April 2006
Okay Temiz Trio - Turkish Folk Jazz
- Saffer Gündeger (cl)
- Björn Alke (b)
- Okay Temiz (ds, perc)
トルコ出身のドラマー兼パーカッション奏者、Okay Temizの75年のリーダー作です。アグレッシヴな奇数拍子のグルーヴに乗って、当初は気持ち良さそうに吹いているSaffer Gündegerのクラリネットですが、それが段々熱を帯びてきて、リズムもそれに呼応して激しいピークに達する、起伏に富んだプレイが素晴らしいですね。クレジットでは曲が細かく分かれていますが、モチーフを変えながら一続きに演奏していくプレイスタイルです。ターキッシュ・オリエンタル・ジャズの名作。
Secret Oystar - Same
- Bo Thrige Andersen (ds)
- Mads Vinding (b)
- Karsten Vogel (ss, as, org)
- Kenneth Knudsen (el-p)
- Claus Bøhling (g)
デンマークのジャズロック・バンド、シークレット・オイスター、ダイナミックなロック・テイストとサイケデリックな持ち味のファーストアルバムです。技巧的にはKenneth Knudsenのエレピがなかなかですが、Claus Bohlingのギターが特にイイですね。結構派手なエレキですが、それよりもフォークロアなセンスなのか、独特のフレーズが耳に残ります。曲の方では反復リフによるサイケデリックなトランスロック的な側面などは早すぎた感もありますね。
Tortilla Flat - Fur Ein 3/4 Stundchen
- Hans Freidrich Basten (ds, glockenspiel)
- Hermann Josef Bosten (fl, g)
- Franz Brandt (el-p)
- Manfred herter (g, volksempfa"nger)
- Albert Schippers (comga, perc)
- Albert Schippers (b)
ドイツのジャズロックグループです。ちょっとクラシカルなフルートとメロディーと垢抜けない雰囲気。曲構成が結構練られている感じで、70年代初頭のプログレならではの魅力がありますね。コンガもフィーチャーしたエスニックなA-がユニークです。ファズ・ギターも年代を思わせてなかなかイイ感じです。
Pan-Ra - Music From Atlantis
- Chaba Kohcz (recorder, bagpipes, cornet)
- Fredi Alberti (vc, ukulele)
- Michel Poiteau (g, jawharp, darbouka)
- Catherine Hourcq (vo)
Pan-Raの多分ファーストアルバム。リコーダーで始まる各面のオープニングはフォルクローレ風なのですが、全体では民族楽器をフィーチャーした欧州・アジア・アフロ色も混濁する無国籍トライバル即興ユニットという感じ。アシッドな空気が漂うなかなかの怪作です。遠くから響いてくるようなミステリアスな女性スキャットを配したA-2・B-3などにはゾクッとさせられます。
Lelo Nazario - Discurso Aos Objetos / Balada Unidimensional
- Lelo Nazario
- Paulo Bellinati (ac-g)
Grupo UmやPau Brasilのkey奏者のソロ。A面が78年作、B面が82作という12シングル盤。前者はシンセ音に不可解なスポークンのサンプリング(日本語も飛び出す)、更にそれを電子変調した過激なカットアップ・コラージュ作品。後者は予測不能の展開をするアコースティックギターにアブストラクトなシンセ音を重ねた不思議な作品となっています。レロ・ナザリオの前衛サイドが垣間見られるという点で非常に興味深い作品です。