2007年03月
2007年03月31日
■ 第15回 現地見学時の「中古建物チェックポイント」 外部編
【 失敗しない田舎暮らし入門 第15回 】
今回はまず、無料【建物メール相談室】に今週いただいた K様 のお便りをご紹介致します。
「いろいろと田舎物件を紹介しているサイトがある中で、田舎ねっとさんのサイトはデザイン的にも見やすく、情報量も多い事からよく見せてもらってます・・
(中略)
今まで、20件近く実際物件を見に行ったのですが、今ひとつ中古建物を見るポイントが分かりません。
安い物ではないので中古の建物を購入して、欠陥が出てくるのも怖いですし、かといって新築を購入する予算もありません。
素人でも中古建物を安心して購入できる為の、中古建物を見るポイントを教えてもらえないでしょうか・・・」
K様、お便りありがとうございました。 冒頭のコメントも大変嬉しく思いました。(^.^)
さて、今回ご紹介させていただいたK様のお便りの内容は、不動産を探されている方々にとっては、K様と同じように興味のある部分ではないかと思います・・
そこで、皆様でも分かる基本的な 「中古建物のチェックポイント」を今号と次号の2回に分けてご説明致します。
現地見学の際、場合によっては売主さんが居住中で、「気まずい」事もあるかも知れませんが、
その部分は “無視” (^_^;) してお話し致します・・
● 現地見学時の「中古建物チェックポイント」外部編
その1.基礎
建物の基礎や土台に、ひび割れや腐れがないかをチェックしましょう。 建物の周りを回って、コンクリート基礎のひび割れがなければ大丈夫です。
表面だけの、亀甲状の隙間が見えない程度のひび割れなら心配ありませんが、もし爪が入るほどのひび割れがあるようなら基礎の不同沈下の恐れがありますので注意が必要です。
その2.外壁
建物の外壁にひび割れがないかどうかチェックしましょう。建物の周りを回って、外壁材にひび割れがなければ大丈夫です。
ひび割れがある場合は、外壁からの漏水で内部に影響が出ている場合が多いので、室内の壁のチェックも行いましょう。
外壁にひび割れがある場合は、建物の歪みを示していることもあるので注意が必要です。
その3.屋根
屋根全体を見回して、屋根材の瓦・スレート・鉄板に損傷、ズレ、へこみがないかどうかチェックしましょう。
屋根の場合は外から見えにくいので、見える部分はチェックして、見えない部分は屋根裏を見て、雨漏りの状態をチェックしましょう。
以上、「中古建物チェックポイント」外部編 でした。
現地見学時の参考にして下さい。
次号では、室内編をご説明致します。 (^.^)
2007年03月23日
■ 第14回 古民家の状況はピンからキリまで!
【 失敗しない田舎暮らし入門 第14回 】
今回は、「田舎ねっと.日本」の中でも根強い人気の建物 「古民家」についてのお話です。
ただ今回は、「古民家」という建物についての解説などではなく、「古民家」という “商品”(売り物件)についてのお話です・・
最近では田舎暮らしの「代名詞」とも言える“古民家”。テレビや雑誌などでも取り上げられる事が多くなり、世間での関心も高まってきているようですね。(^_^)
田舎ねっと.日本 へアクセスして下さるお客様も検索サイトで、「古民家」で検索してアクセスされる方も多く、また資料請求の数をみても「古民家」は人気です・・
ところが、残念なことに古民家という商品はなかなか出ません。 絶対数が少ないのと、機能性などを重視して建て替えられる場合が多い事が原因です・・
そんな中、「古民家」物件を見に行かれたお客様から、ときどき苦言を頂いてしまうことがあります。
先にしっかりお伝えできなかった、こちら側が悪いのですが・・
その内容は、だいたいこのような内容です・・
● 即利用可能な古民家は少ないです!
「あれでは壊した方が早い」、「あんなに汚いの売るの?」、「あれじゃ住めないよ!」「夜逃げでもされたんですか?」・・などなどです。
ホントにすみません・・
そのように思われる物件も、多いんです。 確かに・・ (^_^;)
「古民家」というと多くの方は、茅葺屋根や太い柱、梁、土間やかまど、そして囲炉裏などを想像され、しかもテレビや雑誌で見る、美しく蘇った再生された古民家や、リフォームされた温かみを備えた建物をイメージされることでしょう。
確かに古材をそのまま生かして再生された古民家やリフォームされた古民家は、温かみがあり重厚で憧れの建物となると思います・・
ところが、もともと古民家は、農作業をするのに都合がいい造りになっており、住まいの快適性を追求した建物ではありません。
また、その造りは、その地域の生活様式や産業、気候の違いなどの地域性を反映しています。
つまり古民家とは、そこに住む人にとって一番暮らしやすく建てられた建物で、そこに暮らすことで生活を成り立たせる“家”なのです。
そのような役割を秘めた住居ですから、
作業道具や民具が非常に多い。住んでる人数が多いので荷物も多い。外作業と室内への出入りが頻繁。自然素材を使っている。基本的な築年数の経過。空家になってる事が多い。気象条件が厳しい所が多い・・
などの理由から、一般的な中古住宅と違い、売り物件の状態が悪い(痛みや室内の状態)物件が多いのです。
しかも、手直しなしで即利用できる物件となると、その数はかなり減ります。中には業者がリフォームを済ませた物件もありますが、その分価格は上がります・・
このように、「古民家」の売り物件には、皆様の常識を覆すような状態の物件もありますので、事前に物件状況をしっかり確認して下さい。
また、ある程度のリフォームは必要になることが多いので、ご予算を組まれる場合は、そのあたりも頭に入れておくと良いと思います。
でも、手を掛けた分、愛着のある素敵な住居にもなるんでしょうね
きっと ・・ (^^)
2007年03月16日
■ 第13回 「小川」隣接地は水量を要確認!
【 失敗しない田舎暮らし入門 第13回 】
今回は、人気の 「敷地内に小川が流れる」、「川が隣接している」物件についてのお話です。
田舎物件・リゾート物件には都会の居住用物件と違い、多くの自然や手付かずの環境が残っていることが多いですね。
田舎ねっと.日本 へのお問合せでも、そのような物件を好んで資料請求される方がとても多くいらっしゃいます・・
なかでも、「敷地内に小川が流れる」、「川が隣接している」という物件は人気が高く、資料請求もたくさん頂きます。(^_^)
考えてみると、都会の住宅ではこのような物件はほとんどありませんので、「田舎物件」としての付加価値の1つといえるでしょう・・
敷地内に小川が流れていれば、「せせらぎが聞こえる」、「風情を感じる」、「池を造ろう」などなど、楽しみが増しますし・・
実際、小川を利用して楽しそうな造作が施されている民家や別荘も多くみかけます。
ところが、“小川”については、見かけとは別に度々問題が出てくる事がある「付加価値」なのです・・
● 水量によっては大きな害を出すことも
皆さんは 「小川」 というと水が“さらさら”流れる穏やかな水の流れを想像している事が多いでしょう。また、現地見学や現地案内で“見た時”には“さらさら”と穏やかな流れだった。という事もあると思います・・
しかし、田舎物件や別荘地内を流れる「小川」とは多くの場合、季節や天候によって、水の流れと水量が大きく変化するものなんです。
特に田舎の場合は、山からの雪解け水や豪雨時の山水の湧水が、側溝や下水の少ない所では、川や小川に集中します。その結果乾燥した時期とは全く異なる、「小川」となる事があるのです。
その結果、小川の川幅が浸食されてだんだん広がり、周辺が常に湿地状態になってきたり、増水して庭中を水浸しにしたり、また常に水量の多い小川近くの建物では、湿気によりカビの発生が広がる事もあります・・
このように、田舎物件の付加価値であり、楽しみの1つである、敷地内の「小川」に関しては、全て利点だけではありません。
もちろん、すべての小川が上記のような害をもたらす訳でもありませんが、現地を確認した際に、“さらさら”流れる穏やかな水の流れだった場合は、「いつもその状態」ではないことを忘れないで下さい。
できれば、売主さん、不動産業者、近所の方々に一年を通じた、水の流れと水量を確認すると良いでしょう。
また、事前に状況を確認しておくことで対処方法も考えられると思います。
せっかくの「付加価値」、楽しく利用したいものです・・ (^.^)
2007年03月10日
■ 第12回 仕事は少なく収入も減ります!
【 失敗しない田舎暮らし入門 第12回 】
今回は、「定住」についてのお話をしてみたいと思います。
田舎ねっと.日本でのお問合せや資料請求でも分かるのですが、最近のお客様のニーズは “田舎暮らし=定住” という傾向が大変強まっています。
少し前までは、「別荘としてのご利用やセカンドハウスとして週末に利用する」というニーズも結構ありましたが、最近は多くの方が“定住”を目的にされています・・
しかも、団塊の世代の方々や定年を迎えられた方々のみならず、若年層の方々のニーズも “定住” が主流になっています・・
当然、定年退職で「退職金や年金暮らしの方」や、多くの蓄えがあって、「パート程度の仕事をしながら」という経済的に余裕のある方は別ですが、定住をする場合で、移住先で仕事をしながら暮らしていこうとしている方の場合、仕事の問題が出てくるわけです。
もちろん、今の仕事が移住先の“田舎”でもできる方は問題ないでしょうが、移住先で仕事を新たに見つけようとしている方の場合、いろいろと考えないといけないでしょう・・
● 田舎は仕事が少なく、収入も減ります
田舎に移住して、新たな仕事をみつけて生計を立てていく事は、決して簡単なことではありません。
はっきり言うと、田舎には仕事が少なく、その種類も都会とは比べようがないくらい少ないのです。
したがって、田舎に移住して新たな仕事をみつけて生計を立てていく場合には、どういう仕事があって、どのくらいの収入になるのか、しっかり計画を立てた上で “移住”することをお薦めします。
また、そのような方の場合は物件探しをする前に、ある程度の仕事探しもしておくと良いでしょう。せめて、物件探しと仕事探しを同時進行くらいで進めて下さい・・
物件選びを優先した結果「仕事がみつからない」では、本末転倒で、夢と理想を求めて始める “田舎暮らし”が、辛いものになるかもしれません・・
今でも、田舎から多くの方が都会に出稼ぎに来ている事からも分かる通り、決して田舎の仕事環境は良いとは言えないのです・・
“田舎物件+仕事” を同時に「お探し」になる方が近年急増している状況です。
くれぐれも、“仕事”優先をお薦めいたします。(^_^)
2007年03月02日
■ 第11回 ログハウス造りは業者選びが重要!
【 失敗しない田舎暮らし入門 第11回 】
今回は、田舎ねっと.日本に頂いた「建物メール相談室」のご相談を取り上げ、ご説明いたします。
─ 神奈川県にお住まいのY様からのご相談 ─
はじめまして。ときどきホームページ拝見しています。
(中省略)
20年来の友人が関西地方で昨年4月にログハウスを建て
ました。家族ぐるみの付き合いなので、ゴールデンウィ
ークに招かれ家族で遊びに行くと、かなり豪華な造りで
感心していました。聞くと4000万円程かけて造ったよう
です。
(中省略)
ところが、6月の梅雨シーズンに入り色々と問題が出て
きたようで雨漏りが2箇所(2箇所とも丸太と丸太の繋
ぎ目)発見され、業者に言うとすぐに対処してくれたそ
うです・・
ただ、その後もドアの開閉や丸太と丸太の隙間など、気
になる問題が多く、業者に相談したところ、「ログハウ
スとはそういう物だ!」とのめんどくさそうな対応でな
かなか対処してくれないそうです。
実は我が家も私の定年を機に、ログハウスを立てようと
考えていたのですが、ログハウスとは実際こういうもの
なのですか?また、業者の対応もこのような感じなので
しょうか?
以上のようなご相談でした・・・
このご相談を頂いた後に、一度お電話も頂きY様とはお話をしましたが、ご友人の方のお話の為、Y様も詳しい事まではご存知なかったので、正確なご返答はできなかったのですが・・
もともとログハウスとは、生の木を使って造る家ですので、重量があり、ひずみや曲がりは少なからずでてきます。
そこで業者は、しっかりとそのことをお客様に伝えた上で契約し、竣工後少しずつ時間を掛けながら修正していくわけです。
ただ一般的に考えると、4000万円のログハウスとは、かなり豪華で立派なものだと考えられます。
材料、加工技術、組み立て技術、アフターサービスなどにお客様が期待するのは当然の話です・・
ところが・・・
● 費用が還元されない、ログハウス造り!
近年はログハウスメーカーやログハウスを取り扱う工務店もかなり増えています。当然、各社激しい競争のもと「品質や技術やサービス」でお客様に納得頂ければ一番良いのですが・・
企業である以上、そこには様々な営業活動や広告宣伝活動が絡んできます。
そしてそれが大きな問題となっていることが多いのです・・
端的に言うと、豪華すぎるパンフレット、身の丈に合わないモデルハウスの展示場、営業活動中の立派すぎるパースの作成など・・
このような、販売する為の先行投資を必要以上に行なっている業者が増えていて、結果的にこのような費用は、すべてお客様が支払うことになる訳です。
このような状況で商売をしているログハウス屋さんでは、「技術やサービス」は二の次になりがちです。
そうしないと「採算」が取れないからです・・
今回の4000万円をかけられたY様のご友人の方の依頼を受けた業者がそうだとは言えませんが、業者側にもこのような事情があるところが少なくありません。
ログハウスという特殊な家を選ぶ場合には、身の丈に合った営業活動をしているか、会社の体質はどうか、などの業者選びがとても大切です。
豪華なパンフレットや立派過ぎる展示場、綺麗なパースなどだけでは選ばないように!
もちろん、費用が十分還元されるログハウス屋さんもたくさんありますので、そのような業者さんを是非お選び下さい。(^.^)