2006年10月29日

これはあくまでも私の経験に基く仮説です。
今のところ学術的根拠は無い、ということをご理解の上ご覧下さい。

自分を振り返って、とことんシングルタスクだと思う。
複数の仕事を同時にこなすことができないのだ。
したがって、複数の仕事を抱えている場合には、できるだけカテゴリーが同一のものを一つずつこなすようにしている。

私は音読は苦手である。
誤解されないよう記載するが、読むのは割と正確で早い方だと思う。
次の文を記憶しながら、現在の文を喋るようにしているからである。
しかし、記憶はできるが、理解ができない。
つまり、音読すると文章全体を理解できないのだ。
だから、基本的には文章は黙読する。
教科書や資料の黙読というのが私が暗記物の受験勉強だが、これも、その方が長期記憶につながり、理解もできるからであろう。
たぶん、喋っている間は、他のことが理解できないのだと思う。

先日、中京大学社会学部教授辻井正次先生の講演を聞く機会があったが、自閉症者を調べたところ、脳内の伝達物質の数が定型発達者よりも少ないという結果が出ているらしい。(研究内容に触れる為詳細はカット)

これは、神経ネットワークを繋げる物質が少ないということになって、脳内のコミュニケーションが取りにくいということになるであろう。

自閉症者は視線が合いにくいと言われているが、これは、話している内容を理解するためには、少ない伝達物質を聴覚と理解に振り分ける必要があるため、視覚刺激を制限しようとする(もしくは、少ない物質で理解しようとすると脳内処理が遅くなるので、同時処理をキャンセルする)関係なのかもしれない。
事実私は、無理に視線を合わせて喋ろうとすると、相手の話を記憶しづらくなる。

また、視覚刺激を制限すると、喋っている相手の表情は読み取れないので、相手のその場の感情を理解することができにくくなる。

そして、話の理解を最優先すると、その人が元々どういう立場の人でどういう状態に陥っている人なのかを記憶から引き出すのも難しくなる。

このようなシングルタスクコミュニケーションの積み重ねの結果が、自閉症者のコミュニケーション障害の一因ではなかろうか。

特に、コミュニケーション相手の人数が増えるほど、その差は歴然となるであろう。

逆に、定型者であれば、伝達物質を振り分ける(もしくは、同時処理をキャンセルする)必要がなくなるので、それらの複数の理解を同時にこなすことができるために、コミュニケーション不足が生じないのであろう。

私は、自閉症は1タイプでは捉えられないと考えているが、伝達物質不足の一群が、自閉症の中に広範囲に存在している可能性を感じる。

ということは、自閉症治療の一つとして、伝達物質を増やす、もしくは取り込みを阻害する薬物が、自閉症治療薬として有効なのかもしれない。
その際、副作用と実生活における障害の度合いのバランスを考えて投薬することは大事だろう。

逆に、治療するのではなく、伝達物質の少なさから派生する過集中を生かして、高度の集中力や思考力を必要とする職を目指す、という生き方もあると思う。

(17:00)

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この記事へのコメント

1. Posted by とうふ   2006年11月03日 23:33
シングルタスク、なるほどと思っておりました。自分も目を合わせようとすると、内容が聞き取れません。1対1で話している分には何とかなりますが、1対多になった時点でアウトです。シングルタスクと考えれば納得がいきます。
アメリカで承認されたというリスパダールを飲み始めて易刺激反応が抑えられている気がします。リスパダールが「神経伝達物質のドーパミン受容体とセロトニン受容体を阻害する作用」のある薬と書かれているのを読み、納得でした。
2. Posted by 田舎猫   2006年11月05日 02:39
リスペリドンですね。
どうして統合失調症患者向けの抗精神薬が自閉症者へ投与されるのか不思議だったのですが、作用機序を読んで納得しました。
これであれば、セロトニンとドーパミンが受容されない事によって伝達物質が増え、脳が活性化されますね。

ただし、結構副作用も多いようですので、服用の際は注意が必要みたいです。
3. Posted by 田舎猫   2006年11月05日 02:43
もう一点。
薬効から考えると、統合失調症と診断された方の中に、実は発達障害や躁鬱病の誤診が紛れ込んでいて、その方達に効果があったという可能性もありますね。
4. Posted by 田舎猫5    2006年11月11日 06:43
当日伺ったアンガーマネジメントは、子育てにも役立ちそうです。行って良かったと思いました。
5. Posted by とうふ   2006年11月12日 16:00
リスパダールの件です。
確かに副作用が強いです。一度食後に飲み忘れて就寝前に飲んだところ、翌日は終日胃腸がもたれました。
また、統合失調症の中に実は発達障害や躁鬱病がいた、大いにありえそうですね。

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