660 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :2006/08/20(日) 00:10:30 ID:udWZ5pdx0
釣り人に聞いた話

小学生の頃の夏休み、かんかん照りの日射しに追い立てられるように
山奥にある小さなダムの貯水池で、友人らと水遊びをしていた。

冷たく澄んだ水に潜ると、水面下に並んだ半身が立ち泳ぎしているのが見える。
その中に長ズボンに靴を履いている奴がいた。
不審に思って水面に上がると、見知った顔ぶればかりで皆が水着姿。
もう一度潜って数を数えると、やはり下半身が一つ多い。
靴を履いた足に近づいてから恐る恐る見上げてみると
水面越しに真っ赤な人影のようなものがゆらゆらと揺れていた。

全身をゾワリと包んだ寒気を合図に、慌てて水から上がると
まだ遊び足りない、と愚図る友人達を強引に説得して山を降りた。

その日の夜、山廻りをしている祖父に昼間の事を話すと
今年の春にその山で見つかった遭難者の話を聞かせてくれた。
「…野犬にでも喰われたのか、結局腰から上しか見つからんかったな」
妙にのんびりとした口調でそんな事を語った祖父は、最後に
「お前は呼ばれたんやろう。ま、しばらくは山に入るな」
と、やはり訥々とした口調で締めくくった。

***


666 :本当にあった怖い名無し:2006/08/20(日) 08:37:19 ID:L1Siq80LO
友人と山道をドライブ中に林道を見つけた。
二人とも山が好きな方なので、どちらからともなく、少し登ってみようということになった。
友人は植物好きで、何かを見つけては楽しげに眺め、あれこれ説明してくれた。

かれこれ30分ほど登った頃、彼が急に立ち止まった。
また何か見つけたのだろうと思ったが、黙ったまま動かない。
彼は時々、妙な体験をすることがあるので、何か見えたのか?などと思い、ドキドキしながら
尋ねようとすると、それを察したかのように、無言のまま人差し指を口に当て真顔で俺を睨んだ。

緊張しつつ友人を見つめていると、眉間に皺を寄せて目配せをした。
『ふたつ、ふ~た~つ~』
藪の奥から間延びした小さな声がした。友人は険しい顔をしている。
『たでる~たで~る~~』
たでる…?食べる?え?どういうこと!?
パニックで強張った俺の体を友人は無言で反転させ、来た道を戻るよう促した。
俺は嫌な汗で背中も掌もビッショリ。
林道の入口まで声は前後左右に飛び交いながらついてきた。
人間には無理な動きだと思う。
車まで戻れた時は本気で涙が出た。

拙い文ですみません。最後まで読んでくれて有難うございました


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681 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/08/20(日) 20:59:41 ID:CbyYU0Gd0
同僚の話。

彼は道路保全の仕事をしているのだが、受け持ち区間の中におかしな峠道があるそうだ。
山の中腹を走るその峠道では、ガードレールや道路標識の破損が異常に多い。
まるで車が突っ込んだかのように、金属の部分がクニャッと曲がっているのだと。
しかし表面などには傷らしい傷もなく、また車が事故を起こすさないような場所に限って、設備は損壊しているという。

ある夏の日、そこの峠で、彼が歪んだガードレールの検分を行っていると。
不意に山の上方から耳慣れない、大きな音が聞こえてきた。

 きょーーーんっ

言葉にするとそんな感じの音だったらしい。何かの声のようにも聞こえた。
ギョッとして山を見やったが、既に音は静まり、何も変わったことはない。
仕事に戻ろうと顔を戻し、再びギョッとする。
ほんの少しの間に、先程まで何も異常がなかった部分のガードが、大きな手で押し潰されたかのようにへたっていた。

実際にそんな瞬間に立ち会ったのは、後にも先にもその時だけらしいが。
「あそこには何か居る」
彼は困ったような顔で、話の終りにそう言った。


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682 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/08/20(日) 21:01:06 ID:CbyYU0Gd0
知り合いの話。

地元の山を満月の夜出歩くと、場違いな物に出会すことがあるという。
暗い山道が開けた場に、時折それは現れる。
白い月光が冴え冴えと降り注ぐ中、グツグツと音を立てている黒い影。

野菜や赤肉がみっしりと並べられた、ごつい鉄鍋だ。
淡い月明かりにもかかわらず、なぜか具の一品一品までよく見える。
地の上に直接置かれているのに、まるで熱い火に掛けられているかのように
良い感じで煮立っている。

猟師仲間に伝わるそれは「山鍋」と呼ばれているらしい。

「大昔に儂も一回見たことがあるが、いや実に美味そうじゃった。
 香りといい音といい見目といい、何とも食欲をそそったな。
 うんにゃ、口にしてはおらんよ。食べたって者の話も聞いたことはないな。
 儂みたいにビビッて手を着けなかったか、それとも、口にしたら帰ってこれんようになるのかもしれんの」

猟師をしていたという彼の祖父は、そう言って杯を空にした。

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683 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/08/20(日) 21:03:42 ID:CbyYU0Gd0
知り合いの話。

彼は現在、山中のレンタル菜園場と契約している。
土地だけを年単位で借り、そこで好きな作物や草花を育てるシステムだという。
元は団地になる予定だったらしいが、バブルが弾けたせいで開発が中途半端に終わり、結局菜園という場になったものらしい。
週末になると夫人と連れだってそこに行き、野菜の世話をしているそうだ。

いつの頃からだろう、菜園を荒らす者が現れた。
大根を引き抜いていると、その内の何本かに囓った痕がある。
どう見ても人の歯型であるらしい。
何かの悪戯かとも考えたが、どうにも腑に落ちなかった。

菜園仲間と話す中で、他の人達も被害に遭っていることを知った。
不思議なことに、被害は大根ばかりに限られている。
しかし、一番古株のOさんの畑の大根だけは様子が違っていた。
毎回毎回、地上に出ている青首だけを残して、地中の部分は綺麗に丸ごと食われているのだ。

「Oさんは野菜作りが上手いから。
 大根も大きくて立派だし、味もさぞかし良いんだろう」

誰かがそう言ってから、不気味がっていた仲間内の空気が一変した。
誰の大根が一番食べられるのか。誰の大根が一番美味いのか。
そんな奇妙な競争が、現在菜園では、静かに繰り広げられているのだという。
正体不明の畑荒らしを審査員として。
それまで大根を作っていなかった者も参入してきており、何とも変な活気が出ているそうだ。

「いやいや、儂の農家としての腕前は、まだまだだと思い知ったよ」
彼はそう笑いながら、どこからか貰ってきた農作業の手引き書を読んでいた。

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690 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :2006/08/20(日) 23:28:12 ID:udWZ5pdx0
個人的に怖い話

木を切っている途中、反対側に受け口を作ってあるにもかかわらず
チェーンソーの刃が切り口に挟まれて動かなくなってしまうことがある。
力学的にちょっと説明のつかない現象だが
個人的には、樹木という生物の防衛反応ではないか?と考えている。

同じような事を考えている人が他にも居るようで
ある地域では、この現象を「真剣白刃取り」と呼んでいる。
「木の伐採=樹木との格闘」と捉えるなら
実に真っ当なネーミングではないか思う。
これが極ってチェーンソーのプレートが曲がると
しばらくは仕事にならない上に修理費も高いので
木こりにとっては、できれば喰らいたくない技ではある。

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718 :N.W. ◆QkRJTXcpFI :2006/08/21(月) 22:38:03 ID:pfLIWo5H0
 2つの市の間を結ぶとは名ばかりでいつ廃線になってもおかしくない田舎のローカル線での話です。
それは御盆も過ぎた夏の夜の出来事でした。
星空が見えてはいるが湿度が高く、蒸し暑い夜でした。
日付も替わり、幽霊が現れる丑三つ時までもう少しという時間でした。

 私は1人 風を入れるために軽自動車の窓を開け、暗い田舎道を走っていました。
遅い時間で私の軽自動車の前後には1台の車もありませんでした。
踏切に掛かると突然警報機が鳴り出しまし、遮断機が下り始めました。
わたしは不思議に思いました。
田舎のローカル線でこんな時間に列車などありません。
線路の左右を見回しても列車のヘッドライトの明かりも見えません。
暗闇の中で警報機のライトだけが交互に点滅を繰り返していました。

30秒法ほど経ったでしょうか。
やがて遠くのほうからレールの継ぎ目の音がガタンゴトンと聞こえてきました。
そちらの方に顔を向けても暗闇が広がるばかりです。
次第にガタンゴトンと音は大きくなってきました。
不意に軽自動車のヘッドライトにてらせれて白いディーゼルカーが1両、目の前を通り過ぎました。
ディーゼルカーはヘッドライトも点けなければ、客室の明かりもありませんでした。
それどころかエンジン音すらさせず、すべる様に私の目前を過ぎ去ったのです。
客室の窓には私の軽自動車のヘッドライトに照らされたのか、はっきりとはしませんが何か白いものが移っていました。
白いディーゼルカーが通り過ぎてしばらくすると、踏み切りの遮断機は何も無かったかのようにすうーと元の位置まで棒をあげました。

 あたりは再び、静寂に包まれ、ただ秋の虫の声が鳴り響いていました。
暗闇の中で私の軽自動車のヘッドライトが踏み切りを照らしていました。
私は頭の先から足の先まで汗でびっしょりとなっていました。
私があわてて軽自動車のアクセルを踏み、その場から走り去ったのは言うまでもありません。


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749 :本当にあった怖い名無し:2006/08/23(水) 01:03:22 ID:NtGo2qkzO
祖母は昔、相当なお転婆で、女学校時代は篭球部(バスケ)の主将を務め袴姿で張り切っていた。
そんな祖母が部の友人と怪談会を計画。
ただ話をしてもつまらないと、近所の山の麓にある廃屋で行うことにした。
しかも、親の目を盗んで夜に集まったというから驚く。

参加者は4名。件の廃屋に着くと真っ暗な家の中から話し声がした。
見つかるとまずいと思いつつ耳を澄ますと、どうも先客も怪談会をしているようだ。

『…4人は化物に食べられて…』
その声は間違いなく自分の声だった。
さすがの祖母も、この時ばかりはすぐ引き返したのだそうだ



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