即興)」の略語。「その瞬間のできごとに即興で対応しながら作り上げられていくエンタテイメント」です。詳しくはインプロガイドブック (http://impro.jp) をご覧ください。

【インプロジャパンのコミュニュケーションコース】職場や学校等、日常生活の中でインプロ・シンキングを行うことにより、コミュニ ケーションスキルの向上や発想力の強化を目指すクラスです。(人間関係力の強化に最適)人前で演じることよりもインプロゲー ムを楽しみながら様々な能力を伸ばすことを目的としています。
詳細:インプロジャパン http://www.improjapan.co.jp

インタビュー

【受講生インタビュー61】~「夢の親子でインプロステージ」~

今月の受講生インタビューは、現在、パフォーマンスコースを
レギュラーで受講していらっしゃる“みぞ”こと、福谷紀美子さんです。


みぞさんがインプロジャパンに初めていらしたのは、2004年のこと。
以来、長年にわたりレギュラークラスをご受講くださり、
インプロジャパン主催の劇場公演などにも出演してくれています。


お子さまが誕生されてからは、パフォーマンスはお休みし、
我々の公演の即興ミュージシャンをやってくださったり、
また、お子さまをキッズクラスに連れてきてくれていました。


そして、お嬢さんが高学年となった今年より、
本格的に、インプロパフォーマンスを復活!!

先日行われた「キッズ&R50 インプロショー」で、
夢の親子共演を果たされました。


実は、ご主人も、インプロをこよなく愛する人。
みぞさんの影響で?!、結婚前からインプロを始め、
彼女よりも先にレギュラークラスに復帰されているので、
まさに、「インプロ家族」です!!


本日は、家族でインプロ楽しむみぞさんに、
以前、チームメイトとして共にインプロの舞台に立ち、
現在は、お嬢さんが通うキッズクラスの担当講師を務める峰松が、
色々とお話を伺ってきました。

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インプロジャパン(IJ):
先日の「キッズ&R50 インプロショー」、お疲れ様でした!
お嬢さまとのご共演、いかがでしたか?


みぞさん(M):
幸せでしたねー。本当に嬉しかった!!


彼女が生まれる前から、
「いつか、一緒にできたらな」
「お父さんも、お母さんも、インプロをやっていることで、
より絆が深まったから、生まれてきたらインプロを好きになって欲しいな」
って、心のどこかで思っていて、、、


私が押し付けるのではなく、自らの意志でインプロをやることを
選んでくれたらな・・と思っていたので、
キッズクラスに通って、自然とインプロを好きになり、
今回、二つ返事で「出演する!」と言ってくれた時には、
とても嬉しったです。


で、「彼女が出るなら、客席で観るのもいいけど、
どうせなら私も一緒に出ちゃおう!」と、クラス復活に踏み出しました。


一緒に舞台に立ちながら、
「あ、これって、夢だったなぁ~」
と思いましたね。
目標とかではなく、そういう時が来たら、幸せだなぁと思っていた夢。
それが、叶って、今がその時だと思ったら、
「私、幸せじゃん!!」って、実感しました(笑)


しかも、同じ舞台には、独身時代から一緒にインプロやっていた
仲間たちが同じように親子でいたり、キッズ担当のMCをしていたり、
嬉しすぎましたね(笑)。


IJ:
本当に、嬉しすぎましたね(笑)。


時を経て新しく生まれた変化と、
今も昔も変わらない想いが、
舞台の上に、同じように存在し、感慨深いひとときでした。


ショーに出演されて、お嬢さんはどのように話していらっしゃいましたか?


M:
すごく楽しかったみたいですよ。

「もっともっとインプロやりたい!
また一緒にやりたい、今度はお父さんも一緒に家族で!」

と言ってくれています。


最近は特に、インプロに自分の楽しみを見つけたようで、
毎回、クラスを楽しみにしています。


仲間とお話を創っていく、しかも、それが積み上がって出来上がっていく、、
それが、すごく楽しいそうです。


IJ:
お母さんから見ていて、インプロを通じての
お嬢さんの変化・成長をどんな風にお感じですか?


M:
インプロをやるようになって、表現したい欲に対して、
躊躇がなくなってきたように思います。


昨年、学芸会で、自ら主役に立候補した時は、びっくりしました。
人見知りの部分もあるので、知らない人達が観ている前で大丈夫かなと、
親としてはかなり心配していたのですが、
当日は、堂々と演じていて、頼もしかったです。


これは、インプロによって、
そこのあるものを信じる力が彼女に備わって、
自分に迷いなく、表現ができるようになっている気がします。


IJ:
学芸会は、私も、その様子を見せてもらいましたが、
あれだけの観客の前で、物怖じひとつせず、
凛として、素晴らしかったです。


インプロでも、学年を重ねるごとに、
しっかりとアイデアを提案、表現する力が増し、
皆で創る物語の推進力に大きく貢献していて、
こないだのインプロショーでも、
迷いなく行動するその姿に、私も感心しました。


始めた当初の年長さんの頃、恥ずかしがって、
様子をうかがっていた姿が嘘のようです!


M:
懐かしいですね!


その成長と共に変化してきたコミュニケーションも、
一人の人としても、とても心強くなってきました。


これからも、今の自由な発想を遊び、楽しむことを忘れずに、
大人になっても、縮こまることなく、彼女の中にある
この幸せな風船を膨らまし続けてほしいなと思いますね。


IJ:
そうですね。

彼女たちのインプロを見ていると、
素直に受け取り、楽しむ、、
それだけで可能性はいくらでも拡がるのだなぁとつくづく思います。
いつまでも、この感覚を持ち続けて欲しいです!


そうそう、お父さんも「インプロショー」をご覧になっていて、
随分喜んでいらしたみたいですね。
しかも、終わった後には、
「今度は、お父さんも一緒で!」と言われていましたし!


ご家族で、インプロやっていて良かったなと思うことがあれば、
教えてください。


M:
生活の中で、インプロが活きているなと思うことは、多々ありますよ。
一見、危機と思えることも、心を切り替えて
乗り越えられた時とか、インプロが活きてるなって。
「どんなハプニングも笑いに変える」みたいなところが、
家族みんなにあるので(笑)。


家族ですので、本気でケンカもしますし、
腹も立つこともあります。
でも、どんな時も、
「インプロ」という風呂敷が包んでくれる・・・
そんな感じがしています。


3人とも、インプロで、
アンハッピーよりハッピーな物語が出来上がることを求めているので、
何があっても、ハッピーなストーリーに繋がる、笑いにたどり着くって
信じているんだと思います。
そこへの信頼感というか。


インプロをやってきたことで、
受け入れたその先に出会う楽しいエンディングを知っているから、
私達の根底に、当たり前のように「許す」気持ちがあるのかもしれない。

それに、インプロ好きに悪い人はいないと思っているので(笑)。


IJ:
なるほど!

自然と、普段の生活そのものがインプロのストーリーづくりと
リンクしている感じですね!!


さて、今度は、みぞさんにとってのインプロについて聞かせてください。

今回の舞台パンフレットで、みぞさんにとってのインプロは、
『ふっかつのじゅもん』と答えてくれていましたが、
その真意を教えてもらえますか?


M:
真意、、、そうですね、
その心は、いくつかあります。


・インプロは自分の中にあるものを引き出してくれて、
それが、他の人への刺激にもなるもの。
・睡眠のように、休息して、元気をチャージててくれるもの。
・シンプルになれて、余計なものが取れ、さっぱりできるもの。
・長期的に見て、どんなことも、happyなものに戻せるもの。


今回、インプロプレイヤーとして、久々に復活して、思いました。

これまでは、仕事と育児と家庭とあり、
優先順位の中で、無理をせずに、インプロはお休みしてましたが、
私以外の二人がインプロをやっているので、その姿を見ているうちに、
「二人に続いて、母もやりたい!」と言う気持ちが沸々と湧いてきたんですよね。

そんな時、二人が「やったら?」と、背中を押してくれました。
あ、その言葉も「ふっかつのじゅもん」でしたね!


実際、クラス受講を復活してみたら、
思っていた以上に、すごく元気になりました(笑)!


IJ:
舞台の上でもイキイキと、はじけていました!

最初に、「お嬢さんとインプロの舞台に立つ夢が叶った」と
お話してくださいましたが、これからの夢について、聞かせてもらえますか?


M:
まずは、娘の夢『家族でインプロ舞台』!
それを叶え続けたいです。
そして、いつか、娘がお酒を飲める年になった時、
インプロ打ち上げで、3人で乾杯したいな。


自分自身の夢としては、
もっともっと自由になる事。
これはインプロに限らずですが。


「自由」というのは、自分勝手ということではなく、
「世界」がここだけと思うことはちょっとした不自由だと思うんです。
「世界」をもっともっと広げて、知らないものを知ったり、
新たな感情に出会ったり、ワクワクしたりしたいですね。


先日のインプロショーでは、人生の大先輩方ともご一緒しました。
皆さんの姿を見ていて、終わりなんてなく、まだまだ際限なく
世界は広がっているなと思ったんです。
だから。。。


時間は有限だから、もったいないことしていられない。
使っていなかったら、身体も衰えていくし、
感情も枯れちゃうし(笑)。

人間らしく動かし続けて、
もっともっと世界を広げ、たくさん笑っていること。

それが夢です。


IJ:
次回、家族共演!
楽しみにしています!!

有難うございました。

【受講生インタビュー60】~「介護に活かせるインプロ」~

今月の受講生インタビューは、現在、パフォーマンスコースを
レギュラーで受講していらっしゃる、のりっぷこと吉田賀子さんです。

普段、訪問介護のサービス提供責任者として、
訪問ヘルパーさん達のとりまとめや、
利用者に合わせて介護計画を立てたり、
現場に出て介護のお仕事をされているのりっぷさん。

お仕事の現場で、インプロが活かされていることを
実感することもあり、他のヘルパーさん達にも伝えたいと
最近では、地域での活動も始めているそうです。

介護現場から見た「インプロ」の活かし方を中心に、
お話を伺ってみました。

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インプロジャパン(IJ):
のりっぷさんがインプロジャパンに来たのは、2015年3月。
いらしたきっかけを教えてもらえますか?

のりっぷさん(N):
高校演劇をやっていた仲間たちと、卒業後もお芝居を
続けていたのですが、結婚・出産を機に、遠ざかっていました。

子ども達が学校を卒業し、気持ちに余裕ができた頃、
その当時の仲間が、ちょうどインプロジャパンでインプロをやっていて、
発表会に誘われ、観に来たのがきっかけです。
最初に観た時は、インプロなんて無理だと思っていたけど、
観続けていくうちに、面白くて、
「続けたら、こんなことが出来るのかな、
あんな風になりたいなー」と思うようになり、やってみることにしました。

IJ:
それから3年、ずっと続けてくださっていますね。
その間には、公演にも出演されたり!

のりっぷさんにとって、
それほどまでに続けたくなるインプロの魅力は何ですか?

N:
まず、不器用になれる!!(笑)
日常はかなり器用なので。

思いっきり、普段の生活では出来ない、自分の中の自分を出しても
受け入れてもらえる安心感があるので、自分をさらけ出せます。

ただ出すだけでなく、出したことを活かし合う体験をもっともっと
増やしたい・・・その向上心が自然と湧き上がってくるのも、
はまっている理由かな。

IJ:
大人になってからの向上心…素敵ですね!

インプロをやっていて、自分自身に感じる変化はありますか?

N:
変にこだわらなくなったこと。

人の考えや行動を受け入れられるようになって、
そういう考えもあるんだなぁと思うと、 自分を突き通さなくなりました。

サービス提供責任者は、様々な利用者に対応していかないとならないし、
色々な畑からきている様々な個性や考え方のヘルパーさん達に、
指示を出していかないとならないんです。
柔軟な対応、指導が必要な仕事なので、
インプロのイエスアンドの考え方が非常に活かされているなと。


そう考えると、取りまとめる立場の責任者の人達には、
インプロをやったらいいのになと思います。

IJ:
働く側からしても、自分の意見を活かしてもらえたら、
やりがいも出てきますよね。

さて、お仕事の中で、インプロが活かされているという話ですが、
他に、介護現場などで実感している場面はありますか?

N:
認知症の方の介護をしている時、
インプロの感覚はとても活かされていると思います。

認知症の症状で、程度にもよりますが、
自分の現状が認識できず、 過去の記憶の中にいたり、
実際そこにないものが 見えていたりすることがあります。
そこで、何を言われても、それに合わせて会話をすると、
利用者は安心し、ヘルパーを拒否することは減り、
すんなり介助ができることが少なくありません。


例えば、ベットで寝た切りで、寝返りも難しい状態でありながら、
「今日は、○○へ行って疲れたわ~」とおっしゃれば、
「今日は、外暑かったでしょ~」と言いながら、手ではおむつを替える・・
といったように、ご本人の世界に合わせながらも、
自分自身は現状に対応していきます。
私が、お話に合わせて返せば、またそれに対して、
返してくれるので、話が続くんです。

IJ:
それって、架空の会話がどんどん続いていくということですよね?
まさに、インプロじゃないですか!!

N:
そうなんです!
利用者さんと一緒につくる話で繋がれるんです。

以前に、あるベテランヘルパーさんが、認知症をお持ちの利用者さんがおむつ替えの時に暴れて
どうしたらいいか悩んでいて、私がおむつを交換しているところを見てもらったんです。
すると、そのヘルパーさんは、
「絶えず、話しているんですね!」とビックリしていました。
たぶん、おむつ交換の手際は、私の方が悪いんですけどね。

他にも、例えば、トイレや入浴に嫌がる利用者を誘導する時、
立ちたくなりそうな内容を話しかけたり、、
とりあえず立ち上がりさえすれば何とかなる利用者や、
その気になってもらう為に口八丁つくす場合など、インプロは役立っています。

認知症ケアの一つとして「ユマニチュード」という技法があり、
それは、その方の世界を大事にするという気持ちが大切ですが、
インプロを活かせば、それを実践できると思います。

IJ:
それは、介護する側にとって、とても参考になるお話ですね。

N:
介護の上でも役立ちますが、
私がヘルパーさん達にインプロをやってもらいたいと思うようになった理由には、
もう一つあるんです。

特に、訪問ヘルパーの場合、利用者さんのお家に入るので、
その家に合わせて、寄り添って、言い方を変えれば、
その利用者さんのやり方に染まる必要があります。
例えば、あまり片付いていないお宅だからと言って、
自分のやり方を持ち込んで、環境を急に変えてしまうことは、
利用者の方々にとってあまり好ましくありません。
まずは、利用者の考えを受け入れ、その上で、安全や健康を考慮して、
利用者に一つひとつ提案していきます。

自分のやり方ではなく、利用者さんのやり方に合わせる。
利用者さんの話に合わせながら、介護する。

これって、瞬時に柔軟な発想することが求められるとつくづく感じています。

そんな想いがあって、ヘルパーさん達に、
インプロを知ってもらいたいと思うようになりました。

そこで、ヘルパー仲間の人達に観てもらいたいと思い、
地元に近いところでインプロショーを仲間たちとやって、
それを見に来てもらったんです。

そしたら、皆面白がってくれて、興味を持ってくれました。

IJ:
地域で広がるきっかけ作りになりましたね。
これから、ヘルパーさん達にも、どんどん体験してもらいたいですね。

ちなみに、高齢者の方々へのインプロについては、
どんな風にお考えですか?

N:
すごく有効だと思います。

インプロを体験することは難しくても、
インプロショーでのお客様との掛け合い一つでも!

実際、高齢者住宅にあるサロンで、
何度か、ショーを観てもらったんですが、
例えば、ショーのお題をもらうときに、その前に、
一緒に連想ゲームをしたり、また簡単な質問に答えてもらったり、、
色々な言葉を引き出せるんですよね。
脳への刺激って感じ。

何より、思いっきり笑うって、いいですよね。

IJ:
元気が湧き出てきそうですね!
シニア世代の方々に、どんどんインプロを観ていただきたいですね。

シニア世代といえば!!

まだシニアというには早いですが(笑)、
インプロジャパンのR50メンバー達によるインプロショーが
7月1日(日)にあり、のりっぷさんも出演されるんですよね?
http://www.improjapan.co.jp/ijp2018/#kidsr50

今や、インプロジャパンで一番バイタリティ溢れる世代の方達によるショーですが、
最後に、ショーへの意気込みを教えてください。

N:
この世代にしか創れないインプロを世に広める為に、
いいものを創りたいです!

これこそ、ヘルパーさん達に見てほしいな。

IJ:
インプロショー、楽しみにしています。

有難うございました。

【受講生インタビュー59】~「心に余裕をもたらすインプロ」~

今月の受講生インタビューは、現在、パフォーマンスコースを
レギュラーで受講していらっしゃるこーじこと、吉川昌利さんです。


こーじさんが、インプロを始めたのは2014年8月。
仕事関係の方から「インプロ」の話を聞いて、
はじめは単発のワークショップにいらしてくださいました。
それから、現在まで継続的に受講し、
これまでに、インプロジャパン主催の舞台公演にも出演しています。


普段は物流関連のお仕事をされながら、週末はインプロを仲間達と楽しむこーじさんに、
インプロとご自身との関わりについて、伺いました。

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インプロジャパン(IJ):
インプロを始められたのはお仕事でお知り合いになった方がきっかけということですが、
なぜやってみようと思われたのですか?


こーじ(K):
インプロジャパンでインプロをやっていた方が、
よく「インプロ」の楽しさや「インプロは自由になれる」ということを
話してくれていて、「インプロって何だろう?」と思うようになりました。

その頃、自分のコミュニケーションについて色々と考えるところがあり、
「人前に出ての話し方教室」とかに通ったりしてたんですが、
関わりがある演劇的なことの方がいいんじゃないかなと思っていて、
その時「インプロ」について聞いて、興味が湧きました。


IJ:
コミュニケーションについて色々と考えていたということですが、
どんなことを考えていたんですか?

K:
まずは、人前で話すことが出来るようになれば、たくさん話す度胸がつくと思ったんです。
度胸がつけば、話すことも楽になると。

業務の中で、人に仕事を教えることや伝えることがあるのですが、
いつも、どこか「今ので伝わっているのだろうか」とか「分かってもらえたかな」と思うことがあったりしました。


当時は、自分の思っていることを伝えるとか、長く雑談ができるようになる為のコミュニケーションを
身につけたいと考えていたと思います。


IJ:
当時は…ですか?

K:
はい。


ただ、その頃の自分を振り返ると、
自分は、苦手な人がいると、距離を置いて、苦手なまま。
相手には、他に色んな側面もあるだろうに、
その一面だけ見て、引いてしまい、より話せなくなる。

そんな自分が好きじゃなくて、そんな自分を客観的に見て、
イライラしている自分がいたのかなと。

でも、今は、そんなことを考えなくなりましたね。


コミュニケーションって、
さっき言ったような「思ったことを伝える」とか「話せるようになる」とか
テクニックのことではなく、自分の心持ちみたいなことで、
自分が変わることで、捉え方も変わるんだなって、思います。
これは、インプロを始めてみて、考え方がそうシフトした気がします。

「コミュニケーションはこうしなきゃ」と思わなくなったことで、
人との関わりがとても楽になり、イライラしなくなってて・・・

インプロを始めてから、自分に余裕が出てきたと思います。

IJ:
「自分に余裕」ってどんなことなんでしょう?
以前のご自身との変化と合わせて教えてもらえますか?

K:
せかせかしていて、その先に何があるという訳ではないのに、
時間的に余裕が持ちたくて、仕事をしていても、バタバタと先へ先へ急いで進もうとしたり、
遅刻するわけでもないのに、走ったり・・・。
でも、たとえ時間的に余裕ができても、いつも、心には余裕がない感じでした。
その状態だから、理由なくイライラしていたんでしょうね。

だから、職場でも、こちらはそんなつもりなく、普通にしてても、
「吉川さん、機嫌悪そう」とか「怒ってそう」と思われていたこともあったみたいです。
でも、今は、話しかけられることが多くなりました。
これって、きっと、周囲の印象が変わったってことかな。



あと、変化したことと言えば、人を信頼できるようになったと思います。
これもインプロのおかげ。
正直、昔の自分は、人を全く信じていなかったですね(笑)。

これも業務でのことですが、仕事の手順ややり方を指導する時、
以前は、その人が失敗することが恐ろしくて、逐一「あれどうした?」とか、
いちいち聞いたり、チェックしたり・・きっとウザかったでしょうね(笑)。
その人を信じていないというものあったでしょうけど、
自分の伝え方にも自信なく、信じていなかったかもしれないです。

でも、今は、教えたら、まずは任せてみて、何かあっても何とかなる。
と、ゆったりと構えた指導ができるようになりました。
教えた人達が、その後、仕事を覚え、できるようになってくれると嬉しいですね。
心に余裕ができたことで、そういう喜びも知ることが出来ました。
指導も、意外なことに(笑)、評判良いみたいで。

IJ:
「インプロ」で意識が変わり、ご自身の表現も変化したのですね。

その他に、環境や日常の変化はありますか?

K:
「仲間」ができました。
濃いつながりの。まるで「家族」みたいな。

インプロの仲間達です。
お互いのことを気に掛け合ったり、心から信頼できる人達です。
これほどまでに、深い関係の友人や仲間は、今まではいなかったですね。

IJ:
ホント、家族みたいに、仲がいいですよね!
いつも楽しそうだなと思ってます。

では、逆に、「インプロ」をやって、どんな自分に気づきましたか?

K:
まずは、自分は、自分が思っているより人キライじゃなかったんだなって。
人と関わるのって、楽しいです。

それと、度胸つけたくて、話し方教室とか行きましたけど、
度胸はあったのかも…と思います。
根本的には人前で出るのが好きみたいです。
ただ、同時に、状況が見えないと、恐怖心が勝ってしまって、
引いてしまうところもあるので、それはまだまだ課題ですね。

もう一つは、引っ張っていくことも好きみたいです。
つい、人にお任せしますという姿勢になる自分もいるんですけど、
時に自分が先陣を切った時に、他の人がそれを膨らませてくれて、
変化させてくれることに喜びを感じています。
先程もお話しましたけど、仕事でも、指導して、
そこから成長してくれる様を見るのが嬉しいですし。

IJ:
まさに、「イエスアンド」の関わりですね!

ここまで、インプロを通じてのこーじさんについて伺ってきましたが、
こーじさんが思う「インプロの魅力」は何ですか?

K:
色んな人の考え方に出会えるところ。
普段の生活の中では、出会えないものに出会える。

そういった意味でも、擬似体験と言うか、非日常体験ができるのが魅力です。

特に、色々な感情表現を思いっきり体験できるところが自分にとっては、
とてもいいです。
ネガティブな感情だけでなく、ポジティブな感情も、
案外、現実では抑えている感情を出すことで、リフレッシュできるし。

IJ:
確かに、ポジティブな感情も思いっきり出すことって、日常ではあまりないですものね!


最後に、こーじさんにとって、「インプロ」とは何ですか?

K:
心に余裕を持てる生活の一部。
前向きになれるもの。

明日から「インプロ禁止」になったら、
またカリカリした人間に戻るかもしれません。

「インプロ」のおかげで、人生、楽しいですっ!
まさか、こうなると思わなかったですけどね(笑)。

IJ:
いいですね!
これからも、益々、楽しんじゃってください!

有難うございました。

【受講生インタビュー58】~「インプロはカテゴリーで見ない世界」~

今月の受講生インタビューは、現在、パフォーマンスコースをレギュラーで受講していらっしゃる
古谷真由さんです。

現在、障害者施設にお勤めの真由さんが、インプロジャパンでインプロをスタートしたのは2008年の秋。
今年で10年を迎える彼女は、インプロジャパンの劇場公演へ出演の他、2011年春からは、
SAC(ミュージカルカンパニー)のワークショップの時に、アシスタントをしてくれています。


SACとは、都内の特別支援学校を卒業したOB・OGによって結成されたミュージカルカンパニーで、
2年に一度、劇場公演もやっている団体。http://sac-musical.com/
我々インプロジャパンは、2003年より、メンバーの皆さんのトレーニングの一つとして、
インプロ・ワークショップを毎月1度やらせてもらっています。


今回は、SACのアシスタントとして、メンバー達を側で見てきて、
どんなことをお感じになっているかを、伺ってみました。
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インプロジャパン(IJ):
SACのワークショップでは、いつもアシスタントをしてくれて、有難うございます。
手伝ってもらうようになってから、今年の春で7年ですね。
今日は、アシスタントをしていて、お感じになっていることを聞かせてもらえたらと思います。

まず、アシスタントをしていての率直な感想を聞かせてください。


真由さん(M):
始めた当初は、アシスタントいう立場で、受講者のサポートをすると思っていました。
でも、今、7年経って思うことは、私はSACの皆さんの手助けをしてきたのではない、と。

一緒にインプロをやることで、私自身が教わり、時に救ってもらっているなと思っています。
と言うのも、皆さん、自分の想いの伝え方が優しいんです。
インプロで皆さんとお話創りをしていると、どんなアイデアもとても楽しいのです。

それは
アイディアを、いつでも受け止めてくれる仲間、だから。
アイディアを、いつでも受け取りたくなる仲間、だから。
それが、SAC。


他者のアイデアを聞くのが面白いと再度気づかせてくれたのは、SACの皆さんとのインプロです。
おかげで、私のささいな悩みを吹き飛ばしてくれたり、「信頼」を体で感じることが出来たり、
インプロが更に好きになったり、、、
そう考えると、本当に、皆さんのインプロに出会えて良かったなと、思います。


IJ:
真由さんから見た、皆さんのインプロについて、もう少し詳しく聞かせてもらえますか?


M:
どんな瞬間も、純粋に楽しんでいる姿を見ていると、オフの時間(余暇時間)の大切さを感じます。


これは、今の仕事をするようになって感じていることですが、
障害があるということで、「◯◯をしよう」と行動を起こすにも、より制限が伴うことがあります。
本人が、やりたいこと、好きなことをするにしても、
情報を集め、段取りや準備を介助者と整えて取り組む必要が多いと感じています。
また障害故に、初めての活動はより緊張する、より不安という制限がかかることもあります。

なので、オフの時間についても、今まで馴染みのある決まった活動
(例えば介助者も慣れている図書館に行く、家から近い駅ビルでお茶をする)を過ごす方々もいらっしゃり、
本人にとって、変わらない活動をすることが楽しい…という方もいらっしゃいます。


でも、オフの時間を、やったことがない初めて挑戦する、
自分で自由に選んで感情を発散できる時間(ストレス発散)にするのもいいのでは、と思うんです。
自分が好きなこと、やりたいことを存分に楽しめるように、経験していく時間にすることも大事だと
私は思っています。


インプロは、お話を創り表現できる活動…しかも、いつも決まったお話や、
人を演じるわけではないですよね。即興ですから!
SACの皆さんは、その好きなインプロの中で、やりたい役を演じ、創りたい物語を創るという、
その場その瞬間の自分の感情で選択し、想いを叶えている場があるんですよね。

自分のやりたいことを純粋に楽しめるこの時間が、皆さんの明るく楽しそうな、イキイキとした表情に
繋がっているのではと思います。


IJ:
真由さんから見て、皆さんが、その経験を通して、変化していることはあると思いますか?

M:
出会った時と明らかに変化してきています。


さっきもお話しましたが、障害があるということで、それまではより良い生活のためにと、
学校や家庭で、少なからず制限や決められたレールがある中で過ごしてきたメンバーも
いたのではと思います。
だからこそ、決められていないことを楽しむ「インプロ」の場の存在は大きいと思います。

ただ、最初は、「何でもいいって、なんだろう?」と、躊躇する様子やこわばっている姿も見られました。

でも、今は、「自分で選択する」「やりたいことを伝える」といった楽しかった経験を何度もすることで、
枠から解放され、「自由」になったと思います。
そして、リラックスし、個々の魅力を存分に発揮しているように見えます。


皆さんのステキなところは、そのお互いの「自由なアイディア」をどんな時も、楽しみあえていることです。
それは、それぞれが枠に捉われずに、お互いの「個性」を見て、想いを尊重しているからだと思います。


その姿から、私自身の障害がある方々への見方も変わりました。


IJ:
具体的に教えてもらえますか?


M:
極端に言うと、障害があるという枠でくくって決めつけたり、思いこんだりせず、
「個人」を見るようになりました。


皆さんのインプロを見たり、一緒にやっていると、その場で感じていることを素直に表現しています。
そして創ったお話の人間模様は、リアルで、共感できることが多いのです。
だから、一緒になって心を動かし、楽しめる。
そこでは、障害があるから出来ないという枠を感じることはありません。
皆さんを見ていると、素直に「楽しい」から関わる、もっと「面白く」したいから共に創る、
という瞬間をたくさん見ます。
それがお互いの助け合い、協力に繋がっているんです。


そんな姿を見ていて、出来ることだけをやるというのではなく、
方法によって、誰でもが自由に可能性を広げ、変化していけると思うようにもなりました。


IJ:
「枠がない」とは、「同じ舞台にいる」とも言えるかもしれませんね。
それも、SACの皆さんとインプロで数々の物語を創ってきた経験が教えてくれたのでしょうね。


最後に、真由さんにとって、インプロの好きなところを聞かせてもらえますか?


M:
インプロの「あなたのアイデアを受け入れます」「あなたを助けます」という精神が大好きで大切にしています。


相手を分かろうとする為に確認をする。
相手に分かってもらおうと伝える。
インプロの中で自然とやっていることが、安心感を生んでくれていて、
その空間や感覚が私は大好きです。


自分を振り返ると、
インプロをやってきたおかげで、相手の想いに気がつけるようになったり、
相手を受け入れた上で、自分の想いを伝えるように伝え方も変わってきました。
そうすると、自分が伝えたいことだけでなく、相手への意識も生まれるので、
視野が広がってくるんですよね。
仕事でも、関わる人達の求めることを客観的に受け止められるようになったと思います。

考え方を否定されたら、それは「変」となりますが、
受け止めてくれると、それは「変」ではなく、
その人の「オリジナリティ」になり、
それが、「自分」というものの意味づけに繋がるんじゃないかと。


インプロジャパンの仲間やSACの皆さんと一緒にインプロをする中で、実感しています。


IJ:
個人を見て、お互いの想いを受け入れ合う関わりこそ、
オリジナリティ溢れる自由で、創造的な環境が生まれるのでしょうね。


これからも一緒に、インプロを通じて、そんな場をたくさん創っていきましょう!

有難うございました。

【インプロ・シンキング講座】ご担当者インタビュー*大学編

インプロジャパンでは、主催ワークショップや企業研修の他、
小学校~大学まで、様々な教育機関で、授業や講座として、
「インプロ・シンキング・ワークショップ」を実施しています。

いつもと違う子ども達や学生たちの様子や、
また回数を重ねるごとに変化を遂げる姿に、先生方もとても喜んでくださり、
有難いことに、一度ご実施いただくと、継続してお声をかけていただくことが
多くあります。

本日は、その中から、2014年以降、年に一度、大学の授業として、
教職志望の学生向けの特別講座として、我々のプログラムを導入くださっている、
木下まゆみ先生にお話を伺いました。

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インプロジャパン(IJ):
「インプロ」を授業への導入理由と実施ねらいを教えてください。

木下先生(K):
大学で教職科目を教えていますが、教師を志望する学生にとって、
他者と関わる力や、そのためのワークショップが必要だと考えてきました。

彼らが志望する「教師」が関わるのは教師と生徒という、
縦の関係だけではなく、保護者や、同僚の他の教師たちとの横の関係も含まれます。
対等な立場同士で、自分の考えや気持ちを伝え、
また他者のそれを受け取ることが重要であることを認識してもらうのがねらいです。

IJ:
2014年以降、毎年実施いただいていますが、毎回、どのようなことをお感じですか?  
学生達の受講の様子と合わせて聞かせてください。

K:
学生一人ひとりで見ると、みな良い学生なのですが、集団になると、そこにある種の「リーダー」がいる時と
いない時で、パフォーマンスが大きく変わるように感じています。
リーダーといっても、みんなを鼓舞するのではなく、楽しんで取り組んでいるのがわかる人、という意味ですが、そうすると、他の学生も少しずつ遠慮がなくなっていくようです。
その為、ワークの中でも、普段付き合いのない学生同士で組んでリーダータイプがいないと、
そういった傾向が見え隠れしますが、そこをうまく講師のナオミさんやカヨさんに突いてもらってるなと
感謝しています。
また、その学生への働きかけ方を観察するのも、教職を目指す彼らににとって良い勉強になります。

IJ:
学生の皆さんからの実施後に聞いた印象的な言葉や出来事があれば、聞かせてください。

K:
インプロを受けた後、他の場面でも積極的に発言するようになったという学生や、
コミュニケーションにおいて、今まで受信ばかりだったけれども、発信を意識するようになったという話を
聞きました。

また、以前、学生が講師のお二人の即興劇について、どういう気持ちで臨んでいるかと質問したことが
あるのですが、「未来に責任を持つ」とお答えいただきました。
その答えが当の学生には印象的だったようで、「未来の自分を意識して、今の自分のことを考えてみる」
と話していたのを覚えています。

その他にも、この講座に参加していた私のゼミ生が、実際にインプロで身に付けた力を活用している場面もありました。
私のゼミでは集団討論をよく行いますが、インプロを経験した学生が司会進行をしていた時に、
その彼が「フォーカス」がどこにあるかを他の学生に頻繁にフィードバックしており、
かなり複雑な議論にも関わらず、大きな混乱もなく良い議論が出来ていました。
コミュニケーションというと、センスや才能と繋げがちですが、
知識や経験があるだけでも全然変わってくるなと実感しています。

IJ:
先生から見た「インプロ」の魅力を教えてください。
また、教職志望の学生達に、「インプロ」を通じて、何を伝えたいですか?

K:
インプロの魅力は、人と一緒に作業をするのが「楽しい」ことであり、
でも、「楽しくなる」ためには、自分も進んで動くことが必要だと体験できるということ、でしょうか。

今の学生たちは、非常に繊細な社会的空間の中に生きていて、
できるだけ面倒を避けて省エネモードで無難に乗り切るのが良いという、
暗黙のルールに従っているように見えます。
人間関係は難しいから、それも仕方ないです。

教職志望であれば、人と関わりたいから教師を志望しているはずですが、
実際は、固定化された教師―生徒の縦の関係という、人と関わる難しさのない、
自分の立場が保証された安全な環境を求めている印象です。
もちろん実際にはそんなことは全くなく、一般企業と同じように、
多様な価値観のある人たちの中で苦労していく仕事です。

そのなかで四苦八苦してなんとか通じ合えるから、それが嬉しくて楽しくなるはずで、
教師は率先してその大変さを引き受ける人であり、インプロを通じて、その見返りは十分ありますよと
わかってほしいと願っています。

IJ:
教育機関で「インプロ」講座を行う実施意義を聞かせてください。

K:
大学であれば特に、授業で「体」を使うことがありません。
小学校の頃は図工や音楽など体を使って学ぶ時間がたくさんありました。
しかし、年齢が高くなると抽象的な学習内容になり、頭の中だけで完結するのが勉強、
それが賢いと受け取られるようになります。

でも、それだけが勉強ではないはずです。
体験するのも大切な勉強ですが、残念ながら、現在の大学ではまずありません。
かといって、学生が体をつかって豊かにコミュニケーションできているかというとそうではなく、
かつてより体の使い方が平板で乏しくなっている気がします。

しかしながら、想像以上にコミュニケーションにおける身体の役割は大きくて、
それが苦手になっているために、学生が過度に対人関係に気を遣うことにもつながっているのではないか。

そういう状況で、インプロのような授業は、実社会に出た後の大きなプラスになるはずです。
豊かなコミュニケーションができる人は、豊かな体の言葉(?)を持っている人だと気づくことができるのは、
インプロならではの魅力です。

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