May 2007
Jukka Syrenius Band - Memories Of Tomorrow
- Jukka Syrenius (g, b, perc)
- Håkon Graf (key)
- Pekka Tyni (key)
- Clifford Jarvis (conga, ds)
- Tomi Parkkonen (ds)
- Ikka Hanski (b)
- Harri Merilahti (b)
ElonkorjuuのギタリストJukka Syreniusの初リーダー作で、内容はエレクトリック・サンバ・フュージョンといった感じです。
ギターは主にエレクトリックで、泣きのギターなのがロック・グループの出身ならではでしょうか。熱の入ったプレイながらグルーヴに合わせてサラッとキメてしまうのはなかなかのテクニックです。コンガをはじめとするパーカッションをフィーチャーするグルーヴも良いですね。ギターとの組み合わせが異色なようで結構マッチしているのではないかと思います。
Mount Everest Trio - Waves From Albert Ayler
- Gilbert Holmström (as, ts)
- Kjell Jansson (cb)
- Conny Sjökvist (ds)
Mount Everestのセカンドアルバムです。タイトルからも分かるかと思いますが、この時代はスピリチュアルなフリージャズをやっていていて、曲はオーネット・コールマン、アルバート・アイラー、ゲイリー・バーツが各1曲、メンバーのオリジナルを5曲収録しています。
シンプルで親しみ易いテーマなのはやはりアイラーを意識しての事でしょうかね。スピリチュアルで激昂するアルトorテナーを軸に、それに触発されるかのように激しくなるリズム・サイド。その直感的なプレイの応酬が凄いです。ジャズファンク調のA-4・B-1などもディープで素晴らしいです。
これは確かCD化されていました。
Håkon Graf, Sveinung Houvensjø, Jon Eberson, Jon Christensen - Blow Out
- Håkon Graf (syn, stringensemble, el-p, org, rush crash, pf, handclaps)
- Sveinung Houvensjø (el-b, handclaps, sitar)
- Jon Eberson (ac-g, el-g)
- Jon Christensen (ds, a go go, cowbell, clapper, handclaps, cabasa, tambourine, fingercymbals, triangle)
- Miki N' Doye (conga, cabasa)
- Frode Holm (handclap)
この作品はメンバーが気になって聴いてみたのですが、フュージョンをベースにニューエイジやジャズロックも少々加味したような結構コマーシャルな作風であまり好みではなかったです。テクニックはさすがにあるしプレイ自体は悪くないと思うのですが、聴いた後あまり印象に残らないというか…そんな感じです。。
Mamba - Same
- Sven Bergerantz (pf)
- Klaus Hovman (b)
- Thomas Bergerantz (ds)
- Mats Norretalk (g)
- Frank Montilla (conga)
- Håkan Bergerantz (ts)
- Tim Hagans (tp, flugellhorn)
- Rolf Ekström (tp, flugelhorn)
- Sven Berggren (tb)
スウェーデンのフュージョン系ジャズロック・グループ。コンガやホーンセクションをフィーチャーするラテンタッチのエキゾチックな作品です。
コロコロっとした感じの軽快なエレピに、交互にアドリブを執る滑らかだけど熱を帯びたトランペットとトロンボーン、時折り登場するファンキーなワウ・ギターも良いですね。
曲はポップな側面もちょっと顔を出しますが、トータルでは結構粒揃いです。急速調のスリリングなA-1、エキゾチックなラテン・チューンA-3辺りが特に素晴らしかったです。
Rena Rama - Jazz i Sverige -73
- Lennart Åberg (ss, ts, fl)
- Bobo Stenson (pf, el-p)
- Palle Danielsson (cb)
- Bengt Berger (ds)
レナルト・オーベルグのグループでしょうか。確かこれがファーストアルバムだったと思いますが違っていたらすみません。メンバーはボボ・ステンソンをはじめ今でも活発に活動していて、グループも90年代までレコーディングがあります。ECMファンにもお馴染みでしょうか。
モーダルなエレクトリック・ジャズにビリンバウなどの民族楽器もフィーチャーするトライバルな作風で、MNWやSilenceレーベルのジャズロック・グループとの共通点もありそうです。瑞々しく非常にテンションの張った演奏も好感が持てますね。
Heikki Sarmanto Serious Music Ensemble - Like a Fragonard
- Maija Hapuoja (vo)
- Juhani Aaltonen (fl, ts)
- Lance Gunderson (g)
- Pekka Sarmanto (b)
- Crag Herndon (ds)
- Heikki Sarmanto (el-p)
フォークロアなメロディに近代クラシックから現代音楽、更にオブスキュアなエレクトリック・ジャズに溶け込んでいくようなHeikki Sarmanto独特な作風です。北欧らしい冷たさはありますが、ECMの様なコンテンポラリーな感じは無くて、透明感はあるけどディープなサイケデリック・ジャズとでも言ったらよいのでしょうか。
前衛パートの間にニュー・ジャズといった感じの硬派でスリリングなアンサンブルを挿んだA-2、フリーフォームな急速調のジャズロックに美しいスキャットが宙を舞うB-2、やはりMaija Hapuojaの美しいヴォーカルをフィーチャーするミドルテンポのB-3はカンタベリーにも通じる繊細さが魅力的なトラックです。
Perigeo - Abbiamo Tutti Un Blues Da Piangere
- Tony Sidney (g)
- Franco D'Andrea (pf, el-p)
- Claudio Fasoli (sax, ss)
- Giovanni Tommaso (el-b, b, vo)
- Bruno Biriaco (ds, perc)
イタリアのジャズロックグループ、Perigeoのセカンドアルバムを聴きました。 ソフト・マシーンの影響下という風評も聞いたのですが、具体的にどこがと言われると結構そうでもないような気もします。強いて言えばベースラインがちょっと。ソプラノがペンタトニックを少し使っているのもエルトン・ディーンを思わせたのかもしれませんが、この時代結構そういう奏者は多いですね^^;
1stからするとヴォーカルがかなり少なくなっていますが、古典の宗教音楽のようなゴシックなフレーズが散りばめられているのはこちらでも印象的です。煌びやかに広がる繊細なエレピ、知的なトーンのソプラノはモーダルなプレイも良いですね。ギターはロック色の強いファズギターですが、アドリブ自体は結構クールにこなしているのがこのグループには合っているのかも。Larry Coryell - Offering
- Larry Coryell (g)
- Steve Marcus (ss)
- Mike Mandel (el-p)
- Mervin Bronson (b)
- Harry Wilkinson (ds)
たまたまですがまたまたラリー・コリエルです。72年録音のリーダー作ですね。個人的にはコリエル在籍時のスティーヴ・マーカス・グループやEleventh Houseの諸作よりも好きな作品です。
スピードではEleventh Houseには譲るかと思いますが、アドリブは断然こちらの方がイイし、モーダルなエレクトリックジャズとしても魅力的です。
コリエルのプレイは緩急を使い分けるツボを得たプレイをしている分、ここぞというときの見せ場が際立っていますね。スピリチュアルなマーカスのソプラノサックスとのスリリングに掛け合いも聴き所かと思います。
Jeremy Steig - Monium
- Jeremy Steig (fl)
- Eddie Gomez (b)
- Ray Mantilla (conga, tibmales)
- Marty Morell (ds, perc)
今日もジェレミー・スタイグを聴いてみました。この作品、CDにはなっていないようですがた国内盤のレコードがあるようですね。彼のリーダー作で聴いた中では一番好きなアルバムです。
内容はサイケデリックでグルーヴィーなジャズロック・チューンの宝庫です。ハービー・マンとは違って、ディープでスピリチュアル、たまにヴォイスが乗ったりしてなかなか熱いです。尤もAssociation P.C.に客演したときのような激突にはならず、グルーヴの上で聴かせる感じですが。バス・フルートの深みのある妖しさに、エディ・ゴメスの跳ねるようなウッド、B-3のアルコも美しいですね。
Larry Coryell's Eleventh House - Live In Europe
- Mike Mandel (syn, clavinet, el-p, key)
- Mike Lawrence (tp, flugelhorn)
- John Lee (el-b)
- Alphonse Mouzon (ds)
- Larry Coryell (g)
ラリー・コリエルのジャズロックグループ、Eleventh Houseのライヴ盤です。年代表記がありませんが、オフィシャルサイトによると77年リリースで録音は75年頃のようです。Wikipediaによると"A bootleg live recording"とのことで、そんなものが出てしまうほどの人気だったのでしょうか。それはそうとオフィシャルサイトのディスコグラフィーに載せてしまうのが興味深いです。
グループのピークというだけのことはあって内容は素晴らしく、多少の荒さも気にしない怒涛の如き勢いが凄まじいですね。個人的にはライヴの方が商業色が顔を出すスタジオ作よりも肌が合ってるみたいです。音はPAを通した感じはありますが、結構良い方じゃないでしょうか。