2024年06月12日

志賀原発は「廃炉すべき!」

能登地震での志賀原発のトラブルってどうよ!?
 建設現場の元責任者が「油漏れは大問題、廃炉に…」

志賀原発3

 東日本大震災で福島原発事故が起きた要因について、関係者は口を揃えて「想定外」と話した。

 福島原発の事故で安全と言われてきた原発神話が完全に崩壊し、政府は「脱原発へシフト」したが、燃料などの高騰により、僅か13年で「原発へシフト」した。

 そして、2024年元日に能登半島を襲った地震で、石川県志賀(しか)町にある北陸電力の志賀原発で変圧器から油が漏れる事故が起きたが、幸い、放射能が飛散するような大事故には繋がらなかった。

 その志賀原発の地盤整備や修繕に携わった元土木技術者の伊藤栄次さん(75)。火災や放射能漏れがなかったから「よし」で済ませてはいけない。油漏れが起きた自体が大問題だと指摘する石川県宝達志水町に住む伊藤さんは、以前から変圧器の対策を求めていた。

 志賀原発1号機と2号機で主となる変圧器は計8基ある。その変圧器の役割は、電気を利用に応じた電圧に変えることであり、通常、発電した電気を外部へ送るが、志賀原発は稼働していないことから、外部から原発内で使用する電気を送るのに使っている。変圧器の機器は漏電防止や冷却するため絶縁油で満たされていて、油が漏れると変圧器が使えなくなり電気を送れなくなる。

 2007年に起きた新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)で変圧器火災が起きていることから、火災が発生すると次に何が起こるか分からないことから、中越沖地震や東日本大震災以上の対策が必要だと北陸電力に対応を求めてきたが、北陸電力は柏崎刈羽原発の火災後、志賀原発に化学消防車を配置して、24時間対応できる態勢を整えたとするが、変圧器は当初に設置している一般工場の設備並みの耐震性しかない。

 そもそも、一般工場の設備以上の耐震性を備えた変圧器がないのが実情で、北陸電力は能登半島地震を受けて「変圧器を補強できないか検討する」としているのだが、果たして、それだけで事故が起きることもなく、有事の際に「想定外」が使われることがないのだろうか。

 金沢工業大学を卒業して土木会社に勤め、1987年から17年間、志賀原発の1号機は建設途中、2号機は建設当初から地盤整備や完成後の修繕等に現場責任者として従事しながら、原発にも危機管理の考え方が必要であると考え大学教授らと論文にまとめて発表した。

 安全神話を信奉させられた国民だけでなく、原発に従事する社員や関係者も原発に対する危機管理意識が低いのは当然だったが、北陸電力が2007年に臨界事故を8年間も隠蔽していた問題が発覚して、伊藤さんたちが懸念したことが現実となり、能登半島地震で変圧器の油漏れが起きてしまった。

 能登半島地震が発生した時点に停止していた志賀原発だが、もしも稼働中に油が漏れていたら、爆発は免れなかっただろう。

 志賀原発の30キロ圏内に住む伊藤さんは、自分の目で確かめ、子や孫のために安全なものを造りたいと原発建設に携わり、基準に合った安全なものを造ったとの認識だったが、北陸電力が変圧器の対策を行わず、油漏れが起きてしまった今、「廃炉にした方がいいと思い始めた」と言う。

 何か起きてからでは遅すぎる。

 核と人類は共存できないと手帳で書かせて頂いているが、人類と原発の共存も不可能と言えそうだ。

inakakisya at 17:26コメント(0) | 原発  

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