僕らが働くこのコスタナバリーノ 。
今シーズンでオープンから3度目を迎えているそうです。
まあなんとも贅沢な施設でラグジュアリーホテル2軒をはじめ、
ゴルフコース、スパ、滑り台付きのプールからボーリングに至るまで、
一日じゃとてもじゃないけど周りきれない程の設備を整えています。
そして目の前には真っ青なイオニア海を抱えるプライベートビーチ。
最近ギリシャで流行りだしているらしいサーフィンや色んなマリンスポーツを
楽しむ人の姿も見かけます。
いやあ、羨ましい。。。。
プール付きの部屋に何日も泊まって、
たまった小説をビール片手に読み漁ってのんびりしたい。
でもそんな時間は果たして本当に僕の人生においてやってくるのかなぁ。
五ヶ月間休み無しぶっ通しでひたすら働く今の”蟻”の自分は
いつか羽を付けて向こう側へ行けるのか、
僕が心配しているたかが雀の涙程度のギリシャ貯金の
何倍もの崖っぷちユーロをさらっと使って去って行く人々を見ながら
ちょっとだけ凹み、そして同時に野心と野望にあふれている毎日なのです。
さてこちらのリゾート、シェラトンやウェスティンなどのホテルブランドを
世界中に展開する業界大手のスターウッドグループと、
ギリシャの会社なんちゃらスが提携?傘下?共同出資?コラボ?
???とにかく一緒に経営しています。
何故こんなこと皆が知っているかというと、
ここで働く従業員全て、はじめにビデオとホワイトボードを駆使した
レクチャールームで教育係のお姉さんに叩き込まれるのです。
リゾートのロゴがしっかり入ったノートとペンを渡され、
創始者は誰で今のオーナーはこの人!
(2人共ギリシャ人、この人達へのよいしょ度がハンパない)
ホテルブランドのアレコレ、この施設の素晴らしさ!
困ったら助け合い、チーム一丸となって働こうっ!
て感じのまるで自己啓発セミナーばりな
士気上げ講座を90分みっちり受けてようやく写真付きの
職員カードがもらえます 笑
ちなみにユジロスは開始3分でこっくりこっくり。。
部屋の片隅にわざとらしく置いてあるこれまたロゴ入りの
Tシャツやポロシャツ、ビーサンなどなど、
レクチャー終了後に記念でもらえるのかと思い込み
皆で目星をつけていたのに、なぜか僕らの店のスタッフだけは
貰えず。ふてくされ顔でさっさと部屋を後にしました。
何でも僕らの店はいわゆる直接リゾートに属する会社ではないので
ダメみたいです。。
じゃ一丸とか言うなよ〜〜って皆で小学生の文句レベルの暴言を吐きつつ、
中にはどっから持って来たん?っていうぐらいのホテルボールペンを
くすねて来たワルモノ=ユウシャも数人。。
別にダサいし着る気もさらさらないんだけど。
でも記念にどうしても欲しくなってしまうんですよねああいうのって。
そうあの観光地のださすぎるキーホルダーの様に。
そんなギリシャ最新鋭のリゾートに前シーズンから出店した僕らの店も
海に面していて数時間ごとに色を変えるそれを見ながら働けるのは
この上ない幸せです。
ギリシャ全てが、いや世界全てがずっとこの海みたく穏やかで平和だったらな
って思わず願ってしまう、その位広くて、蒼い海。
そしてこの夏は初めて、実家の皆がギリシャに遊びにくるので
奮発してここに招待し、自分も乗っかってリゾートで夜遊びしちゃおうかなー
なんて考えてます。
とここまでこんな風に書くと、どんな素晴らしいリゾートなのかと
お思いになるでしょうが、”従業員側”の視点からみると
またぜんっぜん違う世界が見えて来ます。
今日は長くなってしまったので次回自分の番に、
続き書きたいと思います。
レストランを抜け、従業員用の裏道を抜け、
地味〜な灰色の重い引き扉を開けてそこに広がるもうひとつの
地下巨大施設。
まさに蟻の巣の様に張り巡らされた細い通路と様々な部屋。
無数な蟻が行き交い、適当に挨拶を交わす。
インターナショナルな顔から一気に泥臭いギリシャの顔へ。
裏側潜入です。
筆 タカキス。
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