2006年11月19日

いじめの被害者への支援と加害者への支援は分けて論じなければならない。

DVを例にとって考えてみよう。

DV被害者には避難所としてシェルターが存在している。
役所で住民票の転出先や転入元を照会しようとしても、本人以外はできないよう隠匿されている。
それだけ被害に遭った人は傷つき、加害者を恐れているのだ。

また、DV加害者には、加害者の自助グループがあり、加害者自身の立ち直りを支援している。

注目して欲しいのは、加害者への支援と被害者への支援は、生活圏を切り離したところで進められているという部分だ。

これを学校でのいじめに当てはめてみると、加害者と被害者がいつまでも同じ空間に置かれているというのは異常な状態であると考えられないのだろうか。

つまり、被害者が心の安定を取り戻し、加害者が立ち直るまでは、同じ空間で過ごすことは本来は避けられるべきなのだ。

なぜ、この当たり前のことを一般の人や評論家が殆ど口にしないのだろうか。

(21:39)

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この記事へのコメント

1. Posted by moritaku4    2007年01月16日 03:56
「被害者が心の安定を取り戻し、加害者が立ち直るまでは、同じ空間で過ごすことは本来は避けられるべきだ」という、田舎猫さんの意見に同感です。
 では、なぜ一般の人や評論家が、このような発言をしないのか。
僕は、二つの理由があるのでは、と思います。
 一つは、「いじめを受ける人にも責任がある」という考え方が、未だに強いこと。
 いま一つは、「いじめた人が立ち直る」という発想がないこと。
2. Posted by moritaku4    2007年01月16日 04:12
(続き)
 今でこそ、「理由が何であれ、いじめはダメだ」ということが言われるようになりましたが、命を投げ捨てなければならない状況に追い込まれた子どもたちに対しては、「命を粗末にしている」とか「命を大切にしなければならない」という、容赦のない批判があることも事実です。
 根底にいじめに耐えられない人間は「弱い人間」という見方が強いと思います。
 また、いじめた側の子どもたちに対しては、根底に何が
3. Posted by moritaku4    2007年01月16日 04:44
(続き)
あるのかを見なくて、結局は表に出てきている「問題行動」を押さえることだけが、目的化しているのではないかと思います。
 これに関連して、教育再生会議が、いじめた側の出席停止を提案していますが、いじめた側の権利擁護の保障という発想がなく、単なる懲罰的措置でしかないと、僕は思います。
 いじめられた側も、いじめた側も、権利を擁護されるべきで、そのためにお互いを切り離すことが必要ではないかと、
4. Posted by moritaku4    2007年01月16日 04:44
僕は思います。
5. Posted by 田舎猫   2007年01月30日 22:11
moritakuさん、はじめまして。
しばらく放置していたので気付きませんでした。

長文レスありがとうございます。

ほぼ同意ですが、一点だけ。

> これに関連して、教育再生会議が、いじめた側の出席停止を提案していますが、いじめた側の権利擁護の保障という発想がなく、単なる懲罰的措置でしかないと、僕は思います。

教育再生会議事務局長の義家先生は、他の場所で授業を受けることも出席停止だとおっしゃっているので、教育を受ける権利を失うという意味ではなさそうです。
6. Posted by 森口朗   2007年05月12日 22:52
こと「いじめ問題」に関しては、紙メディアにおける議論のレベルはネットよりもはるかに低レベルです。
ご指摘はごもっともで、その理由は「出席停止=加害者懲罰」という誤解と、その誤解を正さない行政や評論家の責任です。
7. Posted by 田舎猫   2007年05月13日 00:15
森口朗さま、いらっしゃいませ。
確かに、ネット上の議論の方が上という場合も多いですね。
どうしたら、マスコミの報道も変わるのでしょうか。
8. Posted by 森口朗   2007年05月13日 02:03
田舎猫さまのようにネット(特にブログ)で発信しつづけることが何よりも大切ではないでしょうか。私は紙媒体の末席で発信する者として、ブロガーの意見は常に参考にしております。6月に新潮新書からいじめ関連の本を出します(タイトル未定)。田舎猫さまの疑問にも十分答える内容だと思うのでよろしければご一読ください。
9. Posted by 田舎猫   2007年05月15日 07:41
森口様

丁寧なご回答ありがとうございます。
私のように、ブログに書くだけでも少しは役に立つという事ですね。
訪問者も少ないため微力かもしれませんが、このようにおっしゃって頂きまして、これからも続けていく気になりました。

本をご出版されるのですね。
楽しみにしています。

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